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琵琶湖疎水と湖西線

琵琶湖疎水というと,京都の(そして明治期の)一大インフラ事業であり,琵琶湖から導水トンネルを使って水を琵琶湖から京都盆地に導くとともに,高低差を利用して水力発電が行われた.

電力は日本初の路面電車の動力源として使われたことは有名である.

さて,その琵琶湖疎水を使った観光開発が京都市で進みつつあり,お試しツアーに参加させていただいた.

琵琶湖側の疎水はこんな感じ.

そして,琵琶湖側の水路トンネルの入り口はこんな感じ.

ここを小さな船で川下り,ならぬ疎水下りをするわけだ.

行程のかなりの部分はトンネルで,ほとんどこんな風景.

案内のお兄さんの説明が楽しいので,退屈はしない.

この琵琶湖疎水ができたのは明治なので,後から出来た湖西線が一部でルートが交錯する.このため,湖西線建設時に疎水には新しいトンネルが掘られている.

https://www.google.co.jp/maps/@34.9944013,135.8231731,17z

山沿いの疎水公園というところが旧水路跡地であり,南端部分で湖西線の線路と重なっている.

…とまぁ,ここまでは案内のお兄さんが教えてくれるお話.

実は疎水と湖西線はもう一カ所でも交差している.地図の上で確認すると…

直線で結んでいるのが琵琶湖側からの最初の疎水のトンネルで,トンネル内で湖西線と交差している.水には動力源はないので,導水トンネルはほぼ水平であり,湖西線と疎水の高低差もあまりないはずなので,トンネル内でごく近接した状態で立体交差しているはず.

ということで,トンネルの内壁をよーく観察してみると…

小さなプレートがあった.おそらくこの直下を線路が走っているはずだ.

インフラ整備って既存インフラへの影響を最小限に抑えながら整備するので,結構面倒なことも多そうだな,と感じた瞬間である.

なお,お試し乗船客でこんなことに気づいている人は他にはいなさそう.

琵琶湖通船事業は,今のところ関係者だけしか参加できないが,そう遠くない将来に一般参加も出来るようになる模様.

新幹線台車亀裂(続^2・ハインリッヒの法則)

「亀裂は走行中にできた可能性」…運行中止なければ脱線の恐れもあった JR西日本

情報源: 【新幹線台車亀裂】「亀裂は走行中にできた可能性」…運行中止なければ脱線の恐れもあった JR西日本(1/2ページ) – 産経WEST

……ほらな.やっぱり.

14両編成(続・ハインリッヒの法則)

ハインリッヒの法則

○○トラブル

「名古屋駅+のぞみ号」の映像が映るので,JR東海の出来事のように見えるが,原因はJR西の方.

種籾食っちゃえキャンペーン

予算編成の時期になると,「無駄な」公共事業は止めてしまえ,というキャンペーンが在京マスコミによって繰り広げられる.

「無駄な」という枕詞がミソで,多くの人に「そうそう,必要なことだけして,無駄なことをするのは止そう」と考えさせるとともに,「公共事業は無駄だ」という印象操作に成功してしまうことが少なくない.

そういった報道では,本当に無駄なのかそれとも有効なのかという適切な調査や検討無しに「公共事業は無駄だ」と言わんばかりな内容が垂れ流されている.日々困っていることがあるからそっちに回せと.無駄じゃない公共事業の方が多いのにね.

さてさて,よくよく考えてみるとインフラ投資は各種活動を長期にわたってしやすくするものなので(あるいは補修費用なら今の機能を将来も維持することなので),いわば種籾(たねもみ)である.今,種をまいて,未来で収穫する.これがインフラ投資のはずだ.

文教関係費用や科学技術開発も種籾だ.今,種をまいて,未来で収穫する.同じだ.

インフラ投資も文教予算も技術開発も無駄だとキャンペーンすることは,いわば「種籾食っちゃえ」と言っているようなものだ.目先の利益に流されて,後々大変困ることを主張しているのかもしれない.

気をつけよう,甘い言葉と「種籾食っちゃえ」キャンペーン.

#貴重な技術を易々と外国に売り渡す企業とか,ブランドを簡単に売り渡す企業とかも後々後悔しそう.(その頃には,消滅しているかも)

衆院選における主要政党の交通政策

あんまり話題になってないが,衆院選における主要各党の交通政策(交通産業の労働政策除く)を見てみた.以下,最終的に議席確保しそうな政党をwebサイトから情報収集できた範囲で順に見てみる.

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 自民党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転等の新技術の社会実装
      2. 道路整備推進
      3. 高速道路民間施設直結インターチェンジ推進
      4. 高速道路料金体系整理
    2. 鉄道関係
      1. 整備新幹線の建設中区間の早期開業
      2. 北陸新幹線の未着工区間について財源を確保して早期着工
      3. リニア中央新幹線の全線早期開業
      4. 新幹線の基本計画だけでなく幹線鉄道ネットワーク構築
    3. 航空関係
      1. オープンスカイの推進
      2. 国内地方航空路線の利活用
      3. LCC参入推進
      4. 空港アクセス充実
    4. 港湾航路関係
      1. 整備推進
      2. 国際バルク戦略港湾,国際コンテナ戦略港湾の整備
      3. 離島航路整備推進
    5. 強靱化関係
      1. リダンダンシー向上
      2. 老朽インフラ更新推進
      3. ミッシングリンク解消
    6. その他
      1. インバウンド対策
      2. コンパクトシティ政策推進
      3. 自転車活用推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 公明党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転推進
      2. 電気自動車や燃料電池車の普及推進
      3. ユニバーサルデザインタクシー普及
    2. 鉄道関係
      1. リニア中央新幹線,整備新幹線の建設推進
      2. 交通バリアフリー推進
    3. 港湾関係
      1. 整備推進
      2. 離島航路の維持活性化
    4. その他
      1. 観光立国推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 希望の党
    1. 自動車関係
      1. 自動運転推進
      2. 電気自動車や燃料電池車の推進
    2. 鉄道関係
      1. 時差通勤による満員電車ゼロ
      2. ユニバーサルデザイン,バリアフリー推進

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 日本共産党
    1. 道路関係
      1. 三大都市圏環状道路予算引き下げ
    2.  鉄道関係
      1. JR北海道の路線廃止を食い止める
      2. 全国の鉄道網維持
      3. リニア新幹線への投資水準引き下げ
    3. 港湾関係
      1. 国際コンテナ戦略港湾予算引き下げ
    4. その他
      1. 公共交通基金の創設による鉄道網維持
      2. 老朽箇所の改修

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 立憲民主党

※ 社会インフラ整備等の政策の具体的記述なし

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  •  日本維新の会

※ 社会インフラ整備等の政策の具体的記述なし

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  • 社民党
    1. 自動車交通関係
      1. 自家用車のライドシェアへの反対
    2. 公共交通全般
      1. 交通政策基本法を活かして地域公共交通への支援拡充

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

……(いろいろ突っ込みたい箇所もあるが)ということのようだ.なーるほど.

建設国債を社会保障の人件費にまわすという策

テレ東の10/16のWBSで,政策の方針として「新規の公共事業は我慢してもらって,その分,建設国債を社会保障の人件費にまわす」ということを述べいている,ごくごく最近できたばかりの党の党首の人がいたようだが,かなり無知だな.

建設国債による社会資本整備は,手元にインフラという資産が残るためにインフラ利用者が将来世代にもわたるので,あえて借金を将来世代にも残すことで平準化するために長期国債になっているわけでして,それを日々の消費としての人件費に回すというのは,無知もエエトコ.

それって単なる赤字国債じゃないスか.

アホですか.

#そういえば,乗数効果1とか言ってた過去の政権もあったっけ.

内部留保への課税という策

選挙に合わせて,内部留保への課税という策を打ち出している政治家がいるらしいが,実はもう既に事実上の”内部留保への課税”は実施されているんじゃないのかなぁ.

要は,1)何もせずに手元に置いておくと目減りすること,2)政府の懐具合が好転すること,の2つを満たす政策が内部留保への課税の特徴だろうと思う.

同種の機能を持つ既に実施されている政策としては「インフレ目標」がある.インフレが進行している状況下では,額面が変わらなくても…1)何もせずに手元に置いておくと実質的には目減りする.また,インフレが進行することで,2)政府の持つ既に借りてしまっている債務の実質的な利率が相対的に下がる.…なので,内部留保への課税と同種の効果を持つんじゃないのかな.

再起動」は不要っぽい気がするけど.下手の考え休むに似たりかもしれないので,本職の方,よろしく.

民泊…これでええんか?

10月・11月は出張が多く,宿泊地探しも大変である.

嵐のコンサートを避けて,わざわざ1週間前倒しになった学会は,東方神起の札幌ドームコンサートの存在に気づいていなかったようである.ホテルの空きは非常に少なく,しかも料金もかなり高くなっており,残室1室95万円などというものもある.

発表を予定している人は気が気ではないと思う.キャンセル料の発生し始める時期にリトライするしかないかも.

予約サイトを見ながら,おっ,これは安いと思ってよく見ると,カプセルホテルならまだいい方で「これって単なる民家だよね」という物件,アパートの一室,「バストイレなし相部屋」というもの,物件名が「古びた民家」というまさに名前の通りのもの,写真を見るとどう見てもラブホテルというものまで,ちょっと前には考えられない宿泊施設が並んでいる.

これでええんか? こんなにクオリティ低い宿泊施設を認めてええんか?

都市計画の視点では,不特定多数が入り込むことを避けるために指定された用途地域という土地利用指定—例えば閑静な住宅の専用地など—があるが,そんなところに「民泊」目的の観光客がスーツケースゴロゴロ転がして入り込んでもええのか?

オリンピックが終わるまでカオスが続くんだろうなぁ.(終わっても続くようなら悲劇である)

リニア名古屋開業時のルート動画?

公式動画では無さそうだが,かなり手間がかかっていそうな動画に遭遇.リニアの品川-名古屋間のルートを追ったものである.

これを見ると,わかっていたことではあるが,大半がトンネル区間で,明かり区間も防音壁で覆われていることが多く,「超高速地下鉄」だなぁ.

あと,これもわかっていたことではあるが,途中駅へのアクセスがあまり便利そうではない.名古屋の西側も不便な場所に駅つくるつもりだろうか?

トンネル多過ぎ&短時間で到着なので,全線開業時に名古屋で降りる客が眠りこけて寝過ごして,終点まで連れて行かれる事案が多数発生しそう…

名古屋開業まで,今日でちょうど10年? 10年後の2027(平成39)年10月2日は土曜日で大安である.

リセット症候群

降ってわいた選挙のシーズン到来である.

どこの誰がどうかは言及しないが,リセットだとか,一新だとか,ガラガラポンだとか,そういう雰囲気のキーワードを訴えるケースが多そう.

でも,実際のパソコンでリセットしなければならないような状況だと,リブート後には悲惨な結果が待っていることが多い.ガラポンについても,周到な準備をしないままの安易なガラポンは事態が悪化しそう.

数理計画手法の一つに遺伝的アルゴリズムというパソコン上で自動実験をさせるような方法がある.数値がどうやって改善されてゆくのか,しばらく様子を観察してみると,小規模な改善(突然変異)と他のケースでうまくいったものの一部を取り入れてゆくケース(交叉あるいは交配),これの積み重ねで長期間のうちに大きな改善につながっている.こういった小規模改善や他からの導入の場合でもうまく行かないことの方が多く,何度も何度も試行錯誤が行われるうちに改善が発見されてゆく.ガラポン的な変化をわざとさせてみると,状況が悪化して消えてゆくことがほとんどであり,さっぱり改善につながらない.

ついついまっさらな紙の上に理想の絵を描きたい衝動に駆られるのは理解できる(*)が,実際には現状を受け入れた上で,どうやってゆくのかが真のプランナーやリーダーの腕の見せ所のはず.もしも人生のことならば,安易に「リセット」だとか,「ガラポン」だとか,なかなか怖くて口にできないよね.

(*)まっさらな紙の上に自由に描くことができる状況でも,現実を理想状態に導くのはなかなか難しい.もし簡単にできるのなら,計画経済はもっと成功していただろう.

大阪環状線から103系電車が引退

103系電車がまもなく運用終了らしい.…が,こんなもん毎日見られると侮っていた関係で,写真のストックは少ない.

こういう形の電車は,子供の頃に和歌山駅に行くとみられた.オレンジ色で,ロングシートで…でも,お面が少し違っていた.今考えるとあれは103系ではなくて72系というさらに旧型の電車だったかも.

その後,小学校高学年の夏に大阪環状線で「クハ103-1」なる製造番号1番の電車に乗ったのを覚えており,その後,和歌山から大阪まで予備校に通う羽目になった際には環状線で利用.その後,阪和線で再び「クハ103-1」を確認.阪和線を爆走すると,隙間風がひどい電車だった.そして今は京都の博物館に収蔵されている.

現職に就いた後,しばらくは片町線でもこれに乗って通勤.

最初の製造から53年の超長寿命ちゅうことやね.内装のリニューアルとかしてたけど,乗客サービスの点ではさすがに引退が適当かも.