鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ

CANADIAN RAIL (大きな公園には引込み線)

日本でもかつては各所に引き込み線があり,現在でもその廃線跡を確認できることが少なくない.昔ながらの大きな工場は,臨海部の船が使える場所か,幹線鉄道沿いにあることが多い.
そんで本題だが,カナダの大きな公園に行くと,公園の隅っこにこんな設備があることがある.引き込み線である.
Woodside10-081Woodside10-086Woodside10-082かなり使用頻度が低そうな雰囲気ではあるが,大量の物資をトラックで運び込むよりは自然に優しい感じである.(このまま,自然に帰って行きそうな線路・・・)

アントワープ中央駅(BEFORE & AFTER)

アントワープというと,日本人には「フランダースの犬」だが,鉄道関係で言うと「立派な駅舎」で有名な駅である.
アントワープの中央駅に限らず,欧州の多くの駅は頭端式,つまり行き止まり式のホームで構成されており,その駅で終点の場合はいいのだが,さらに遠くに行くような場合には進行方向が変わったり,場合によってはその頭端式ホームの駅には停まらずに1つ手前の駅までしか来ないというようなことが起こる.
アントワープ中央駅の場合は,増加する列車回数に対応するとともに,頭端式の駅をスルーする列車に対応するために,大改良工事を行った.
10年以上前の工事中の様子は,下の写真のような感じ.
Europe08-0991
地平のホームのすぐ下に地下ホームを設けて2層式にするとともに,さらにその下をも掘って最下層に2面4線のスルー運転用の地下線を設けている.つまり,都合3層構造.地下線はそのまま市街地の地下を抜けて郊外に抜ける.
完成後はこんなかんじで,Thalysや運行中止になってしまったFyraなどが発着.日本なら「新××」駅を郊外に設けてしまいそうだが,中心駅に発着することを重視した改良工事だ.
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アントワープ中央駅(BEFORE & AFTER)

アントワープというと,日本人には「フランダースの犬」だが,鉄道関係で言うと「立派な駅舎」で有名な駅である.
アントワープの中央駅に限らず,欧州の多くの駅は頭端式,つまり行き止まり式のホームで構成されており,その駅で終点の場合はいいのだが,さらに遠くに行くような場合には進行方向が変わったり,場合によってはその頭端式ホームの駅には停まらずに1つ手前の駅までしか来ないというようなことが起こる.
アントワープ中央駅の場合は,増加する列車回数に対応するとともに,頭端式の駅をスルーする列車に対応するために,大改良工事を行った.
10年以上前の工事中の様子は,下の写真のような感じ.
Europe08-0991
地平のホームのすぐ下に地下ホームを設けて2層式にするとともに,さらにその下をも掘って最下層に2面4線のスルー運転用の地下線を設けている.つまり,都合3層構造.地下線はそのまま市街地の地下を抜けて郊外に抜ける.
完成後はこんなかんじで,Thalysや運行中止になってしまったFyraなどが発着.日本なら「新××」駅を郊外に設けてしまいそうだが,中心駅に発着することを重視した改良工事だ.
IMG_8655

車両と構造物の”限界設計”

構造物の限界状態設計法のお話し,ではありません.
英国ロンドンの地下鉄は,ご存じの人も多いように変な形をしている.ここまで切り詰めれば,無駄なしという感じの形状で,まずトンネルあり,それに合わせて電車ありという断面である.特に屋根の形状が特徴的で,出入り口の上方は丸く湾曲している.
おそらく初期の路線で建設費を抑えること,電車がここまで大量輸送に使われることを想定していなかったことなどから,小型車両が使われ,その後,電車の大型化に伴ってトンネルぎりぎりまで大きくなったのではないかと思うが,何かあった場合には逃げ道は前後方向以外存在しないなとも思う物理形状である.
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日本では近年,工事費を抑えた地下鉄としてミニ地下鉄が建設される場合があるが,トンネル断面積ではこのロンドン地下鉄の方が小さい.ということは,日本でもここまで割り切ることが出来れば,さらに地下鉄の建設コストを下げることが出来る可能性はあるが,「安全性がー」と言う話になって,実現しないだろうなぁ.ロンドンで実用になっているのだから,日本でも問題ないと思うのだが.

レールだらけ(近鉄編)

レールだらけと言えば,この駅.結構有名であるが,2つ写っている電車がなければ,どのレールとどのレールが組になっているのかわからないほどである.ヨーロッパの駅は構内配線が複雑であるが,日本の駅は路線系統ごとに線路が別々になっていて,拠点駅では客の足で乗り換えさせるケースが多い.あるいは,駅を出てから立体交差.そういう点では,この駅は例外的かもしれない.
IMG_2718この駅は近鉄の大和西大寺駅で,奈良駅方面,大阪・神戸方面,京都方面,橿原神宮方面の4方向に路線が伸び,複雑な運行が行われるとともに,同駅が終点の列車もあり,さらに電車の車庫も併設という超絶ヤヤコシイ駅である.

  • 奈良方面↔大阪・神戸方面
    奈良方面↔京都方面
    京都方面↔橿原神宮方面
    京都方面↔当駅終点
    橿原神宮方面↔当駅終点

運行管理や線路保守等々,気が狂いそうなくらいヤヤコシイ駅だと思うが,おそらく便利さでは奈良県下で一番である.高架化の構想もあったと思うが,線路そのものが超絶ヤヤコシイ上,この駅の東隣には平城宮跡があり,工事も超絶ヤヤコシイことになりそうで,話は全く具現化していないようである.
リニアの奈良駅も奈良県下で揉めているが,工事が可能ならこの駅併設が奈良県民には最もhappyである可能性が高いが,地平線路はおろか,地下線であっても「地下水位が変化すると,木簡の保存状態が・・・」などという地区なので,かなり難しそうである.

レールだらけ(トラム編)

写真はドイツのカッセル市郊外のLRT停留所である。見ての通り、やたらとレールが多い。ロンドンの地下鉄とは異なり、走行用の電力は屋根上の電線から集電するので、そういう理由ではない。
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6本あるレールを左からA,B,C,D,E,Fとすると、A-D、B-E、C-Fがそれぞれ組になっており、いずれも車両の走行用である。A-Dの組は写真左側のプラットホームに発着する電車用、C-Fの組は写真右側のホーム発着用で、進行方向別にホームが別になっている。じゃぁB-Eはというと、通過する貨物列車用である。
もともとここは貨物線であり、LRTは貨物線を間借りしての運行であったそうだ。ところが、貨物線にホームを直接設けてしまうと、LRT車輌の方が貨車よりも小さいために、ホームで待っている人が貨車に接触してしまう可能性が出てきた。そこで停留所部分だけホームを中心から遠ざけ、LRTを遠ざけたホームに近づけるためにこんな複雑な線路になったということのようである。ホームへの進入部分の分岐器がまた独特である。日本では、なかなかこうやってまで実現させようという熱意がないが、インフラ活用術は見習うべきところが多い。
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レールだらけ(地下鉄編)

鉄道線路は左右のレールが1組になっている。わざわざ言わなくても、子供でも知っているお話。ちょっと詳しい子供なら、地下鉄には3本目のレールがあることを知っていることもある。
第三軌条(サードレール)と言って、地下鉄電車に電力を供給するためのレールで、その代わりに屋根上の架線が無い。架線が無いとその分だけトンネルを小さくできるので、建設費を安く抑えることができる。
じゃぁ、この地下鉄は? レールが4本ある。ロンドンの地下鉄。最も左のレールは電力供給用、左から2番目と最右端のレールは車輪が走行するためのレール。じゃぁ、中央のレールは?
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中央のレールも電力供給用。最も左のレールと中央のレールには碍子がついており、絶縁に気が使われていることがわかる。この2組でプラス極とマイナス極(厳密にはちょっと違うようだが)になっている。通常は走行用のレールをマイナス極と共用にするのだが、ここでは別にレールがわざわざ準備されている。
別にすることのメリットとしては、変電所に帰る電流が地中などを伝って思いもよらない箇所に電蝕…つまり一種の電気分解ですね…の影響を与えることを防いだり,電車のボディーとホームとの間に電位差が生じて乗客が感電したりすることを防げる(だったっけな)。

連節バスは広い道しか走れない…というわけではない

この交差点をバスが曲がります.
 

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IMG_6331隅切りはしてあるものの,「2車線+両側歩道」どうしの交差点である.
こんな感じの街路.車線部分が特に広いわけでは無い.
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ちなみに,ドイツでは連節バスのことを「BRT」と言ったりはしない.単なるバスです.

これは日本的基準ではBRT?

日本的基準では連節バスはBRTのようだが,じゃぁ,後ろに延ばすのではなく上に積み上げても日本的基準ならBRTになりそうなものである.
さらに,その中量輸送相当のバスがウジャウジャ専用レーンを走っていたら,これは「大量型軌道」か?Europe08-0202こうやって極端な例を考えてみると,何がおかしいかがわかりやすい.LRTやBRTは確かに「中量輸送」ではあるが,輸送量の多寡だけが都市交通の仕分けの基準ではない.都市内においてどんな役割を担うのかを考えて基準を設けないと,変な話になってゆく.
似たような話は,「街路の規格」にもある.日本の基準では街路は自動車交通をどれだけの量,どれだけの速度で通すかしか基準がない.そろそろ,いろいろ見直した方が良さそうだ.

きかんしゃトーマス

大井川鉄道できかんしゃトーマスが走るそうだが,英国にある多数の保存鉄道の一部でも,トーマスが走っている.
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Europe08-0286顔つきがちょっと違うぞ,という話は置いておいて,トーマス号はたくさんあるわけではなく,異なる保存鉄道間で貸し借りしているようである.
日本から行くなら,事前予約することが出来たと思う.写真は,ロンドンから電車で1時間ほどのAltonから延びるミッドハンツ鉄道である.
終点は,こんな感じ.