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新幹線の脱線した場所

九州新幹線の脱線現場は…さすがに手持ちの写真はないが,この写真のすぐその先,駅の南側の目と鼻の先のようだ.

九州新幹線全線開業 祝!九州縦断ウェーブ CMの,「祝!熊本」のテロップが出る少し前,小さなお堂の前の川沿いで人々が手を振り,旗と風車を持ったこども達が列車と併走するあたりのようだ.(3分版の1:02あたりから)

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J-SHISという地震リスクの計算結果を地図上で確認できるサイトを見てみると,熊本市およびその周辺自体が九州の中では比較的地震のリスクが高かった地域のようだ.

使い方は基本的には検索サイトなどで提供されている地図の閲覧サービスと同じなので,拡大してみると熊本駅のある地域とその南側とでは地震のリスクの段階が異なっており,南にゆくほどリスクが高そうだ.

サイトの画面の上の方に表示させる条件がいろいろ変えられるようになっているので変えてみると,概して熊本城とその周辺の城下町あたりは地震リスク低め,熊本駅はそれに比べるとややリスク高め,新幹線の線路に沿って南下すると,白川や緑川といった河川流域はかなりリスク高め.河川で運ばれてきた堆積物で出来た平野のようである.

わずか1分ほどの走行らしいが,その列車位置の差が原因で脱線してしまったのかもしれない.地盤は大事.駅の位置の選定や路線の位置の選定も大事,ということかな.

#なお,首都圏や京阪神圏あるいは太平洋岸などでは,今回の脱線現場と同程度の地震リスクの箇所をかなり長距離にわたって新幹線の線路が走っている.

また大きな地震が発生したわけだが

大きな地震が熊本で発生したわけだが,「震度7」というのは尋常ではない.この記事を書いている時点では益城町が一番揺れが大きかったということだが,阪神淡路大震災の際には最も大きな被害が出ていた神戸の情報はなかなか出てこなかった.まだ隣の嘉島町の震度が伝わってこないのが気になる.

昔だと大阪から熊本というとはるか遠方のことだったが,新幹線で乗り換え無しで行けるようになった現在では「誰それさんの娘さんは無事らしい」とか,あまり他人事では無い情報が入ってくるようになった.

中には「伊右衛門いれた」とかのナゾの情報もやってくる.(大慌てで「家も揺れた」と入力したつもりらしい)

あまり大きな被害が出ていないことを祈る.

#新幹線の回送列車脱線? これは役に立たなかったのか?

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あぁぁー,脱線してますね.6両とも脱線らしい.こりゃ大変だな.

この震源地帯って,中央構造線の西部だよな.昨年の11月頃にも震源が海底だったのであんまり話題になってないけどさらに西側でM7クラスの地震があり,余震が今も続いてたかな.

 

いつまでも「予行演習」では済まない

2004年09月05日,紀伊半島南東沖でM7.1,最大震度5弱,特に被害は無し
2004年09月07日,紀伊半島南東沖でM7.4,最大震度5弱,特に被害は無し
2013年08月08日,奈良県でM7.8,最大震度7,単なる誤報
2016年04月01日,紀伊半島南東沖でM6.5,最大震度4,特に被害は無し

いずれも「ついに来たか!」と思ったものの,結果としては大したことは無かった.

だが,いずれ来る.きっと来る.必ず来る.

対応を先延ばしにするのは簡単だが,いつまでも予行演習では済まない.

2027年まではみんなここを通らないと行けないし,南海トラフ地震と間をおかずに発生するかもしれない首都直下地震はほとんどなんの対応もしていないし,どうするんだ?

言い訳し続けて,何かことが起こったら「想定外でした」か?
もう4回も予行演習したので,「想定外でした」は通用しないよ.

 

「3.11」から5年経過

5年経過してしまった.

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復興「事業」は進んではいるものの,「復興」したとは聞かない.

阪神淡路大震災の時,インフラの復旧は,まぁ結構かかったが数年〜10年ほどで一応出来た.だが,ハードウェアを整備するのとは異なって,そこでの生活を元に戻すのは至難の業である.20年以上経過した今も,神戸がかつての輝きを取り戻したとは言い難い部分が多い.

「3.11」から5年,ハードウェアの復旧すらまだであるのに,生活を元に戻すにはどうすればいいんだろう.何か新しい仕事をつくり出すような事業がいるのかな.

さらには,今後やってくるであろう別の災厄への備えについても,進んだとは言い難い.悪夢うなされそうである.

トランジットモールの別の使い方

トランジットモールというと,路面電車やバスなどの公共交通と歩行者とが通行を許された街路である.

日本では,公共交通と歩行者とが接触事故を起こすのでは無いかという懸念から,さっぱり導入が進まないというものである.

…まぁ,日本人がそこまでウスノロだとは思わないが,警察の懸念は大きそうである.

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さて,実際に実施されているところにおける事故の話はちょっと横に置いといて,歩行者優先街路としての使い方以外の使い方の話である.

自家用車の進入が禁止されているので,トランジットモールは基本的にはたまに電車が走ってくる以外はスカスカのガラガラである.ということで,その空いた道路を使ってパトカーや救急車,あるいは消防車の「Express Way」として機能している姿がしばしば見られる.

あんまり「反対,反対」ばかり言ってないで,こういう積極的利用の側面も考慮してみてはどうだろうかねぇ.

現場到達時間て,緊急サービスの結構重要指標だよね.

亀の瀬

関西本線に乗っていると,大阪府と奈良県の府県境あたりで大和川を北側から南側へ,そして再び南側から北側へと横切る箇所がある.

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二度も鉄橋を渡らなくても,そのままトンネルでも掘れば良いのに,と思うような箇所だ.

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通称亀の瀬という地区である.

元々は鉄橋で二度も川を渡ることなく,大和川の北側(右岸)をトンネルで通過していたが,ここは有名な地滑り地帯であり,トンネルは地滑りとともに破壊されてしまった.

そんなわけで二度も川を渡って地滑り地帯を避けている.

 

大阪北部ばかりに集めて大丈夫か?

近年,大阪では梅田貨物駅跡地がまとまった土地として注目され,その開発の動向が注目されている.いわゆるウメキタ.

物販オフィスホテルインキュベータ等々いろんな整備がなされつつあり,大阪市の重心は梅田地区に移動しつつある.

梅田貨物線を走っていたのは「はるか」や「くろしお」などであったが,晴れてウメキタにも駅ができて,大阪外環状線(おおさか東線)の電車がそこまでやってくるかもしれない.

新幹線も新大阪じゃなくて,ウメキタに引き込めという意見もある.まぁ,平時ならなんの問題もない.

ところが,平時ではない事態を考えると,あまりこういった北部集中は手放しでは喜べない.

以前指摘したように,もしも全国的な新幹線ネットワークが原案どおり完成し,地図のとおりになった暁には,「新大阪駅」が一番のネックになる.ここが災害テロその他理由で使えなくなると,完全に東西間広域交通が分断される.

北部集中の弊害はそれだけではない.梅田地区は以前から大規模な津波に襲われた場合,浸水の可能性が指摘されている.新大阪も浸水が迫る.リンク先の図は大阪府の試算結果であるが,左上が新大阪駅,左中〜下が梅田地区である.いずれも安心とは言えない.その南も四つ橋筋よりも西は安全ではない.

えっ! 高層ビルに逃げ込めば大丈夫だって?

甘い甘い.大阪のような大都市は地下利用が広がっており,止水するとは思うが,一滴漏らさずに止水するのは難しいだろう.京都の京阪電車も大阪のJR東西線も(開業までだが)大雨で水没したことがある.

それから,大都市は「電気なければ,タダのハコ」(…歳がバレる)状態である.電気の変電所がどこにあるか考えたことがあるだろうか.Googlemapで大阪市の中心部を表示させて置いて「関西電力 変電所」で検索してストリートビューや航空写真を見てみると面白い.変電所の場所として指し示されるのは,たいていビルである.つまりビルの地下.地上の変電所建屋が示されることもあるが,引き込まれているはずの超高圧電線も見えなければ鉄塔も見えない.電線はどこ?

大阪市内のメインストリートでは,街路に電柱がないところもある.ここも電線はどこか? 地下である.

地下変電所や地下埋設電力線に津波の塩水が流れ込んだらどうなるだろうか.ちなみに塩水は良導体である.

通信線も地下埋設されているよね.

とかく開発は平時に注目が行きがちであるが,異常時にも気を配ることができるかどうかで本当に良い開発計画が定まるのではないかと思う.

大阪の都市計画プランナーのセンスは,秀吉や徳川を超えられるか?

#なお,京橋周辺も危ない.

九州新幹線も脱線ガード取り付け中

東海道新幹線で大地震に備えて脱線ガードを取り付ける工事が進行中なのは有名だ.

九州新幹線も,一部で脱線ガード取り付け中の模様.

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走行中の車内から線路を写すのは結構難しくてボケボケだが,これってそうだよね.

阪神淡路大震災から21年

阪神淡路大震災から21年.当時は首都機能移転が議論されていたが,その時期に大震災が発生して,六千数百人の方が命を落とした.東京どうする?という話が出た.

そして,のど元過ぎれば熱さ忘れる.

「阪神淡路」から16年が経過し,東日本大震災が発生.二万人近くの方が命を落としたり行方不明になったりした.再び,このままで東京大丈夫?という話が出て,首都機能バックアップ論が出た.

そして,もうすぐ「東日本」から5年.

のど元…… …  … ネズミと日本人,どっちが学習能力が高いだろうか.多少の機能分散の話は出てきたが,それでほんとに大丈夫か?

文字通り命をかけて仕事に励んでいらっしゃる東京勤務の皆様,文字通り命をかけてご家庭を守ってらっしゃる皆様,お疲れ様です.

初夢鉄道2016(西日本大震災編)

こんな夢を見た.

やはり起きてしまった.大中小の順番でやってくると言われている南海トラフ系の地震,今回は300年ぶりの「大」の番のようである.紀伊半島沖を震源として大規模な震源域がまず東に広がり,次いで東海地震が間髪を置かずして発生,M8クラス後半のようだ.そして数分後,揺れが収まりかけたその瞬間,今度は紀伊半島から西側へと震源域が広がり,さらに日向灘,沖縄方面へと岩盤破壊が進んだ.全部あわせてM9クラスか?紀伊半島の各市町村とは連絡が取れない.四国方面の太平洋岸も同じようだ.

何とか,リニアの東京-名古屋間は開業していたので,迂回ルートの確保はできた.だが,太平洋岸の発電所が停まっているところが多く,所定の本数が走らせられない.捌けない旅客は北陸新幹線経由で移動しているようだ.東海道新幹線は,やはり浜名湖付近の被害が大きい.砂地盤なので,津波と大振動のために地形そのものが変化してしまっている.こうなる可能性は1964年の新幹線開業時からだいたいわかっていたので,国鉄時代に無理をしてでも対策をしておけばという後悔があるが,今さら言っても仕方がない.

この西日本の震災発生から2ヶ月ほどして,何年か前から活発化していた富士山がついに噴火しそうである.大方の予想に反して山頂や宝永火口や南東の側火山ではなくて北東側の側火山が怪しい.リニアが通っている都留市付近まではやや距離はあるので火砕流は大丈夫だが,降灰がどの程度あるか楽観できるような状況ではない.多量の場合は火山灰除去のためにリニア求めなくてはならないかもしれない.

地域振興を裏目的として制定された副首都は結局大阪になっていた.震災前は順調に機能し,関西活性化に役立っていた.だが,今般の南海トラフ地震に伴う大津波は太平洋岸各地を襲うだけでなく,紀伊水道から大阪湾まで入り込み,淀川や大和川流域まで入ってきた.もちろん,大阪の中心街にも入ってきた.

もとより海抜の低かった大阪平野の海岸沿いでは浸水被害が大きく,大阪市内の主要な地下街は水没している.遮水対策はしていたが,全ての浸水経路を防ぎ切れていなかったため,当分地下施設は使えなさそうである.地下変電所もやられたので,大阪市内のかなりの部分で電気が使えない状態になっている.オフィスが機能しないので,市内に立地した副首都機能も満足に動いていない.地域活性化ばかりに目を奪われて,国土のリダンダンシーのことを後回しにしたツケが回ってきた.日本はぼろぼろの東京首都圏でなんとかしなくてはならなくなってしまった.

首都もぼろぼろ,主要国土軸もぼろぼろ,瀕死の状態になってしまった.国籍不明の偵察機が頻繁に上空を横切っているが,もはやそれをなんとかする力も残っていない.一寸先しか見ずに先見の明の無い指導者に導かれた結果がこれであった.

…というところで目が覚めた.