フランス」タグアーカイブ

路面軌道の歩道上敷設

トランジットモールというと,路面電車を敷設した道路について自動車等の乗り入れを禁止した形態である.

ところが,実際にはいろんな街路が実際にはあり,例えばこんな形式もある.

DSCN8578

中央は車道,両側に幅の広い歩道があり,その歩道上に路面電車の軌道が敷設されている.サイドリザベーションの一種ではあるが,もはやこれは軌道の歩道上敷設と言っても良いのではないかと思う.

DSCN8575

電車が走ってくると,こんな感じ.

LRTの電車は,車両の仲間というよりは歩行者の仲間という扱いである.

(フランスのマルセイユ)

頭端式ホーム

日本で,近郊路線ではない長距離列車の頭端式のホーム(Eの字形のホーム)というと……上野駅の地平ホームくらいなものか? 上野駅も今や常磐線特急くらいか…あっ,いやそう言えば上野東京ラインとかいう直通線が完成したので,上野駅の地平ホームも風前の灯火か.

一方,ご存じのようにヨーロッパの駅では頭端式ホームが標準である.重い荷物を持ってゴロゴロとやるには悪くない.

DSCN7970

だが,これが乗車位置が頭端式ホームの頭の方ではなくて,はるか向こうの端っこのこともあったりする,そうすると,TGVやICEの2編成併結便なんかだったりすると,目的の車両までホーム上を300-400mということも,さほど珍しくない.

DSCN8516

しかも,日本のように編成とホームが安定せず,乗車の10分くらい前になってからでないと乗車位置が決まらないので,電光掲示板にホームが示された後に移動することになり,上下移動は少ないが,水平移動が果てしない,ということも少なくない.

どっちもどっち.という話.

バイクの駐車場(駐輪場)

バイク乗りの方から時折聞くグチ.

バイク専用の駐車場が少なく,かといって歩道上や路上などに停めていると,しっかり駐車禁止違反の切符を切られる.

通常の自動車用の駐車場だと,自動化されたところでは機械が反応しないし,暗闇になってしまうような所だと気付かずに停めようとする他の自動車がぶつかってしまうこともある.

DSCN8463

DSCN8464

上の写真は,パリ市内のバイク専用駐車スペース.

#あっ.「鉄分ゼロ」ですね.

たわみ軌道とスラブ軌道(?)

路面電車の線路というのは,その事態はなかなかお目にかかることができないが,たまに工事の時などに敷石が外されて見ることができる.

例えば,富山(日本)の軌道はこんな感じ.普通の線路である.これに敷石を載せたりアスファルトで舗装してしまうと,よく見る日本の路面軌道になる.土路盤と砂利のクッション効果を期待した軌道なので,「たわみ」軌道.

DSCN9601

ところが,同じように見える海外の路面電車の軌道を見ると,一見アスファルトで覆っただけの日本の軌道と同じように見えるようなところでも…

例えばBasel(スイス)では,……アスファルトの下は路盤+マクラギではなくてコンクリート舗装である.

IMG_3142

Grenoble(フランス)でも,やっぱりそのようである.

IMG_3293

LRTにするとコンクリートスラブ(コンクリート板)に溝を掘ったインファンド軌道などが採用されることが有名だが,LRT化されてなくても軌道はかなりしっかりしたものが用いられているようだ.

大阪は副首都になれるか(平常時編)

副首都なる機能を大阪に置くことが適切かどうか,いろんな面から考えてみよう.副首都は国家機能なので,単なる大阪の地域振興事業ではない.すなわち,大阪の人さえ良ければ良いというものではない.多面的検討は必要である.

まずは何も特別なことは起きていない平常時の場合についてである.

普段の平和な時期における大阪の位置は悪くない.東京からは適度に離れており,西日本に対しての地理的な距離自体は比較的近い.加えて,東京よりもアジア各国に対して若干近く,アジアのゲートウェイ都市になりうるポジションを占めることもできる.

だが,東京が国内の東日本に対して陸路のアクセスがほぼ完璧になってきているのに対し,大阪の広域アクセスは弱く,九州や四国の人々が一堂に会するには東京が便利,などという笑えない状況は続いている.

大阪を中心とする広域道路ネットワークについては,一部まだ工事中/未着工区間もあるものの概ね先が見えている状態である.だが,トラックや観光客はともかく,ビジネスマンが道路を使って広域移動することは希であるので,大阪を中心とするビジネス広域交通は今ひとつであると言える.

つまり,平常時における副首都大阪としての大きな課題は,国内広域アクセスであり,具体的には中央,北陸の各新幹線の完成はもちろん,四国新幹線や山陰新幹線などのネットワークをも完成させることが必要である.同時により遠方の国内や国際交通を担う航空ネットワークの要である空港アクセス時間の短縮も必要である.(逆に,こういった広域公共交通ネットワークを充実させることができないと,副首都には厳しいということ)

なお,関空アクセスについては,これまでにリニア新幹線や通常型新幹線の乗り入れ,あるいはなにわ筋線といった提案がなされているが,リニア新幹線は単線だと役に立たず,かといって複線だと兆単位近くの投資が必要で厳しい.なにわ筋線については新大阪からノンストップで40分などという試算もあるようだが,現状でも1駅停車で48分で到達するので,2000-4000億円の投資の割には効果がマイルドすぎる.なにわ筋線での関空アクセス構想を自画自賛してらっしゃる方もいるが…あんまりインフラプロジェクト構想のセンスないよね.バックのブレインを変えた方がいいと思う.

ちなみに,関空への通常型新幹線乗り入れ構想を”口撃”している人もいるが,フランスのTGVはシャルルドゴール空港に乗り入れているし,ドイツのICEはフランクフルト空港に乗り入れている.スイスのインターシティーはチューリヒ空港やジュネーブ空港に乗り入れているし,オランダのスキポール空港へはTGVの国際版のタリスが発着する.ロンドンのヒースロー空港へは新幹線のような列車こそ走っていないが,ヒースロー急行という準高速鉄道が乗り入れている.フランスやドイツには航空便名の付いたTGVやICE列車が走ってさえいる.

センスのないインフラ構想って恥ずかしいよね.


フランス高速鉄道TGV脱線

TGVが脱線したみたいなんだが…

 ドイツとの国境に近いフランス東部ストラスブールの近郊で14日、試験走行中の高速鉄道TGVの車両が脱線し、少なくとも10人が死亡、37人が負傷した。AFP通信などが報じた。 技術者ら49人が乗車し、時…

情報源: フランス高速鉄道TGV脱線、10人死亡 試験走行中:朝日新聞デジタル

他の写真などでは複線の上下線間が開いているようなので,LGVと在来線の合流点付近のようだ.水路をまたいでいるので,ここかな.

情報源: 48°4124.8″N 7°4219.2″E – Google マップ

Metz方面からきたLGVの終点で,比較的急曲線で在来線と合流するあたりのようであり,地図上で見る限り半径800-1000mくらいの曲線のようである.標準軌なので,制限速度としては120〜150キロくらいだろうか.

高速新線を試運転して,そのまま減速せずに突っ込んだ感じだろうな.高速道路を快走していて,いきなり巨大な「終点」の看板が出てきたような感じか.

まだ営業していない新線のようなので,保安装置がまだ機能していなかったのかもしれない.TGVは新線が開通するのにあわせて高速走行実験をすることがあるので,そういった試験の最中の事故だったのかもしれない.

高速線と在来線の境目での事故という点では2013年のスペインのAVEの事故と似ている.また,直線を高速で走行した直後に急カーブが配置されていて脱線した,という点では福知山線の事故とも共通性がある.

高速鉄道では目視で危険を察知しても危険回避が間に合わないらしいので,保安装置は大事だということだね.

パリ北駅前のホテルのロビー

パリ北駅前のホテルのロビーにはこんなモニターがある.

IMG_5075

フロントデスクのすぐ右隣のモニターの内容は,北駅構内の発車案内そのもの.まるで空港の構内店舗等にあるフライト案内のサービスと同じである.

拡大するとこんな感じ.

IMG_5078

アムステルダム行き列車の発着ホームが決まったようだ.駅まで道路を挟んで向かい側である.日本にも駅直結のホテルがあるが,こういうサービスがあっても良いよね.

 

再び,ソニーのフェリカ担当様へ

再び,ソニーのフェリカ担当様へ.

同じ話で恐縮だが,またもや紙製のICカードに遭遇しましたのでご報告します.

今度はフランス北部のランス(Reims)です.一日券4€(運賃3.85€+券そのもの0.15€)で販売されておりまして,外見はこんな感じ.

IMG_4787

裏返すとこんな感じで,4回まで再チャージできる模様.

IMG_4790

陽光に透かしてみるとこんな感じで,ループコイルとICチップのようなものが見える.

IMG_4793

100kg越の人が8年間にわたって尻の下に敷いても大丈夫なだけの耐久性も大事だが,耐久性を下げてデポジット料金をほぼゼロにして,一見さんでも使えるようにするのも大事な視点じゃないのかしら.(特に海外にシステムを売り込みたいのなら)

 

高速鉄道の「機内食」

例の国際特急に乗った.日本では食堂車はどんどん廃止されているが欧州の特急列車では,食堂車が連結されているものが多く,無くても軽食の提供設備はほぼ必ずある.

ケルン→パリ間で乗ったThalysの場合は軽食の提供設備もあるが,一等車の場合は飛行機の機内食のようなものが出てくる.

IMG_4708

出発してしばらくすると,各席に出される.味は機内食以上でも以下でも無く,それそのものである.

IMG_4709

日本では事前に弁当を持ち込むか,車販で弁当を頼むしか手が無いが,都市間輸送における供食というのは,実は重要な要素なんじゃ無いかと思う.最近は,車販を省略する特急列車も多くなってきており,かといって駅の食堂等もショボく,メシをどこで食うかというのは長距離移動の大きな課題でもある.

 

地下鉄の中にある橋

パリの地下鉄駅の構内.まだ電車が来ていないのに,大きな音でガタンガタン.どこに電車が走っているんだろうか.薄暗かったので,手ブレがひどいが,それでも原因がわかる写真がこれ.

IMG_4758

地下鉄のトンネル内なのに,天井部分に橋の一部のような構造が見えている.プレートガーダー橋?

この橋の上を別の地下鉄が走っているようである.地下鉄の立体交差.

日本の地下鉄でも「この真下10cmほどのところに別の線路が走っています」等というのがあるが,ここは地下鉄トンネル内に別の地下鉄の線路が食い込んでいる.