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CIVISがBRTなわけ

パリからSNCF急行で北西に1時間ほどのRouenにはLRTが走っており,都心部は地下,広場や交差点の下も地下で,簡易地下鉄として走り,郊外方向には街路併設のLRTとして走行する,
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さて,Rouenにはこの簡易地下鉄LRTが中心部で南北に走るのとは直行するようにBRTも走っている.
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この写真だけ見ると,単なる連節路線バスであり,国土交通省が喜びそうな風景である.しかし,日本が称するBRTとこのバスとの決定的な違いは何かというと,ここではないだろうか.
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二重の白線の点線? いえいえ.そこではなくて,プラットホームがあること.
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バスが来ると,ホーム側からは電車タイプのLRTと同程度のバリアフリー度が提供される.このCIVISというシステムは二重の白線の点線で走行を案内するシステムとして知られているが,ハンズフリーで運転することが目的ではなくて,停留所で車体をホームにぎりぎりまで寄せる目的で導入されていると思われる.(ナントのBRTはこのシステムは無いが,ドアの足下からは渡り板が出てくる.)
IMG_9626停留所を過ぎると,点線はなくなる.(奧のクルマが横切っているあたりで点線がなくなる.クリックをすると拡大.)
トヨタが開発したCIVISに似たようなシステムは,ハンズフリーや無人運転といった技術ばかりが強調され,その正しい使い道が提示されていないのかもしれない.

LYONのバストランジットモール

LYONのバストランジットモールのデータ取りに行ったわけだが,なぜか,バスがさっぱり走っていない.カメラ構えてバス待ちしているが,来ないので立ちん坊になっていると,現地人や旅行者からいろいろ聞かれる.
「道路が通行止めになってたけど,何があるの?」「何撮るんだい?」「今晩いい泊まるところ,知らないかな」etc… 他にも人はいるのに,なぜ俺に聞く.知らんがな.
警察が交通整理をして30分ほどすると,こういう隊列がやってきた.
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乗り物が数十年前の軍用車で,米英仏の国旗.後方の楽隊の演奏曲は邦題が「錨をあげて」.どうやらドイツの占領から解放されて70周年の記念パレードのようである.
トランジットモールの使い方の一例であった.…が,肝心の調査は遅れまくり.バスが走ってれば,こんな様子.
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羽田乗継ぎ便を試してみた

羽田空港が近年再び国際線が発着するようになったので,(大阪からパリへの直行便があるのは承知で)伊丹空港から羽田経由の乗継ぎ便を試してみた.実に久々の羽田空港利用である.十数年ぶり?
乗り継ぎ時間は十分取ってあり,休憩たっぷりかと思いきや,そうでもなかった.原因はこのバス連絡.国内線ターミナルと国際線ターミナルの間がバス連絡になっており,10分程度毎に往来してはいるものの,空港内をくねくねと走り回り,結構時間を食う.国際線ターミナル内もそこそこ歩行し,結局,概ね搭乗開始時刻にゲートに到着.
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一方,到着側のパリでは,ターミナル間にVALが走っており,そこそこ便利.
IMG_5832羽田空港の課題は,ターミナル間の迅速な移動かな?

フランスに半月ほど行ってくるんだが・・・

・・・ほぼ完全ひとり旅なので,みんなが思っているほど「おフランス旅行」らしくない調査旅行になりそう.
主目的はフランスのLRT導入都市でのトランジットモールの様子を見る&データを取ることなので,観光地とはほとんど無縁である.
ということで,気になる話題があれば現地レポート予定だが,フランスとは関係の無い話題がここに投稿された場合には,1)大した話題がない,2)ネット接続環境が厳しくて投稿できない,3)疲れて寝てしまった,のいずれかである.本人が寝てしまっても予定稿が自動投稿されるように設定してから出発することにしている.
雨のトランジットモールは行ってもあまり意味が無いので,天候次第で変更の可能性があるが,訪問都市は以下の予定である.
リヨン, クレルモンフェラン, サンティティエンヌ, ディジョン, ブザンソン, ナンシー, カーン, トゥール, アンジェ, オルレアン, ヴァレンシエンヌ, ドゥア, ランス, パリ

バス・トランジットモール

ここは,カナダのバンクーバー.バスのトランジットモールがあるが,何故か,LRTのトランジットモールとは何となく様子が違う.
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何故か,横断歩行者が非常に少ない.時間帯の問題か?
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バス用のトランジットモールということを知らなければ,単に交通量の少ない道にしか見えない.
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連節バスは広い道しか走れない…というわけではない

この交差点をバスが曲がります.
 

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IMG_6331隅切りはしてあるものの,「2車線+両側歩道」どうしの交差点である.
こんな感じの街路.車線部分が特に広いわけでは無い.
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ちなみに,ドイツでは連節バスのことを「BRT」と言ったりはしない.単なるバスです.

これは日本的基準ではBRT?

日本的基準では連節バスはBRTのようだが,じゃぁ,後ろに延ばすのではなく上に積み上げても日本的基準ならBRTになりそうなものである.
さらに,その中量輸送相当のバスがウジャウジャ専用レーンを走っていたら,これは「大量型軌道」か?Europe08-0202こうやって極端な例を考えてみると,何がおかしいかがわかりやすい.LRTやBRTは確かに「中量輸送」ではあるが,輸送量の多寡だけが都市交通の仕分けの基準ではない.都市内においてどんな役割を担うのかを考えて基準を設けないと,変な話になってゆく.
似たような話は,「街路の規格」にもある.日本の基準では街路は自動車交通をどれだけの量,どれだけの速度で通すかしか基準がない.そろそろ,いろいろ見直した方が良さそうだ.

日本に本物のBRTは出来るか?(連節バスは十分条件か)

日本では最近,「連節バス+PTPS=BRT」という定義をしているのではないかと思われるが,やはり違和感がある.特定の目的地まで多くの客を運ばなければならないのなら,「長〜〜〜いバス」としての連節バスはありだとは思う.
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他に写真がないので,ここばかり出てきて恐縮だが,特にここがどうということは無くて,これはこれでとにかく数を確保するという所期の目的は達していると思う.
忠節バシを連節バスが走るご時世か.
しかし,LRTのゴムタイヤ版交通機関として見ると,運転席横のいつもの「関所」は相変わらず存在しており,降車にやたらと時間がかかったり…
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通行のプライオリティーが低くて,昭和40年前後の各都市の廃止直前の路面電車を思い出す風景にはやはり違和感がある.これは果たして最新鋭の都市交通か…といわれると,やはり違う.「長〜いバス」だ.
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確かに,たくさん運ぶことができるようになると,交通計画の教科書では「中量輸送機関」の範疇に分類されるのだが,それを目的とした連節バスをBRTと呼ぶなら,それは本来の意味とは違う.もしそうなら,鉛直方向に積み上げたこれもBRTということになるけど,違うだろ?
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茨城県のBRT(ひたちBRT編)

日立にもBRTがあるようなので,立ち寄ってみた.日立駅ではなく,大甕(おおみか)駅発着.ここも日立電鉄線の廃止線路跡をバス専用道として活用している.廃止路線の代替バスというわけではないようである.
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大甕駅から少し南下した地点から線路跡地転用の専用道路に入る.ここは一般道からの出入り口で,やはりバス側に遮断機がある.

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地図データ ©2015 Google, ZENRIN

100 m


このバスのおもしろい点は,整理券がICカード化されていることである.現金精算時の取りっぱぐれ防止策としては,世界一かもしれない(が,それでいいのか?).運営事業者が日立製作所グループだから,機器類のショーケースと理解すればいいのだろうか.
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専用道路はさほど延長は長くないが,全線にわたって歩道が整備されているのでこの専用道にぶち当たりさえすれば,停留所にたどり着くのは容易である.地元住民のお散歩コースにもなっているようである.

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停留所部分で行き違いが出来るようになっているほか,要所要所でも交換できるように道路が部分的に太くなっている.停留所は屋根付きだが,かなりシンプル.

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歩行者用の「踏切」もある.
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一般道との交差点については,バス道路側に遮断機があるのは「かしてつBRT」と同じ.信号機付きの場所もあれば,単に一旦停止の場所もある.
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元日立電鉄の久慈浜駅で専用道は終了.ここから先は一般道を走る普通のバスである.
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茨城県のBRT(かしてつBRT編)

2007年に廃止になった鹿島鉄道の代替バスは「かしてつバス」と呼ばれる.運行はかしてつではなく,関鉄グリーンバス.その路線の一部が鹿島鉄道線の路盤を転用したバス専用道になっており,「かしてつBRT」と呼ばれているらしいので行ってみた.


常磐線の石岡駅から出て,このあたりから専用道路に入る.

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石岡南台駅.かつてのプラットホームを転用しているように見えるが,そうではなくて,左側はバス停標識が停留所本体.右側は屋根付き.
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元の鹿島鉄道線時には使われていたであろう跨線橋とその下の駅舎(?)は,今は使われていない.ハードウェアは作る金があっても運営に手厚い保護をすることができないのが日本のシステム.
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所々に道が太くなった行き違い箇所が有り,上下便が交換する.
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一般道との交差部分は「踏切」が付いているが,専用道の優先通行を確保するというものではなく,一般道から誤って専用道に車両が進入しないようにするだけである.バスが近づくと遮断機が上がるが,バスそのものは原則一旦停止のようである.もっとも,交差する一般道の交通量が少ないので,このような交差点が遅延の原因にはならなさそう.
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道路としては貧弱だが,便数も少ないので,さほど交換待ちも問題にはなってなさそう.並行する国道(下の2枚目)が,時間帯によっては渋滞するようで,それなりに効果はある模様.なお,運賃は普通のバスなみ.運行本数は残念ながら少ない.
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ここで終点.
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専用通路が確保され,定時性確保の努力がされているのは評価できるが,本数が少なくて1本逃すと待ち時間が長い.値段も安くは無く,海外のLRTのゴムタイヤ版だと思い込んではいけない別物である.廃止鉄道線の代替バスとするとまぁOKか.高頻度運転も,低廉な運賃も,中心市街地活性化も,P&Rも,信用乗車etc…もなく,これをBus「Rapid」Transitと呼ぶのは個人的には若干抵抗有り.