単線で走りながらすれ違うには,一体どれだけの長さの複線区間が必要だろうか.
単線の途中に複線区間を作り,そこに両側から同時に電車が進入したとする.
- 「単線→複線」の分岐器を通過し,進入完了を検知しての分岐器を転換
- すれ違い
- 「複線→単線」の分岐器を通過し,進出完了を検知して分岐器を元に戻す
理想通りならこれだけなので,分岐器から進入完了を検知する地点までの距離の2倍ほどもあれば十分で,新幹線でも複線区間は2-3kmであろうか.分岐器の速度制限があると,その分,減速しないといけなくなるので,さらに数km伸びることになる.
だが,もしも片方が遅れていたりすると…
- 「単線→複線」の分岐器を通過し,進入完了を検知しての分岐器を転換
- すれ違……わない
- 対向列車が遅れているので「複線→単線」の分岐器が開通しておらず,この分岐器の手前までに減速して停車
ということになるので,今度は安全に停車できるまでの距離が関係してくる.
新幹線の運転速度を260km/h,分岐器の制限速度160km/h,旧式のアナログATCを前提に考えてみると,こんな感じだろうか.
さらにブラッシュアップすべき点はいくつかあり…
- アナログATC→デジタルATCとすることで,減速距離を短縮
- 進入完了を検知するまでには4閉塞も必要なく,1閉塞で十分
- 複線区間に入ってから減速しているが,減速してから複線区間に入れば複線区間を短縮できる
…あたりかな.それについては,またいずれ.たぶん,複線区間である信号場の長さは半分〜1/3くらいになるはず.
で,話を大本に戻すと,国会の質疑で登場した「暫定の単線新幹線」とは,この図の信号場を前提とした路線のことだろうと思う.