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平成28年度鉄道関係予算概算要求

平成28年度の鉄道局関係の予算概算要求概要をみてみよう.
資料はこれ→ http://www.mlit.go.jp/common/001101353.pdf

まず,鉄道局の概算要求額そのものであるが,約1163億円.対前年度比1.14倍.

ここだけ見るとおぉ,増額している!となるのだが,国土交通省の概算要求額全体では約6兆7千億円ほどなので,比率は約1.7%である.国全体での予算総額は98兆6千億円ほどなので,国家予算に対する鉄道関係の予算は約0.118%である.

前年度比増額していること自体は評価してもいいのだが,その絶対的な比率は絶望的に小さい.

比率10%というと,こういう感じ.
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比率1%というと,こういう感じ.国交省予算に対する鉄道予算の比率のイメージはこれに近い.
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そして,比率0.1%というと,こういう感じ.国家予算に対する鉄道予算の比率のイメージはこれに近い
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なお,新幹線に投じられる予算は,鉄道関係予算の,さらにその一部であるという事実.

もっとがんばろうよ…

リニア大阪同時開業…とは言うが…

大阪府知事選と大阪市長選が近くなってきており,出馬を予定している方々からは威勢の良い話が出てきている.

与野党とも北陸新幹線やリニア新幹線等に言及する方が多く,一昔前では鉄道建設など見向きもされなかったことを考えると隔世の感がある.

ところで標題の件だが,「リニア新幹線大阪同時開業実現を!」みたいな政策を述べられる方が多いように思われるが,そろそろ黄色信号がともっていることに留意した方が良い.

50年以上前の東海道新幹線の工事は5年半でできたが,あれは用地買収をはじめとして事前の準備がかなり進んでいた段階からの5年半である.当時は建設業者もたくさんあった.

今回のリニア新幹線については,名古屋以西については環境影響調査もルートの詳細決定も終わっておらず,政治家がいくら威勢良く演説しても,段取りがまだなので数年では無理である.

2000m級の山岳はないものの,工期は概ね10年は見ておいた方が良く,事前のルート詳細決定と環境影響調査にも2−3年必要である.東京−名古屋間については2011年に整備計画が決定されて,その後の環境影響調査等々に手間取っており,起工式は終わってはいるものの,4年経過した現時点においてもまだ大々的には工事の槌音が聞こえてくる段階には至っていないことに留意すべし.

工期10年+環境影響調査等3年=13年
2027年同時開業ー13年=2014年
2014年<2015年

今はもう2015年の後半.普通のスケジュールでは無理な時期に来つつあるので,「リニア新幹線大阪同時開業実現を!」の言葉の裏に具体的な(実効性のある)スケジュール短縮策が無いようだと,大風呂敷のウソ八百になりかねないので要注意である.>立候補予定者各位

 

木古内駅付近探訪(木古内駅編)

渡島大野の次は,木古内駅だ.

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6年前の段階では,まだ着工されていないが,もう完成している.工期はやはり数年程度のようだ.当時はまだ江差線が営業中だった.

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駅舎正面.

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そして,駅前通り.さ,さみしい…

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駅の南側の踏切から駅方向を見る.

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そして,その踏切の向こうにあった,あった,新幹線の杭.

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つづく.

新函館北斗駅付近探訪(車両基地編)

新函館北斗駅付近探訪した時の話の続き.

車両基地の工事中のようである.

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まだ,盛り土工事が始まったばかり.(そして,今はもう完成している)

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実にわかりやすい案内板.緑色のE2系電車というのも見てみたかったような気がする.

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「現在地」は”現在”はもう車両基地の中の一部なので,入れない.

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もうすぐ開業ですな.渡島大野探検はここまで.

 

小浜線経営分離か未定

その後,こういう記事があった.

JR西日本の野中雅志金沢支社長は27日の記者会見で、北陸新幹線が敦賀以西ルートで福井県小浜市を通る場合、JR小浜線がJRから経営分離される並行在来線に当たるかに…

情報源: 小浜線、経営分離か未定 北陸新幹線延伸でJR西支社長

あのーーーーーーーぉ,特急が走っているかどうかじゃなくて,新幹線の開業によって当該在来線から新幹線に客が移ってしまい,経営状態が悪くなる路線のことを並行在来線とするのが適当なんですけど.長距離客が小浜線にそんなにたくさんいらっしゃるんでしょうか? いらっしゃるのなら並行在来線問題として取り上げるべきだし,そうでないならローカル線問題.

野中支社長は会見で「並行在来線の定義は、知る限りでは特急の有無に言及していない」と述べた。

国土交通省の説明には「整備新幹線に加えて並行在来線を経営することは営業主体であるJRにとって過重な負担となる場合があるため…」とあり,新幹線の開業にともなって,当該在来線の経営がお荷物になるような路線であることを並行在来線の定義として採用している.

つまり,繰り返しになるが,新幹線に移転するような客がない路線は,そもそも新幹線が有ろうが無かろうが,営業状態に与える影響は新幹線の開業前後で変わらないので,国交省の想定する並行在来線の説明にあてはまらない.

…ちゅうか,並行在来線の定義は旧運輸省の頃から示されていたはずだけど.

もう言葉遊びは止めようよ.新幹線が有ろうが無かろうがお荷物だと思っているような路線の存廃問題は,並行在来線問題じゃ無くて単なるローカル線の存廃問題ですよ.新幹線に便乗せずに正面から向き合いましょう.

 

新函館北斗駅付近探訪(線路予定地編)

新函館北斗駅付近探訪した時の話の続き.

駅から概ね線路に沿って南下すると,あった,あった.線路予定地を表す杭.

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木古内方面はこっちの方向.

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逆方向.左はしにくいが写っており,右端奧に駅が写っている.

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再び,木古内方向.何か工事しているぞ.

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「北の大地に新幹線」?

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つづく.

 

温暖化政府が適応計画案

なるほどね…

政府は23日、地球温暖化がもたらす国内の被害軽減策をまとめた「適応計画」の案を公表した。
情報源: 温暖化:政府が適応計画案…災害など7分野で被害軽減策 – 毎日新聞

…でも,これでええのか?

地球温暖化が,単純に自然現象ならば,そりゃぁ適応して生き延びてゆくことは重要だろう.

でも温暖化の原因が人為的なものがわかっている以上,確かに「適応」できなければ困るが,原因の除去に全力を挙げるのが最重要課題なはずだ.

2030年にCO2排出半減とか,2050年にCO2排出80%削減などという話もあったやに思うが,そういう方向性の政策はどうなった?

1997年のCOP3から,もうすぐ20年になろうとしている.これまでの生ぬるい方針では何も変わらなかった,という反省をするべき時期に来ている.

当事者意識持とうよ。

新函館北斗駅付近探訪(渡島大野編)

新函館北斗駅付近探訪した時の話である.といっても,まだ全く工事が手つかずの頃のお話.

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函館からの列車で到着.2両編成.もちろんディーゼル.1時間か2時間に1本という頻度.こ,ここが新幹線の駅になるのか…

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駅舎正面から.実家の最寄り駅といい勝負である.今は立派になっているんだろうなぁ.

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駅構内(函館方).

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同じく駅構内(長万部方).

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Beforeの写真は撮ったので,いずれAfterの写真を撮りに行かねば.

探訪は続く.

 

TPPと鉄道

TPP参加で貿易が盛んになると,農業等は大変になると言うが運輸部門はどうだろうか.

一応,輸送されるものが多くなるので,貨物輸送は盛んになりそうである.

一方で旅客部門は?

投資がしやすくなるので,資産の割には株価が安いといわれている日本の鉄道会社は,片っ端から株式が買われまくって,資産を切り売りされて…という可能性が無いではない.西武鉄道が(あまり事業に理解のない株主で)大変なんだったっけ?

それから,無いとは思うが,整備新幹線は公設民営なので「どうして特定の会社に国は便宜を図っているんだ.オレにも高速鉄道事業させろ」と言ってきて,新幹線事業に外国の会社が参入してきて,LCCの新幹線版みたいなのを走らせようとするかもしれない.

もちろん,整備新幹線以前の既設新幹線も安泰では無いかもしれない.「独占事業だ! おかしい!」などと言われてしまう可能性無きにしもあらず.通信事業を見てみるといい.電話事業は元々NTTの独占だったが,「末端部分の電話線使わせろ」によって,あっという間に各社参入した.将来的には技術基準さえ合っていれば第三者への事業参入を認めざるを得なくなる可能性もある.

電力会社も発送電分離されてしまうが,鉄道会社も将来的にはインフラ部分と運行部分を半強制的に分離させられて,運営部分は多数の事業者が乱立する状況という未来が無いではない.欧州では一部ではそういう様相を見せ始めている.

 

北海道新幹線3年で150億円の赤字…は回避できるかも

こういう話がある.

 2016年3月に開業する北海道新幹線について北海道旅客鉄道(JR北海道)が試算した当初3カ年の収支見通しが16日、分かった。3年間で合計約150億円の赤字を見込む。老朽化が進んだ長大な海底トンネルを

情報源: 北海道新幹線、当初3年で150億円の赤字 JR北海道が試算:日本経済新聞

この原因は,青函トンネルがJR北海道の持ち物だからである.

通常,整備新幹線のインフラ部分は国の持ち物で,「受益の範囲内」でリース料を払う.なので,少なくとも赤字にはならない.

また,お荷物になる在来線については,「並行在来線」として経営から切り離すことが出来る.

ところが,青函トンネルはその歴史的な経緯から,新幹線開業にあわせた経営分離の対象区間でもなければ,新幹線を走らせるインフラが国有資産というわけでも無い(JR北海道自体が株主が国だというツッコミはおいといて).

本来なら,新幹線を走行させるにあたって,国が青函トンネルの資産一式をJR北海道から買い取り,「受益の範囲内」でリース料を払う方式をあらためて導入すれば良かったのだろうが,そういう議論は無かったようである.

今からでもいいので,そういう方式を検討してもいいのではないかと思う.

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