線路」タグアーカイブ

(しつこいですが)ラスト・ワン・ステップ

何度も同じ話ですいません.(大事な話なので)

フランスのナントの路面電車.低床電車のパイオニア的電車であり,今や古い部類になりつつある.

DSCN0831

電車の床は低くなっており,ホームとの間には上下方向の段差はない.だが,隙間はある.そこで…

DSCN0807

可動式の板を出して,隙間を埋める.これなら車イスの一人移動でも問題なし.介助者なしでもOK.気軽なまちなか移動の実現!

DSCN0808

横から見ると,こんな感じ.

DSCN0809

日本では,交通バリアフリーが注目されるようになって早15年.街の中はバリアフリーになり,段差が少なくなってきて,ホームまでは楽々移動.

ところが電車に乗り込む際に最後の一段が待っており,駅員を呼ばないと一人では何ともならない.

心のバリアフリーはなかなか解消しない.解消したのは大阪モノレールくらいか?(結構実現は大変だったらしいが)

なお,ナントの最新式電車はもうちょっと進歩しているようであり…

DSCN0824

わざわざ板を出さなくても隙間が極小になるように車両設計がされている模様.

DSCN0855

横から見るとこんな感じ.

DSCN0856

日本はというと,LRTについてはもはや周回遅れの状態で残念だが,ラストワンステップの方は存在が日本でも認識されてきたようで,車両とホームの間の隙間や段差を最小化すべく,軌道やホームの調整をする鉄道会社が徐々に増えてきている模様.

 

マクラギはレールの下にあればいいわけです

軌道の構造としては,レールの下にマクラギがあり,レールからの荷重を道床に伝えるとともに,左右のレールの間隔を保つわけだ.

じゃぁ,左右の間隔が別の方法で保てれば,荷重を伝える機能だけあればいいということになるわけで,そうすると…

DSCN8992

まぁ,別に長手方向に敷設されていてもいいワケで,ハシゴ状で無くてもいいワケで.フランスのボルドーからナントに向かう路線の鉄橋.

どこかで見たなと思ったら,これと基本的に同じだな.明治村に保存されている六郷川鉄橋.

IMG_8565

ただ,この六郷川鉄橋の方はマクラギの下に何も無いので荷重分散になってないかも.

 

車両基地

LRTの路線図に載っていない線路が分岐しているのを発見!

これは,もしかして…

DSCN0755

向こうから来た電車の表示は「SANS VOYAGEURS」,英語風に書くと「Without Passanger」,つまり回送.いよいよ怪しい.

DSCN0779

陸橋は2車線道路に無理矢理軌道を敷設したような妙な構造.

DSCN0767

その先に,あったあった.車両基地.

DSCN0770

トラムがいっぱい.

DSCN0772

一般人が入れるのはここまで.なかなか車両基地って入れないんだよねぇ.(…と言いながら,ふと気がつくと入れてもらった車両基地は結構あったりして.)

DSCN0773

 

 

架線がないとやっぱりスッキリ

歴史的景観地区でLRTの架線集電をやめて,バッテリー駆動や地表集電を採用している例はあるが,こんな場所でも架線がないとスッキリする.

DSCN0691

橋の上.

日本でも,橋の上まで電線が通っているところは少なく,架線を使わないと河川景観も向上する,という例.

LRTでよく見る意外な設備

それは「警報器」.

DSCN8942

日本の踏切のように「カンカンカン」とは鳴らないが,トラムが近づくと一つ目のランプが赤く点滅する.

フランスの他に,ドイツやスウェーデンでも見たことアリ.

何でもかんでも「LRT=トランジットモール」ではなくて,要はTPOということ.危ないと思えば警報器も付けるし,大丈夫だと思えば混合交通にもするということ.

 

LRT軌道掃除機の機能分析

ボルドーのLRT軌道にも「掃除機」がある.

DSCN8741

後ろ姿はこんな感じ.

DSCN8744

タイヤ間には樹脂製?の回転ブラシがあり…

DSCN8750

後部の複雑なメカ部分は,左から順に,案内輪(大),溝用のバキュームクリーナー,案内輪(小),ワイヤブラシ.

DSCN8751

…かな.

ちなみに,レールが無くても走れます.

DSCN8758

地表集電

ボルドーのLRTは中心市街では架線から集電するのではなくて,地表の電極から集電することは有名だが.架線によって都市景観を乱さないようにすることが目的だ.

ところが,さほど景観が優れているというわけではない区間にも地表集電の区間がある.

DSCN0318

架線柱を立てるには路側の歩道が広いワケではなく,かと言って沿道の建物からワイヤーを張って給電線を支えられるほど建物が立派というわけでもない.

…ということで地表集電になっているのだと思う.地表集電はややコスト高だという話もあるが,終電インフラの設置まで考えると,これが一番ローコストなのかもしれない.

大学の構内

日本ではまず見かけない大学の設備が「構内を走る路面電車」である.

日本でも最近はたまに「構内を走るバス」は見かけるようになったが,路面電車はまだ見ない.

この大学の構内には…

DSCN0234

写り込んでいる建物は,大学の施設である.

DSCN0236

電停からまっすぐ進むと,校舎,という感じか?

DSCN0244 DSCN0248

DSCN0249

時折,構想としては日本でも聞くんだが,まだ実現した大学はない.

DSCN0251

写真はボルドー大学の構内.電停が5−6箇所ある.

バリアフリー電停

交通バリアフリーでは,ホームまで滑らかにスロープでつなげよという話がある.

DSCN8596

いやいや,ホームは面一にして,線路を下げてしまえば良いんじゃないの,という逆転の発想も,またあったりなんかする.

歩道と軌道を明確に区別する方法

日本でなかなか実現しないトランジットモール.歩行者が軌道に入ってくることを問題視しているわけだが,不用意に軌道に入り込まないようにするためには,こういう方法もある.

DSCN8409

つまり,軌道部分をマウントアップしてしまい,軌道を横断するのなら意思を持って10cmほど昇らなければならないようにしているわけだ.

…ま,これでも「足を引っかけて転倒する人ガー」とか言うんだろうな.日本人て,そんなにウスノロか?