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ドーナツの認識方法について

低迷する大阪を何とかしたい,その問題意識は正しい.

だが,大阪の長期衰退の原因は,西日本における中心性の低下,国土の双眼構造の崩壊に他ならない.

府と市をくっつけて都を名乗ればそれで解決できるようなレベルではない構造的な問題が既に発生しており,数十年単位でこの先,大阪(および近畿一円)が苦しみ続けるのではないかと心配している.だが,残念ながら現時点では内向きの議論ばかりなのが悲しいところ.

首都圏と関西圏では新幹線をはじめとする広域交通インフラの差が歴然としており,これが西日本における中心性を失っている主因である.

ドーナツは周辺があるからドーナツだ.周りがなければ,どこが中心かわからない.


詳しくは,以下のリンクを参照.
「都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり」

第1話-新幹線偉大なり編,第2話-産業振興vs交流編,第3話-他の交通機関編
第4話-東海道vs中山道編,第5話-新幹線駅が都市圏形成編,第6話-駅アリ>駅ナシ編
第7話-20年差が命取り編,第8話-後手必敗編,第9話-東密西粗編編
第10話-リニア編

ツッコミどころの多い地図(6)

今回は土佐くろしお鉄道の「野望」である.例の地図には,四国南部にこういう路線も描かれている.

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ご存じ,土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線である.この地図では全線予定線のままであるが,実際には南国市の後免から安芸を経て奈半利まで開通している.その先,予定線は室戸を経て宍喰方面まで続き,徳島県下の牟岐線につながる予定である.牟岐線付近は阿佐海岸鉄道として実際に甲浦まで開通している.

そして,さらに…

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西側の足摺岬付近では,中村(この地図ではなぜか四万十にちゃんと改名されている)から宿毛を経て愛媛県の宇和島まで予定線が延びている.実際には中村から宿毛の間が開業しており,宿毛駅は終端駅になっているが,そのまま延ばそうと思えばさほど難しくはなさそうである.

どちらも高知市に近い側が開通しているが,残る部分は県境を挟む区間であり,県境を挟む区間では一般的に移動数が少ない(ローカル線では通学客が多い)ために,さらなる延伸はかなり厳しそうな気配ではある.

ツッコミどころの多い地図(5)

今回はナゾの新幹線である.

この(いい加減な)地図では,新幹線は赤色で示されているのだが…

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こんなところに北陸新幹線? いやいや,これは北越急行線.長野のことを気にしなくても良いのなら,北陸新幹線はこのルートでもよかったかもしれないが,さすがに基本計画ですらこんなルートはない.

単線の在来線を新幹線として描くとはなかなか大胆な地図である.

交流人口のワナ

人口減少局面である.

減った人口の分は,交流を拡大して「交流人口」で埋めればよいという.確かに外国から訪れてくれるのなら,訪れた「交流人口」で減った人口の分を埋め合わせができる.でも絶対数はそんなに大きくないよね.

じゃぁ,国内の交流を拡大することで人口減は埋め合わせできるのか?

確かに交流を行って,訪問を受けた地域では「交流人口」の分だけ穴が埋まるかもしれない.だが,交流している間の「空き巣」では交流人口の分だけ減ってるんじゃないのか,とも思う.

ふるさと納税でいろいろ物色していて,ふと感じる今日この頃.
( ↑ 米とか果物につられてんじゃねぇよ)

ツッコミどころの多い地図(4)

今回も北海道である.下の写真の伊達市から洞爺湖の東側を経て倶知安に至る「胆振線」は比較的有名で,昭和新山の活動に伴って影響を受けたのは有名なお話.1986年に廃止されて30年近く経過するが,いい加減な地図上では切れ切れになりながらも,なぜか国鉄線?として存在している.

廃線せずに残しておけば観光路線になりそうな気がするが,国鉄末期ではそういう発想もなかっただろうな.

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倶知安の西側にもナゾの路線が描かれている.予定線としては,函館本線の黒松内から寿都付近を経て岩内までが描かれており,このうち,黒松内から寿都方面には寿都鉄道という鉄道が開業していたようだ.

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岩内で黒松内からの予定線は終わっているが,その右側の共和というところ付近に鉄道線を消した痕跡が残っている.実にいい加減な作図である.どうやらこれは岩内線という1985年に廃止になった路線のようであり,函館本線上の小沢から岩内を結ぶ15キロほどの路線で,上の予定線とあわせると函館本線のバイパス線のような経路が出来上がったようである.

まだこのいい加減な地図の探訪は続く.

ツッコミどころの多い地図(3)

古い地図はいろいろ面白い.

北海道の話は続く.名寄の西側にどこにもつながらないナゾの「予定線」が描かれている.朱鞠内湖付近から始まって,西は羽幌(のちょっと手前)までの路線である.これは何だ?

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調べてみると,名寄から朱鞠内湖を経て羽幌までの路線が鉄道敷設法で予定されており,このうち,東の方の名寄と朱鞠内湖の間は実際に建設されて深名線の一部になったようだ.深名線は朱鞠内湖付近から南下し,函館本線の深川まで達していた.

未開業区間は名羽線と名付けられ,沿線には炭鉱があったようなので石炭輸送目的の路線と重複する羽幌付近の10㌔あまりが炭鉱鉄道として開業していたようだ.

深名線は1995年に廃止されており,この地図からも消されている.ということは,元々描かれていた深名線だけを消して予定線はそのまま地図に残したので,このような変な場所に予定線だけが残されたということのようだ(まぁ,作図がいい加減だということ).

同じく西側についても炭鉱鉄道が廃止されるとともに,接続されていた海岸沿いの羽幌線も廃止されてしまい,残ったのが地図の予定線というワケのようである.

おかげで,何かと興味深い地図になったわけだが,まだまだツッコミどころは多い.

ツッコミどころの多い地図(2)

実家にあった古い地図.いろいろ面白い.

北海道の帯広の西側,狩勝峠付近.すでに新狩勝峠トンネル経由の新線になっているが,新得から足寄に向けて「国鉄の予定線」が描かれている.(よく見ると,今はなき士幌線と池北線も細い線で描かれている)

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どうやら新得から上士幌までは北海道拓殖鉄道という路線で,戦前に開業し,昭和40年代に廃止になった路線のようであり,その先の足寄まではやはり予定線があったようである.

狩勝峠のさらに西側にも「なんだこれ」という予定線が見える.根室本線と石勝線をショートカットしている「予定線」がある.日本国有鉄道紅葉山線という路線名だったようだが,当然未完成である.

DSCN1121この地図(書店のカレンダー),なかなか正確である.

ツッコミどころの多い地図(1)

以前,実家の台所の壁に貼ってあった地図.いろいろとツッコミどころが多い.

例えば,茨城県の水戸から鹿嶋にかけてであるが…

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鹿嶋と水戸の間の鹿島臨海鉄道線が「国鉄の予定線」になっている.

調べてみると,元々は国鉄の新線として建設されていたようであり,国鉄末期に国鉄ではなくて地方鉄道線として開業したということのようである.ということで,ツッコミどころが多いのだが,割と正確,ということでもある.

なお,よく見るとかしてつBRTになった路線も地方鉄道線として石岡駅から鉾田まで描かれていたりする.

ツッコミどころは,まだまだたくさんあるが,追々見てみることにしよう.

瀬戸大橋は急勾配

瀬戸大橋というと,当サイトでは折に触れて新幹線用の空間が既に準備されていることをお話ししており,例えば下の写真では線路の左側がやけに空いているのがそうであるが…

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今日はそういう話ではなく,どちらかというとどうでもいい話に近いかもしれない.例のごとく特急だろうが快速だろうが瀬戸大橋を通過するときには線路の見える位置をキープするのが基本であり,いろいろと観察している.

よく見ていると通過する橋の種類によって線路のうねり具合が違っている.橋と橋の間のコンクリート高架橋部分が真っ直ぐなのは当然として,斜張橋部分(金沢の兼六園の植木のように,ハープの弦のようなケーブルで吊っている橋,例えば横浜ベイブリッジ)も下のように割と平らである.

DSCN0600ところが,典型的な吊り橋部分(例えば明石海峡大橋とかレインボーブリッジ)は,こ〜んな感じでちょっとした丘陵のようになっている.

DSCN0614重い列車が吊り橋の真ん中に差し掛かると橋がその分沈むので,最初から真ん中あたりを少し上の方に持ち上げている.そんなわけで写真に撮るとまるで橋を渡るというよりは,これから丘を越えて行くような感じに見える.

なお,この吊り橋部分を含めて,瀬戸大橋は16両編成の新幹線がそのまま東京から走ってきても問題ないように基本設計されている.

都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第10話-リニア編)

一応第9話までで完結しているので,番外編である.第9話までは以下のリンク先をどうぞ.

第1話-新幹線偉大なり編,第2話-産業振興vs交流編,第3話-他の交通機関編
第4話-東海道vs中山道編,第5話-新幹線駅が都市圏形成編,第6話-駅アリ>駅ナシ編
第7話-20年差が命取り編,第8話-後手必敗編,第9話-東密西粗編編


2ヶ月ほど前に,こういう記事があった.

リニア延伸遅れに焦り 関西財界セミナー、京都誘致も影響 : 京都新聞.

この記事の中で,京大の藤井先生が「東京一極集中を是正するためにも同時開業が必要だ。実現できなければ大阪は18年間にわたって名古屋圏の地方都市になる」と説明したらしいが,私の感想としては…藤井さん優しいなぁ,である.

どういうことかというと,第7話-20年差が命取り編を思い出して欲しい.それまでに無かった新たな交通機関が出現するときには,20年ほどの整備時期の差がその後の盛衰に大きく影響して,後から追い付こうとしても差が縮まらなかった.

ということは,こういうことではないだろうかと思っている.

×:(同時開業が)実現できなければ大阪は18年間にわたって名古屋圏の地方都市になる
○:(同時開業が)実現できなければ大阪はたとえ18年後に開業しても半永久的に名古屋圏の地方都市になる

名古屋を再び追い越してぶっちぎるには,リニアだけでは足らなくて,新大阪駅を中心にして四方八方に高速鉄道が整備されるくらいの勢いでないといけない.単に追いつくだけでは,18年の差を埋めることはできない.


この記事の後半もなかなか興味深い.

京都がリニア誘致をあきらめない話が書かれている.リニア整備の時期が約20年差でも致命的な影響が生じる可能性があるわけなので,リニアの駅そのものの有無は未来永劫の盛衰を左右するレベルである.そりゃぁ,あきらめないだろう.

大阪の経済団体は「法律で奈良市付近を通るルートに決定しているという認識で統一されている」とのことだが,これもなかなか興味深い.

大阪は京阪神の中心,近畿一円の中心,関西の要である.(どうなるかどうかわからないが)道州制というような構想もあり,もしかしたら将来的には大阪が経ヶ岬から潮岬までについて我が事のように気を配らなければならない日がやってくるかもしれないのだが,現時点では隣の京都の盛衰は気にならないようである.かといって奈良がどうでもいいということでもない.

リニアの効果を最大限に近畿一円で受け止めながら,その全体に恩恵を巡らすような,全体合意可能な案が必要なのだが,そういったところには意識はいっていないようである.

自ら前へ前へと出る事には長けているが,他地域とうまくやってゆくのはあまり得意ではない地域性が出てしまっているのかも知れない.大阪が真の地域圏のリーダーになるには,もうちょっと修行が必要かもしれない.(逆ギレしないでね.)


こんどこそ終わり.