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北陸新幹線長野―新大阪2h25m

 北陸新幹線(長野経由)で未着工となっている福井県・敦賀以西のルートを巡り、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会は7日、福井県・小浜から南下して京都を経由する「小浜京都ルート」を選定する方向で大筋合意した。与党PTが20日にも最終決定する。工期は15年で着工時期は未定。また同ルートで全通した場合、長野―新大阪は最短2時間25分程度で結ばれることが、国土交通省の試算から判明した。現行より1時間20分ほど短縮され、県内と関西方面の距離感が一層縮まる見込みだ。

情報源: 北陸新幹線「小浜京都」合意 長野―新大阪、最短2時間25分 | 信濃毎日新聞[信毎web]

大阪発着の「しなの」無くなってもうすぐ1年.大阪から長野は遠く,現状では以下の3ルートがある.いずれも時間的にはどっこいどっこいで決定打は無い.朝早く出発する場合だと…

大阪-新大阪-名古屋-長野:4時間15分,1万2000円,乗換2回
大阪-金沢-長野:4時間18分,1万4290円,乗換1回
大阪-新大阪-東京-長野:4時間14分,2万700円,乗換2回

費用的な面で名古屋から「しなの」が標準的だが,左右に揺れる列車を嫌う人は金沢まわり,在来線特急なんて乗ってられるか(実際,そういう客はいる)と言う人は東京まわりということだろう.

これが北陸新幹線全通で2時間25分なら,まさしく決定打だ.料金が上がる可能性はあるが,遠かった長野が再び心理的にかなり近くなる.

…ただし,いつできるかという問題は残っており,2031年着工だってか? 工期15年の2046年開業? 大阪人はこう言うだろう「死んどるわ!」

フル規格新幹線と在来線車両に関するトリビア

新幹線の車両サイズについていえば,米国車両≒満鉄車両≒新幹線≒中国車両というのは有名どころ.東北新幹線のコピー品がそのまま中国を走れるのはこういった背景があるから.わざわざそれをここで書いても新鮮さが無いので,別ネタ提供.

果たしてこの先使うことがあるのかどうだか不明だが,新幹線の車両サイズと在来線(JR)の車両のサイズをしげしげと見つめていて気付くことがある.それは,こういう関係…

新幹線用標準軌のレールからフル規格電車の車体側面までの距離と,在来線用狭軌のレールから車体側面までの距離がほぼ同じ.

つまり,これらを三線軌として建設した場合,共通レールからホームまでの距離は新幹線と在来線とでほぼ同じなので.細かいことに目をつぶれば,三線軌のホームは両者で共通化できるかもしれない,というお話.

例えば,フル規格新幹線と在来線を同じホームに発着させて乗り換えさせたい場合,両者各1線ずつじゃなくて三線軌にしておくとか,大都市部で新線工事がしにくい場合,原則としてフル規格用の路線を造っておいて,軌道は三線軌にすれば駅のホームは両用にできる可能性があるということ.

新幹線に関する,すばらしきムダ知識.

#こうやって,ネット上に10年ほど転がしておくと,何となく実用化されることもあるかもしれないと思う今日この頃.まぁ,もっとも電気系統は共通化しにくそうなので,そう簡単でないことは重々承知.札幌駅の1番線2番線はこういう方法はどうだい? もっともあそこは1番線2番線転用の場合も,建築限界の関係で取り壊して作り直しらしいが.

北陸新幹線延伸問題、京都商工所は苦渋…

北陸新幹線の大阪延伸問題で、京都商工会議所の立石義雄会頭(オムロン名誉会長)は29日の定例会見で、与党が年内にも決定する延伸ルート案について、「政治的に決定した…

情報源: 「小浜舞鶴ルート案は採算性が最も悪い?」北陸新幹線延伸問題、京都商工所は苦渋…

この記事の最後の部分にこうある.

「北陸新幹線をめぐっては、京都と大阪をつなぐ南北新ルート2案も検討されているが、立石会頭は、府南部のけいはんな地区を経由する「南ルート」案に対し、「リニア中央新幹線(の新駅)との結節点でないと、あまり意味合いがなくなってくる」と述べた。」

えーと,ちょっと補足しておくと,リニアの”奈良市付近”の駅には毎時1本程度の停車,品川まで1時間半ほどかかるので,北陸新幹線の「南ルート」の駅がリニアの接続駅になっても,京都市の人が北陸新幹線の10分ほど乗ってわざわざその駅に行くことは少ないと思います.

京都駅からは東海道新幹線で名古屋まで約35分,リニアが開業しても毎時数本は東海道新幹線の列車は運転されるでしょう.名古屋で乗り換えてリニアで品川まで40分ほど,こちらも毎時数本というのが最速ルート.ということで,京都市の人はこの経路がメインルートになるはず.

じゃぁ,北陸新幹線の「南ルート」とリニアとがこの”奈良市付近”で接続されるとどこが恩恵を受けるのかというと,まぁ京都府南部の人はもちろん恩恵を受けて,奈良市および奈良県北部も恩恵を受けるのだが,北陸新幹線沿線で恩恵を受けるのは小浜〜敦賀あたり.福井市あたりになると乗り換え無しの北回りで東京まで行くのと”奈良市付近”経由が時間的には同程度になり始め,さらに東ではリニア開業後でも北回り有利.

それからまだ見込は立っていないが,山陰新幹線が京都市北方で分岐し,北陸新幹線の「南ルート」経由で大阪まで乗り入れるようになると山陰の各地から東京までの最速ルートは山陰新幹線+リニアを”奈良市付近”で乗り継ぐのが最速ルートになるはず.

例えば鳥取から東京までは,現状では姫路乗換で5時間弱かかっているが,山陰新幹線とリニアを”奈良市付近”で乗り継ぐと約3時間ほどになるはず.(新大阪乗り継ぎと時間変わらず,料金はこちらの方が安いはず)

「北陸新幹線が日本海側と太平洋側を連絡する重要路線であることも考慮し」の意味は実はこの辺にあったりするんだが,国土交通省やJR各社を含めて理解している人は少なそう.国土のグランドデザイン,とはいうものの,鉄道のグランドデザインできる人は日本(東京)にいるのかねぇ?

 

大阪市営地下鉄カジノ線

大阪の湾岸地帯の埋立地である咲洲と夢洲を結ぶ例の秘密の地下トンネルであるが,ついに大阪市長自ら「すでに地下鉄用のトンネルがありますから」と発言されたようなので,完全公表情報であることが確認できた.

おさらいしておくと,今は道路だけが通じている大阪港の夢咲トンネルであるが,道路の上下線間には地下鉄用の空間が既に準備されている.こんな感じ.
dscn0077dscn0068ここを通る地下鉄計画については,地方交通審議会の答申路線ですらなく,公共交通関係の専門家の間では,「補助金も出ていないであろうし,道路トンネルとして掘ったにせよ余分な構造物への支出は会計検査に引っかからなかったのだろうか」など,この地下鉄トンネルの建設費はどうやってひねり出したのか不思議だという話になっている.

さて,建設費をどうやったのかも不思議だが,ここにもしも本当に地下鉄を通したらどうなるかという交通計画についても不思議である.整備するなら既に地下鉄やニュートラムが開通している側の咲洲側から路線が延びてくるようになるだろう.地下鉄中央線のコスモスクエア駅から延伸させるのだろうが,地下鉄中央線であるので,輸送能力はかなり高い.

トンネルを抜けた先の夢洲については,ここを2025年の万博会場にしようという構想がある.1970年の大阪万博の際は,地下鉄御堂筋線が臨時の線路を使って直接乗り入れていたほか,阪急千里線にも臨時駅があったらしい.(なお,若い人のために説明しておくと,大阪モノレールの万博記念公園駅は,かなり最近の設置であるので万博輸送をしたわけではない)

ということは万博の会場輸送としては,ここに地下鉄を通せば鬼に金棒.敢えていえば新大阪駅から乗り換えなくてはならないのがやや難点,という程度であり,能力的には何の問題もなかろう.

ところが問題はある.万博はせいぜい半年なので,半年を経過するとこの万博地下鉄は運ぶべき客が無くなってしまう.そこで登場するのがIRリゾートことカジノである.

夢洲を統合型リゾートと称するカジノ島にしようとする構想がある.日本のラスベガスを目指すのかしら? 観光立国らしいが,日本までわざわざやってきた外国人がカジノに行きたいのかという突っ込みや,まさか日本型カジノって姐さんが肩をはだけて「皆々様方よぉござんすか」などとやるつもりか? …などと言ってみたくなる.

交通計画の面から言うと,カジノに来るような客層が地下鉄に乗るだろうかといった点や地下鉄に乗ってやってくるとしても地下鉄路線を維持するほども客数があるのかという点が心配である.本家ラスベガスにはモノレールやバスが走っているようであるが,逆に言えばカジノ地区の交通機関はモノレールやバス程度で十分間に合うということでもある.

はてさて,大阪市営地下鉄はカジノ線に手を延ばすべきか.
大博打を打ってみるか? それとも,大阪の地下鉄はカジノせんか?

 

初夢鉄道2016答え合わせ(平成東京地震編)

初夢鉄道答え合わせ,今回は「平成東京地震編」である.

東京オリンピックに浮かれていた熱もさめやらぬ20xx年,悪夢の一つ目が起きてしまった.首都直下地震である.大量の帰宅難民が出たことはもちろん,地盤の軟弱な密集市街地で発生した火災が猛威をふるい,大災害になってしまった.

まだ東京オリンピック自体開かれていないので答え合わせの時期にはなっていない.だが,比較的大きな地震は2016年も数々起きており,東日本でも次々発生している.もはや首都直下で大きな地震が発生していないのが不思議なくらいな状態になりつつある.

比較的近年に建設したビルなどは持ちこたえたものの,首都東京には多数の古いビルや家屋があり,倒壊,火災等おびただしい.地震の規模は阪神淡路大震災程度あろうか.中心部の官庁街をはじめとするオフィス街そのものは助かったが,古くから更新されていなかったインフラ類——上下水道や初期の地下鉄・高架鉄道など——は倒壊したり致命的な破損が起きたりで使えなくなったものが多い.住宅を失った人も多く,仕事どころではない.住宅が残った人も通勤手段が限られていて,日々の生活が著しく非効率になってしまった.知人親類等が被災した人も多く,直接の被災を逃れた人々も仕事が手に着かない.

首都圏の建築物は少しずつ新しい耐震性に優れたものに建て変わってきている.だがインフラ類は橋脚類に鉄板が巻かれたりなどの対策が進行しているものの,全てのインフラ類が「直下地震READY」なわけではないので,はてさてどうなるものか.

あれほど首都機能の移転やバックアップについて検討してきたものの,ほとんど実行されていないので日本全体が機能不全になってしまおうとしている.オリンピックに浮かれている場合ではなかった.今さら言っても仕方がないが.怪しい国籍不明の艦船や航空機が近海をウロウロしている.

首都機能移転やバックアップについては,ほとんど全く話を聞かなくなってしまった.このままでは,「首都直下地震 ≒ 首都機能不全 ≒ 日本全体の機能不全」の構図が実際に生じてしまいそうである.東京オリンピックの施設が云々と騒いでいる間にも着々とXデーは近づいているはずである.

日本国内でちょっと大きな地震が発生するたびに近隣のあまり友好的ではない国の偵察機がウロウロしているのは,既に現実になっている.

東京駅へ達する在来線や地下鉄が機能しないので,東北上越北陸新幹線は大宮で折り返し運転である.東海道新幹線も小田原で本線を引き上げ線にしながら折り返している.リニアはかろうじて開通した直後で,インフラそのものは被害が少なかったが,電気系統や通信系統が不十分で満足に運転できない状態になっている.そもそも,アクセス交通が動いていない.

現在のところ首都直下地震は発生していないものの,発生した場合の緊急輸送体制をどうするのか,などは不明のまま.机上模擬訓練くらいはしていても良さそうなものだが,どうするのかな?

道路も首都高速の何カ所かで落橋があり—防止装置があったはずだが不良品があったようだ—ネットワークが十分機能していない.国道等の一般道は大渋滞だ.

これも特段対策が進んだという話はない.

結局,阪神淡路大震災の教訓はどれほど活かされただろうか.復旧復興作業に入り始めたその時,泣きっ面に蜂の事態が起きた.

専門家の大方の予想どおり,紀伊半島沖を…

「首都直下地震 + 南海トラフ巨大地震 + 富士山爆発」という三連コンボが発生することも不思議ではないが,それぞれの単体の対応も進んでいない状況では,三連コンボへの対応などさっぱり考えてないだろうな.

今回の答え合わせ対象はポストオリンピックを想定しているので,まだ答え合わせの時期ではないが,この1年,ほとんど対応が進まなかったことは事実であろう.

#2016年はあと1ヶ月ほどあるので,平穏に2016年が暮れを迎える保証はなく,まだ結論は早いという話もある.

初夢鉄道2016答え合わせ(地方創生編−2)

「初夢鉄道答え合わせ」の続き.今回は「初夢鉄道2016(地方創生編)」の(その2)である.

一方,リニア新幹線については相変わらず各種の申し出—名古屋以西の区間について何らかの公的資金を投入して早期全線完成するための各種の案など—については,断り続けていた.東京大阪間の鉄道の影響は非常に大きいので,このような態度を受け,企業の大阪からの流出は大きくなり,東海道新幹線の客数の名古屋を境に多段落ちが激しくなってきており,東海道新幹線の客単価が下がり始めていることが幹部の気になり始めていた.

リニアへの公費投入については割合あっさり受け入れた.通常の有利子負債と低利融資では,長期的な影響の差は大きいので(金だけ出して口は一切出さないなどと言うことは通常考えにくいが)背に腹は代えられないと言うことか?

関西の地位低下については相変わらず続いており,大手家電会社が新興国の軍門に降ったのは記憶に新しいところ.

東海道新幹線の客数については,段落ちの傾向はともかく,景気が比較的好調にもかかわらず絶対数が頭打ちの様相を見せつつあり,幹部は気が気ではないだろう.リニア開業で東名阪間の客数の絶対数が大幅に増える算段をしているようだが,全通の20年後には交通行動の傾向自体が変化している可能性は十分ある.青函トンネルは着工から開通まで20年を要したが,開通時には交通行動が変わってしまっており,石油の備蓄タンクにするかどうかが検討されたくらいだ.

北陸新幹線の敦賀以西のルートについては,一時期大幅な遠回りの提案もなされたりしたが,いわゆる小浜ルートの変形である京都経由案が現実視され,実際にそのようなルートで実現した.東海道新幹線へ京都から乗り入れる件についても例のごとく運営会社から突っぱねられたため,京阪間は淀川の南側を経由して大阪に達するルートとなり,山陽新幹線との直通運転が実現した.あれほど北陸新幹線とのシステム統合の費用ガーと叫んでいた割には,あっさりと東海道山陽新幹線と北陸新幹線系統のシステム統合が行われた.これにより,東海道新幹線経由の客はさらに減少することになってしまい,悩ましさを増した.あまり急がない客や北関東の客は,大地震をおそれてなるべく北回りで移動しようとする人が増えている.山陽新幹線沿線と直通することで北陸新幹線沿線への移転を考える企業も増えている.

北陸新幹線の敦賀以西については小浜-京都経由案になりそうな気配である.京阪間についても淀川の南側,さらに踏み込んで京阪奈丘陵学研都市付近経由が検討され始めている.だいたい当たりかな.

山陽新幹線との直通については,まだ見通しは立っていないが,確かJR西の幹部がどうやるのか研究の余地あり的な発言はしていたかと思う.運行システムがぁー,などという話もあるとは思うが,米原とは異なり,新大阪駅を走りながら通過して直通運転することはないので,停車中にスイッチをパチンと切り替えるだけである.在来線と新幹線を直通している例も日本には2例あるし,在来線と線路を共有している例まであるので,まぁ,針小棒大に騒ぐほどのことはないわな.

JR東海がつれない発言を繰り返しているので,リニア開業後の東海道新幹線名古屋以西は名古屋-福井・金沢間,京都-名古屋間,京都-静岡県間,およびリニアのチケットが満席で取れなかった客を運ぶローカル新幹線化がほぼ確定した.たぶん2050年頃に後悔するかも.

リニアの工事は事前から言われていたように,南アルプスで難工事になったが,何とか当初予定通りの完成にはこぎ着けた.2027年秋には名古屋まで開業したが,東京側のターミナルが品川,西側が名古屋のため,北関東から関西に至るには東京駅と品川駅と名古屋駅で計3回もの乗換が必要になり,少なからぬ客が乗り換え無しの北陸新幹線に流れている.東海道新幹線での収益で名古屋開業時の借入金を返済し,大阪延伸工事をするつもりだったが,厳しい状況になりつつある.大阪の企業が中京圏に移転する例があるのが多少の救いであった.

リニアの南アルプストンネルは着工したばかりなので,何ともという状況だ.リニアの他路線との接続の悪さは,いずれ問題になるだろうが,現時点では顕在化していない.

東阪間の客が北陸新幹線に流れることは現時点ではないが,団体客を試行的に東北新幹線と北陸新幹線を直通運転させた列車で運ぶことが行われはじめており,直接の東阪間ではない東阪間利用客が将来的に北回りになる可能性は出始めた.

まだリニアも北陸新幹線も全通していないので何とも言いがたい部分はあるが,前にも述べたように景気の割には客数の伸びが少くなっており,悩ましいだろう.

「新」整備新幹線の検討がなされた際,その他にも多数の新幹線建設の要望があったが,現実的な期間内に建設可能な路線だけが選ばれたために幹線鉄道改良をどうするのかが課題になっている.フリーゲージトレインを当て込んでいたが,なかなか使い勝手の良い設計にすることができなかったため,FGT特急が走っている区間はかなり限定的であり,結局在来線改良もしなければFGT特急を走らせることも出来ないという話になった.このような背景もあり,全幹法の暫定整備手法の規程を台車の重いFGTをも考慮した枠組みに改正されることとなり,暫定整備手法の適用条件もかなり緩和されることになった.

基本計画線から整備新幹線への格上げはまだ行われていない.かといって在来線の改良についても何の方針もない.国の鉄道施策部門の能力の限界であろうか.

フリーゲージトレインについては相変わらず見通しが立っていない.暫定整備計画の中味も相変わらずである.長崎以外にFGTを使うという話も聞かなくなった.

初夢鉄道2016答え合わせ(地方創生編−1)

さて,気がつくともう12月である.マスコミでは恒例の2016年重大ニュース系の記事や番組が出始めている.

当サイトでも年末恒例になりつつある「初夢鉄道答え合わせ」をしてみよう.さてさて,テキトーに思いつきで書いた年初の記事はどの程度当たっただろうか.

今回は「初夢鉄道2016(地方創生編)」の(その1)である.

2015年春に北陸新幹線が出来た後,ずいぶん金沢が注目されてにぎわったせいもあり,地方創生に新幹線は有効だという社会的認識が形成されるきっかけとなった.翌年,北海道新幹線が函館市の北方まで出来た際も,函館まで新幹線で行って道南観光をした後,千歳空港アウトという観光ルートが一般的になり,こちらもそこそこにぎわった.

これはほぼ当たったかな.中央政府の省庁はともかく,地方では新幹線が地方創生の切り札として認識されるようになった.

北海道新幹線についても,マスコミでは当初は北海道新幹線はガラガラだと喧伝していたが,(元々の母数が小さいので絶対数はまだまだ伸びしろがあるけれど)新幹線を使った北海道観光は活性化している.航空が新幹線に置き換わるかと思いきや,流動量そのものが増えているようだ.

妙なプロジェクトに金を出すよりはこっちに出した方が確実だという話になり,財務省の査定は新幹線とそれがらみの案件は通りやすくなった.いわゆる整備新幹線も残工事の完成は時間の問題と言うことがわかってきたため,「新」整備新幹線の策定,つまり基本計画線のうち,有望な路線や区間を新たに整備計画にしようかという話になってきていた.

財務省の財布のヒモは相変わらず固いが,別の方法でリニア新幹線の早期開業や整備新幹線の建設促進のために資金が準備されるようになった.ただし,純然たる新幹線建設費の増額ではなく,低利融資という方法であり,返済は必要である.

基本計画線の整備計画への格上げについてはまだ実現していないが,この一年,基本計画線の建設実現の熱は上がることはあっても冷めることは無かった.

ある程度地域バランスをとりながら,数路線区が取り上げられ,整備計画になるとともに具体的な工事の段取りについても着手された.これまでの整備5線は昭和40年代策定で半世紀以上かかって完成していたため,時間のかかりすぎだと言うことを反省し,現実的な時期に完成できるように資金計画が練られた.新たな整備計画線は,そこそこ客数が多い区間や大都市部における区間など,沿線開発も重視しながらも実際の利用客数がある程度見込める区間が選定されている.

整備計画への格上げはさすがに無かったが,現実的な時期に完成させることは重要との認識はできてきているのでは無いかと思う.これまで整備新幹線の着工等では沿線開発について言及されることはほぼ皆無であったが,北陸新幹線の敦賀以西区間のルート選定にあたって,数値に表れない項目の報告が求められるようになり,その報告として沿線開発について言及されるようになってきた.ただし,まだ開発効果を数値として示して新幹線建設と結びつけることまでは行われていない.

(づづく)

異なる試算結果のなぜ?…北陸新幹線敦賀以西

このお話.

北陸新幹線で未着工となっている福井県・敦賀以西の3ルート案をめぐり、滋賀県は28日、県の独自試算と国土交通省が公表した試算との相違点についての分析をまとめた。利…

情報源: 異なる試算結果のなぜ? 滋賀「米原ルート」国「小浜京都ルート」…北陸新幹線敦賀以西ルート(1/2ページ) – 産経WEST

交通計画する人にはほとんど疑問に思わない話でも,一般の人には難解かも.


「(滋賀県は)米原ルートについて、米原駅での乗り換え時間を県が5分と計算したのに対し、国交省は15分としていた。」

5分というのはラッチ(中間改札)無しでホーム対面の乗換でダイヤが綿密に調整されている場合だとこの程度.確か,九州新幹線の暫定開業時の新八代がこの程度だったかと思う.実際の東海道新幹線のラッチ経由在来線乗り継ぎの駅は7-10分程度を最低限の時間に設定している例が多い.

15分というのは跨線橋を渡ったりする可能性あり,プラス,乗り継ぎのダイヤ調整が完全ではない可能性を考慮するとこの程度かと思う.現状の「しらさぎ」と東海道新幹線の乗り継ぎがこの程度であったかと思う.

どっちが良いかというと,どっちもあり得る.JR会社間の協力次第.現状の雰囲気だと後者になる可能性が高いかな.


「(滋賀)県はいずれのルートも敦賀駅に止まる想定だが、国交省は止まらないと想定」

これも,どっちもあり得る.現状のサンダーバードですら,敦賀停車のものとそうでないものとがある.


「(滋賀県は)列車の速度を県が時速約165キロとしたのに対し、国交省は時速約200キロで試算」

これも,どっちもあり得る.前者は最近建設された新幹線の全駅停車列車ではありそうな値.後者は速達便でよく使う値.


ということで,「じゃぁ,試算結果はどう使えば良いの?」ということになると思うが,今回は「整備計画線」という路線なので,大阪まで建設する(新幹線で結ぶ)こと自体は決まっているため,ルート間の優劣を見るのが試算の重要目的になる.試算結果の数値の絶対値自体は参考情報であり,おそらく現実に開業した場合はどちらの数字でもない.

じゃぁ,どの数字を見ながら優劣を考えるのが適切かというと,それは整備の目的による,ということになる.

お金がないのでとにかく効率重視で整備したいのなら「B/C」の順序.整備の効果の大きさ重視で整備したいのなら「B-C」の順序.特定の地域の開発をねらっているのなら,その特定地域に関する「B」の大きさの順序.とにかく早期開業したいのなら,BやCではなくて工期の数字.

さて,いろいろ議論はあっても良いのだが,北陸新幹線て何のために建設するんだったっけ? 実はそのことを忘れている人が多いので,議論が迷走しているように思える.目的がはっきりすれば,自ずと答えは見えてくる.

#交通計画の授業で学生にこういって説明する.目の前に渋滞している道路があって困っているとしよう.これをなんとかしたい.いろいろ検討した結果ベストな案だといって出てきたのが「これが最も大もうけできる案」だったらどうする? 思わず「いやいやいや,で,その案で渋滞解消するの?」と聞きたくなるだろ? っってね.

 

11年前の試算結果

11年前の学会プレゼンファイルの1枚.フル版はこちらから.文章も読みたい人はこちらから.クリックすると図は拡大できます.

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どうも緑色のルートに近いものができそうな気配が出てきた模様.10年以上前に試しに計算してみたものに現実の議論が近いというのは変な気分だな.

簡単に解説しておくと,オリジナル小浜ルートよりは京都に立ち寄った方が便利(グラフの棒が長い方がbetter)というもの.在来線乗り入れ(湖西線に乗り入れ)つまりFGTはイマイチという結果.ついでに,米原接続も(値段は激安だが)イマイチ.

京都と大阪間にもう1駅追加するなら,枚方や寝屋川あたりがいいが,ここ数日突如として出てきた京田辺は可もなく不可もなく(寄り道してもギリギリ許せるレベル)という結果.

なお,このファイルは当研究室のサイトに10年以上前から転がっている.

奈良盆地で工事をすると…

奈良つながりで思い出したお話.昨日の話題とは直接の関係は無い.

奈良盆地で土木工事をすると…

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いろいろ出てくることもある模様.これは土器かな.噂には聞いていたが,ほんとに移植ごてみたいなスコップとハケで掘ってる.基本は記録を取ってその後は工事続行らしいが,たまにとんでもないものが発見されたりすると,計画が大きく変更されることもあったかと思う.

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有名どころは国道24号.奈良の市街の西側にバイパスをつくろうとしたら,平城宮跡の一部が出てきてしまい,東へと大きく迂回.

奈良にリニアの駅をつくるのなら,個人的には近鉄大和西大寺駅併設が奈良県にとってもっとも便利だと思っているが,場所が場所だけにまず工事は無理.…で,どこにつくるのかなぁ.

#上の写真は郡山市と天理市の境界付近.奈良市内を外せば大丈夫というわけでもない模様.京奈和自動車道や国道24号バイパスの建設が妙に遅い原因は,こういった背景もあるかな.