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地震動予測地図と首都機能バックアップ

全国地震動予測地図2014年版が公開されたので,観察を継続.引き続き,このファイルを見ながらのお話し.
まず現状において政府は首都機能の代替地を「立川」としているらしいが,霞ヶ関よりは地震のリスクは幾分マシなものの,近すぎだよね.いざとなったら自衛隊駐屯地や横田基地からさっさと逃げられはするのだが,近すぎるとまずい理由はいくつかあるが・・・

  1. 地震動そのものの被害を都心と同時に受ける可能性がある
  2. 電源や通信,交通などのインフラは立川からコントロールされているわけではないので,都心と同時に機能停止に陥る可能性がある
  3. 航空(軍用)以外の広域アクセスに劣る
  4. 政府中枢以外のバックアップができない(民間との連携がしにくいのでは?)

などなど.
以前に勝手にリストアップした各地については,伊丹空港,万博公園,祝園演習場,長池演習場のいずれも地震のリスクについては立川と同程度のように見える.
ところで「立川」って首都圏の地震の原因の一つの「立川断層帯」の立川だよねぇ.都心と同時被災しないからOKなのか?

  1. そもそも,都心の大地震と立川付近の大地震は「独立事象」か?
    1. 内陸の断層が次々と連動したような例はいくつかある(慶長地震とか天正地震とか)
  2. 都心が被災して,立ち直らないうちに疎開した立川が被災することもあり得る

東日本大震災では構造物の被害そのものはさほど大きくはなかったものの,大騒ぎ状態になって首都圏が社会的に機能不全に陥ったんだが,それは考慮してないのね.「立川」って救援救助の前線基地なら分かるが,日本国を一時的にコントロールするという点では厳しそう.

続・リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」らしい

この話の続き.
リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」読売新聞 – goo ニュース.
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141212-OYT1T50128.html?from=ytop_ylist

最後の方に…”ただ、国が国費を投入して前倒しを求めた場合は、「国が考えることを押しとどめることはできない」と述べた。”…とあり,以前に比べてずいぶん態度が軟化したようである.
軟化したけれども…”「借金を減らしてから(名古屋以西の)次の工事に入ることが健全経営の維持に必要だ」と、消極的な考えを示した。”…ということなので,国の示した案ではまだまだなので,もう一息,と言う意味だろうな.
#なお,全幹法に則って整備しようとしている時点で,国策から逃れることは法的に不可能である.

リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」らしい

あちこちに記事が出ているこの話.
リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」読売新聞 – goo ニュース.
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141212-OYT1T50128.html?from=ytop_ylist
東海道新幹線にのぞみ号が登場した際,ひかり号とのぞみ号の所要時間差は概ね30分,料金差は950円だった.「時給」1900円なり.その後,310円差に引き下げられている.「時給」は620円なり.
リニア新幹線ができると,リニア号と新幹線のぞみ号の所要時間差は概ね90分.料金差が700円とすると,「時給」は470円.かなり割安である.
のぞみ号が登場した際,毎時2本運転になった段階で必ずのぞみ号の方がひかり号よりも早く着くようになって,ひかり号にはあまり客が乗らなくなり,のぞみ号全盛となった.
リニア号は登場すると同時に毎時4-5本運転,全線開業時は8-9本,最大12-13本になるので,必ずリニア号がのぞみ号よりも早く着くようになる.つまり,最初からのぞみ号には誰も乗らなくなり,リニア号全盛になるだろう.東海道新幹線沿線のはずの京都や横浜の人ですらのぞみ号には乗らないだろうし,大阪-名古屋間の人ですら乗らないだろう
700円差という価格設定はかなり衝撃的であり,同時にのぞみ号サービス終焉を決定づけるだろう.利用者には朗報だが,最初からそんな大安売りを約束して大丈夫かしら?(リニアの採算はとれると思うが,東海道新幹線が・・・
#ちなみに,「時給」1900円だと2850円高,「時給」620円だと930円高という計算になる.
#よく考えたら,名古屋暫定開業の話か.なら,「時給」620円×短縮1時間=620円とあんまり変わらないから,そんなもんか.でも,「時給620円」はひかり号とのぞみ号のサービスレベルの差が縮まったから値下げした結果じゃ無かったっけ? 当面は2000円差くらいで開始して,様子見て下げた方がいいんじゃぁ無いかと・・・

新聞記事の精度(朝日新聞編)

朝日新聞のweb版にこういう記事がある.
香川)経団連、四国の新幹線構想に慎重姿勢:朝日新聞デジタル.
経団連の会長が四国の新幹線構想に関し,「4県都を結ぶルートでも1・5兆円。出来た道路にしろ、新幹線にしろメンテナンス費用がかかる」と指摘し,続けて「国の厳しい財政事情を考えると、他地域のプロジェクトに比べ、これだけメリットがあるとアピールすることが重要」と発言し,何となく否定的なイメージのコメントをしたことになっているのだが,ちょっと引っかかる内容である.
そもそも,「朝日新聞」の時点で,事実関係の伝聞の精度に問題がある可能性が高く,単なる記者の創作料理,じゃなかった創作記事の可能性があるのだが,いずれにせよはっきり言えるのは・・・

  • 完成した新幹線のメンテナンス費用を国が出すことはない

ということである.東海道山陽新幹線や東北新幹線に比べて客が少ないとしても,電気代や乗務員の人件費,線路の保守費などが出せないほどのレベルの新幹線はさすがに建設されない.市街地の一般道路は建設後の維持費は税金により賄われるのだが・・・

  • 新幹線の維持は運賃(と料金)により賄われる

ということを認識していない記事である.経済人が誤ったのか,記者が誤ったのかはこの記事だけでは判断できないが,いずれにせよレベルの低い記述で頭が痛い.
なお,この件に関する他社の書いた記事ではそういうネガティブなことは書かれていないようなので,印象操作を目的とした創作記事(あるいは,そういう意図がなくても正確な記事を書く能力が無くなってしまった記者が書いた記事)の可能性が高い.
多様な見地からの意見は大事であるが,事実関係が把握できていないと正しい結論には至らない.そろそろポジショントークは止めて,反対意見でもけっこうなので,正確に議論して欲しいものである.
(追伸)私が絵本以外で親に買ってもらった最初の本は「日本の鉄道」と「続・日本の鉄道」朝日新聞社刊である.今見ても,なかなかクオリティーが高い.

リニア新幹線整備の理由(名古屋以西編)

前にも書いたがと思うが,リニア新幹線建設の大きな理由は「南海トラフ大地震こわい」である.
災害復旧能力の高い日本といえども,大津波で新幹線の線路が流されたり,100キロ,200キロ単位で震度6−7地帯を通過すれば復旧に年単位を要する可能性がある.日本の国家運営に重大な影響を及ぼす可能性が非常に大きいほか,当の鉄道会社の経営も傾きかねない.
そこで,東京-名古屋間に別線で新幹線を建設する,それが中央新幹線である.バイパスである.
さて,「中央新幹線は東海道新幹線の災害対応のバイパス」のイメージが先行している関係で,全線にわたって新線を要していると思い込んでいる人が,専門家を含めて多いのだが,よく考えてみて欲しい.
南海トラフで年単位の不通区間を生じかねないのは「東京-名古屋間」である.名古屋から西は震度5−6弱の区間が続くので,被害皆無とは言わないが,バイパス新線をつくらないといけないほどの壊滅的被害を受ける可能性は低い.
名古屋以西のルートに関して,こっちを通ると断層が1本で,こっちだと2本,などと言う専門家もいるらしいが(そもそも,地震のリスクを断層の本数で云々と言っている時点で,真剣に考えているとは言い難いが),直下の地震で数ヶ月の不通があったとしても,数兆円掛けて新線を建設しなければならないほどの理由にはならない.今まで新幹線が地震で不通になった事例は数度あるが,いずれも復旧までの期間は3ヶ月程度以下である.
そういう観点からすると,リニア新幹線名古屋以西については名古屋以東とは異なる観点で建設の是非や方法について議論する必要がある.リスクヘッジだけの観点から言うと,鉄道会社にとっては名古屋以西の建設の意義はあまりなさそうである.その実,国や沿線,与党などから早期全線完成の働きかけがあっても反応が鈍い状況にある.資金計画などを見ても,本気で取りかかればもっと早期に完成しそうにも思えるが,「様子を見てから,名古屋から西側に取りかかろうかなぁ〜」という感じである.
※資金計画の分析については,また時間があるときにでも.
※災害対応を重視するのなら,主要ターミナルが海岸の近い低地の「品川駅」の地下,水害で水没しかねない「名古屋駅」の地下,河口に近い淀川付近で津波の指摘もある「新大阪駅」って,どうよ.災害の専門家なら,誰か突っ込んでも良さそうなもんだが,誰も突っ込まないのね.名古屋市営東山線て,こないだ名駅が水没しかかってたよね.

BEFORE & AFTER の写真を撮るのは大変

交通整備のBefore & After の写真を撮るのは大変である.Afterは完成してから祝賀ムードが一段落した頃に訪れればだいたいOKなのだが,Beforeはこれから発生することを予測しながら撮影しなければならないので,実は難しい.予測が外れることも多々ある.
今回はBeforeを撮ったつもりだが,空振りだった写真のギャラリーである.撮影は10年前である.
DSCN5468
DSCN5462
DSCN5463
DSCN5467
DSCN5470
DSCN5483
DSCN5484距離自体は大したことないんだけどねぇ.なかなかこじれると難しいねぇ.
このへん

地図データ ©2015 Google, ZENRIN

100 m

 

BEFORE & AFTER の写真を撮るのは大変

交通整備のBefore & After の写真を撮るのは大変である.Afterは完成してから祝賀ムードが一段落した頃に訪れればだいたいOKなのだが,Beforeはこれから発生することを予測しながら撮影しなければならないので,実は難しい.予測が外れることも多々ある.
今回はBeforeを撮ったつもりだが,空振りだった写真のギャラリーである.撮影は10年前である.
DSCN5468
DSCN5462
DSCN5463
DSCN5467
DSCN5470
DSCN5483
DSCN5484距離自体は大したことないんだけどねぇ.なかなかこじれると難しいねぇ.
このへん

地図データ ©2015 Google, ZENRIN

100 m

 

【祝】整備新幹線開業前倒し(だが・・・)

まだ決まったわけではないのだが・・・整備新幹線(北海道,北陸,長崎)の完成時期を早めるべく,資金計画の練り直しがされつつある.
その点だけを取り上げれば「【祝】整備新幹線開業前倒し」なのだが,そう手放しでも喜べない.
新しい資金計画のポイントは,各整備新幹線が開業することによって発生することになっている将来のリース料収入を担保にして,借金をして建設資金に充当して完成を早めるというものである.新たな国庫財源を探すことなく建設時期を早められるということであるのだが,ちょっと待てよ・・・その案は,タコが自分の足食ってるに近いぞ.
確かに開業は早まり,発生する便益を早期に享受できる.そういう点では社会的便益は大きい.ところが,各整備新幹線が完成するに至った場合,新たに完成した新線のリース料収入は借金の返済に充てられ,リース料収入を財源とした新たな路線の建設はできないことになる.
つまり,どういうことかというと,「今着手している路線の建設が終わったら,新幹線の建設は終わり,終了」ということである.
1970年の全幹法成立直後の基本計画が,2010年代半ばの段階の観点において建設すべきか,せざるべきか,しないとするならば他の都市間鉄道サービス改善の代替案は存在するのか,等々の一切の検討をすることなく,「今着手している路線の建設が終わったら,新幹線の建設は終わり,終了」である.
この国には,幹線鉄道網計画全体を俯瞰できるリーダーは,残念ながら存在しないようである.ちゃんと財源探そうよ・・・

武生駅の端っこ空いてるんだがなぁ

鉄道を含め,公共交通は乗換がネックであり,これを敬遠して電車やバスに乗らない人も多い.下の写真は福井県下の武生である.JRと福井鉄道の接続駅であるが・・・
DSCN2678
JR駅の構内が空いているものの,そこには乗換先の福井鉄道はない.改札を出て・・・
DSCN2676
ほんとうにこっちにあるのか不安になりながらしばらく歩くと・・・これ駅?
DSCN2683
構内空いているんだから,あそこに乗り場があると便利なんだが,会社が違うと協力関係は薄い上,(一般論として)誰が工事のカネを出すのかで揉めるので,ほとんど改善されることはない.
DSCN2685
 

もうすぐループ線

もうすぐループ線になりそうな,札幌市営の路面電車.目指せ,札幌駅,というところか.歩いてもすぐなので,そんなに高いハードルでもなさそう.道も広いし.
DSCN1183
今のところ行き止まり.(写真はちと古いが)
DSCN1185
この角を電車が曲がるのかな?
DSCN1187サイドリザベーションのようだが,この際,歩行者ゾーン化できないのかな.(日本じゃ,まだ,ハードル高いか)