ドイツのフランクフルト空港に着くと,そこから郊外電車に乗ってフランクフルト市内のホテルにでも向かうのが標準コース.
最近はドイツ版新幹線と言われるICEの発着する長距離旅客駅も併設されているので,そのままICEやIC(在来線特急みたいなもの)に乗って,例えばマンハイムなどに行ってしまうというのもアリである.フランクフルトに用が無ければ,そっちの方がホテル代が安いので.
さて,下の写真はフランクフルト空港併設の長距離列車発着駅である.空港なので「ルフトハンザ」のオレンジ色の案内板はさほど珍しくないが,よく見ると「Air Rail」と書いてあり,チェックインカウンターがある.日本にもちょっと前まで市街地にあった「City Air Terminal」の駅版…ではない.
これは,ルフトハンザのチケットで鉄道に乗るためのチェックインカウンタである.何のことかわからないって? 下の写真は発車案内板なんだが,上から順に…
8:53発 | ICE513 | マンハイム,シュツットガルト経由 | ミュンヘン行き | 5番線 |
8:53発 | ICE1013 | マンハイム,シュツットガルト経由 | ミュンヘン行き | 5番線 |
8:53発 | LH3632 | シュツットガルト行き | 5番線 | |
8:58発 | ICE1656 | マインツ経由 | ヴィースバーデン行き | 7番線 |
9:01発 | ICE1597 | フランクフルト,フルダ経由 | ドレスデン行き | 4番線 |
9:09発 | ICE614 | ボン,ケルン経由 | ドルトムント行き | 7番線 |
9:09発 | LH3606 | ケルン行き | 7番線 | |
9:13発 | ICE11 | フランクフルト行き | 5番線 | |
9:20発 | ICE571 | マンハイム経由 | シュツットガルト行き | 6番線 |
9:25発 | ICE820 | ケルン,デュッセルドルフ経由 | エッセン行き | 7番線 |
こう書いてある.例えば上から3つがナゾであるが,ドイツの場合,列車2本が連結されて,それぞれ別の行き先と列車番号が割り当てられていることはざらにあるので(「はやて」と「こまち」みたいなもの),1つ目と2つ目が同じ時刻,同じ行き先,同じホームなのは理解可能な範囲であろう.
ところが3つめであるが,1つ目,2つ目と同じ8:53発で同じ5番線の発車.行き先が1つ目(2つ目)の経由地のシュツットガルト.そして,列車番号が「LH3632」.
つまり,この3つめはルフトハンザ航空LH3632便なのである.その実態は,ICE513(もしくはICE1013)ということで,シュツットガルトまでは航空機の代替として走行するということである.予約サイトで確認してもこの通り.何と,シュツットガルト中央駅は鉄道駅なのにIATAの空港コード(ZWS)が割り当てられている.
こうして,鉄道ネットワークと航空ネットワークが結合されているのだが,日本ではどうだろう.立派な空港アクセス鉄道があっても,宝の持ち腐れになってやしないか?