暑さが原因?レールゆがむ

夏が近づくと,全国のどこかでほぼ必ず起こる事故である.

 30日午後3時30分頃、岐阜県七宗町中麻生のJR高山線の下麻生駅―上麻生駅間で、レールの一部がゆがんでいるのを、線路の点検をしていたJR東海の作業員が見つけた。 情報源: 暑さが原因?レールゆがむ…一時運転見合わせ

線路は砂利の上にまくら木を並べてそれにレールを固定するが,寒暖の差でレールが伸縮するのをレールとレールの継ぎ目の隙間で吸収するという話は有名.電車がガタンゴトンと音を立てるのは,この隙間のせいである.

さて,夏を迎えるにあたって,この隙間が安全な範囲に調整されてなかったり,想定外に暑かったりするとどうなるかというと,隙間が完全に埋まって,レール同士が押し合いへし合いするようになる.

押し合いへし合いしているだけならいいのだが,レールが完全に一直線なわけは無く,わずかにゆがんでいる.そうすると,そのゆがみをめがけて押し合いへし合いするものだから,まくら木ごと横に飛び出してしまう.(一種の座屈破壊やね)

この手の事故は,北海道などの冷涼な地域で良くあるが,たまにはそれ以外の所でも起こる.北海道では,確かレールの温度を下げるために水をまく貨車があったんじゃ無いかと思う.

なお,レールを溶接してしまったロングレールの区間では,そもそもレールの隙間が無いのでまくら木ごと横に飛び出してしまうのを防ぐために,重いレールと重いコンクリートのまくら木でがっちり押さえ込んでしまう.できれば「砂利+まくら木」ではなくて,高架橋上のコンクリート板にレールを直接がっちり固定してしまえばなお確実である.新幹線はこの形式だな.

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