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ミニ地下鉄

ミニ地下鉄という地下鉄がある.交通システムの教科書では,中量輸送機関に分類されている小型地下鉄である.
地下鉄は地下を掘るため工事費がかさむが,同じ掘るなら掘る用が少ないほど工事費が安くなる.少しでもトンネルのサイズを小さくするために,通常型の地下鉄でも,屋根上の集電装置ではなくて第三軌条という三本目のレールを使って集電している.
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電車だけれども屋根上スッキリ.
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さらにトンネルを小さくするために,電車そのものを小さくし,床下の車輪も小さくするために通常のモーターでは無くて平べったいリニアモーターを使っている路線も多くなってきている.ホームの高さが低い.
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もちろんトンネル径も小さいのだが,ミニ地下鉄が建設されるのは通常型の地下鉄よりも深いところであり,割安ではあるものの,建設費の絶対額は余りやすくはなっていないのが悲しいところ.
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このミニ地下鉄はレール間のリアクションプレートが必要だが,レールは通常のレールなので,工夫すれば通常型の地下鉄路線への乗り入れもできるんじゃないかなとも思う.ホームの高さが通常のものとは違うので,ホームに段差をつけないといけないが,大阪市営地下鉄千日前線のように半分くらいホームが遊んでいる路線ならホームの前後で高さを変えればいいかも.集電装置が必要だが,通常型地下鉄と同じく,台車に付けてしまえば何とかなるかな.
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今里筋線を千日前線に入れてしまえ,という,いささか強引なお話し.

この踏切に引っかかると留年

ほんとかどうかは知らないが,この踏切に引っかかると留年したらしい.
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大阪市立大学のすぐそばにあった,貨物線の踏切である.今はもう無い.滅多に列車が通らないので,その希有な列車に引っかかると留年する,という都市伝説があったらしい.
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大阪から南に延びる阪和線と,東に延びる関西本線とを都心を迂回しながら結ぶ路線であった.南方面,つまり,和歌山方面の貨物列車が無くなった後は,回送列車がたまに走るくらい.その回送列車も天王寺駅構内に阪和線と関西本線とを結ぶ短絡線ができるとそちら経由になり,用が無くなって廃線になってしまった.
0602OCU-65単線分しか用地は無いが,人口密集地帯を通っているので都市交通施設の用地として活用できそうである.LRTとして使えそうでもあるが,簡単に済ますなら,少なくとも日本式の自称BRTくらいの整備はできそうである.

TGVでもLA POSTE

パリ市の外周部を走るトラムに乗っていると,SNCFリヨン駅の南側,ベルシー駅よりもさらに南側にあるTGVの留置線のすぐ近くを道路併用の跨線橋で超える...
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ここですね.

その留置線に,何かいる.真ん中のは(ちょっと古いが)普通のTGV.その向こう側に見慣れない色のTGVが留まっている.
IMG_9683黄色いTGVにはSNCFというマークだけでなく,「La Poste」とも書いてある.郵便物専用のTGVである.前後の機関車の間に8両の客車・・・じゃなかった,郵便車がはさまっており,窓はない.
IMG_9700フランスの郵便と鉄道の関係というと,トラムよりはこっちの方が有名である.日本でもできる施策なのだが,全く動きがない.飛行機で郵便物を運ぶよりCO2排出が少なくなるはずなのだが,やはり日本人は知恵が少ないのだろうか.

鉄道後進国ニッポン(気動車1両でも140KM/H)

もう,段々感覚が麻痺してきたが,フランスの超閑散線区向け気動車1両編成列車.通称マッコウクジラとかシロナガスクジラ,と言うらしい.
IMG_7099日本ではローカル線の気動車は85km/hだとか95km/hだとか言ってたと思うが,こちらは130-140km/hくらいで巡航している.もう,なんだか基礎体力が違いすぎる.「日本の鉄道は世界一」とは,恥ずかしくて言えない.

トラムでLA POSTE

La Posteというと,フランスの郵便である.鉄道がらみではTGVを使って郵便物の輸送をしていることで知られているが,ナンシーのゴムタイヤトラムに乗ると,こういう人が2人乗ってきた.
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La Posteと書かれた肩掛けカバンとともに,同じくLa Posteと書かれた,ベビーカーに似た,というかご高齢の方がよく持っている歩行器兼キャリーバッグの大型版を押して入ってきた.
しばらく乗車してから降りていった先には当然ながら郵便局があり,どうやら集配にトラムを利用しているようである.
IMG_6788その後,Rouenのトラムでも見かけたので,ここだけでは無いようである.

フランスあるある(その1)

日本は発想はともかく,維持はできる国である.だが,発想はすばらしくてもそれを維持することが不得意な国も多い.フランスはおそらく後者.

  • 機関車牽引列車は,たいてい機関車の調子が悪い
  • 列車の出発準備は,発車直前に始める.そして発車時刻になっても準備は続く.
  • 始発駅なのに5分遅れ.その後も,大きなトラブルがないのに,じりじり遅れて終着駅には20分遅れ.
  • でも,その遅れた列車を待っているTGVがある.(320km/h運転は意味あるのか?)
  • 普通列車でも140-150km/hで運転されているが,大きな駅の手前では入線待ちで5分ロスする.
  • 列車の遅れの原因は,客がぎりぎりに乗車しようとすることが原因だと思っている.発車2分前には乗れという警告文があり,駅や車内アナウンスがある.30秒前には車掌は笛を吹き,ドアを閉めようとし始める.でも遅れる.
  • 通勤電車のドアは,壊れて開かないことがある.
  • LRTの電停でチケットを買うと,レシートだけ出てきて肝心のチケットが出てこない.
  • 自動券売機があっても,券売の有人窓口があると,列が長かろうが並ぶ.
  • その頼りの窓口が閉まっていると,5分だけ乗車するために10分間券売機の列に列ばなければならない.

まだまだ,あるかも.

TGV6866

日本の新幹線と違って,独仏のICEやTGVは必ずしも大都市間だけを結んでいるわけではない.そういう列車は朝晩の計2本しかない,などということも多く,走行経路も変である.今回のフランス訪問は,そういう列車の存在なくしては成立しないスケジュールで,ディジョン→ナンシーを午前中に移動することが必須であった.
乗車した列車は,TGV6866.始発は南仏のマルセイユ(6:14発)であり,途中,リヨン(Part Dieu駅)(8:04),ディジョン(9:52),Culmont(10:45),ナンシー(12:11),終点がメス(12:53)である.フランス東部を縦に走るという珍しいTGVである.
ディジョン駅で待っていると,発車時刻よりも10分以上前に南側から入線してきた.まぁ,余裕を取ってるんだろうと思って乗り込むと,定刻発車.あれ?南側に出発してゆく.ディジョン駅で進行方向が変わったようである.
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30分あまり走行して,周囲は農地だらけの小都市Culmontに到着.南東から回り込んで西向きに入線.ここも時間に余裕を取ってあるなと思ったら,定刻に発車.東向きに走り出してカーブを曲がって北向きに進路が変わった.
途中の線路は,いちおう複線電化しているが速度は100km/h前後で日本の在来線特急なみである.TGVが走るからと言って,全てが150km/hとか300km/h対応というわけでは無いようである.まぁ,朝と晩しかTGVが走らない路線なので仕方ないか.
そして降車予定のナンシーに定時到着.南側から回り込んで,列車はほぼ北側から南向きに入線した.降車した後,出発の様子を見ようと待っていると,再び10分程度の停車時間を取ってあるようであった.そして出発.再々度向きが変わって,北向きに出発していった.次は終点メス.
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気がついた限りで3度の方向転換があったが,リヨンについては南方から高速新線を走行して市の郊外で南からPart Dieu駅への進入経路がありそうで,そのまま北方に出ればディジョン方面へ行けそうなので,この列車の進行方向変更回数は3回のようである.
ちなみに,マルセイユからメスやナンシーまでの時間だけならパリ経由でもあまり変わらない.そこまでして直通運転にこだわるか,という気もするが,客に乗り換えをさせないというフランス流の気遣いであるのかもしれない.今はもう無くなってしまったが,東京を無視して日本海を縦走していた特急白鳥号みたいなものか.

鉄道後進国ニッポン(やっぱり160KM/Hだったわ)

ドイツのローカル列車が160km/h運転で,フランスが150km/h運転だと書いたが,訂正.フランスも160km/h運転だったわ.
DijionとBesançonの間のローカル急行列車に乗車したが,往路のこういう車両も・・・
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復路のこういう車両も・・・
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両方とも160km/h運転してたわ.
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DijionからBesançon方面には,最近になってTGV用の高速新線が開業しているが,並行する在来線がほったらかしかというとそうでもないようで,改良工事がなされているようである.
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改良後とおぼしき軌道はこのような感じであるが,コンクリートまくら木+ロングレールはもちろんのこと,レールが太い.写真では分かりにくいが,日本の新幹線や首都圏の在来線なみ(60kg/m以上?)である.もちろん,上の写真のDijion-Dole間以外のDole-Besançon間も160km/h運転.
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日本って,新幹線以外の改良はヤル気無いよね.ましてや並行在来線を改良する気なんて,毛頭ないよね.
追伸:快速列車が200km/h運転している区間もあるらしい.

欧州鉄道遅れの拡大構造

日本の鉄道の良いところは,遅れが少ないことである.じゃぁ,欧州はと言うと・・・
クレルモンフェランからリヨン(Part Dieu駅)に戻る急行列車で2時間.あと5分ほどでリヨン着というとき,信号待ちで停止した.駅の構内に入るための信号で足止めである.欧州の駅の構内配線は,基本的にはどの線からでもどのホームにでも入れるような構造になっている.臨機応変な対応ができるというわけである.
日本なら駅の到着番線が事前に確定しているが,欧州の場合,到着10分か20分くらい前にならないと明らかにならない.「臨機応変」なので.そういうわけで,駅ではみんな電光掲示板の前に張り付いている.ホーム番線の表示が出たら,ぞろぞろ歩き出す.
さて,信号待ちは5分ほどして解除され,動き出したと思ったら「カコン」という音がして急停止した.勘としては「これ,アカンやつや」.運転席で「ピューンピューン,ピューンピューン」という音がしている.運転士と車掌が車内を行ったり来たりしている.非番の乗務員とおぼしき男性も加わった.車内放送では「安全上の問題でどうやら,こうやら」と言っているようだが詳しいことは分からない.
待つこと50分,大幅に遅れて到着.終着駅も変更になった模様.降車して電光掲示板を見ると,かなりひどいことになっていた.原因がどの列車かは不明だが,おそらくたった一つの原因が,大規模駅の平面交差を通じて各方面にまき散らかされた瞬間である.
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鉄道後進国ニッポン(フランスのディーゼル急行も150KM/H)

ICEもTGVも提供されていない独仏の主要地方都市はケムニッツとクレルモンフェランとオルレアンのようだが,ケムニッツについては160km/h運転のディーゼル急行が走っていることを確認している.
今回はフランスのクレルモンフェランである.リヨンからは,本数は少ないがこういう列車が走っている.
IMG_59053両連節×2のボンバルディア製ディーゼルカーで,TERという地域急行である.「急行」であるが,そもそも途中は農地ばかりで,しかも小駅の多くは廃駅になってしまっているようで,都市内交通を除くと実質的には最低位の列車である.
その列車の最高速度はこんなもの.
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標準的には120-130km/hくらいで運転されている.線路も一部の短絡線等を除いて複線化されている.TGVが無くても,そこそこのサービスは提供されているわけである.
パリ方面については,機関車牽引のこういう列車が運転されており,こっちは乗車していないが,ローカルディーゼル急行よりはサービス水準が高いことは推して知るべし,というところであろうか.(表定速度で,120km/hくらいなので,新幹線こだま号レベルのサービス水準)
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