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StrasbourgのBRT(G系統)外から編

ストラスブールのG系統は連節バスの「BRT」である.車両を外から見てみよう.

まずは,前から.普通の連節バスである.

お尻.普通の連節バスである.車種はメルセデスベンツのシタロ(CITARO)だね.動力は最後部に付いているようだ.

1両目のドア.車椅子マークが付いており,ドア下部から渡し板を出すことができるようだ.

2両目のドア.ぴったり乗り場に沿うことができていない.

1両目のドアはぴったり乗り場に寄せることは可能なようである.

全体.ドアなし側(左側).

全体.ドアあり側(右側).

車両そのものについては,特に変わった様子のない普通の連節バスだね.

 

後付けエレベータ

バリアフリー対応でエレベータを設置する際,新駅の場合は最初から設計すればいいが後付けの場合は設置に苦労する場合が多い.

この駅は高架化の時期が古い(昭和50年代)ようで,変わったエレベータが見られる.まずは改札から中二階へ.エスカレータの横のがそれだが…

なんだか奥行き方向が長い.

そして中二階からホームへ.ここもなんだか妙だ.

ホームのエレベータ出入り口はこんな感じ.つまり,エレベータはエレベータでも,斜行エレベータになっている.階段の幅が広くないと設置は無理だが,こういう方法もあるのかと感心.

大分県の中津駅だ.

ホームには古いエレベータ用の構造物もあるが,業務用の荷物取扱目的だったようで,このまま下に降りても客扱いができる空間には到達できない様子.そういうわけで,斜行エレベータ導入になったんだろうと推測.

いろいろとやり方があるもんだ.

 

StrasbourgのBRT(G系統)内装編

ストラスブールのG系統に使われている連節バスの内装はというと,他都市の「BRT」の連節バスと変わらない.

2車体連節の1両目後部座席から1両目全体を眺めるとこんな感じ.前部の出入り口は運転席横を通るが,運賃収受をしているわけではない.車内にも運賃収受関係の機器類は一切なく,運賃箱も券売機も検札機もない.

今度は1両目後部座席から2両目方向を眺めると,こんな感じ.

車内上部にはこういう表示器が付いている.たぶん,NancyのTVR車内に付いていたものと同じ.路線図が表示されている.

時々,こういう表示に切り替わる.バスの現在位置表示だ.日本のバスでは見たことないね.カーナビメーカーは,こういう表示システム作ってバス会社に売り込めばいいのにね.(既に特許とられてるかも)

1両目の中央部分は大々的に車椅子&ベビーカースペースである.混雑時には大人数収容空間にもなっているので,一時期山手線や京浜東北線で走っていた6扉立ち席車両と同じ役割も果たしている.

連結部分越しに,1両目後部座席を見るとこんな感じ.左右のタイヤハウス上に2席の座席があり,タイヤハウス間は狭い.車椅子が通れる幅もなく,日本的基準ではバリアフリーではない.ただし,信用乗車が実施されているので,そもそも日本のように車内を大移動する必要がない.椅子はタイヤハウス上なので,結構「標高」がある.

最後部はエンジンなど機械類がある関係で,座席は「丘の上」にあり,バリアフリーにはほど遠い.

NancyのBRT(TVR)停留所編

NancyのTVRの停留所のお話.といっても,ほとんど欧州の標準的なLRT停留所と変わらない.

低いプラットホームに屋根付き停留所.電光掲示と自動券売機,それから時刻表と路線図,運賃の案内.

終点の停留所では,バス路線と対面乗換.

ということで,あんまり新規情報はないが,「BRT」を名乗るなら,LRTと同程度のクオリティの停留所が必要,というお話.

ただし,このNancyのBRT(TVR)であるが,1本レールのトラム区間と無軌条のバス区間があり,バス区間についてはLRTとあまり変わらない停留所もあれば,街路沿いの単なるバス停もある.

 

民泊…これでええんか?

10月・11月は出張が多く,宿泊地探しも大変である.

嵐のコンサートを避けて,わざわざ1週間前倒しになった学会は,東方神起の札幌ドームコンサートの存在に気づいていなかったようである.ホテルの空きは非常に少なく,しかも料金もかなり高くなっており,残室1室95万円などというものもある.

発表を予定している人は気が気ではないと思う.キャンセル料の発生し始める時期にリトライするしかないかも.

予約サイトを見ながら,おっ,これは安いと思ってよく見ると,カプセルホテルならまだいい方で「これって単なる民家だよね」という物件,アパートの一室,「バストイレなし相部屋」というもの,物件名が「古びた民家」というまさに名前の通りのもの,写真を見るとどう見てもラブホテルというものまで,ちょっと前には考えられない宿泊施設が並んでいる.

これでええんか? こんなにクオリティ低い宿泊施設を認めてええんか?

都市計画の視点では,不特定多数が入り込むことを避けるために指定された用途地域という土地利用指定—例えば閑静な住宅の専用地など—があるが,そんなところに「民泊」目的の観光客がスーツケースゴロゴロ転がして入り込んでもええのか?

オリンピックが終わるまでカオスが続くんだろうなぁ.(終わっても続くようなら悲劇である)

NancyのBRT(TVR)外から編

製品としてのTVRの終息に伴い,近いうちに無くなりそうなNancyのBRTであるが,車両としては3連節バスであり,Metzと同様,1両目は2軸,2両目と3両目はそれぞれ後ろ側に1軸ずつになっている.明確にステアリング機構が付いているのは先頭車の第1軸目のみである.

電気運転のトロリーバスであり,ナンバープレートが付いていることからもバス扱いのようである.

10年以上前からある3連節トロリーバスであるが,この乗り物は内輪差が出ないようになっている.トラムモード時は中央の1本レールに案内輪を沿わせることでレールに沿って曲線を曲がるようになっている.案内輪は各軸にあるようで,トラムモードとバスモードの切り替え地点を通過すると,案内輪を出すカタンカタンという音が時間差で聞こえてくる.

案内輪のある下回りを下から見ると,こんな感じ.

案内輪を含む1軸台車,というかバスの足回り全体はこんな感じ.

1本レールの無いところは,単純に3連節のバスとして走り,1本レールがあるところでは下の写真のような装置を使って案内輪をレールに載せる.

分岐器は下のようなものであり,一見,トングレールが左右に動くように見えるが,よく見ると実は鈍端式である.

NancyのBRT(TVR)内装編

製品としてのTVRの終息に伴い,今後どうするか注目されているNancyのTVR.基本的には連節バスベースの車両である.

今回はその内装編である.まずは出入り口付近.車椅子やベビーカー用の椅子のないスペースが確保されている.奥の連結部分はタイヤハウスが大きく,車椅子の通過は微妙な幅になっている.

タイヤハウスは巨大で,日本のノンステップバスのものとそう変わらない.一応荷物置き場になっているが,デッドスペースであり,Metzの3連節バスのタイヤハウスの処理の方がうまい.

運転席と客室は区切られており,運賃収受は完全に信用乗車を前提にしている.つまり,どのドアから乗ってもいいし,どのドアから降りてもいい.なので,車椅子であってもいちいち車内を大移動しなくても良いわけで,連結部分の通路が狭いことは大きな問題にならない.

LRTとほぼ同様のサービスを提供すべく,車内には超横長LCD表示器がある.現在位置が地図上に示されるなどの情報提供がされる.

信用乗車なので,乗車券(磁気カード方式)のリーダーがある.ICカード対応のものもある.運賃収受関係の機器類はこれだけ.

空港連絡鉄道のカバン対応

欧州の列車では普通列車であっても荷棚は大きなものが付いていることが多いが,日本の列車の荷棚はなかなか大きなカバンに対応したものが少ない.

スーツケースが荷棚に置けそうなのは,今のところ近年製造された新幹線電車や特急列車くらいなもので,優等列車であってもスーツケースが置ける荷棚を持った列車が必ず走ってくるかというと,それはわからない.

優等列車でない場合はもっと対応が少ないように思える.

下の写真は「関空快速」である.

荷棚に上げてはみたものの,半分ほどしか棚にかかっておらず,全く大きな荷物への対応はできていない.当然,すぐに下ろした.

何だかなぁ…

 

Metzの3連節BRT(停留所編)

Metzの3連節バスを使ったシステムが単なる「長いバス」でないのは,車両以外の部分がほぼ完全にLRTと同じシステムになっているからである.

例えばこれは停留所.両側の広告は近年日本でもおなじみになりつつある「JCDecaux」の文字が入っており,停留所の管理はこの会社の広告収入を原資にしていることがわかる.

設備的には,街灯,ゴミ箱,大きな屋根,椅子,切符類の券売機,駅名標,路線図,時刻表,電光掲示,プラットホームである.(メルシー病院前)

バスが到着するとこんな感じ.(ポンピドゥセンター前)

別の停留所でも,基本仕様は同じである.(ソルシー)

停留所に券売機があることからわかるように,事前に乗車券の購入が必要であり,車内には券売機類はなく,運転士も運賃収受には一切関与しない「信用乗車」が導入されている.

また,電光表示器があることからわかるように,バスの位置は管理されており,いつ来るかわからない,などということはない.

線路さえ敷けばLRTと寸分違わないシステムになっている.

ここまでするのなら「BRT」を名乗ってもいいかもしれないが,バスだけどこかから買ってきてきても,それは単なる「長いバス」である.画竜点睛を欠く.

 

Metzの3連節BRT(曲線通過編)

Metzの3連節バス.全長が長いと内輪差ができる可能性が高まるが,どうやってるかというと…

右に曲がります.まずは第1軸が右に舵を切り…

2両目は1両目に引っ張られて若干曲線の内側をまわり…

時間差で最後軸が右に舵を切ることで…

特に問題なく曲がってゆく.

そして最後の車軸も元に戻る.

内輪差が無いように1両目の走行した軌跡を2両目がなぞり,3両目もなぞる…かというとそうではなさそうだ.特に乗車中に観察するとよくわかる.通常の2連節バスの後ろに3両目がぶら下がる構造であり,3両目がひどい内輪差にならないように最後軸が操舵されている.要するに,内輪差は通常の連節バス程度には存在するようだ.

車道が狭い割に連節バスが自在に走っているのは,1つは運転士が慣れていること.もう一つは,内輪差で少々歩道の端っこを踏んづけても気にしないこと.このあたりが理由のようだ.バスが曲がってきたら,歩道の端っこから離れた方がが良さそうであった.