日本の交通施設は質実剛健.コスト重視?
味も素っ気もないものが多い.
海外でLRTが導入されるとき,都市デザインが考慮されている,と紹介されることが多いが,例えばここミュールーズでは架線柱が輪っかである.あっ,いや訂正.
この輪っかは架線柱の機能は無いかも.
日本だと,いろいろ理由が付けられてリジェクトされてしまう案だよね.
LRTでなくとも,日々使うものにはもっとエレガントさがあってもいいと思うんだが,どうかな.そこら辺が豊かさの実感にもつながると思うんだが.
リニア新幹線の「奈良市付近」の駅の位置については諸説あり,北は京田辺,城陽,祝園,生駒市高山,高の原,JR奈良,金魚で有名な大和郡山,そして南は天理.
地質調査をしていたという噂話から,奈良市内ならJR平城山駅付近という話もあるようで,確かにこの辺は東西方向に市街化されていない地区が広がる.丘陵地なので,地震に対してもやや有利である.
都市計画上の土地利用の方針である用途地域を見てみると,何とここは用途地域の指定対象外のようであり,風致地区(自然保護地区のようなもの)だ.しかも大半が第一種.高さ8mまでのようなので,高架橋は無理じゃないかな.切り土盛り土は2mまで.
さらによく見ると,この付近は古墳だらけである.古墳に印を付けてみると,こんな感じで,この東西方向に広がる緑のベルトの南半分は古墳を避けて線路や道路を敷くのは困難そうである.
北半分は古墳こそ無いようだが,奈良なので,単に現時点で古墳等の重要な文化財が発見されていないだけかもしれない.神社の裏山を調べてみると実は…だった,とか.
風致地区の件はクリアしたとしても,工事を始めると「歴史的発見」がいろいろとあるかも.(工事計画としては,「チャレンジャー」かも.)
昨日紹介した「あやしい輝きの地下鉄駅」の上はトラムのターミナルである.
地下鉄駅の自己主張とはまた異なる主張がなされており,こちらは「妖しい」というよりは「かわいらしい」といったほうがよさそうだ.
おや,電車がやってきたようだ.
出発.
日本でも駅に貸し自転車屋が増えてきており,「駅りんくん」などという名前になっている.
ドイツにももちろん貸し自転車はあるが,どこが事業主体になっているか,わかりやすい,
「DB」印の自転車.ドイツ鉄道である.(アウグスブルグ)
鉄道の末端交通が自転車である,という位置づけであろう.日本ももうちょっと増えてもいいと思うが,各自転車が2往復くらいしてもらわないと割に合わないそうな.
そうすると,「土地利用の純化」が進んだ計画的な都市よりも,職住一体渾然とした日本の都市圏内の方が貸し自転車事業には向いているということか.
あるいは,観光地と住宅地の近い場所なども向いているかも.
朝,住宅から駅へ出勤・登校,その後駅から事業所等に駅から出勤,あるいは観光地へ観光客が移動,夕方はその逆の移動で自転車2往復かな.
アウグスブルグ市街にある交通広場.中心繁華街では無いが,トラムやバスなど,いろんな路線が集まっており,ややこしい.
上の見取り図の右上から図の中心方向を見た感じ.
ちょっと引いてみる.自動車交通を禁止にしているわけでは無いので,車道もすぐ側にある.
中心がわから最初の見取り図の右上を見るとこんな感じ.右奥が中心繁華街になる.
見取り図の中心の三角形の広場の内側は売店や券売所になっている.日本の路面停留所には,路上営業の規制が厳しいせいかこういった店舗類は少ないが,欧州の大きなバス停・電停にはこういった施設が多い.
再び,見取り図右上から中心方向.
電停にはバスも発着するので,中心街へはこれに乗ってもOK.
日本の路面軌道はバスと共用のところはほとんど無い(もしかして皆無?)が,客の利便を考えれば,こういうタイプの方が非常に便利である.