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ドーナツの認識方法について

低迷する大阪を何とかしたい,その問題意識は正しい.

だが,大阪の長期衰退の原因は,西日本における中心性の低下,国土の双眼構造の崩壊に他ならない.

府と市をくっつけて都を名乗ればそれで解決できるようなレベルではない構造的な問題が既に発生しており,数十年単位でこの先,大阪(および近畿一円)が苦しみ続けるのではないかと心配している.だが,残念ながら現時点では内向きの議論ばかりなのが悲しいところ.

首都圏と関西圏では新幹線をはじめとする広域交通インフラの差が歴然としており,これが西日本における中心性を失っている主因である.

ドーナツは周辺があるからドーナツだ.周りがなければ,どこが中心かわからない.


詳しくは,以下のリンクを参照.
「都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり」

第1話-新幹線偉大なり編第2話-産業振興vs交流編第3話-他の交通機関編
第4話-東海道vs中山道編第5話-新幹線駅が都市圏形成編第6話-駅アリ>駅ナシ編
第7話-20年差が命取り編第8話-後手必敗編第9話-東密西粗編編
第10話-リニア編

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(VOL.6編)

今回も大阪の与党の政策広報誌に記載されている都市計画,交通計画がらみの話は妥当な方針かどうか考察してみることにする.まじめに考察するので,いちいち逆ギレしないでね.前回分はこっち.

今回対象とするのVol.6である.

1枚目の漫画には…

何で同じようなもの2つもいるねん?

…と,施設が2つあることを批判している.だが,問題なのは供給者がだれであるか以前に「供給過剰なのか,それとも適正か」の議論であるはずなのだが,供給者が単一ではないことを問題にしているように見える.


2枚目は,供給過剰な計画を立てすぎだという点を批判しているように見えるが,市と府で供給の調整をすれば済む問題だといえばそれまでであるようにも思える.

さらに2枚目下方に広域戦略の実績例として御堂筋の高さ制限緩和の話が載っているが,阿倍野の再開発を批判しておいて御堂筋の規制緩和を推進するというのも変な話である.阿倍野の再開発を成功させるには他の地区の開発速度を抑えるような政策を推進すべきだろう.そもそも,この政策は府市統合や広域行政と関係あるのか???

※1 御堂筋における良好な都市景観を目指し,スカイラインをそろえるために60M規制を長年してきたんだが,あんまり理解していないみたいだね.

※2 御堂筋での容積率の増加は,そのまま地下鉄御堂線の輸送力の逼迫につながるのだが,そこまで考えてるのかな.

※3 大阪市の開発事業の破綻時期を見ると,着工時期がバブル期,破綻時期がバブル崩壊時期なので,これって二重行政というよりは単にリスク管理できてなかったからだけだよね.府市くっつけてもリスク管理や総量管理できてなければ同じ結果になりそう.

「大阪市が巨大すぎるゆえに,莫大な税金の無駄遣いがなされてきた!」

これって,大阪市を縮小すべし,という意見だよね.昨今の府市統合しても大阪市は変わらない的な説明と相反するんだが,どう理解すれば良いのかな?

以上より,今回のチラシについては,過剰投資に関する重要な問題意識の提示はされているが,府市統合とは関係の無いことが関係があるように書かれていたり,論点のずれた解決策の提示がされていたり,今後の大阪市に関する矛盾を含んでいたりと,整合性が乏しいようだ.

たぶん,つづく

京都も大阪も見えます

どうでもいいお話.

だいぶ前に,我が家から明石海峡大橋が見える話をしたが,明石が見えるのなら…

DSCN2145

この右側奧のって,京都タワーだよね.それから…

DSCN2139

これって,OBPだよね.大阪城は確認できず.あと…

DSCN2142これって,新梅田シティだよね.

京都も大阪も見えているのに,どっちへ行くのにも1時間くらいはかかる.リニアが建設されようかという時代なのに,都市交通って遅いね.

不要な線路は撤去

最近,ホームはあるのに線路がないという光景をいくつかの駅で見かける.

DSCN1615聞くところによると,線路設備は使用不使用にかかわらず,保有しているだけで固定資産税がかかるそうである.ということで,使わない設備は即撤去するそうな.

しかし,使用頻度が低いからといって片っ端から撤去すると,異常発生時に全く融通が利かなくなってしまい,ダイヤが乱れたら乱れっぱなし,という事態になってしまう.

昨今の鉄道における輸送信頼性はこういったところが原因のことがあるが,使用頻度の低い非常用設備への固定資産税課税を軽減する方法は無いものかと考えてしまう.

ツッコミどころの多い地図(6)

今回は土佐くろしお鉄道の「野望」である.例の地図には,四国南部にこういう路線も描かれている.

DSCN1001

ご存じ,土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線である.この地図では全線予定線のままであるが,実際には南国市の後免から安芸を経て奈半利まで開通している.その先,予定線は室戸を経て宍喰方面まで続き,徳島県下の牟岐線につながる予定である.牟岐線付近は阿佐海岸鉄道として実際に甲浦まで開通している.

そして,さらに…

DSCN1000

西側の足摺岬付近では,中村(この地図ではなぜか四万十にちゃんと改名されている)から宿毛を経て愛媛県の宇和島まで予定線が延びている.実際には中村から宿毛の間が開業しており,宿毛駅は終端駅になっているが,そのまま延ばそうと思えばさほど難しくはなさそうである.

どちらも高知市に近い側が開通しているが,残る部分は県境を挟む区間であり,県境を挟む区間では一般的に移動数が少ない(ローカル線では通学客が多い)ために,さらなる延伸はかなり厳しそうな気配ではある.

新幹線鉄道開業50年

…の記念硬貨をゲット.(というか,換えてきてもらった)
東海道,山陽,東北,上越,北陸の各柄あり.IMG_8454

調べてみると,鉄道が記念切手になったことは過去に何度もあるけど,鉄道が記念硬貨になったのはこれが初めてかな?(瀬戸大橋とか,青函トンネルとかの記念硬貨はあったみたいだが)

IMG_8455

全柄共通なのが反対側で,デザインとしては,これが一番カワイい.(昔の新幹線若返り工事のマークに似ていると思うのは私だけだろうか.)

ツッコミどころの多い地図(5)

今回はナゾの新幹線である.

この(いい加減な)地図では,新幹線は赤色で示されているのだが…

DSCN1104

こんなところに北陸新幹線? いやいや,これは北越急行線.長野のことを気にしなくても良いのなら,北陸新幹線はこのルートでもよかったかもしれないが,さすがに基本計画ですらこんなルートはない.

単線の在来線を新幹線として描くとはなかなか大胆な地図である.

【祝】サイトリニューアルだいたい1年

コラムサイトをリニューアルしてだいたい1年経った.
最近の人気の記事をピックアップしてみると,こんな感じである.(なお,最もアクセスが多いのはトップページ)

  1. 2014/05/29 青函トンネル対応の新幹線電車考
    • 北海道までもう間もなく新幹線が走ろうとしているが,皆様ご存じのとおり,困った問題がまだ解決されていない.青函トンネルでの運転速度の問題だ…302 point
  2. 2014/09/21 鉄道後進国ニッポン(気動車1両でも140KM/H)
    • もう,段々感覚が麻痺してきたが,フランスの超閑散線区向け気動車1両編成列車.通称マッコウクジラとかシロナガスクジラ,と言うらしい…248 point
  3. 2014/07/08 茨城県のBRT(かしてつBRT編)
    • 2007年に廃止になった鹿島鉄道の代替バスは「かしてつバス」と呼ばれる.運行はかしてつではなく,関鉄グリーンバス.その路線の一部が鹿島鉄道線の路盤を転用したバス専用道になっており,「かしてつBRT」と呼ばれているらしいので行ってみた…209 point
  4. 2014/07/11 茨城県のBRT(ひたちBRT編)
    • 日立にもBRTがあるようなので,立ち寄ってみた.日立駅ではなく,大甕(おおみか)駅発着.ここも日立電鉄線の廃止線路跡をバス専用道として活用している.廃止路線の代替バスというわけではないようである…184 point
  5. 2014/10/11 ロングレールの継ぎ目
    • ロングレールというと,レールを溶接して継ぎ目を無くしたレールであり,高速鉄道や住宅地等々,騒音や振動を嫌う箇所で使われる.それでも完全に継ぎ目無しというのは珍しく,信号用の回路の関係等が理由で所々に継ぎ目がある.標準的なものはこんな感じ…149 point
  6. 2014/10/16 近鉄瓢箪山駅の不思議な配線
    • どーでもいいお話しに近い話.下の写真は近鉄瓢箪山駅の構内配線であるが,よく考えると不思議な配線である.一見,安全側線だが…149 point
  7. 2014/10/10 弾丸列車計画の駅選定とリニア計画
    • 東海道新幹線計画の祖先こと弾丸列車計画.正式には「新幹線計画」と言ったらしいが,最近刊行された書籍を読んでいると,どの都市とどの都市を結ぶべきか,つまり駅選定の際に考慮した事項が載っている…139 point
  8. 2014/10/05 この踏切に引っかかると留年
    • ほんとかどうかは知らないが,この踏切に引っかかると留年したらしい…138 point
  9. 2014/10/02 予讃線のトンネル
    • 予讃線は県間を結ぶ幹線鉄道なのに,なぜか単線のままで特急列車が向かいから来る特急列車を待ち合わせ...などということもある.この日は向かいから来る列車がちょっと遅れているようだ.ちょっとクスッとくるような理由で(内緒)…137 point
  10. 2014/08/16 軌間可変電車(FGT)の台車のお話し
    • GCT (= Gauge Changeable Train)というか,FGT (Free Gauge Train) というか,新幹線の広めの軌道と在来線の狭めの軌道を直通運転できる電車の開発が始まって,かなり経過した…133 point
  11. 2014/10/18 あれ?何かいた!?
    • 大阪モノレールに乗っていると,大阪の鳥飼というところにある新幹線の車両基地のすぐ近くを通る…132 point
  12. 2014/10/09 PARK & RIDE (SKY TRAIN編)
    • バンクーバーのスカイトレインのお話し…128 point
  13. 2014/09/25 エアロトラン
    • エアロトレインとも言うが,リニアの宮崎実験線跡で研究しているあれではない…121 point
  14. 2014/04/16 鉄道後進国ニッポン(非電化急行は160KM/H)
    • 非電化,単線,4両編成のディーゼル急行というと,日本だと(もう絶滅したけど)山の中をゴトゴトとゆっくり走るイメージだけど,ドイツの非電化,単線,4両編成のディーゼル急行というと,こんな感じ…120 point
  15. 2014/07/16 東海道新幹線の能力
    • 日本で最も輸送能力が高い幹線鉄道は,言うまでも無いが東海道新幹線である.1編成16両で,1300人以上の座席定員がある…117 point
  16. 2014/10/07 ミニ地下鉄
    • ミニ地下鉄という地下鉄がある.交通システムの教科書では,中量輸送機関に分類されている小型地下鉄である…116 point
  17. 2014/12/27 【祝】片町線減便決定!
    • もちろん【祝】な訳ないだろ.今度の3月改正で,昼間の運転状況がこうなるらしい…115 point
  18. 2014/10/03 AMTRAK(振り子式列車編)
    • カナダのVIA鉄道だけでなく,米国のAmtrakにも振り子式列車がある.シアトルとカナダのバンクーバーを結ぶ列車である…105 point
  19. 2014/11/17 姫路駅前の「トランジットモール」
    • 姫路駅前が「トランジットモール」になるらしいと言うので,立ち寄ってみた.夏以来なので,2度目.若干工事が進んでいる…104 point
  20. 2014/05/26 東北に行ってみた(BRT編)
    • 既にご存じの方も多いが,気仙沼線では被害が大きく,復旧の見込みが立たないことから,使用できる路盤を道路転用し,バス専用道化して「BRT」として運行されている…99 point

それぞれのページがなぜよくアクセスされているのかは不明.

都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第2話-産業振興VS交流編)

第1話-新幹線偉大なり編の続きである.

「地域の発展」というと,昔は富国強兵,殖産興業だが,比較的最近なら全国的な発展度合いを均衡化しようとしていた,つまり国土の均衡ある発展を目指していた一連の全国総合開発計画が思い浮かぶ.

全総関係のプロジェクトはいろいろあるが,大きく分けて交通系の大規模なプロジェクトと,地域開発系の大規模なプロジェクトとがある.地域開発系のもので有名なのは社会科の教科書にも出てくる「新産業都市」である.

新たに工業都市を設置して,それを核に地域開発しようというのが新産業都市であり,主として地方部に配置された.よく似た「工業整備特別地域」の方は,新産業都市が新規設置であったのに対して,こちらは既にある程度開発が進んでいた地区を指定して工業促進を図ったものである.

その全国的な分布の概略が下の図であり,緑色の星印が新産業都市で基本的には地方部に位置する.黄色の星印が工業整備特別地域であり,太平洋ベルト地帯に多い.

semi-041a均衡ある発展を目指したプロジェクトだったはずなので,成功すれば地方部にも人口が張り付いて,例えば人口ベスト15から落選した都市にいくつか返り咲きが生じても不思議じゃぁ無かったわけだが,そうでもなかった.

結局は緑色の星の配置よりは,新幹線の配置の方がしっくりくるという結果になる.つまり,産業を意識的に配置するよりは,新幹線の方が影響が大きかったということだろう.

つまり,大阪(および近畿一円)の発展のためには,自地域における産業を直接的に活性化するという視点だけでは長期的な繁栄はおぼつかないということである.とかく大阪の人は自らが頑張れば何とかなると思いがちなのだが,こういった地域間の連携につながる策が必要なのだが…(…逆ギレしないでね.)

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経済学が専門の人に「簡単すぎる」と叱られるのを覚悟で簡便化して説明すると次のような話になる.地域というのは,全国的に金太郎アメなワケでは無くて,場所場所によって得手不得手がある.

例えば,甲地域は商品Aを生産するのが得意で,100円という安価で生産できる(別に商品でなくてもサービスでも良いが,あまり細かい話は置いておく).でも商品Bを生産するのはあまり得意ではなくて,200円かかる.

一方,乙地域では商品Aの生産は得意ではなくて200円かかるが,商品Bの方は得意であり,100円で生産できる.

このとき,甲地域も乙地域も,それぞれ商品Aを100個,商品Bも100個必要だったとして,お互いの交流が全くなく,必要なものは自地域で全て生産したとしよう.そうすると,全体で必要な生産費用は下の図のように60,000円になる.

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さてさて,ここでお互い得意なものを交換できるようになったとしよう.得意でない方の商品は生産を止めて,甲地域は商品Aを200個,乙地域は商品Bを200個生産して,それぞれ100個ずつ交換する.交換の際に相手側に渡す際の値段を100円ではなくて150円にしたとしよう.

そうすると,お互い交換する商品については,値段と量が同じなので(輸送費等の話を脇に置いておくと)相殺できたとして,全体で必要な生産費は40,000円になる.先ほどの場合と比べると全体の生産費は下がった.必要なものはそれぞれの地域で必要な個数確保できている.

地域間交流ばんざい,なのかもしれない.いわゆる「選択と集中」の基礎だろう.自由貿易の基本概念だろう.交通整備が必要な基礎的背景はここにあるといえる.(同時に自由な取引を阻害すべきでないという基礎もここにある)

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ただし,このシステムは必ず成功するとは限らない.自由貿易論者が隠している別のシチュエーションが存在しているので要注意である.

Give & Takeの関係が成功してWin-Winの関係が構築できるのは,それぞれの地域が必ず他地域に差し出せるだけのレベルと量の「得意なもの」を持っているという暗黙の前提がある.

例えば,下のように甲地域は商品Aも商品Bも生産が得意でない場合,甲と乙を結んでしまうと全体の生産コストは下がって効率化が進むが甲では何も生産できずにただ買うばかりになってしまい,地域の経済が破綻する.それでも交流が開始された地域間では効率化が進むので,全体としては何もしていない地域群に比べると強い地域圏が形成される.新幹線はそういった地域圏を形成する効果があるといえる.

give-take.027 が…まだ第2話である.これだけで話は終わらない.

つづく

都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第1話-新幹線偉大なり編)

ずいぶん人に知れることになってしまった下の図(あるいは,これの亜種).元々は10年以上前の市民講座用のスライドで,その後,授業用に転用.研究室のwebサイトには実は8年くらい前から掲載されている.

転載等を許した書籍や講演会等では,今日の第1話程度の内容しか書かれず,早々に「新幹線は重要」という結論に至っているが,詳しく話すと1時間ほどかかるような内容が裏にはある.大変重要な情報なので,大阪(および近畿一円)の方は,よーく説明を理解して欲しい.この手の予期せぬ指摘をすると,逆ギレする人が大阪には多いが,キレてないで早々に対処する必要がある話なので,早く頭を切り換えて欲しい.

日本国内での発展した場所というと,東京,名古屋,大阪etc…いろいろ具体的な地名が思い浮かぶと思うが,皆さんの頭の中では,それはごく当然のこととして受け止めていると思う.だが,今から140年近く前の日本の人口ベスト15は,このような都市であった.なお,人口ベスト15というと,現在の100万人クラス以上の都市数に近い.つまり,この下の図が,かつての日本の大都市とその配置なのである.

semi-031この図の都市には,今となっては少々違和感のある都市がいくつか含まれている.北海道では,札幌が大都市なのではなくて函館である.北陸の富山や金沢は全国屈指の大都市であった.近畿では和歌山が全国的大都市であり,四国にも徳島という大都市があった.九州の大都市は北九州でも福岡でもなく,熊本と鹿児島である.

さて,近年の人口ベスト15の地図を作ってみると,下のようになる.そうすると,明治の人口ベスト15からは函館,富山,金沢,和歌山,徳島,熊本,鹿児島が「落選」する.100年以上の間に,何かが起こったわけである.

ここに新幹線の路線を書き込んでみる.そうすると,何と,「落選」した都市は新幹線から外れた都市ばかりではないか.熊本と鹿児島への新幹線はごく最近出来たので事実上は新幹線が無かった都市として考えて良い,新幹線の効果絶大なり,と言っても過言ではない.唯一の例外は札幌だけではないか.

semi-032さらに,この図にベスト15から漏れている,最近政令指定都市になった箇所を書き込んでみると…新潟,静岡,浜松,岡山,熊本いずれも新幹線上である.例外は相模原だが,ここにはもうすぐリニアの駅ができる.これは,もう,新幹線の効果は間違いない.

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というのが,基本的筋書きなのだが,かなり「途中略」になっている.その「途中略」の部分を説明してみよう.なかなか講演会等でも省略せずに話せる機会はないくらい,話が長い.全9話の予定である.

大阪が府市統合(都構想)を実現させれば大阪の衰退に歯止めがかかるのではなかろうか,と考えている人が多いものの,実は上に触れた「途中略」はそれを超えるかなり大事な話の可能性が高いと思っている.もしかしたら府と市をくっつけて都を名乗ればそれで解決できるようなレベルではないような構造的な問題が現時点で既に発生してしまっており,数十年単位でこの先,大阪(および近畿一円)が苦しみ続けることになるのではないかと心配している.

が,残念ながらこの手の話よりも内向きの議論ばかりされているのが悲しいところ.

つづく

#逆ギレしないでね.いちいち逆ギレしていると,大事なことを話す人が少なくなってしまうので,結局損するのは逆ギレした人,という状況になると思う.日本国憲法第21条とか,日本国憲法第23条って大事だよね.法律家なら知ってると思うけど.