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リニアめ〜駅

ビル工事だらけの,め〜駅こと名古屋駅周辺.当然,リニア新幹線の開業を前提としたものになっている.そして,このビルの真下がリニア新幹線の「め〜駅」のようだ.

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外観は他のビルに比べて特に目立つというわけでは無い.

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だが,そのビルの名称は「名古屋駅新ビル」.つまり,新しい名古屋駅ビルということだ.ビルはリニアの真上にあるとともに,名鉄線の上でもあるのでその関連工事も行っているようだ.

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ビルそのものはほとんど完成しているように見えるが,1階部分には開口部があり,そこから工事車両が出入りする.どうやらここが地下のリニア駅本体工事の出入り口のようだ.リニアの線路(駅)もこの開口部のほぼ真下のようである.

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来年4月には駅ビルは部分営業開始.

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「森永キャラメル」は今や昔.すっかりイメージが変わってしまっている.大阪の皆さーん,リニア大阪開業8年前倒しで喜んでる場合じゃないですよ.8年前倒しでも,「10年も遅れる」わけですから.

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なお,リニアめ〜駅には難点もあり,周辺は存外海抜高度の低い低地である.現地人は必ず「えっ,めー駅の地下? あんなところで大丈夫?」という地区であり,水没被害が出やすい地区だ.

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品川も新大阪も,低地だね.ちゃんとサブターミナルのことを考えておかないと,「肝心なときに役に立たないバイパス」と言われかねませんよ.

(上の写真の海抜は「リニアめー駅」のほぼ真上のコンビニ)

自民公約5年で30兆円投資リニア延伸前倒し

こういう記事があった.

 自民党は3日、7月の参院選へ向けた公約を発表した。日銀のマイナス金利政策を活用して、官民合わせて5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる。 民間では困

情報源: 自民が参院選公約 5年で30兆円投資、リニア延伸前倒し  :日本経済新聞

「5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる」がほんとなら,ものすごいことだ.

整備新幹線,リニア,新幹線の基本計画線,その他幹線の改良など,全部合わせても40兆円ほどでできてしまったと思うので,30兆円も投資するなら,幹線鉄道がらみの懸案事項はすべて解決.

…といけばいいのだが,たぶん,総額30兆円の投資で,その一部がリニアや整備新幹線の建設費にまわるというものだと思う.

記事本文を見ると,奨学金の話や開かずの踏切対策なども列挙されており,これら以外にも投資先はあるのかな.目立つ新幹線を標題にしただけという,やや精度の低い記事.

なお,財投債は返済を前提としたものなので,いわゆるプライマリバランスには影響しないらしい.

続・新幹線札幌駅の件(駅の西側編)

札幌駅の件の続き,今度は西側(小樽方)である.

西側については,駅の高架と南側の建物の間には少しだけ空間があり,かなりがんばれば線路1線程度は建設できそう.

駅の真ん中の南側あたりから西を見ると…

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駅の西端南側から東方向を見ると…

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いちおう,1線程度は建設できるが,奥(東)には建築物があり,この建築物を除去しないと十分な長さのホームが建設できない.

下の写真のように駅のさらに西側には空間の余裕があり,道路の上部空間が使えないこともない.道路奥に見える緑道までは約270mであり,10両編成の電車がギリギリ収まるレベル.

下の写真の左側のビル群は,手前から奧へと順に,郵便局跡の再開発ビル?,JRの関連会社のビル×2,という構成.副業ばかりに目が行って,本業の将来展望が無かったか?

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線路は何とか作れるが,電車の留置線は駅の東方に作るしか無く,やはり1番線は転用せざるを得ない.

駅の東方にホームを作るよりは,西の方が地下鉄までは近いが,程度問題であり,地下鉄への乗り換えや在来線への乗り換えは不便そう.

ということで,ここもあんまり便利な立地にはならない.アカンやん.

 

【祝】ゴッタルトベーストンネル開通

ついに,スイスのゴッタルトベーストンネルが開通した模様.

 スイス・アルプスを南北に貫く全長57・1キロの「ゴッタルドトンネル」が1日、開通した。日本の青函トンネル(53・9キロ)を抜いて世界最長の鉄道トンネルだ。開通式には、スイス政府首脳や、近隣のメルケル…

情報源: スイスに最長の鉄道トンネル開通 青函抜き全長57キロ:朝日新聞デジタル

ということは,3日前に通ったこのトンネルは「世界最長トンネル」の”最後の姿”だったということか.

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実はスイスは新幹線相当の線路がほとんど無い国であり,その中でもまとまった高速新線相当になるのが今回のゴッタルトベーストンネルである.

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何で「ベース」という名前がついているかというと,通常はトンネルをなるべく短くするために線路は山を登って,いよいよ登れなくなると最小限のトンネルを掘る,というのが基本だ.だが,この「ベース」トンネルは山のベース,つまり,下の方をわざわざ長いトンネルで抜けており,山を登らずになるべく緩やかな勾配で山地を抜けることを目的として建設されている.つまり,実は貨物列車対応のトンネルなのである.

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スイスの自然豊かなアルプスを自動車の公害から守るため,鉄道貨物を通しやすくしたわけだ.

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日本も環境対策を前面に押し出して鉄道建設した方がいいかも.

リンク先の記事には,貨物列車優先だという話は書いてあるが,その背景政策までは追い切れていない模様.

続・新幹線札幌駅の件(駅の東側編)

札幌駅の東側,つまり旭川方に出てみる.

下の写真は右側が駅の高架橋,左側がホテルに併設された駐車場棟である.近接しており,その間はせいぜい1メートル程度.このままじゃぁ何も設置できない.現1番線を新幹線に転用して,ホームを南に設置し,これらの上階に新幹線の線路とホームをさらに設置するのは難しそう.

何でこんなアホな設計したんや? 本当に新幹線が来るとは思ってなかったんだろうな.

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下の写真は駅東側の線路に隣接する空き地である.今は駐車場として使用されている.

中央奥の茶色のマンションまで約370メートルあるので,10両編成の新幹線は十分収容できる.現在の1番線を上下線共用の本線としてこの空間への出入りに使うのなら(名鉄の新岐阜駅のような感じ)さほど問題は無さそうだが,在来線のホームや地下鉄までが遠い.

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東側はアカンな.

続・新幹線札幌駅の件(1番線2番線編)

北海道新幹線札幌駅の件である.札幌までやってきたので,観察してみる.

まずは,1番線と2番線を新幹線に転用できるかという点.長距離列車のターミナルのホームとしては,やや幅員が狭い感じもするが,まぁ,何とかなるレベル.

線路については,軌間が異なることと,車体サイズが異なることへの対応が必要だ.スラブ軌道になっており,青函トンネルのように新幹線軌道の敷設を前提としたスラブ(コンクリート板)では無いので,スラブは交換が必要.写真右側(南側)には余裕がありそうなので,まぁ,これも何とかなるかな.

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小樽方.ホーム西側に出ればすぐに南側ビル群の制約が無くなるので,新幹線の線路を南側にカーブさせれば問題無さそう.この鉄骨の柱は屋上駐車場のものか? 邪魔だなぁ.

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2番線は3番線と近接しており,在来線と新幹線とで建築限界が交錯しそうだ.線路中心を2番線側に寄せる方向で,2番線のホーム端を40cmほど削れば何とかなりそうだが,やや苦しいなぁ.できれば2番線はそのままにしたいところ.

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ということで,1番線2番線の新幹線を転用することは物理的には何とかなりそう.できれば2番線の転用は避けたいところ.

しばらく札幌駅のホームで観察していると,この駅,各方面の終点になっている関係もあり,列車がホームをふさいでいる時間が長い.中には,ホーム上で増解結している列車まである.

関西方面でいうと,京都駅や大阪駅,あるいは新大阪駅のホーム上で増解結や車内清掃をしている列車は(関空特急や山陰特急を除いて)あんまり無い.

在来線が忙しいので…というJRの説明のようだが,改善の余地はありそう.

いやそれ以前に,1番線2番線て,現時点で既に割とヒマでは無いかな?

(つづく)

あの渡島大野が新幹線駅に

北海道新幹線の現在の終点は「新函館北斗」駅だが,ちょっと前まで「渡島大野」と名乗っていた.その時の様子はこちら.いちおう,After編である.

まずは,新幹線の線路の終点であることを確認.確かに今はここで終わり.

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改札を出て,右に曲がる.

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在来線ホームの上に出てみると,ホームがまっさらに更新されている.だが,まだかつての面影がある.

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向きを変えて,正面に出てみる.かつての駅舎からは想像もできないくらい立派だ.

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駅前広場も整備されており,駅を出たら田舎の風景が広がっていたのは今は昔.

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では,今度は反対側の駅前広場に行ってみよう.かつての渡島大野駅は西側にしか出られなかったが,新函館北斗駅には東側駅前広場も整備されている.

こっちは何にも無いが,小ぶりながらきれいな駅前広場が完成している.一台停まっている車の向こう側で何かがうごめいている.何かな?

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ん?

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う,馬だ.野良馬?

なんだか,ちょっと安心した.

青函トンネルを新幹線で通ってみた

例の出張の日になった.列車は東京駅を出る段階で全席完売の盛況ぶり.どうやら私は団体客の多い車両の空き席に収まってしまったようだ.完全に観光列車状態.チョコあげようかとか言われたりするワケだな,これが.

新青森を出ると北海道新幹線区間に入るが,どうも遮音壁が多くて景色があまりよろしくない.せっかくの車窓が,壁だらけ.

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新青森から新函館北斗までは約1時間であり,概ね毎時1本運転されているので,この区間では2度新幹線とすれ違う.

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中小国の信号場で在来線と合流する.

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ここからしばらくは狭軌と標準軌の三線軌だ.残念ながら,速度はずいぶん遅い.在来線特急なら「がんばって走っている」レベルだが,新幹線としては「徐行?」というレベル.

車内放送でいくつかの小さなトンネルの後,青函トンネルに入ることが告げられた.その直後に「奥津軽今別」に停車したので,「あら,もう北海道? 早かったわね.」などと隣の席の観光のおばさま方がのたまわってらしたが,この直後,現実を体験することになる.

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時速約140キロで青函トンネル突入.スピードはもちろんずっとそのまま.トンネルを通過するための所要時間は約25分.

例の観光おばさま方,「えっ! ・・・」・・・ゴォーーーーーーー

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ゴォーーーーーー.竜飛海底駅と吉岡海底駅も非常用設備として稼働中の模様.

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ゴォーーーーーー.トンネルの中では,新幹線と1回,貨物列車と1回すれ違った.

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ゴォーーーーーー.30年ほど前に初めて快速「海峡」で通過した際には,全4名のうち2名は途中で意識不明.青函トンネル恐るべし.あの時は140キロも速度は出ていなかったので,40分近くかかったと思う.それを考えれば速くなったものだ.

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ゴォーーーーーーッ.やっと出た.例のおばさま方「・・・・・・」

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新幹線で北海道上陸!

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木古内手前で在来線と分離して…

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木古内からさらに15分ほど走って,新幹線の車庫が見えたら終点.

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現時点では,ここが新幹線の北限.

 

 

複線化を→話進まず

大都市から離れると,線路際でよくこういったスローガンを見かける.

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日本全国で複線化や電化を目指している鉄道線は多い.

じゃぁ,(米国はダメダメだが)欧州はというと,余程でない限りローカル線であっても複線化や電化はほぼ実現されている.少なくとも特急や急行相当の列車が走っているようなところで単線非電化にはお目にかかったことが無い.

この差はどこから来るかというと,ほぼ「カネ」である.ちゃんと財源が確保されているということ.日本でいうところのガソリン税相当の税金がちゃんと公共交通に還元されており,ローカル線の複線化・電化・路線改良・新車購入といったインフラ投資にまわっているのはもちろんのこと,日々の運営費にも資金が投入されている.

一方,日本ではガソリン税は「自動車ユーザー」という名のニアリーイコール国民の利用する道路投資にまわされていた.その道路すら,今や一般会計を通して投資されるようになり,ガソリン税は単なる普通の税金になってしまった.

インフラ投資しないと,後々困るぞ.いつまでも使えると思うな,何とやら.

なお,JRに期待する声は多いが,近年JR各社が自ら進んでローカル線に単独投資した事例はほとんどない模様.

名阪間をまっすぐに…

最近発売になった雑誌の特集号を見ると,リニアの名古屋以西のルートに関し,鉄道会社のトップが”名阪間は真っ直ぐ”と言っている.

(1) じゃぁ,真に受けて,真っ直ぐ線を引いてみよう.こうなる.名古屋駅-新大阪駅間,135km.「奈良付近」は京田辺/新田辺あたり.

名阪最短135km

(2) 三大都市圏以外では1県1駅が原則らしいが,以前から滋賀県には駅はできるという話は聞いたことがないので,滋賀県域に入らないようにすると…名阪間138km.完全な直線に比べて+3km.余分にかかる時間は約20秒.まぁ,”誤差の範囲”か.「奈良付近」は祝園あたり.

名阪滋賀回避

(3) 京都駅をまわることは遠回りだという認識らしいが,経由させてみると…名阪間145km.完全直線+10km.余分にかかる時間は,通過する場合で72秒.まぁ,大したことない.停めると,さらに+数分.停めるか停めないかが大きそう.

名阪京都経由

(4) 南限は大和郡山を経由する場合で,名阪間は146km.京都経由とほぼ同じ.直線+11km.余分にかかる時間は通過する場合で,80秒.これもまぁ,大したことない.けど,これって,数字以上に結構大回に見えるな.

名阪郡山経由

(5) 名阪間をなるべく直線で結びながら,なるべく沿線府県数を減らすために京都府と滋賀県を通らないようにするとこんな感じか.名阪間143km.余分にかかる時間は58 秒.まぁ,大したことないな.「奈良付近」は平城山あたり.

名阪京都滋賀回避

ということで,真に受けて真っ直ぐ線を引くと奈良には寄らないことが判明(…って,昔から知られてることで,鉄道評論家の本にも京田辺駅が登場するけど).

それから,京都駅経由が遠回りなら大和郡山経由も遠回りだと言うことが判明.でも距離的にはどちらも大して遠くは無い.ということは京都駅を通すと停めざるを得なくなって通過させる自信が無い,ということかな.

(ま,京都駅はそのままにしておいて別駅を新設した方が自社沿線地域の面積が広がるのでウハウハ,とか思ってそうだけど,長期的には「アレぇ?こんなはずじゃぁ…」と思うことになりそう,その件は,またいずれ.)

本命は(2)か(5)あたりか?