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再び札幌駅を観察

またまた札幌に行く機会があったので,札幌駅を観察してみる.

相変わらず終着始発便が多く,この駅を出発してゆく列車の半分くらいは「回送列車」ではないかと思うくらい多い.長距離特急は致し方ないとしても,快速列車や普通列車までこの駅を終点にする理由はあんまり無いように思う.

ホームの利用効率は悪そうだが,もはやそれを改善できる人材もいないのではないかという話もあるようだ.

回送列車はともかく,このディーゼル機関車1両だけで一体何をしに来たのだろう.昭和時代ではないので客車列車は存在しないし,札幌駅を通過する貨物列車もなかったと思うし…

ううううぅぅ〜ん.

さて,札幌駅観察の目的は,今回は1番線2番線である.前回訪問時は主に西側からの観察だったが,今回は対面の3番線の東側からの観察だ.

1番線2番線を新幹線に転用する場合,建築限界の関係からそのまま転用するのではなく,いったん取り壊して新幹線用の効果を建設し直すことになっているらしい.

2番線と3番線の両方に在来線列車が停車した状態ですでに車両間隔にさほど余裕は無く,ここに幅が40cmも大きな車両が入るのは無理がありそう.
(回送列車のツーショット ↓ )

1番線2番専用ホームは高架橋上の台座のような上に乗っかっているだけなので,ホーム自体は幅の縮小が可能そうに見えるが,ホームに立っている鉄柱の上には屋上駐車場が乗っかっているので,それがやっかいだ

1番線の上には現時点でいろいろはみ出している模様で,作り替えるのも面倒そう.

困ったもんだね.

四国新幹線「単線で早期着工を」

提言では4県県庁所在地を全国初の単線で結ぶ。概算事業費は複線の1.57兆円から1兆円に減る。四国には単線技術の蓄積があるうえ、日本の経済界にはインフラ輸出の競争力が高まる期待がある。本州側の山陽新幹線・岡山までは複線仕様の瀬戸大橋があり、有効活用する。新大阪と2時間圏内になる。

情報源: 四国新幹線「単線で早期着工を」 輸出の新モデルに提言  :日本経済新聞

…ん? もしかして,これの影響?

実践政策学 第2巻 第2号 2016年 秋号

実践政策学 第3巻 第1号 2017年 春号

単線新幹線の建設費は,あくまで構想段階の目安で,具体的な区間が想定されるならば,想定ダイヤをもとに交換可能駅の設定と複線区間の設定を行い,トンネルや高架橋の位置を具体的に想定し,インフラの整備費用を工費積算した方がより正確.

衆院選における主要政党の交通政策

あんまり話題になってないが,衆院選における主要各党の交通政策(交通産業の労働政策除く)を見てみた.以下,最終的に議席確保しそうな政党をwebサイトから情報収集できた範囲で順に見てみる.

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 自民党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転等の新技術の社会実装
      2. 道路整備推進
      3. 高速道路民間施設直結インターチェンジ推進
      4. 高速道路料金体系整理
    2. 鉄道関係
      1. 整備新幹線の建設中区間の早期開業
      2. 北陸新幹線の未着工区間について財源を確保して早期着工
      3. リニア中央新幹線の全線早期開業
      4. 新幹線の基本計画だけでなく幹線鉄道ネットワーク構築
    3. 航空関係
      1. オープンスカイの推進
      2. 国内地方航空路線の利活用
      3. LCC参入推進
      4. 空港アクセス充実
    4. 港湾航路関係
      1. 整備推進
      2. 国際バルク戦略港湾,国際コンテナ戦略港湾の整備
      3. 離島航路整備推進
    5. 強靱化関係
      1. リダンダンシー向上
      2. 老朽インフラ更新推進
      3. ミッシングリンク解消
    6. その他
      1. インバウンド対策
      2. コンパクトシティ政策推進
      3. 自転車活用推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 公明党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転推進
      2. 電気自動車や燃料電池車の普及推進
      3. ユニバーサルデザインタクシー普及
    2. 鉄道関係
      1. リニア中央新幹線,整備新幹線の建設推進
      2. 交通バリアフリー推進
    3. 港湾関係
      1. 整備推進
      2. 離島航路の維持活性化
    4. その他
      1. 観光立国推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 希望の党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転推進
      2. 電気自動車や燃料電池車の推進
    2. 鉄道関係
      1. 時差通勤による満員電車ゼロ
      2. ユニバーサルデザイン,バリアフリー推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 日本共産党
    1. 道路関係
      1. 三大都市圏環状道路予算引き下げ
    2.  鉄道関係
      1. JR北海道の路線廃止を食い止める
      2. 全国の鉄道網維持
      3. リニア新幹線への投資水準引き下げ
    3. 港湾関係
      1. 国際コンテナ戦略港湾予算引き下げ
    4. その他
      1. 公共交通基金の創設による鉄道網維持
      2. 老朽箇所の改修

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 立憲民主党

※ 社会インフラ整備等の政策の具体的記述なし

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  •  日本維新の会

※ 社会インフラ整備等の政策の具体的記述なし

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 社民党
    1. 自動車交通関係
      1. 自家用車のライドシェアへの反対
    2. 公共交通全般
      1. 交通政策基本法を活かして地域公共交通への支援拡充

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

……(いろいろ突っ込みたい箇所もあるが)ということのようだ.なーるほど.

建設国債を社会保障の人件費にまわすという策

テレ東の10/16のWBSで,政策の方針として「新規の公共事業は我慢してもらって,その分,建設国債を社会保障の人件費にまわす」ということを述べいている,ごくごく最近できたばかりの党の党首の人がいたようだが,かなり無知だな.

建設国債による社会資本整備は,手元にインフラという資産が残るためにインフラ利用者が将来世代にもわたるので,あえて借金を将来世代にも残すことで平準化するために長期国債になっているわけでして,それを日々の消費としての人件費に回すというのは,無知もエエトコ.

それって単なる赤字国債じゃないスか.

アホですか.

#そういえば,乗数効果1とか言ってた過去の政権もあったっけ.

内部留保への課税という策

選挙に合わせて,内部留保への課税という策を打ち出している政治家がいるらしいが,実はもう既に事実上の”内部留保への課税”は実施されているんじゃないのかなぁ.

要は,1)何もせずに手元に置いておくと目減りすること,2)政府の懐具合が好転すること,の2つを満たす政策が内部留保への課税の特徴だろうと思う.

同種の機能を持つ既に実施されている政策としては「インフレ目標」がある.インフレが進行している状況下では,額面が変わらなくても…1)何もせずに手元に置いておくと実質的には目減りする.また,インフレが進行することで,2)政府の持つ既に借りてしまっている債務の実質的な利率が相対的に下がる.…なので,内部留保への課税と同種の効果を持つんじゃないのかな.

再起動」は不要っぽい気がするけど.下手の考え休むに似たりかもしれないので,本職の方,よろしく.

リニア建設で静岡知事抗議「誠意ない」

 静岡県の川勝平太知事は10日の定例記者会見で、大井川の流量減少が懸念されるリニア中央新幹線のトンネル掘削工事を巡るJR東海の対応について「県民に誠意を示す姿勢がない。猛省をうながしたい」と抗議した。

情報源: リニア建設で静岡知事抗議 JR東海に「誠意ない」 – 産経ニュース

ああああぁぁっぁぁぁ……揉めてます

遠くない将来,メインラインが東海道新幹線でなくなるからと言って,後足で砂をかけるようなことはしてはいけません.

「水利権」てのは,昔から血で血を洗うレベルの利権です.甘く見てはいけません.

リニア名古屋開業時のルート動画?

公式動画では無さそうだが,かなり手間がかかっていそうな動画に遭遇.リニアの品川-名古屋間のルートを追ったものである.

これを見ると,わかっていたことではあるが,大半がトンネル区間で,明かり区間も防音壁で覆われていることが多く,「超高速地下鉄」だなぁ.

あと,これもわかっていたことではあるが,途中駅へのアクセスがあまり便利そうではない.名古屋の西側も不便な場所に駅つくるつもりだろうか?

トンネル多過ぎ&短時間で到着なので,全線開業時に名古屋で降りる客が眠りこけて寝過ごして,終点まで連れて行かれる事案が多数発生しそう…

名古屋開業まで,今日でちょうど10年? 10年後の2027(平成39)年10月2日は土曜日で大安である.

国境を越える路面電車(2)

フランス東部のストラスブールの中央駅の地下から,D系統のトラムに乗って約30分.

ストラスブール市の郊外までやってくると,路面電車は橋を渡る.

 

橋を渡ったところはドイツのケールだ.

電停は多くの客で賑わっている.オレンジ色のはっぴのような服を着たおじさんは,どうやら券売機の操作方法を教えているようだ.まだ延伸開業して半年経過していないので,慣れない利用者が多いようだ.

この多くの客は何の目的でケールにやってきたのか不思議だったので,後をついて行ってみた…

しばらく歩くと,そこには,ケール市の中心商店街があった.

ここの「国際列車」は日常生活レベルでケール市とストラスブール市を結びつけたわけやね.

 

ドイツ西部の南北幹線鉄道ルートの改良

鉄道工事の失敗でエラいことになっているドイツ西部の南北幹線鉄道ルートであるが,何が行われてるんだろうか.

全体の路線としては,フランクフルトからマンハイム,カールスルーエ,フライブルクなどを経由してスイスのバーゼルに至る路線である.

そんで,工事の事故の発生したラシュタット附近では,左のような現在線の線形を右のように約15kmにわたって付け替えようとしている模様.変更する部分の北部では,住宅地付近の路線を高速道路の横に付け替えるとともに,急曲線のあるラシュタット駅については,附近の市街地の地下をトンネルで抜け,そして件の陥没事故のあった附近で現在線に戻すという工事のようである.

ラシュタット駅はICEが停まる必要のない駅なので,こういう路線改良(というかバイパス線の線増)ができる.

実は南部ですでに似たような改良工事が行われており,左のような旧線に対しライン川の沿ったぐねぐねの区間をバイパスするように,約5kmのトンネルでバイパスし,走行距離も約3km短縮するという事業が実施され(右),既に供用されている.

こうやって,ドイツでは日本の新幹線の線路のような高速新線の建設工事が行われなくても,ふと気がつくと200km/h以上で走行できる路線が徐々に増えてゆくという具合である.地図だけ見て「ドイツはICE用の新線整備が少ない」などと思っていては実態の認識を誤る.

日本は…方策が硬直化してるよね.