街路」タグアーカイブ

やっぱり車イスがはまってたCLERMONT-FERRAND

ゴムタイヤトラムの特徴と課題については,ずいぶん前に書いたが,脱線事故や車庫を準備してなかった等々の理由でなかなか実際の営業運転が開始されなかったトランスロールが営業運転しているらしいということで,Clermont-Ferrandに来てみた.
トランジットモールもあるらしいということなので,訪れた.
IMG_6122
中央1本の案内レールで,車輪がそれを両側から斜めに挟み込む形なので,構造上,案内レールの両側には角度の浅い幅の広い溝があったため,トランジットモール実施時は足を引っかけて転ぶ人続出と予想していた.だが,そういうずっこけ姿は無かった.
よく見ると,イタリアのパドバで放置されていた軌道とは若干構造が違うようである.上のリンク中にある写真と比べると,溝が小さく,角度も急である.構造上の改良がなされたようである.
IMG_6060
足を突っ込んでみたが,以前のバージョンに比べて引っかかりにくくなっている.
ただ,日本でも踏切がよく問題になるように,車イスの前輪のような小さな輪っかははまりやすいようで,実際にこのトランジットモール区間で車イスが苦闘している様子が見られた.(単独ではなかったので,何とか脱出)

LYONの軌道への自動車進入防止装置

フランスLyonにあるLRTも通る橋には,軌道への自動車進入防止装置が付いている.(Perrache駅の東側)
IMG_4356
こういう装置で,表面の舗装が無いだけでなく,タイヤがクルクルと回転して前に進まないようにローラーが付いているのが特徴である.これだと,下手に侵入を試みるとエライことになるのが見えているので,誰も入ってこないだろう.
IMG_4326
おまけ.瀬戸大橋にもあったレールの伸縮装置だが,この橋にも付いていた.
IMG_4347

フランスに半月ほど行ってくるんだが・・・

・・・ほぼ完全ひとり旅なので,みんなが思っているほど「おフランス旅行」らしくない調査旅行になりそう.
主目的はフランスのLRT導入都市でのトランジットモールの様子を見る&データを取ることなので,観光地とはほとんど無縁である.
ということで,気になる話題があれば現地レポート予定だが,フランスとは関係の無い話題がここに投稿された場合には,1)大した話題がない,2)ネット接続環境が厳しくて投稿できない,3)疲れて寝てしまった,のいずれかである.本人が寝てしまっても予定稿が自動投稿されるように設定してから出発することにしている.
雨のトランジットモールは行ってもあまり意味が無いので,天候次第で変更の可能性があるが,訪問都市は以下の予定である.
リヨン, クレルモンフェラン, サンティティエンヌ, ディジョン, ブザンソン, ナンシー, カーン, トゥール, アンジェ, オルレアン, ヴァレンシエンヌ, ドゥア, ランス, パリ

バス・トランジットモール

ここは,カナダのバンクーバー.バスのトランジットモールがあるが,何故か,LRTのトランジットモールとは何となく様子が違う.
BC0115-002
何故か,横断歩行者が非常に少ない.時間帯の問題か?
BC0115-004
バス用のトランジットモールということを知らなければ,単に交通量の少ない道にしか見えない.
BC0115-009

プレメトロ(どう見ても”ペイ”はしないけど)

日本では地平面を走るLRTの整備ですら「採算ガー」とかいう話になりがちでさっぱり話が進まないが,海外に行くと「採算ガー」と言うような視点では絶対に「ペイ」しないような交通システムが存在していたりする.
学生によくするどんぶり勘定である.
延長5kmのLRT路線を整備したとしよう.30億円/kmの整備費用がかかったとして30×5=150億円.この線路上をLRTが走る.(実際には難しいかもしれないが)金利が3%ほどで建設費を30年で返済したとしよう.そうすると総支払額は2倍あまりの350億円ほどとして,年間の支払いは,350億円÷30年=11.6億円/年.1日あたりにすると,11.6億円÷365日=320万円.朝6時から夜11までの17時間走ったとしよう.そうすると,18.8万円/時間.片道あたりだとその半分で9.4万円/時間/片道.5分毎に走ったとして,毎時12本なので,9.4万円÷12=7800円/列車.1人あたり200円払ったとして7800円÷200円/人=39人.朝から晩まで5分毎にやってくる電車は全て約40人乗っている・・・・全て運賃で賄うって厳しいねぇ.まだ電気代も,人件費も払ってないよぉ.
さて,ベルギーのアントワープ駅の地下にはLRTの発着場があり,地下鉄風だが走ってくるのはLRT用の小さな電車である.プレメトロという.
Europe08-1124
和蘭のアムステルダムでも地下鉄かと思いきや,LRT風電車が2編成併結でやってきたりする.
IMG_8835
こういった地下線は,地平に線路を敷くよりも建設費がかなり高く,キロあたり100〜200億円くらいはする.そうすると,上に書いた計算式の数字はそれぞれ5倍くらいになり,おおよそLRT用の電車では運びきれない数字になってしまう.
つまり,こういう地下を走るLRTというのは,日本の「採算ガー」とかいう風土では絶対にあり得ない交通機関なのである.でも,ベルギーやオランダには存在するし,クルマ社会の米国サンフランシスコにもあったと思う.交通機関単体では「採算ガー」採れませんが,都市全体としてはこうした方が適切であるとの判断で導入されている交通機関であるとも言える.
日本の「採算ガー」・・・何とかなりませんかね.それにこだわって失ってるものがいろいろありそうです.

TRANSPORT IN CANADA(これだけ車線があっても渋滞)

トロントは都市圏人口約500万人.概ね大阪府と同程度である.
郊外の高速道路,往復6車線でもダメ.渋滞している.
Niagara_09-279
往復12車線でも渋滞気味.前方のクルマがブレーキ踏んでいる.
Toronto12-001
 
この差は何かというと,まともな都市鉄道があるかどうか,である.

連節バスは広い道しか走れない…というわけではない

この交差点をバスが曲がります.
 

IMG_6325IMG_6328
IMG_6331隅切りはしてあるものの,「2車線+両側歩道」どうしの交差点である.
こんな感じの街路.車線部分が特に広いわけでは無い.
IMG_6258
ちなみに,ドイツでは連節バスのことを「BRT」と言ったりはしない.単なるバスです.

東北新幹線西側のナゾの空間(歩いてみた編)

東北新幹線を東京から乗って北上すると,進路右側に埼京線が併走する区間があるが,同時に進路左側には未利用地がしばらく続く.簡素な建物が建っている箇所もあるが,高度な土地利用が求められる首都圏にしては,もったいない土地のようにも見える.元々,東北・上越新幹線は大宮以南は大宮以北10km程と同様に複々線として建設され,新宿にもターミナルが設けられる構想があったが,この空き地のある区間では沿線からの騒音に対する懸念から構想は見送られ,公式にはこの空き地は環境のための緩衝地帯ということになっていたかと思う.
その未利用地に沿って歩いてみる.スタートは南与野駅で,そのまま南下してみる.

IMG_7981 IMG_7984 IMG_7998
IMG_8007 IMG_8015 IMG_8022

こういった掲示もあるのだが,注目ポイントは赤で書かれた下の部分の文章.鉄道会社名で「無断で,鉄道用地に入ってはいけません.」と書いてある.つまり,ここは今も「鉄道用地」.環境のための緩衝地なら,地元の自治体にでも引き渡してしまって公園にでもするのがいいはずなのだが,「鉄道用地」のようである.
IMG_8026


IMG_8029 IMG_8032 IMG_8037
IMG_8047 IMG_8052

疲れてきたので,中浦和駅でお散歩終了.

茨城県のBRT(かしてつBRT編)

2007年に廃止になった鹿島鉄道の代替バスは「かしてつバス」と呼ばれる.運行はかしてつではなく,関鉄グリーンバス.その路線の一部が鹿島鉄道線の路盤を転用したバス専用道になっており,「かしてつBRT」と呼ばれているらしいので行ってみた.


常磐線の石岡駅から出て,このあたりから専用道路に入る.

IMG_2850
石岡南台駅.かつてのプラットホームを転用しているように見えるが,そうではなくて,左側はバス停標識が停留所本体.右側は屋根付き.
IMG_2809IMG_2775
元の鹿島鉄道線時には使われていたであろう跨線橋とその下の駅舎(?)は,今は使われていない.ハードウェアは作る金があっても運営に手厚い保護をすることができないのが日本のシステム.
IMG_2781


所々に道が太くなった行き違い箇所が有り,上下便が交換する.
IMG_2826
一般道との交差部分は「踏切」が付いているが,専用道の優先通行を確保するというものではなく,一般道から誤って専用道に車両が進入しないようにするだけである.バスが近づくと遮断機が上がるが,バスそのものは原則一旦停止のようである.もっとも,交差する一般道の交通量が少ないので,このような交差点が遅延の原因にはならなさそう.
IMG_2792IMG_2770


道路としては貧弱だが,便数も少ないので,さほど交換待ちも問題にはなってなさそう.並行する国道(下の2枚目)が,時間帯によっては渋滞するようで,それなりに効果はある模様.なお,運賃は普通のバスなみ.運行本数は残念ながら少ない.
IMG_2717IMG_2734
ここで終点.
IMG_2693


専用通路が確保され,定時性確保の努力がされているのは評価できるが,本数が少なくて1本逃すと待ち時間が長い.値段も安くは無く,海外のLRTのゴムタイヤ版だと思い込んではいけない別物である.廃止鉄道線の代替バスとするとまぁOKか.高頻度運転も,低廉な運賃も,中心市街地活性化も,P&Rも,信用乗車etc…もなく,これをBus「Rapid」Transitと呼ぶのは個人的には若干抵抗有り.

日本に本物のBRTは出来るか?(基幹バスシステム)

名古屋に行くと,バスレーンが道路中央に配置されている箇所がある.まるで,ゴムタイヤ式の路面電車のようなシステムである.路面電車が路側の歩道から直接乗降できないかどうか模索するのとは逆の発想だ.基幹バスシステムという名前が付いているが,路上駐車による影響を避けるという点では左の路側車線走行よりは優れていると思われるが,バリアフリーではやや劣る.
DSCN1287
地下鉄や高架鉄道の整備をする余裕のないアジアの都市では,名古屋のバスシステムを参考にすることが多いらしく,自動車社会ではあるものの,名古屋のバス(地下鉄も)結構がんばっている.願わくば,LRTシステムを特徴づけている各種の施策も取り込むと,もっと完璧になるのであるが,日本の中では最も本当のBRTに近いシステムの一つである.(が,やはりバスかも.)