Web鉄道記事の精度(東洋経済編-3)

精度の悪い記事のチェックはつづく.

情報源: 注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! | 鉄道最前線 | 東洋経済オンライン

4ページ目.次いで,営業に関する話が続く.

儲かっている限り、路面電車は安泰

もうかっているから今の路面電車が残っているのかというと,そうではない.比較的大きな都市で残っていることろは,地下鉄を作るだけの財力がなかったから残ったわけであり,そうじゃないところは路面電車の都市の装置としての価値が認められているから残っているのである.大もうけ出来るから路面電車が残っているわけではない.ついでに書くと,地下鉄やモノレールも,もうかるから建設されているわけではない.

新交通システムやモノレールでは営業利益を得られないとか、建設費を償却できないと見込まれたところが路面電車として存続を許されたのだと言える。

違うんだけど…もうちょっと勉強してね.上記参照.

5ページ目.営業に関する話は続く.

トロリーバスは3336人、…路面電車の旅客輸送密度が3000人を割り込むようであれば、バスに置き換えてもよいという厳しい局面を迎える。

なぜか,トロリーバス.アルペンルートしか日本にはないんだが.動力源が代わると何か変わるとでも思ってるんだろうか??? ジャーナリストなら,もうちょっと都市交通の基礎勉強した方がいいと思う.

続いて,電力消費の話が続く.

 

…にもかかわらず、路面電車はさらによくないのだから深刻な状況とも言える。全線が新設軌道の東京急行電鉄世田谷線では41・2キロワット時と好調であるため、繰り返しとなって恐縮ながら、このような状況を打破するには道路上を走らないようにするほかないのであろう。

「路面電車」が電力消費的に不利なのは,優先信号が実質的に機能していない,駅間が極端に短い,車両が古い,あたりが原因である.礼賛している世田谷線は駅間が路面電車の倍ほどあり,車両は何年か前に全部新型に取り替えている.

欧米のLRTは道路空間の一部を走りながら,この辺の問題はクリアしてますけど…

それから,エネルギーの議論をする際には,自動車との比較が不可欠であり,地下鉄や郊外電車,あるいはバスでは自家用車から客を奪えなかったので「LRT」が注目されてるんですけどね.その「LRT」を基軸に都市交通システムを作り替えて,エネルギー消費の多いライフスタイルそのものを転換しようとしているんですが,電力消費しか見てないのね.(電力需給が気になる東京にいる人の思考過程?)

ちなみに,「路面電車」とバスとでは,エネルギー効率は2−3倍違う.

路面電車は新交通システムとバスとの間に収まる輸送規模に適した交通機関であるというと聞こえはよいものの、バスの輸送力が向上したり、少量の輸送人員でも採算ラインに乗る新交通システムが開発されたりすると、路面電車の存続は難しい。新たなLRTがなかなか現れない事情もどうやらこのあたりにあるようだ。

「鉄道ジャーナリスト」なら,軌道を含む鉄道がどのような機能を都市や地域の中で発揮しているかまで考えて記事を書くべきであり,こういった記事しか書けないのは浅薄な表面の数字しか見ずに記事を書く「経済ジャーナリスト」と何も変わらない.

最後に,「路面電車」の性能が低いことを騒ぎ立てて,別物の交通機関に近い「LRT」にどうして暗雲が立ちこめるんだい? このジャーナリストは「都市交通」「地域経済」「都市環境」「地域経営」とか,そういった勉強もした方がいいと思う.専業なんだよね?