以前撮影したLRTの写真を整理していたら・・・よく見ると・・・
ん?
新幹線やTGVには無くて,ドイツのICEにだけ「特等席」がある.
上の写真がICEであるが・・・割とレアな「ICE-T」である.最高速度はICEにしてはちょっと遅めの230km/hだが,カーブに強い車両である.日本でいえば四国や九州の特急とか ,紀伊半島に向かう特急とかが似たようなシステムを持っている.
そんなわけで,台車はちっとゴツい.
で,話を元に戻すと,日本の新幹線やフランスのTGVでは「運転席かぶりつき」ができないのだが,ICEについては旧式の一部のICEを除き,運転席直後に座席があり,間仕切りがガラス張りになっている.もちろん,予約可能.空いていれば予約が無くてもレイルパスなどでも座れる.
ガラスには液晶が仕組まれており,「ヤバイ場面」になると曇りガラスに一瞬で変わる.
あ,そうそう,以前青函トンネルの話を書いた際に運転席側からの前面展望の写真を載せたが,北海道新幹線が完成するとこのような光景は簡単には見られなくなる.
日本では三菱重工が三原市に鉄道車両のテストコースを設置したようだ.三菱重工,鉄道といえば,ちょっと詳しい人なら電気機関車を思い出す.一時ほとんど鉄道関係はやめてしまっていたかと思うが,本格的再参入の意思の表れだろうか.
さて,鉄道のテストコースだが,海外メーカーはもっとすごいのを持っている.
ここはドイツのSIMENSのテストコース.欧州では新規形式の鉄道車両はすべて実際に走らせて問題が無いことを明らかにしないと,営業線では走らせてくれないそうである.そんなわけで,最近がんばっている日立も英国で新規参入する際にはいろいろと苦労している.
10年ほど前の話であるが,見学させてもらえた際の写真である.自社車両のテストも行うが,依頼があれば他社の車両の試験もすることのこと.
この際には,英国向けの第三軌条集電式の電車の試験中であった.
乗せてもらえるとのこと.確か160km/h運転まで対応のエンドレス線があり,乗車させてもらってぐるぐるグル.
三周くらいしてもらううちに,さすがに風景に飽きてきておろしてもらった.
場所はここですね.英国軍基地跡地の模様.日本も本格的に輸出ビジネスにするなら,もっと大きなテストコースが要るかも.
写真はドイツのカッセル市郊外のLRT停留所である。見ての通り、やたらとレールが多い。ロンドンの地下鉄とは異なり、走行用の電力は屋根上の電線から集電するので、そういう理由ではない。
6本あるレールを左からA,B,C,D,E,Fとすると、A-D、B-E、C-Fがそれぞれ組になっており、いずれも車両の走行用である。A-Dの組は写真左側のプラットホームに発着する電車用、C-Fの組は写真右側のホーム発着用で、進行方向別にホームが別になっている。じゃぁB-Eはというと、通過する貨物列車用である。
もともとここは貨物線であり、LRTは貨物線を間借りしての運行であったそうだ。ところが、貨物線にホームを直接設けてしまうと、LRT車輌の方が貨車よりも小さいために、ホームで待っている人が貨車に接触してしまう可能性が出てきた。そこで停留所部分だけホームを中心から遠ざけ、LRTを遠ざけたホームに近づけるためにこんな複雑な線路になったということのようである。ホームへの進入部分の分岐器がまた独特である。日本では、なかなかこうやってまで実現させようという熱意がないが、インフラ活用術は見習うべきところが多い。
この交差点をバスが曲がります.
隅切りはしてあるものの,「2車線+両側歩道」どうしの交差点である.
こんな感じの街路.車線部分が特に広いわけでは無い.
ちなみに,ドイツでは連節バスのことを「BRT」と言ったりはしない.単なるバスです.
ドイツのカールスルーエ市のというと,LRTのことを調べたことのある人なら必ず聞いたことのある都市であると思う.カールスルーエの場所はこの辺.
[map zoom=”10″]Karlsruhe, Deutschland[/map]
このまちのLRTは,市役所職員の話によると「質より量」の方針らしいが,この都市で有名になった「質」の面での工夫がある.カールスルーエ方式と呼ばれる郊外鉄道線と市内路面軌道線との直通運転がそれで,乗り換え無しで住宅地から中心市街まで行けるようになっている.郊外線はドイツ鉄道の線路なので,下の写真のように赤い近郊電車が走ってきたり,時には隣国から高速列車が乗り入れてきたりする.
その横の線路を黄色いLRT用の電車が走っており,タイミングが合えば日本の新幹線相当の電車と路面電車相当の電車がすれ違う,などということも生じる.下の写真は上の写真の3線部分の最も手前側の線路を黄色い路面電車が走ってきたところであるが,もちろん,2線しかないところでもICEとLRVのすれ違いはある.(…が,それを写真にとらえるのは至難の業)
3枚の写真は,この駅の構内で撮ったもの.
昨年夏,ドイツ国内を半月ほど研究調査目的でぶらぶらしてきたが,相変わらず,鉄道整備の勢いは衰えず,新線建設や在来線改良(ローカル列車用と優等列車用の複々線化工事)などが見られた.
例えば,ドイツの中規模以上の都市でICEが無いのはChemnitzだけであり,他の中規模・大規模都市ではICEのサービスが完備されている.ところで,そのChemnitzに実際に行ってみると,駅のホームは大規模に改築され,構内配線も改良工事中で,ICE乗り入れが近いのではないかと思われる.
それ以外の地域でも在来線の高速化改良は随所でみられるとともに,新線工事もしばしばみられる.下の写真は,Erfurt付近の新線工事である.
日本の高速新線網は,もう何年整備し続けてるんだったっけ?