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惜しいなぁ〜あと一歩

休日の京都嵐山.

一般車両の通行がかなり抑えられているのだが,完全に止め切れていない.

そんなわけで,多数いる歩行者は依然として歩道上だけしか通行することができず,今一歩,のびのびできない.

休日の午後だけでいいから,完全にクルマ止めちゃえよ.(除くバス)

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連節バスと連結バス

例の「トラム代行バス」だが,よく見ると,「連節バス」で運転されているものと「連結バス」で運転されているものがあるようだ.意味不明なこと言うなって?

これは連節バス.

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これは連結バス.

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違いが分かっただろうか.

「連結バス」は通常のバスに運転席の無い客室だけの車両を牽引させているものである.いちいち運転席の横の運賃箱を通過させる日本では不可能な方式であり,信用乗車方式が導入されている都市だけで許される交通形式だ.

昔の東欧だけの交通かと思ったら,現代の「西」ドイツでも使われている模様.たぶん,臨時運行路線なので連節バスの台数が足りなくなったんだろうと思う.

日本でもこういう形式のバスが許可されるようになれば運転手不足が多少緩和できるかもしれないが,「各方面」の理解を得るのに時間がかかりそう.

#なお,「連結バス」はトレーラーバスというのが正式名称らしい.

 

連節バスはトラム代行バス?

ミュンヘンでトラム16番か17番に乗ろうとすると,工事で運休のようである.ありゃぁ.歩くにはちと遠いなぁ.とりあえず中心街用の3日券をゲットし,運休になっているトラム線に沿って歩くことにする.

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しばらく歩くと,どうやらその運休になっているトラムに沿って,運休になっている系統と同じ番号を掲げた連節バスが走っているではないか.

これはもしかして,「列車代行バス」ならぬ「トラム代行バス」か?

おそるおそる臨時停留所とおぼしきところから乗ってみる.もしあらぬ方向に曲がったら降りれば良い(都市交通の専門家であっても,バスに乗るのは勇気がいるという話はよく聞く).なんてったって「市内3日券」だ.トラムバス地下鉄等々乗降自由.

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一応スペック的には連節バスとトラムの車両サイズはほぼ同じなのだが,明らかに狭い.デカいスーツケースがかなり邪魔だ.

加減速,横方向Gもトラムに比べるとかなり乗り心地が悪い.やはり似て非なるものかな.数分乗って目的地とおぼしき停留所で降車.どうやらトラム代替便であっていたようである.

日本では連節バスのことを「BRT」などと呼んで「LRT」と混同させようとする作戦が進行中だが,本当に「BRT≒LRT」ならば,ミュンヘンではトラムの軌道が引きはがされて「BRT」とやらに変更されていても不思議ではないのだが,さにあらず.

せいぜい運休時の代替品程度の扱いのようである.

高速新線なのにローカル駅がある

ほとんど撮影に失敗しているが…ドイツ南部のニュルンベルクを過ぎてインゴルシュタットまでには高速新線がある.その高速新線をボーッと眺めていると小駅設置されているではないか.

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日本に例えると,「新幹線を走っていたら”保津峡駅みたいな駅”発見」レベルの違和感である.

調べてみると,ニュルンベルクからインゴルシュタットを経由してミュンヘンまでの区間には200km/h運転の快速電車が走っているようだ.

日本に例えると「米原から西明石まで新快速に乗ったら途中は新幹線の線路走ってた」レベルの感じである.

欧州の鉄道では(時々であるが)信じられない高水準のローカル列車に出くわすことがある.200km/h運転はさすがに例は少ないが,160km/h運転はごく当然のサービスだ.

快速電車の120km/hや130km/hで喜んでる場合ではないですよ.

 

じゃぁ,Inter City 「1」は?

Inter City 2」が実は快速列車の色塗り替えバージョン車両だという話をしたが,じゃぁ「1」はどうなのかというと,先頭車両はこんな感じ.

電車? いえいえ,制御客車というやつで,無理矢理に日本風電車的表現するならば「クハ」.電動車は反対側の機関車.ただし,そうすると編成全体では「クハ+サハ+サハ+サハ+サシ+サロ+サロ+クモ」という表現になるかな.

前回も書いたが,この古い車両の列車はなかなか侮れない.

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側面.この写真をクリックして拡大すると,車両下部に「200」「RIC」という文字が見える.国際列車にも使用できる高速対応客車だ.

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線形さえ良ければ,200km/hでかっ飛ばしてくれる.高速新線があれば,もちろんそこを走行する.なので,日本なら整備新幹線クラス相当の地方幹線はこの列車と路線改良だけでことが足りてしまうため,ドイツの鉄道網については「高速新線が少ないな」などと侮ってはいけない.

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長距離客が多いので,車内の「網棚」も通常サイズのスーツケースがそのまま載っかる.

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ちなみに,日本で通常サイズのスーツケースが載っかるのは新幹線の棚くらいで,関空快速の棚に写真のスーツケースを載っけようとしたら,半分くらいはみ出したので,すぐに降ろした(ダメじゃん).

Inter City 2 っって何だ?

ドイツ鉄道の車内雑誌には主要列車の使用車両が載っている.ICE,ICE2,ICE3,…見慣れない車両が載っている.この「Inter City 2」って何だろう?

その答えは翌日やってきた.DüsseldorfからMünsterまでInterCity,つまり長距離急行列車に乗ろうとした.通常はInterCityというと,機関車がこういう古い客車を引っ張ってくるんだが…

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そういうのを期待していたら,こんな列車が入ってきた.車内広報誌で見た「Inter City 2」だ.電車?

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白い色の二階建て車両だ.側面はこんな感じ.

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どこかで見たような,いや,乗ったことがあるような.反対側はこんな感じ.

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んんん? これはもしかして…

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…近距離急行列車,というか快速列車の色塗り替えバージョンじゃないか.RExxxxとか,そういう列車番号のやつね.格下列車の車両を使い回してるわけやね.昔のエーデル鳥取みたいなもんか?

なお,車内のイスは一応取り替えている模様,と思ってたら,よく見るとRExxxxの車両のイスも新しいのに交換してあるので,KeyPointはそこでは無さそう.

飲み物の車販があることと,車内にこういう表示器があることくらいしか違いが無さそう.

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一応160km/h運転するので,新幹線のこだま号程度のサービスレベルには達している.それから,一番最初の写真のInterCity用の古い車両は200km/h運転対応だったりするので,侮れない.

レールパスの有効範囲

ヨーロッパに行くとき,例えば「ユーレイルパス」などを買ってゆくと乗り降り自由で大変楽である.

グローバルパスが一番制約が少ないが,その分値段も高い.訪問国が少ないときには2−3カ国だけ有効なセレクトパスなどを使って費用を節約することもある.

さて,今回の欧州調査は英国とドイツが主な訪問国であるが,英国からドイツに行く場合でこういう行程だとどうなるだろう.

Birmingham(英)→London(英)→[仏]→Bruxsells(ベルギー)→Köln(独)→Düsseldorf(独)

ユーロスターは英国からベルギーに行く便の場合はフランスを通過する.それからベルギーからドイツまで行くには当然ベネルクスを通る.

ということで,普通なら英国,フランス,ベルギー,ドイツの計4カ国分のレールパスを準備するか,パスとは別に列車を手配する必要がある.

ところが実は,パスは英国のパス(ブリットレールパス)とドイツのパス(ジャーマンレールパス)で済む.

Birmingham(英)→London(英)…これはブリットレールパスで乗れる
London(英)→[仏]→Bruxsells(ベルギー)…これはブリットレールパスを持っていれば格安でユーロスターに乗れる
Bruxsells(ベルギー)→Köln(独)…ここがミソ
Köln(独)→Düsseldorf(独)…これはジャーマンレールパスで乗れる

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「ここがミソ」と書いている部分は,最近になって特定の列車に限りジャーマンレールパスで乗れるようになったようだ.つまり,Bruxsells発の「ICE」だけジャーマンレールパスが(最近)有効になったようだ.(広島工大の先生が「発見」)

これも上下分離の一種の恩恵か?

なお,ドイツまでしか有効でないパスを使ってデンマークまで夜行列車に乗ったこともあるので,ここ以外にもパスの有効範囲の例外はいくつかあるようである.

時間が有り余っている&体力に自信のある人はジャーマンレールパスだけを使ってロンドンからドイツまで旅行する方法もある.

相互乗入れ欧州の場合

ヨーロッパでは都市間鉄道の場合でも線路の保有と列車の運行が上下分離されているので,例えば英仏間(+ベルギー)ならユーロスターを運行する専用の会社があったり,仏独(+ベルギー+オランダ)にもタリスという専用の会社があったりする.

専用会社ではない場合にはTGVやICEのように中心となる国の列車がそのまま片乗り入れするケースも少なくないが,中にはこういうケースもある.

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「NS」マーク付きのICE.オランダ鉄道(旧国鉄)の所有するICE車両だ.ケルンからアムステルダムまでを結ぶ路線で見られる.(写真はケルン駅)

車両を両者で保有して,相互乗り入れの形態になっているわけで,日本の相互直通運転と似たような感じになっている模様.

Virgin Train

エジンバラからバーミンガムまで,約4時間の汽車旅である.英国鉄が解体されて,もうワケの分からん状態だが,とりあえずブリットレールパスは特に何でも乗れるようだ.

9時ちょっと前の西側まわりロンドン行き特急.電化区間なのに,なぜか5両編成のディーゼル特急だ.英国鉄系ではなくて,車体にはこう書いてある.

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レコード屋さんではありません.今や立派な交通事業者.

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1等車のチケットを持っているので席に着こうとすると,こんな感じ.食堂車ではありません.

チケットのチェックが済むとすぐにコーヒーを注ぎに来てくれる.ジュースもいるかと聞かれるが,コーヒーだけでいいと返事する.コーヒー代はチケット代に込み.

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さらにしばらくすると,今度は国際線の飛行機のようなメニューを持ってきて,選べという.朝食だ.軽食だ.

オムレツを頼むと,サーモン入り,スモークサーモン入り,なしを選べという.えっ? まさかの車内調理? 「なし」を選ぶと,クレッソン入れてもいいか,と聞いてくる. えっ? やっぱり車内で調理???

待つこと20分ほど.運ばれてきた.

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ううううう〜んん.

東洋の島国では,車内販売を廃止して護送車のような列車運転してるんだってねぇ?

さらにその後,飲み物のお代わりはいるか? バナナやパンケーキはいるか? 再び,飲み物のお代わりはいるか? …

バーミンガムに着くころには,お腹たぽんタポンである.

なお,バーミンガムに着く直前にはコーヒーカップとグラスを新しいものに取り替えに来たので,そのままロンドンまで乗ってゆくと,お昼ご飯も出てきたかも.

英国は十分に「おもてなし」の文化があると思った.(一方,「おもてなし」をPRしている国では…)

トランジットモールの定義について考えさせられる

エジンバラのPrinces Streetの様子.

奧から,公園,歩道,バス/タクシー専用レーン,バス/トラム専用レーン,バス/トラム専用レーン,バス/タクシー専用レーン,歩道,店舗.

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「トランジットモール」の定義に従うと,ここは公共交通と歩行者だけの通行を許した街路なので,トランジットモールである.しかも約900mもある.

Edinburgh

…だが,だ.

トランジットモールに期待される機能としては,公共交通をスムーズに通すだけでなく,歩行者の視点で市街の分断が解消されていること,自由に街路の向こう側にわたれること,であったはず.

ところがここは,歩行者の横断は信号のある交差点のみが原則で,しかもバス交通が多いもんだからなかなか歩行者用信号が青にならない.

これって,トランジットモール,なのか?

なんだか,単なる長いバスをBRTと称している某国の街路&交通部門が「これはトランジットモールだ」と言って真似しそうで,やだなぁ.