投稿者「hatoko」のアーカイブ

今時の気動車

今時の気動車は,外見だけだと電車と見分けがつかないことも多い.外見だけでなく中身も昔とはだいぶ変わっている.

エンジンの馬力は,昔はちょっと大きめのエンジンを積んだ乗用車レベルだったが,大型バスくらいの出力まで大きくなった.

変速機も変速1段,直結2段(=自動車の場合のロックアップ機構,ですね)などというものは見なくなり,全部で5段変速くらいになってきている.

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いずれそのうち,気動車の標準システムは発電機を積んだ電車そのもの,ということになるかもしれない.海外ではそろそろそういう電車(日立製)が走ろうとしているし,日本でもキハE200というのは,そういったシステムになってきている.

遠方信号機

線路際の信号機は,赤橙緑のランプの後ろに黒い遮光板が付いており,その板は真四角では無くて上下端が丸くなっているのが標準である.

だが,たまに田舎の路線で真四角の黒い板がくっついた信号機が設置されていることがある.

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遠方信号機という名前で,駅の手前の信号機の,さらに手前に設置されていることが多い.

鉄道の信号機は,その横を通過すると緑→赤などと変化してその先に列車を入れないようにするのだが,この遠方信号機にはそんな機能は無く,この先にある信号機の表示している内容の一段上を示す,という単純な機能しか無い.

つまり,上の写真だとこの先の信号機(駅の直前の信号機)は橙(または緑)だということである.もしも橙色を示した遠方信号機があったら,この先の信号機は赤だということなので,ブレーキをかけた方がよい,と言うことである.

田舎の路線に多いのは,単線区間でなおかつ信号保安装置が簡易な装置しかついていない路線に限られているからである.どの程度簡易かというと,駅間の途中では原則として列車が居るかどうかを検知せず,駅を出発したことと隣の駅についたことを検知して(イン-アウトだけ管理),その間の状態なら駅間に列車が居るはず,と判断するというものである.

何事もなく動いているときには特に問題がないが,(通常はそんなことは発生しないが)駅を出発したことの検知に失敗すると途中に列車が居るかどうか知る方法が無いので,正面衝突してしまうことがある.(事故は様々な要因が重なった結果であるが)かつての信楽高原鉄道線もそのような信号システムであった.

来週14日で信楽高原鉄道事故から25年になる.鉄道の保安装置って,直接営業成績に結びつかないけど,大事だね.

複線化を→話進まず

大都市から離れると,線路際でよくこういったスローガンを見かける.

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日本全国で複線化や電化を目指している鉄道線は多い.

じゃぁ,(米国はダメダメだが)欧州はというと,余程でない限りローカル線であっても複線化や電化はほぼ実現されている.少なくとも特急や急行相当の列車が走っているようなところで単線非電化にはお目にかかったことが無い.

この差はどこから来るかというと,ほぼ「カネ」である.ちゃんと財源が確保されているということ.日本でいうところのガソリン税相当の税金がちゃんと公共交通に還元されており,ローカル線の複線化・電化・路線改良・新車購入といったインフラ投資にまわっているのはもちろんのこと,日々の運営費にも資金が投入されている.

一方,日本ではガソリン税は「自動車ユーザー」という名のニアリーイコール国民の利用する道路投資にまわされていた.その道路すら,今や一般会計を通して投資されるようになり,ガソリン税は単なる普通の税金になってしまった.

インフラ投資しないと,後々困るぞ.いつまでも使えると思うな,何とやら.

なお,JRに期待する声は多いが,近年JR各社が自ら進んでローカル線に単独投資した事例はほとんどない模様.

カーネギー1897

福知山線の柏原駅.「かしわばら」ではなく「かしはら」でもなく,「かいばら」

駅舎は花博会場からの移設であり,ちょっと凝ったデザインである.今回の話題は,駅舎ではなくて,ホーム.

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昔は結構ホームの上屋の骨組みとか,ホームそのものの脚とか,架線柱とか,いろんなところで古レールが使われていた.うろ覚えだが,レールの中古取引が昔はできなかったかららしい.中古取引ができてしまうと,勝手にレールを線路から外して売り払う輩が出てくるからだとか.今はそうではないとかなんとか.

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よく見ると,レールなので刻印がしてある.これは「CARNEGIE 1906」と書いてあるようだ.カーネギーというと,鉄鋼王で有名なカーネギーか? 今はUSスチールだね.

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他にもいくつかのメーカーっぽいのがあるが,ペンキが厚塗りされていて読み取れない.

こっちは「CARNEGIE 1897」とある.柏原駅開業が1899年のようなので,開業当時に使われていたレールを再利用したホーム屋根ということかな.ちょっとした歴史的建造物だな.

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…というわけで,切符を買ってしまいました

…というわけで,切符を買ってしまいました.

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朝早く大阪を出て,着くのは12時間半後.所要時間は航空の倍! 函館まで鉄道往復したことはあるが,記録更新だな.もちろん,往路復路とも陸路だ!

たぶん,この次に鉄道で札幌まで行くのは北海道新幹線が札幌まで完成した時だと思う.

新幹線札幌駅の件

新幹線札幌駅のホームの位置が決まらないという.元々あった新幹線駅候補用地に商業ビルを建ててしまったからだという.

ここまでアホな案件も珍しいが,目先の利益に走ってしまったんだろう.どうしても現駅西側の用地に建てたいのか? なぜ? 今ひとつ合理的な説明はなされていないようである.

巨大商業ビルをどうしても建てたいのなら,新幹線駅ホームになる階は準備工事をしておいて壁をぶち破りさえすれば力学的に何の問題も無くホームにできるようにしておくべきだったが,そういう先見の明も無かったようである.

さて,駅とビルの間を詳しく見ると,現1番線,およびビルとの間の空間を活用すれば,線路1線とホームくらいは設置できそうである.じゃぁ,(1面1線)×2を狭い空間に作る地下鉄駅のように,垂直方向に縦に並べてしまえば(2階と3階)一応収まるんじゃないかな.

神戸市営地下鉄三宮駅とか,京都市営地下鉄御陵駅(ここは2面4線)とか,縦に積み上げている例はいくつかあるぞ.地上なら京急蒲田駅(ここは2面6線)とかもそうかな.

・現1番線線路は新幹線用の線路に転用
・1番2番ホームは2番専用ホームに
・新幹線1番線線路用に南側にホームだけ設置
・新幹線1番線線路上空に新幹線0番線線路を設置(*)
・新幹線1番線ホームの上空に0番線ホームを設置(*)

(*)新幹線1番線の上空は0番線ホーム,新幹線1番線ホーム上空を0番線線路にする方が建設は楽かも.

3階部分を造ると,駐車場棟から現駅屋上の駐車場に車が出入りできなくなるとか言いそうだが,鉄道会社が「クルマが…」と言い出したら,終わりである.

なお,桑園駅の南側も狭そうなので,ここも縦に積み上げてしまえばいいと思う.

#今月末に札幌に行くので,詳しく観察してこよう.

名阪間をまっすぐに…

最近発売になった雑誌の特集号を見ると,リニアの名古屋以西のルートに関し,鉄道会社のトップが”名阪間は真っ直ぐ”と言っている.

(1) じゃぁ,真に受けて,真っ直ぐ線を引いてみよう.こうなる.名古屋駅-新大阪駅間,135km.「奈良付近」は京田辺/新田辺あたり.

名阪最短135km

(2) 三大都市圏以外では1県1駅が原則らしいが,以前から滋賀県には駅はできるという話は聞いたことがないので,滋賀県域に入らないようにすると…名阪間138km.完全な直線に比べて+3km.余分にかかる時間は約20秒.まぁ,”誤差の範囲”か.「奈良付近」は祝園あたり.

名阪滋賀回避

(3) 京都駅をまわることは遠回りだという認識らしいが,経由させてみると…名阪間145km.完全直線+10km.余分にかかる時間は,通過する場合で72秒.まぁ,大したことない.停めると,さらに+数分.停めるか停めないかが大きそう.

名阪京都経由

(4) 南限は大和郡山を経由する場合で,名阪間は146km.京都経由とほぼ同じ.直線+11km.余分にかかる時間は通過する場合で,80秒.これもまぁ,大したことない.けど,これって,数字以上に結構大回に見えるな.

名阪郡山経由

(5) 名阪間をなるべく直線で結びながら,なるべく沿線府県数を減らすために京都府と滋賀県を通らないようにするとこんな感じか.名阪間143km.余分にかかる時間は58 秒.まぁ,大したことないな.「奈良付近」は平城山あたり.

名阪京都滋賀回避

ということで,真に受けて真っ直ぐ線を引くと奈良には寄らないことが判明(…って,昔から知られてることで,鉄道評論家の本にも京田辺駅が登場するけど).

それから,京都駅経由が遠回りなら大和郡山経由も遠回りだと言うことが判明.でも距離的にはどちらも大して遠くは無い.ということは京都駅を通すと停めざるを得なくなって通過させる自信が無い,ということかな.

(ま,京都駅はそのままにしておいて別駅を新設した方が自社沿線地域の面積が広がるのでウハウハ,とか思ってそうだけど,長期的には「アレぇ?こんなはずじゃぁ…」と思うことになりそう,その件は,またいずれ.)

本命は(2)か(5)あたりか?

 

 

クリップ留め

「クリップ留め」というと,通常は書類のことであるが,最近はこんなものもクリップ留めである.

この写真は,これから敷設されるコンクリートまくらぎ.長寿命で重量があるのでずれにくいため,保守低減に役立つとともに,高速運転にも役立つ.以前のものは中央部がくびれていたが,最近のものはズン胴である.レールの下になる部分が少し幅広になっている.

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マクラギとレールは,簡素なものなら犬釘だけで固定されるが,さすがにそんな簡素なものは最近は見ない.レールとの固定もバネつきの鉄製を使ってボルト留めのことが多い.

さて,上のズン胴のマクラギの敷設後の様子.緩衝材がマクラギとレールの間にはさまれ,固定そのものは巨大クリップである.

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拡大するとこんな感じ.パチンと留めて終わり.作業の簡素化.

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レールとマクラギを留める方法だけでも,こんなにある模様