新函館北斗駅から南下してきた新幹線の線路は,木古内駅の南側で在来線の線路と合流する.つまり,この写真の草ボーボーの所に今は新幹線の高架橋ができているはず.
この線路の広がった真ん中に,新幹線の線路が割入っているはず.確か,ここはもうスノーシェッドができていて,線路の様子は観察できなかったっけ.
青函トンネル方向.ここは今は三線軌になっているはず.
路面電車の線路というのは,その事態はなかなかお目にかかることができないが,たまに工事の時などに敷石が外されて見ることができる.
例えば,富山(日本)の軌道はこんな感じ.普通の線路である.これに敷石を載せたりアスファルトで舗装してしまうと,よく見る日本の路面軌道になる.土路盤と砂利のクッション効果を期待した軌道なので,「たわみ」軌道.
ところが,同じように見える海外の路面電車の軌道を見ると,一見アスファルトで覆っただけの日本の軌道と同じように見えるようなところでも…
例えばBasel(スイス)では,……アスファルトの下は路盤+マクラギではなくてコンクリート舗装である.
Grenoble(フランス)でも,やっぱりそのようである.
LRTにするとコンクリートスラブ(コンクリート板)に溝を掘ったインファンド軌道などが採用されることが有名だが,LRT化されてなくても軌道はかなりしっかりしたものが用いられているようだ.
【祝】着工.
平成39年に品川-名古屋間で先行開業を目指すJR東海のリニア中央新幹線は17日、着工から1年を迎えた。18日には南アルプスを貫くトンネルの山梨工区で本格的な工事…
情報源: リニア新幹線の「南アルプストンネル」18日着工 10年超の大工事
難工事になりそう,などという話もあったと思うが,10年でできるのね.かつては,赤石山脈を真っ直ぐ突っ切るトンネルは,赤石山脈に高熱地帯がありそうなので厳しそう,という話があったかと思うが,解決されたのかしら.(それとも空耳?)
長いトンネルを掘る場合,途中に地表から縦坑を掘って(あるいは山なら土手っ腹から横坑を掘って)そこから両側に掘り進むことで掘削面の数を増やして全体の掘削速度を向上させることが行われるが,ここは縦坑や横坑を掘るにも道も無く,両側からしか掘る場所が無さそうなんだが,どうするんだろう.
これマズいなぁ,と思った記事.
JR東海が東海道新幹線の水の確保のため、鳥飼車両基地(大阪府摂津、茨木両市)で井戸の掘削を計画し、摂津市が掘削禁止を求めて提訴している問題で、同社は摂津市に対し…情報源: 地盤沈下に影響? 新幹線基地の井戸掘削 JR東海と摂津市の裁判が泥沼化 – 産経WEST
市境付近で地下水をくみ上げようとしているが,訴えている市の外なので,摂津市との協定の対象外だとして争っているというお話.詳しくはリンク先を参照.
地下水は市境など知ったこと無く流れているので,市境のわずか外側だからといって摂津市に影響が無いとは限らない.なので,市の主張はごもっとも.協定の範囲外なので,法的拘束力は無いという鉄道会社の主張もごもっとも.
この辺の論争は法廷に任せるとして,こういったトラブルが出るということが全国に知れ渡ってしまったことの方が大問題.今後,この鉄道会社が新規に工事をしようとすると,地元自治体や住民の目が厳しくなってしまい,「法やルールの抜け穴を使って意図しないことをするのではないか」と見られてしまう.つまり協力を得られなくなる可能性あり.特に駅ができない沿線が要注意.
これから約30年にわたって大規模な工事をしようとしているのに,頭が痛くなる話である.こういった小さな話を発端に,大きなプロジェクトが実行しにくくなる可能性無きにしも非ず.千里の堤も蟻の穴から崩れかねないというお話.
#なお,この鉄道会社は実は今までに大きな工事をしたことがないので,自治体や沿線対応はあまり慣れていない,という話は業界内ではたまに聞く.
こういう話があるようだ.
政府は、新興国にインフラ(社会基盤)整備などの資金を貸し付ける円借款について、現地政府の保証を必須要件から外すなど抜本改革を行う方針を固めた。
適切なインフラ整備には適切な費用負担が必要.それとも,支払えない場合には当該施設を借金のカタに接収するのか? そういうわけにはいかないよね.そんなことしたら「侵略だ」と言われかねない.
彼らが負担できる範囲での最良の良質なインフラを提供するのがいいのでは? でないと,「オーパーツ」的なインフラがいきなり登場しても管理も運用もできないかもしれない.
売りたい物≠買いたい物
相手の身になってインフラを考えて提案しようよ.戦後の我々が必要としていた物は何だったか,思い出せばいいのではないのかな.
「ミニ新幹線」の線路を観察してみよう.区間は奥羽本線の秋田−大曲間である.
写真中央の線路は狭軌(軌間1067mm),右は標準軌(軌間1435mm),右の線路の奥には「新幹線」の車両が走っている.この区間は基本的には狭軌と標準軌がそれぞれ単線で敷設されているという珍しい形態である.
右の標準軌から分岐した線路が狭軌をクロスして,左側の車庫へとつながる.
車庫には標準軌用のローカル線電車が置いてあるので,このあたりでは普通電車は狭軌と標準軌の2種類あるようだ.運用がめんどくさそう(JR東日本て,割とめんどくさい車両運用を平気でやってるよね.).
単線並列なので,信号機もそれぞれの線路に設置されている.そんなわけで,線路の幅の違いさえ無視すれば,まるでヨーロッパの線路(*)のような感じである.
(*)ヨーロッパでは単線並列が普通なので,複線区間では2線ともに信号機が建っている.
「新幹線」ではあるが,車両サイズはミニ,つまり在来線規格相当なので,トンネルがあっても掘削しなおすこと無く,元々のトンネルがそのまま使える.経費節減.
途中の小駅は,ローカル列車が発着するホームだけ.「新幹線」は通過なのでホームが無い.経費節減.
「新幹線」用の線路には,当然ながら時々「新幹線」が走る.
単線区間ばかりでは上下列車の交換に不便があるので,一部の区間は非常に珍しい三線軌になっている.写真奥に写っている片渡り分岐器は「新幹線」だけが通る.ここから先は,当分三線軌が続くので「新幹線」は走りながらすれ違える.
橋梁も在来線のものを流用できるので,経費節減.ただし,単線用の橋梁は重心がずれたりするので,使えないこともあるらしい.
他ではなかなか見られない珍しい分岐器.
なかなか快調に走る.
そして,三線軌区間は終了.
変電所も在来線と同じものを使えるので,経費節減.
今さら言ってもしょうが無いが,西日本方面でもつべこべ言わずにさっさとミニ新幹線を導入しておけば良かったんだけどねぇ.
一方,そうこうしているうちに東北方面では次の段階へ進もうとしているのであった…