日本で最も輸送能力が高い幹線鉄道は,言うまでも無いが東海道新幹線である.1編成16両で,1300人以上の座席定員がある.
さて,東海道新幹線の運転可能本数は,以前は4分間隔の毎時15本であったが,これは東京駅の処理能力,もっと厳密に言うと,東京駅のすぐ横浜側の分岐器の能力に依るところが大きかった.他の駅が駅構内への進入速度が70キロで設計されているのに対し,ここの分岐器だけが60キロ制限になっており,列車が構内に入りきるのに他の駅よりも時間がかかったからと思われる.東京駅付近での列車の最小運転間隔は3.75分であったが,新大阪駅付近ではそれよりも短かったようである.新幹線の列車検知はレールに特殊な電流を流して検知する方法(軌道回路)が原則だが,東京駅および一部の駅には光学式の装置が併設されており,列車の進入完了の検知精度を向上させているのではないかと思われる.
写真の右上の小箱が光学式の検知器,左側の箱2つが軌道回路用の装置.(東京駅)
2006年からは保安装置がデジタル化されて,ガクンガクンと何度も急なブレーキをかける方式から滑らかにブレーキをかける方式に改良されるとともに,運転間隔が3分間隔以下になっており,京都駅や名古屋駅ではピーク時間帯には時刻表上であるが,2分間隔で列車が雁行することもある.米原や岐阜羽島などで各停タイプの列車がのぞみ号にゴボウ抜きされる場合の運転間隔も,実測すると2分台になっている.
東海道新幹線には,まだ潜在能力がありそうである.