北陸新幹線の大阪延伸問題で、京都商工会議所の立石義雄会頭(オムロン名誉会長)は29日の定例会見で、与党が年内にも決定する延伸ルート案について、「政治的に決定した…
情報源: 「小浜舞鶴ルート案は採算性が最も悪い?」北陸新幹線延伸問題、京都商工所は苦渋…
この記事の最後の部分にこうある.
「北陸新幹線をめぐっては、京都と大阪をつなぐ南北新ルート2案も検討されているが、立石会頭は、府南部のけいはんな地区を経由する「南ルート」案に対し、「リニア中央新幹線(の新駅)との結節点でないと、あまり意味合いがなくなってくる」と述べた。」
えーと,ちょっと補足しておくと,リニアの”奈良市付近”の駅には毎時1本程度の停車,品川まで1時間半ほどかかるので,北陸新幹線の「南ルート」の駅がリニアの接続駅になっても,京都市の人が北陸新幹線の10分ほど乗ってわざわざその駅に行くことは少ないと思います.
京都駅からは東海道新幹線で名古屋まで約35分,リニアが開業しても毎時数本は東海道新幹線の列車は運転されるでしょう.名古屋で乗り換えてリニアで品川まで40分ほど,こちらも毎時数本というのが最速ルート.ということで,京都市の人はこの経路がメインルートになるはず.
じゃぁ,北陸新幹線の「南ルート」とリニアとがこの”奈良市付近”で接続されるとどこが恩恵を受けるのかというと,まぁ京都府南部の人はもちろん恩恵を受けて,奈良市および奈良県北部も恩恵を受けるのだが,北陸新幹線沿線で恩恵を受けるのは小浜〜敦賀あたり.福井市あたりになると乗り換え無しの北回りで東京まで行くのと”奈良市付近”経由が時間的には同程度になり始め,さらに東ではリニア開業後でも北回り有利.
それからまだ見込は立っていないが,山陰新幹線が京都市北方で分岐し,北陸新幹線の「南ルート」経由で大阪まで乗り入れるようになると山陰の各地から東京までの最速ルートは山陰新幹線+リニアを”奈良市付近”で乗り継ぐのが最速ルートになるはず.
例えば鳥取から東京までは,現状では姫路乗換で5時間弱かかっているが,山陰新幹線とリニアを”奈良市付近”で乗り継ぐと約3時間ほどになるはず.(新大阪乗り継ぎと時間変わらず,料金はこちらの方が安いはず)
「北陸新幹線が日本海側と太平洋側を連絡する重要路線であることも考慮し」の意味は実はこの辺にあったりするんだが,国土交通省やJR各社を含めて理解している人は少なそう.国土のグランドデザイン,とはいうものの,鉄道のグランドデザインできる人は日本(東京)にいるのかねぇ?