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剛体架線

近鉄に乗って名古屋から大阪へ.最大の難所が青山峠で,長いトンネルがある.かつては旧トンネルで大事故があったところだ.さて,そのトンネルを出たところで気付いたんだが…架線が変である.

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なんだか,一番下の電線が妙に太い.どうやら剛体架線だ.トンネル部分といえども,地下鉄でも無い限り通常の電線が張られるのが普通だが,ここは地下鉄と同じ剛体架線だ.

地下鉄の架線はこんな感じ.太い電線,というよりは鋼材1本で済むので,地下鉄でよく使われる.電線ではないので切れにくい.ただし「剛体」なのでパンタグラフには合わせてくれず,離線しやすい.そんなわけで地上を走ってきた電車が地下鉄線相当の路線に入る前にパンタグラフを追加で上げたりなんかする.それが近鉄では普通のトンネルで使われているようだ.

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この剛体架線,トンネルを出てすぐに普通の電線になるので,なかなか気付きにくい.
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なお,基本的には地下鉄くらいでしか見ない剛体架線だが,時速200km運転用のものも開発されつつあるようで,将来的には大深度地下トンネルを使うような新幹線が建設されるようになった場合には使われるのかもしれない.

 

 

歩道橋から電停へ

あべの橋界隈の再開発.阪堺線もリニューアルされつつあるが,気になるのはこの電停.

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地下道は整備されるようだが,歩道橋からのアクセスが無さそう.一応,この完成図をよく見ると,歩道橋からのアクセス階段が書かれているようにも見える.

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もしかして,この小さな出っ張りがその準備工事???

 

阪堺電車あべの橋界隈の様子

大阪のあべの橋界隈(JRの駅は,天王寺,阪堺線の電停も天王寺駅前)で再開発が進んでいるが,阪堺電軌軌道の線路もリニューアルされつつある.

元々の電停は,こんな感じだが…

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(まだ出来ていないけど)こんな感じに.

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最も印象が変わるのは,やはり緑化軌道か

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ついに大阪にも緑化軌道がやってくるのか.

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元々の軌道の状態がこんな感じなので,その差は格段に大きい.

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さてさて,路面電車の軌道工事というのは滅多に見られないので,よく観察してみよう.緑化軌道の芝生は下の写真のような普通の線路の上にスポッとはめ込むような形で置かれているようだ.

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そんで,この軌道が作られる前はというと,整地された路盤.この上にインターロッキングを並べればそのまま歩道になりそうである.

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さらに,その整地された状態の前はというと,古い舗装の単なる道路.つまりこの状態から順に写真を上にたどって行くと,きれいな緑化軌道が出来上がるというわけだ.

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そんなに難しい工事でもないはずなので,もっと緑化軌道があってもいいなと思う.

 

車イス対応のエスカレータ

なかなかお目にかかれない「車イス対応のエスカレータ」の稼働状態.

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2段セットでせり上がり,もう一段が斜めになる.さらに車止めまで飛び出す芸の細かさ.

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上から見ると,こんな感じ.

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バリアフリー施設なんだけど,駅員に頼んでおかないと,その場で「ボタン一発」というわけにはいかないんだよなぁ.

相変わらず複雑な軌道だな

パリのメトロだが,相変わらず足下の軌道がにぎやかである.これもひとえにゴムタイヤが付いているせいだな.

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外側から順に給電用の第三軌条.ただし,日本の地下鉄の第三軌条はホームから離れた方だけの片側にしかないが,ここは両側にある.線路に落っこちて触れようものなら感電死か?

次は一番目立っている走行路.車両にはゴムタイヤが付いているので,ゴムタイヤが走る部分が必要だ.わざわざ鉄製の走行路をマクラギに取り付けてある.

さらに内側が,ようやく通常のレール.鉄輪もあるのがパリのメトロ.ゴムタイヤを付けた方が乗り心地が良くて加減速も良くなると言うのがこのシステムの特徴らしい.確かに加減速は割と良いようだが,ここまで複雑にするほどのメリットがあるのかな? 鉄輪だけで十分じゃないのかと,毎度思う.

地下鉄,というよりは,地下も走る一種の新交通システムだな.

 

LRVの運転席のボタン考察

ルマンのLRVの運転席のボタンを観察してみよう.

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見える範囲では,左上と右側だな.

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まずは左上.速度計は80km/hまで目盛りがあるが,70km/h以上はレッドゾーンのようなので,70km/hまでが常用域か?その左のレバーは前照灯のハイビームとロービームの切り替え用のようだ.

オレンジ色のボタンのうち,下のボタンは○に()が付いていて,制輪子のように見えるので非常ブレーキか? △は自動車のハザードランプにも付いている記号だ.

上の「V!」は何だろ? 電気関係っぽいがよくわからない.だが,下のボタンが非常制動で「当たり」ならこっちも同種のボタンだろう.とすると「電源断」か?

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さて,今度は右側である.こっちはボタンだらけだ.

右上はわかりやすい.信号機マーク付きなので,優先信号を作動させるボタンだな.その左側とさらに左側は分岐器の左右を決めるためのボタンだろう.

二段目にゆく.右側の白いボタンは何か文字が書いてあるが,読めないので昨日不明.そん左側のオレンジ色のボタンは,ドアっぽいイラストに内向きの矢印なので,ドア閉だな.その左の赤いボタンは指で隠れていて見えない.ずっと左の白い「i」のボタンは何だろう.車内アナウンス関係か?

三段目だ.オレンジ色の右向き矢印は方向指示器ランプか? その左の緑色のボタンはドアの図で外向き矢印なのでドア開か? その左は手で隠れて見えないが,赤いハザードマークのボタンが見えるので自動車のハザードランプと同じ機能かな.

一番下,手元付近のオレンジ色のボタンは再びドアの図だが,今度は閉まった状態の図だ.左右のドアの接触部上方に何か矢印のようなものが描かれている.ドア関係で残る機能と言えば,ドアのロックか? 欧州のLRVのドアは,客がドアのところでボタンを押せば開けることができるが,出発準備ができるとそのボタンが無効になる.その操作用のボタンだろうか.

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液晶パネルにもいろいろ書かれているが,これの解読はまた後日.

(しつこいですが)ラスト・ワン・ステップ

何度も同じ話ですいません.(大事な話なので)

フランスのナントの路面電車.低床電車のパイオニア的電車であり,今や古い部類になりつつある.

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電車の床は低くなっており,ホームとの間には上下方向の段差はない.だが,隙間はある.そこで…

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可動式の板を出して,隙間を埋める.これなら車イスの一人移動でも問題なし.介助者なしでもOK.気軽なまちなか移動の実現!

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横から見ると,こんな感じ.

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日本では,交通バリアフリーが注目されるようになって早15年.街の中はバリアフリーになり,段差が少なくなってきて,ホームまでは楽々移動.

ところが電車に乗り込む際に最後の一段が待っており,駅員を呼ばないと一人では何ともならない.

心のバリアフリーはなかなか解消しない.解消したのは大阪モノレールくらいか?(結構実現は大変だったらしいが)

なお,ナントの最新式電車はもうちょっと進歩しているようであり…

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わざわざ板を出さなくても隙間が極小になるように車両設計がされている模様.

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横から見るとこんな感じ.

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日本はというと,LRTについてはもはや周回遅れの状態で残念だが,ラストワンステップの方は存在が日本でも認識されてきたようで,車両とホームの間の隙間や段差を最小化すべく,軌道やホームの調整をする鉄道会社が徐々に増えてきている模様.

 

マクラギはレールの下にあればいいわけです

軌道の構造としては,レールの下にマクラギがあり,レールからの荷重を道床に伝えるとともに,左右のレールの間隔を保つわけだ.

じゃぁ,左右の間隔が別の方法で保てれば,荷重を伝える機能だけあればいいということになるわけで,そうすると…

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まぁ,別に長手方向に敷設されていてもいいワケで,ハシゴ状で無くてもいいワケで.フランスのボルドーからナントに向かう路線の鉄橋.

どこかで見たなと思ったら,これと基本的に同じだな.明治村に保存されている六郷川鉄橋.

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ただ,この六郷川鉄橋の方はマクラギの下に何も無いので荷重分散になってないかも.

 

車両基地

LRTの路線図に載っていない線路が分岐しているのを発見!

これは,もしかして…

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向こうから来た電車の表示は「SANS VOYAGEURS」,英語風に書くと「Without Passanger」,つまり回送.いよいよ怪しい.

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陸橋は2車線道路に無理矢理軌道を敷設したような妙な構造.

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その先に,あったあった.車両基地.

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トラムがいっぱい.

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一般人が入れるのはここまで.なかなか車両基地って入れないんだよねぇ.(…と言いながら,ふと気がつくと入れてもらった車両基地は結構あったりして.)

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架線がないとやっぱりスッキリ

歴史的景観地区でLRTの架線集電をやめて,バッテリー駆動や地表集電を採用している例はあるが,こんな場所でも架線がないとスッキリする.

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橋の上.

日本でも,橋の上まで電線が通っているところは少なく,架線を使わないと河川景観も向上する,という例.