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あと50日

大阪の人がうかうかしているうちに,北陸新幹線が東京から長野を経て金沢まで来ようとしている.車庫には新しい電車が.

IMG_0742金沢から東でサンダーバードやしらさぎ,はくたかを見かけるのもあと少し.

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IMG_0787あと50日らしい.沿線にカメラ小僧が多い.

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地震動予測地図とリニアの近畿圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察はまだ続く.このファイルのp.72やp.108を参照.今回は近畿編である.

以前にも書いたように,全国新幹線鉄道整備法が想定する新幹線網の最大の弱点は大阪だ.具体的には新大阪駅になろう.かといって,リニアが近畿まで達した場合に終点を大阪(新大阪駅)にしないわけにはいかない.つまり,ネットワークのリタンダンシーを考慮する場合は,それ以外の面で工夫することになる.つまりサブターミナルだ.

東西間交通のリスクを避けるためには,東海道新幹線とリニアは完全に別経路にすべきだという意見があるが,両者とも地上線ならそういう話になる.だが,リニアは都市部では大深度地下線が基本だ.つまり,地下鉄.阪神淡路大震災では,ごく浅いオープンカット工法で作られた地下鉄駅がつぶれた例はあるが,それは例外で,一般的には今でも地下構造物は地震に強いと言える(ただし,水没に強いかどうかは別問題なので,リニア名古屋駅とリニア品川駅については,慎重な対策が必要).すなわち,地下駅なら東海道新幹線と交差してもさほど地震リスク上は大きな問題はない.逆にリニアと新幹線が別経路でも,地上駅だと影響が出る可能性がある.

さて,リニアの近畿圏サブターミナルの要件としては,東海道新幹線途絶時にも京阪神圏に出やすく, なおかつ広域的なアクセスにも使えることである.

前者については,サブターミナルが京都の場合はJR線,阪急,京阪などいくつかの方法で大阪平野に達することができる(ただし,淀川水系付近の低地は地震のリスク高め).京都でも奈良でもない中途半端な位置でも,JR片町線や近鉄線を使って大阪平野に達するのは可能(ただし,大阪平野東部は地震のリスク高め).奈良であってもJR関西線や近鉄線で到達できる(ただし,大阪平野東部と奈良盆地やや南側は地震のリスク高め).ということで,大阪平野へのアクセスではさほど決定的な差はない.

次に広域利便性という観点では,京都については山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されていれば広域的なサブターミナルになり得る. 京都でも奈良でもない中途半端な位置の場合は,山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されるとともに,京都-奈良間にも高速なアクセス鉄道でも整備されていないと少々辛いかもしれない.奈良の場合はさらに広域アクセス性は低下するので,サブターミナルの性能は低下する.

そして,もしも副首都機能が近畿にやってきて,大阪の東隣のリニア駅がその地区に隣接するのなら,それもまた良し.

こういう議論が審議会であっても良かったと思うのだが,自由な議論ができるような雰囲気ではなかったのかしら.

【祝】濃度上昇,新幹線が787PPMに!

北海道新幹線と北陸新幹線の開業時期を前倒しするにあたって,来年度以降の新幹線整備費用の国費負担分は35億円づつ増額されるらしい.【祝】国費UP!整備新幹線,である.

本年度は確か719.5億円だったので,35億円上積みすると754.5億円に増額である.

ところで,来年度の国の予算は一般会計概算要求ベースで958,823億円.そうすると,国家予算に占める新幹線の費用の比率は,754.5÷958823=0.00078690227498

わかりにくいので%表記にすると,0.078690227498 %

まだわかりにくいのでppm表記にすると,786.9 ppm
だいぶ濃くなったぜ!!!

※%は百分率,‰は千分率,ppmは百万分率.

初夢鉄道(鉄道航空融合編)

こんな夢を見た.第七夜である.

海外出張の帰路である.航空搭乗券は現実世界では正式な紙券が廃止されているが,夢の中ではさらに進んでおり,ICカード搭乗券になっている.顔写真等の個人情報とともに搭乗便および座席が書き込まれており,券面には感熱式の概要表示もある.ICカード登録の顔情報と旅券の写真情報と実際の顔の三つが一致しないと飛行機に乗せてもらえない.

今回の帰路の経路は,FRA->HEL->KIX->KYOである.つまり,独フランクフルト発,ヘルシンキ乗換,関空着,それからそのまま鉄道に乗って京都まで.昨今の鉄道と航空の有機的結合政策によって,国内大都市主要駅にも空港のレターコードが割り当てられ,ICカード1枚で乗れるようになっている.予約情報は旅行会社のカウンタか,自宅のPCに繋いだカードリーダでICカードに書き込める.

関空から京都までは,特急はるか,ではなくて新幹線である.毎時4本が関空から大阪経由京都まで走っており,その先は2本が東海道新幹線直通,残りが山陰新幹線方面と北陸新幹線方面である.大阪経由の山陽新幹線直通と,向きが逆であるが四国方面行きもある.これら列車の運行会社は航空会社と提携しており,通常の列車便名とともに航空便名もついている.いわゆる共同運行便である.

関空以外にも高速鉄道が乗り入れいる国際空港があり,成田空港にはスカイアクセス線経由で,ミニ新幹線タイプの新幹線電車が各方面から乗り入れている.羽田空港は東北方面から東海道新幹線の車両基地の横をかすめる線路を経由して新幹線が乗り入れている.もっとも実現が早かったのは福岡空港の国際線ターミナルであり,第二滑走路開業に合わせて博多駅から単線の新幹線が乗り入れ可能な線路が建設された.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めたが,寝てばっかりのうちに,完全にお正月は終わってしまっている.寝正月.そろそろ本格的に仕事しよっと.

#なお,一連の夢が正夢か逆夢かは定かではない.

初夢鉄道(西日本新幹線編)

こんな夢を見た.第六夜である.

日本海側の高速鉄道ネットワークは東北方面が羽越准新幹線,北陸はフル規格であるが,山陰新幹線をどうするかが課題であった.そのまま当初計画どおり大阪を起点にすると,北陸,東海道,中央,四国の各新幹線が大阪の一点に集中する.

さすがにまずいので東西間交通の非常時バイパスになり得る山陰新幹線については,起点を大阪ではなく京都に移し,さらに一部は北陸新幹線と線路を共用させ,実際の工事起点は京都と若狭の間の山中になった.常用設備ではないが,北陸新幹線と山陰新幹線の直通連絡線も設けられた.鳥取までは比較的地形が険しいので新線になったが,その先については准新幹線規格になっている.こうすることで,日常的には大阪経由でリニアを含めて各方面への移動ができるとともに,緊急時には大阪を経由せずに日本海側だけで東西方向に移動ができる.

九州東側の新幹線についても同様に基本的に准新幹線規格であるが,宮崎空港に鉄道が乗り入れていることを活かし,宮崎空港と東九州准新幹線の有機的結合が実現している. 大分でも四国方面と繋がっており,陸の孤島感はかなり少なくなっている.農産品や水産品の輸送は東九州新幹線+四国新幹線という経路で軽量高速貨物輸送列車が活躍する.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.

初夢鉄道(南海道新幹線編)

五夜目.こんな夢を見た.

全国的な新幹線ネットワーク推進によって大方の中規模以上の地方都市は高速鉄道ネットワークに組み込まれることとなったが,多数の中規模都市が取り残されている地域があった.紀伊半島から四国を経て九州東側に至る地域である.昔の表現を使うならば,九州以外はほぼ南海道である.

リニアの経路が南海トラフの大地震の影響を最小限にするために,三重県内を経由したものの三重県駅は当初予想よりもやや北側にできたため県庁所在地の津市へのアクセスが課題として残ってしまった.副首都機能立地のために若干リニアがずれた奈良市の高速鉄道連結も課題である.和歌山は大阪都市圏内と思われがちであるが,実際にはかなり遠い.四国は橋は繋がっているが大きな半島状態である.九州東側は長らく見向きもされていない.

まずは三重や奈良の利便向上であるが,当初は中央新幹線計画によって利便を向上させるはずであった.ところが,当初の中央新幹線計画は1970年代制定の250km/h運転を前提とした計画であったので,300km/h運転程度までなら計画そのまま・・・つまり地方都市を繋いで行くローカル新幹線・・・でもよかったのだが,そういうわけでは行かなくなった.そこで,2010年代半ばにおいて行われた国土計画の見直しにおいて,リニア新幹線とそれ以外の新幹線の役割分担も見直され,リニアは幹線中の幹線,それ以外の新幹線はリニアの支線のような扱いとなった.そこで,奈良や三重などもこの基本方針に従い,リニアに対するアクセス高速線として近鉄が強化され,実質的な利便性は確保された.

四国については瀬戸大橋や大鳴門橋はできていたものの,新幹線用の空間は長らく未使用だったので,これらを活用しながら安価でかつ実質的な利便性を確保する策が取られた.まず,すぐにできる策として岡山から瀬戸大橋までの新線が建設され,瀬戸大橋は完成していた空間を活用して四国に渡る路線ができた.

大阪から西に延びる四国新幹線については,関空付近までは航空路線網と高速鉄道網を一体化する政策に従って「関空新幹線」として建設され,新大阪で東海道山陽新幹線や北陸新幹線などと接続された.関空から先は和歌山市北部をかすめながら紀淡海峡を経由して徳島に至ったが,海底トンネルについては青函新トンネルと同じく電車専用線として建設され,急勾配を採用することで延長が大幅に短くなり30km弱となった.これにより当初構想に比べて建設費が2000億円あまり安くなった.その先については複線化の準備工事は行われたが,軌道は単線を基本とし,駅部と信号場ですれ違うことになった.毎時片道2本の完全等間隔パターンダイヤを前提として駅と信号場の配置が決められており,大幅に工費を節約しながら利便性を向上させることが実現した.もちろん,ウナギと穴子の混成編成である.

高速道路が川之江付近のJCTで全路線が結節していることを参考に,高知方面については川之江付近から分岐してほぼ真南に向けてトンネルだらけの新線が建設された.こちらも毎時片道2本の完全等間隔パターンダイヤを前提として線路施設が計画された.

豊予海峡にもトンネルが掘られたが,こちらも急勾配を採用して3000億円近く工費を節約した.こうして,かつて第二国土軸と呼ばれた西日本の新たな国土軸の主要部分が完成している.

こうしたコストダウンとともに,インフラ整備の上下分離の原則も見直されている.道路系の輸送は,インフラ部分が国土交通省の建設系の事業で,その上を走る車両等システムは運輸系の管轄という上下分離が行われている.幹線鉄道については,インフラ部分の整備も完成後の輸送も運輸系の管轄であり,完全には政策部分が上下分離されていない.そこで,四国の新幹線整備を機に,幹線鉄道についてもインフラ部分は建設系の事業で,その上を走る輸送システムが運輸系の管轄という政策の上下分離が行われるようになり,財源制度も同時に見直された.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.

初夢鉄道(東日本新幹線編)

こんな夢を見た.第四夜.

1970年制定の全国新幹線鉄道整備法はさすがに古いという話になり,「新全国幹線鉄道整備法」に衣替えされた.「新」の文字の位置が違うだけに見えるが概念が大きく変更されている.それまではフル規格の新幹線を何が何でも作るんだという前提で計画が組み立てられていたが,全部フル規格というのは無理っぽいことが見えてきたので,昔「ウナギを頼んだら穴子が出てきた」と揶揄された方式を前面に押し出すとともに,穴子の他にもハモやウツボも用意した.

2010年代半ば以降,「地方創生」政策が掲げられ,かつての「均衡ある国土の発展」の再来かと思われたが同じ轍は踏まなかった.国土の均衡を掲げていた全総は新産業都市,定住圏構想,テクノポリス,物流のための高速道路網完成等々,産業立地を最優先にしていたがほとんど失敗であったことを反省していた.一連の全総でほとんど唯一成功したのが新幹線であったため,新幹線整備に力を入れる方式になっていた.だが,建設資金は限られており,無い袖は振れない.そこで,穴子やハモ,ウツボである.おいしければ良い.もちろん,必要に応じてウナギも出す.

例えばミニ新幹線でお茶を濁していた奥羽新幹線に対しては,地元はフル規格化を要望していたが,山岳の線形が厳しい区間だけがフル規格新線が建設され,あとはミニ新幹線のまま高速化が図られた.高速化の敵は踏み切り,駅構内,曲線などであるが,都市部では都市計画事業として高架化事業が積極的に進められ,欧州都市並みに都市内からは踏み切りが消滅した.都市を抜けた郊外部では単独の立体交差事業がいくつか進められ,やはり踏み切りがほとんど消滅した.曲線部分については,曲線改良を目的とした土地区画整理事業が認められるようになり,改良が進んだ.こうして,フル規格では無いミニ新幹線区間も160km/hでの連続運転が可能となった.国土交通省ではこのような新形態を准新幹線と呼ぶようになっている.

羽越線などの貨物列車が多く走る区間ではFGTが活躍しているが,やはり難所については新線建設が行われ,貨物列車も130km/h運転されている.もちろん都市部は高架化が進行し,全線にわたって130km/hの連続運転が可能になっている.国土交通省ではこのような形態についてはスーパー在来線と呼ぶようになっている.

従来の全幹法に基づく新幹線計画では,茨城県内や長野県内の中規模以上の都市が高速鉄道ネットワークから外れていたが,こういった新しい鉄道政策により実質的な新幹線ネットワークに組み込まれるようになっている.

北陸新幹線は敦賀から先大阪までのつなぎ方で長らく揉めていたが,結局,大都市の京都をスルーするのはまずいということで,若狭湾近辺をかすりながら京都市内で東海道新幹線に接続される今までにない案が採用された.さらに敦賀-米原間は准新幹線によって結ばれ,中京方面にも利便性が向上している.

大阪まで北陸新幹線が繋がることで,北陸新幹線と東北・北海道新幹線を大宮で方向転換するだけで直通運転できるようになり,夜行新幹線が「トワイライトエクスプレス」の名で運転されるようになった.大きな車体を活かして居住性抜群で大人気だ.この頃には整備新幹線の260km/h規制が緩められていたが,新大阪発札幌行き列車は先を急ぐ列車ではなかったので,途中駅に長い目に停まりながらゆっくり走っている.

それから,首都圏では東日本の高速鉄道網が充実することで大宮-東京間の新幹線の線路容量が逼迫し,大宮から別線で新宿に至る新線が作られ,今や新宿駅も新幹線始発駅として活躍している.新宿-品川間の延伸の話も聞くようになった.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.

初夢鉄道(北海道新幹線編)

第三夜なので,もはや初夢というべきかどうかはともかく,こんな夢を見た.

2014年度終わり頃になって北海道新幹線の開業前倒しが決まり,その当時は2030年頃に開業することになった.その当時は,と書いたのは実はさらに伏兵があったわけである.つまり,オリンピックである.2026年の冬季五輪に札幌が手を上げたわけであるが,冬季五輪は元々候補が少なく,昨今の開催費の負担に耐えられない都市が多くなったことが重なって,東京五輪6年後であるにもかかわらずあっさり札幌に決まった.そういえば前回の札幌五輪も東京五輪から8年しか経っていなかった.そう,オリンピック開催が決まったことでさらに全線開業が前倒しになったわけである.全線開業は2025年の秋であった.

札幌-東京間は1000km以上もあり,新幹線といえども航空からか客を奪うことが難しく,経済合理性の観点では函館延伸も札幌全線開業両方とも,航空と同程度のサービスレベルを提供するのがやっとで交通サービス水準を向上させたとは言えず,厳しい状況であった.そこで,函館延伸には「背骨」理論でPRし,全線開業にはオリンピックを持ってくるという作戦だったわけであるが,開業しても所要時間が長いことは否定できなかった.そこでいくつかの案が検討され,実際に実行された.

一つ目は速度の向上であった.新幹線電車そのものは350km/h運転できるようにブレーキ系統を中心に改良が行われ,同時に盛岡以北の整備新幹線区間の260km/h運転の縛りを緩めることが検討された.結局,盛岡以南と同レベルの騒音ならば260km/h運転にこだわらないということになり,首都圏を脱したあたりから札幌までの350km/h運転が実現することになった.

もう一箇所,問題があった.青函トンネルである.在来線の貨物列車が走っていたため,新幹線が高速走行しているとすれ違い時に貨物列車が風圧で転倒する危険があったため,新幹線は140km/h運転になっていた(まぁ,もっとも,貨物が無くても連続勾配があるので,昔の新幹線電車だとブレーキの関係で160km/h運転程度が見込まれていたわけだが).当初は信号システムの改良とダイヤの調整で一部列車が260km/h運転していたが,大半の列車が減速運転せざるを得ず,オリンピックを機に北海道と本州の間の交流が活発化したため抜本的改善が望まれるようになった.

そこで,もう一本トンネルを掘る案が出てきたが長大海底トンネルは工費が高い.そこで,新型の新幹線電車が走ることを前提に勾配をきつくして,トンネル延長を短くすることになった.30‰勾配が採用されたため,トンネル延長は元の54kmから35km程度へと大幅に短縮された.元のトンネルについても在来線貨物列車だけ走らせるだけではもったいないという話になり,新幹線用の広軌線路を使用してカートレインも運行されることになった.これに伴い旧トンネルは国道指定されることになり,旧トンネルを道路財源で買い取った形となってそれが新トンネルの建設財源になっている.今や青函旧トンネルは国道5号の一部であり,国道5号の起点は函館から青森に移された.新幹線が通れるトンネルが2本になったことで夜間運転が実現し,新幹線を経由する北海道行き夜行便が復活した.

北海道新幹線は計画としては旭川終点であるが,さすがにフル規格は厳しいという話になり,道内幹線鉄道計画は大幅に見直された.主要路線は新幹線と直通する三線軌でミニ新幹線が函館以北の北海道新幹線と直通し.三線軌でない区間は寒冷地仕様のFGTが直通している.こうして道内幹線鉄道網は一新された.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.

初夢鉄道(東海道新幹線編)

こんな夢を見た.元日の夜に見るのが初夢だという話もあるので,こっちが初夢か.

左寄りのマスコミがいろいろ揶揄していたことに反し,開通したリニアは好調である.だがその陰で従来の東海道新幹線をどう活用するのかが課題になっている.

東京駅で東北新幹線とスルー運転できたおかげで,東北新幹線等から神奈川県下などへの客は恩恵を受けた.東北新幹線等の列車を折り返すべく,小田原と新横浜の間に新駅が設置されるとともに東京駅方面への折り返し設備も設置された.同時に北関東にも東海道新幹線の列車が折り返すための設備を設置した駅が新設されている.こういった折り返し設備を活用して長距離列車が首都圏スルー運転されるとともに,時速200km/h運転の快速電車が新幹線線路上で運転されるようになった.この高速快速電車は,車両は英国のclass-395のような列車で,運営はJR東日本でもJR東海でもなく,両JRおよび首都圏各都県の出資する第三セクタ鉄道会社である.

線路容量に余裕のできた東海道新幹線では,物流サービスも始まっている.少子高齢化の進行に伴い,高速道路を走行するトラックの運転手の確保が問題になっている.自動運転技術も進行して高速道路上のトラックのカルガモ走行も実用化されてきているが,異常気象時への対応や非自動化車両との干渉などの課題が完全に解消されておらず,隊列走行による運転手の削減は限定的である.そこで,東海道新幹線のこだま号のように各駅に停車して荷物を積み卸しする列車が設定されるようになり,高速軽量貨物の輸送に活躍することになった.荷下ろしは自動化されており,サービス開始前に懸念されていたほど停車時間は必要ないようである.重量物は依然としてトラックか在来線の貨物列車で運ばれている.

東海道新幹線は2015年以降285km/h運転が徐々に導入されたが,その後,一部の直線の多い区間を中心に部分的に300km/h運転が導入されている.だが,曲線が多いので数分の時間短縮にとどまっており,画期的な時間短縮にはなっていない.

リニア開業後の東海道新幹線は,当初は京都と横浜の人々がそれなりに使うであろうと予想されていたが,ふたを開けると京都発着の客は名古屋駅でほとんどリニアに乗り換えてしまっており,横浜の客も品川駅に向かっているので予想よりも旅客が少なく,けっこう空席の目立つ列車が多い.減便されたせいで東海道新幹線の利便が下がっており,首都圏の人気の住宅地の分布が変わってしまった.新横浜駅への出やすさは以前ほど売り文句にならない.代わりにリニア橋本駅への出やすさが売り文句になっているようだ.商業ビルについても似たような傾向に見える.

線路容量がずいぶん空いているので,大阪近辺では関空アクセス列車はリニアではなくて東海道山陽新幹線の支線として建設した方が良いという議論になり,北陸新幹線も乗り入れることになった.関空発東海道北陸新幹線経由金沢行きとか関空発東海道新幹線経由静岡行きとかそういった列車も設定されている.

当初はリニアと東海道新幹線で半々の客を受け持つ予定だったが,結果はリニアは大人気.あれだけネガキャンしていたマスコミの人々も手のひら返しで賞賛している.東海道新幹線は静岡と京都と北陸方面の人のための支線新幹線のようになってしまい,国土の構造が変わってしまった.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.

初夢鉄道(リニア編)

夢で見たことなので,ツッコミ無用である.

こんな夢を見た.その夢の中では,リニアの東京-大阪間はもちろん完成している.使いにくいと言われた品川駅はサブターミナル化し,リニアは東京駅に乗り入れている.あまりの所要時間の差があったため,東海道新幹線を使う人が少なくなり,東京駅には14-19番線の6線も必要なくなった.そこで14-15番線だけ残して残りはリニア用ホームに改造されている.14-15番線も東北新幹線と直通できるように配線変更されて首都圏内はスルー運転されており,もはや東京行きあるいは上野行きなどと言った新幹線は珍しくなっている.

致命的な被害はなかったものの,首都圏でM6クラスの直下地震が発生したことを機に首都機能の本格的な受け皿を関西に求めることになり,ある程度まとまった土地が探された.その影響もあり,リニアの名古屋以西ルートは京都と奈良で揉めていたが,京都でも奈良でもない場所にリニア駅ができることになり,同時に副首都駅になった.副首都機能の稼働開始間もなくして大地震と大津波が太平洋岸を襲い,静岡県下の東海道新幹線の海岸に近い区間では復旧に数年以上の期間を要する被害が出ている.新幹線の線路を内陸に付け替えるべきかどうかで議論が出ているようだが,結論は出ていない.

終点は大方の予想どおり新大阪駅になった.関西空港への延伸の要望はあったものの,空港アクセス客を運ぶほど線路容量に余裕がなるわけではないことが分かってきたため,関空アクセスの改善は別の方法が採用されることになった.航空ネットワークと鉄道ネットワークの結合政策の影響もある.

リニアは500km/h運転で営業開始されたが,開業後も数々のデータやノウハウが蓄積し,もう少しスピードアップできることが分かってきた.東京-大阪間67分であったものをほんとうに1時間で結ぶべく,600km/hでの営業運転が検討され始めており,試験運転では700km/hも記録されている.

リニアの完成により三大都市圏のリニア駅の拠点性が高まったので,全国的な幹線鉄道網の再編の気運が盛り上がってきており,同時に便利な鉄道網と航空ネットワークの結合も実現しそうである.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.あけましておめでとうございます.