駅のホームには何に使うのかわからないランプや電光掲示板があったりするが,1つ使い方がわかった.
1本前の電車の床下から煙が出て,隣の駅で止まっているらしい.信号機そのものは進行を示しているが,列車を駅間に止めないために表示して駅に留め置くようである.
なお,床下から煙から出た電車は四条畷駅まで何とかたどり着いた後,乗客を降ろして運転終了になった模様.
ちょっと前の時刻表だが,基本的には今も変わっていないと思う.
山形県の米沢駅のホーム上の時刻表である.福島駅方面への県境の峠部分を越えてゆく普通列車は,朝1本,昼1本,夕方2本,終電(20時台)の以上5本である.
「つばさ」が毎時1本ずつ走っているので,路線としては決して閑散路線ではないが,普通列車についてはこういう状況である.
新幹線が建設されようとする路線では,しばしば並行在来線の問題がクローズアップされるが,特に厳しい状況に置かれがちなのが県境部分である.日常的に人の往来が少ないので別々の県に分かれた,とも言える部分である.
新幹線化にあたって,こういった県境部分をどうするかは頭の痛い問題であり,例えば熊本-鹿児島県境部分や新潟-富山県境部分では,電車が走れる設備があるにもかかわらず,経費を最小化するためにわざわざ短い編成のディーゼル列車を運転しているし,青森-北海道部分ではずいぶん前から普通列車が無くなってしまっている.群馬-長野県境では,碓氷峠部分に特殊な機関車の維持が必要ということもあり,線路が無くなってしまってバス転換された.
だがまぁ,通しの列車が片道5本の米坂線が生き残っているんだから,方法はあるのかもしれないけどね.
KTRは,ちょっと前までは「北近畿タンゴ鉄道」の略であったが,今は「京都丹後鉄道」の略になった.中味も旧JNRのにおいがプンプンした第三セクター直営から,インフラ整備と列車運営を分離した形態に変更されて名前が変わった.
さて,この公設民営鉄道(+JR山陰線)に並行して,京都縦貫道という名の高速道路が天橋立近くまで開通している.そんなわけで,家人がバスツアーで伊根町やら天橋立に行ってきたという.いろいろと美味しかったらしい.
山陰線の複線化やKTRの運営にも公費が突っ込まれているとはいえ,京都縦貫道で天橋立まで1時間40分ほど.対する鉄道は特急でも2時間.結果のバランスという点では,鉄道の完敗である.
鉄道の重要性が認識されている一方で,結果をイーブンに出来ない政策.抜本策は山陰新幹線の早期実現か? でも,どうやって資金調達する? そろそろ自動車利用者≒国民ということを認めて,柔軟な資金運用をする時期に来ていると思うんだがね.
欧州では,線路とその上の鉄道運行が基本的に上下分離されている.旅行者としてはICEやTGVをよく使うのでほとんどそのことを意識することはないのだが,最近,特にドイツなどでは比較的近距離の都市間連絡列車で,見かけない会社の列車を見かけることが多くなってきている.
例えば,この列車.
機関車は比較的最近の機関車で,確か発車時には「ドレミファソラシド…」という音を発したはず.けど,よく見るとかつては書かれていた「DB」の赤い文字が無い.
ハンブルグとケルンを結ぶ列車のようである.
車両は結構年季の入ったもので,元オーストリア国鉄? 土手っ腹には大きく「HKX」と書かれている.
ハンブルグとケルン間ならICE等を使って移動するのが通常の方法だが,同じ線路上を別のHKXという会社(私鉄)が列車を運行しており,ドイツ鉄道の列車に乗るよりも安価に移動できるようになっているようだ.
ただし,車両はお古の使い回しであり,とにかく安く,しかも早く移動したいというニーズを満たしているようである.
ユーレイルパスでも乗れるようだが,良い時間帯の発着時間は確保できていないようで,あまり便利では無い.しかもICEにも乗れるチケットでわざわざ選択するような列車では無い.
だが,地元の人にとってはこういった別の選択肢も準備されているのである.
日本では,都市内交通が自由化されている一方,新幹線を含む幹線鉄道および同じ線路上を走るローカル列車の運営は国鉄時代からの地域独占が継続しており,ユーザーの選択肢は限定的である.
以前,フランスのローカル列車は速いという話をしたが,訂正.もっと速かった.
今回乗車の列車は,アルザス地方のMulhouseからStrasbourgまでのTERという地域急行列車である.急行列車というと優等列車のように聞こえるが,その下の格が無いので普通列車である.本当の急行や特急はEuroCityとか,Intercitésとか,有名どころはTGVと名乗っているので,TERは日本の感覚では快速列車である.
このTER,ピンからキリまであり,キリは40km/h運転レベルのものから,今回のようなものまで千差万別.
じゃぁ,ピンのTERはというと,こんな感じ.
この機関車を見て「ははーん」と思ったあなたはSNCFに詳しいはず.快速列車のはずが,走り始めるとまずは160km/h運転.しばらくして本気を出すと,こんな感じ.
日本の快速電車って,何km/h運転だったっけ? もうちっと底上げしてもいいんじゃないの,と思う今日この頃.
私が小学生の頃は,地元の紀勢本線にはディーゼル列車が走っており,朝昼夕の3往復は機関車が客車を引っ張っていた.
毎時1本が基本であり,昼の2時台は列車がなく,朝夕だけ毎時2本の時間帯があった.片道20本あまり.そういうわけで,あんまり便利な交通機関ではなかったので,並行する国道には御坊-和歌山市間に概ね毎時1本程度の南海バスが,そして白浜-和歌山市間にも急行バスが走っており,総じてバスの方が便利だった.隣町へのおでかけも,国鉄とバスとが半々といった感じであった.
その後,紀勢線には1978年に電車が走るようになり,1986年から毎時2本になり,その結果,並行するバス路線はこういう状態になった.
さらに,現在に至ってはこの4便も無くなってしまったようである.40年間の変化である.