初夢鉄道2016(地方創生編)

こんな夢を見た.

2015年春に北陸新幹線が出来た後,ずいぶん金沢が注目されてにぎわったせいもあり,地方創生に新幹線は有効だという社会的認識が形成されるきっかけとなった.翌年,北海道新幹線が函館市の北方まで出来た際も,函館まで新幹線で行って道南観光をした後,千歳空港アウトという観光ルートが一般的になり,こちらもそこそこにぎわった.

妙なプロジェクトに金を出すよりはこっちに出した方が確実だという話になり,財務省の査定は新幹線とそれがらみの案件は通りやすくなった.いわゆる整備新幹線も残工事の完成は時間の問題と言うことがわかってきたため,「新」整備新幹線の策定,つまり基本計画線のうち,有望な路線や区間を新たに整備計画にしようかという話になってきていた.

ある程度地域バランスをとりながら,数路線区が取り上げられ,整備計画になるとともに具体的な工事の段取りについても着手された.これまでの整備5線は昭和40年代策定で半世紀以上かかって完成していたため,時間のかかりすぎだと言うことを反省し,現実的な時期に完成できるように資金計画が練られた.新たな整備計画線は,そこそこ客数が多い区間や大都市部における区間など,沿線開発も重視しながらも実際の利用客数がある程度見込める区間が選定されている.

一方,リニア新幹線については相変わらず各種の申し出—名古屋以西の区間について何らかの公的資金を投入して早期全線完成するための各種の案など—については,断り続けていた.東京大阪間の鉄道の影響は非常に大きいので,このような態度を受け,企業の大阪からの流出は大きくなり,東海道新幹線の客数の名古屋を境に多段落ちが激しくなってきており,東海道新幹線の客単価が下がり始めていることが幹部の気になり始めていた.

北陸新幹線の敦賀以西のルートについては,一時期大幅な遠回りの提案もなされたりしたが,いわゆる小浜ルートの変形である京都経由案が現実視され,実際にそのようなルートで実現した.東海道新幹線へ京都から乗り入れる件についても例のごとく運営会社から突っぱねられたため,京阪間は淀川の南側を経由して大阪に達するルートとなり,山陽新幹線との直通運転が実現した.あれほど北陸新幹線とのシステム統合の費用ガーと叫んでいた割には,あっさりと東海道山陽新幹線と北陸新幹線系統のシステム統合が行われた.これにより,東海道新幹線経由の客はさらに減少することになってしまい,悩ましさを増した.あまり急がない客や北関東の客は,大地震をおそれてなるべく北回りで移動しようとする人が増えている.山陽新幹線沿線と直通することで北陸新幹線沿線への移転を考える企業も増えている.

リニアの工事は事前から言われていたように,南アルプスで難工事になったが,何とか当初予定通りの完成にはこぎ着けた.2027年秋には名古屋まで開業したが,東京側のターミナルが品川,西側が名古屋のため,北関東から関西に至るには東京駅と品川駅と名古屋駅で計3回もの乗換が必要になり,少なからぬ客が乗り換え無しの北陸新幹線に流れている.東海道新幹線での収益で名古屋開業時の借入金を返済し,大阪延伸工事をするつもりだったが,厳しい状況になりつつある.大阪の企業が中京圏に移転する例があるのが多少の救いであった.

「新」整備新幹線の検討がなされた際,その他にも多数の新幹線建設の要望があったが,現実的な期間内に建設可能な路線だけが選ばれたために幹線鉄道改良をどうするのかが課題になっている.フリーゲージトレインを当て込んでいたが,なかなか使い勝手の良い設計にすることができなかったため,FGT特急が走っている区間はかなり限定的であり,結局在来線改良もしなければFGT特急を走らせることも出来ないという話になった.このような背景もあり,全幹法の暫定整備手法の規程を台車の重いFGTをも考慮した枠組みに改正されることとなり,暫定整備手法の適用条件もかなり緩和されることになった.

…というところで目が覚めた.新年おめでとうございます.