高速新線なのにローカル駅がある

ほとんど撮影に失敗しているが…ドイツ南部のニュルンベルクを過ぎてインゴルシュタットまでには高速新線がある.その高速新線をボーッと眺めていると小駅設置されているではないか.

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日本に例えると,「新幹線を走っていたら”保津峡駅みたいな駅”発見」レベルの違和感である.

調べてみると,ニュルンベルクからインゴルシュタットを経由してミュンヘンまでの区間には200km/h運転の快速電車が走っているようだ.

日本に例えると「米原から西明石まで新快速に乗ったら途中は新幹線の線路走ってた」レベルの感じである.

欧州の鉄道では(時々であるが)信じられない高水準のローカル列車に出くわすことがある.200km/h運転はさすがに例は少ないが,160km/h運転はごく当然のサービスだ.

快速電車の120km/hや130km/hで喜んでる場合ではないですよ.

 

トラムトレインの車内

トラムトレインというと,カールスルーエという都市が有名であり,市内の路面軌道と郊外鉄道線を専用仕様のLRVが直通し,路面区間は20-30km/h運転,郊外鉄道線では70-100km/h運転,始発駅から終着駅まで2時間も走るというものまである.

さて,カールスルーエ以外もトラムトレインは存在し,例えばカッセルだと市内の路面軌道専用電車が青色なのに対し,トラムトレインは白色である.

市内の路面軌道と郊外の鉄道線をこのまま直通する関係で,車両もちょっと変わったものが走ってくる.

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一部の電車は非電化区間まで直通するので,発電機とバッテリを積んだものがあるという話を以前したが,今回は室内の話である.

市内の路面区間だけではないので,乗車時間が長めになる.そんな関係だろうか,3両編成のうち,運転席のある車両は通常の路面電車のような内装,中間車両はボディーサイズが路面電車にしてはやや長めで,イスが進行方向と直角のクロスシートになっている.

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ここだけ見ると,路面電車じゃなくて,郊外電車だね.

 

鉄道会社乱立状態

西ヨーロッパでは鉄道のインフラ保有と運営が上下分離されており,特にドイツでは訪れるたびに見たことの無い鉄道会社を「発見」できる.

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多くは近郊鉄道で,車両はピカピカ.補助金投入されているからだろうか.

レールパスでも乗れる鉄道がほとんどだ.逆に旧来のドイツ鉄道の活躍が縮小されているように思われる.

日本では上下分離されずに地域分割され,幹線系からの内部補助を前提に地域交通を維持する方式だ.だが,民間会社故に採算の原則は厳しく,ローカル線は基本的にはお古の車両で,抜本的なテコ入れが成されることも無く,ジリ貧の構造だ.

経営方式の転換の工夫があってもしかるべき時期に来ているという見方をする人もいるが,今のところそういう具体的な動きはない.

 

新幹線に100m超の分岐器があるというが…

新幹線に100m超の分岐器があるというが,この分岐器はこの電停の向こう側で3方向に分岐している.よく見ると,目前の線路は完全には合流(というか分岐)しておらず,二重である.そして…

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反対方向を振り向くと…

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合流(分岐)は,はるか向こうである.

分岐器の全長は,新幹線の160km/h対応分岐器よりも長いかもしれない.ドイツでは時々こういう分岐器がある.

なぜ,こういう分岐器になっているかは定かではないが,複数方向への分岐を行う箇所でよく見かけるように思われるので,日本で言うところのトロコン相当の制御機器の問題なのかもしれないと思っている.

 

 

LRTの踏切

LRTというと「トランジットモール」などというイメージがあるが,場所によっては「踏切」が存在する場合もある.

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街路同士の交差点で,一方が通常の街路,もう一方がLRTの優先街路という組合せである.割と珍しい光景.場所はここ

高架道路よサヨウナラ

Düsseldorfの中心街のこの辺は,航空写真では工事中,ストリートビューでは高架道路が確認できる.

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2016年夏現在,現地に行ってみると工事真っ最中であり,高架道路は既に撤去されている.その跡地には路面電車が走っている.

上の写真と下の写真,よく見ると,右側にH&Mがともに写っており,中央やや左に各階に赤い張り出し看板が出ているビルが写っている.同じ場所だ.

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写真の奥側から反対を向くとこんな感じ.

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この線路の横には一方通行地下トンネル入り口(いや,正確には出口か)が口を開けている.まだ工事は完全には終わっていないようだが,一応共用されているようだ.

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トンネルの反対側は,ずーっと先で視界に入る範囲には無さそう.

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やや東には反対向きの一方通行トンネルの入り口がある.

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工事が各所で行われている段階だが,完成すると,付近一帯は自動車が排除されて歩行者と路面電車だけの,公園のような空間になるのではないかと思われる.何年かしたら再訪して完成形を確かめてみよう.

路面軌道の断面構造

まさしく地面の中の断面のお話.

Düsseldorfでは,あちこちで路面軌道関係の工事をしていたりするが,中心街付近で見つけたこの工事箇所では,軌道の地中の断面構造が見えている.

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ここは最新式のコンクリート板にレールをはめ込む形式ではなくて古い軌道,たわみ軌道,つまり通常の線路を舗装材で覆った形のもののようだ.

レールがあって,その下に木のマクラギ,その下は採石,さらにその下は地面.

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なかなか鉛直方向の断面が観察できる機会は少ない.

ところで,この軌道も廃線なんだか休線なんだかよくわからない状態だ.だが,廃線ならば工事時に軌道を取っ払うと思うのだが,そうはしていないので,いずれ復活するのではないかと思っている.数年後に再び訪れて観察してみよう.

 

 

自転車ヤッホー

ケルンから例の「Inter City 2」に乗って1時間半ほど.ミュンスターに到着.この街,あっちもこっちも自転車だらけである.ぼやぼやしてると,チーンと鳴らされる.

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中央駅前には自転車駐輪場兼自転車貸し出し所があり,旅行者でも貸してくれるらしい.(…が今回の調査目的は歩行者空間なので,パス)

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交差点の「自転車専用レーン」はもちろんのこと…

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自転車専用道もある.幅員構成は「歩道+自転車道+歩道」である.日本の某役所が見たら「自動車道」の間違いじゃないか,と言われそうな幅員構成だ.

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他の道路とは基本は平面交差だが,交通量の多い車道との交差は一部立体交差になっている.

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あちこちに駐輪場があり,自動化された立体駐輪場もあったりするのだが,こういう変わった駐輪場もある.

何が変わっているかというと,自動車がすれ違えるだけの幅員のある道路の半分を使って,それもわざわざ交差点近くに駐輪場を設置しているのである.

「自動車交通の静音化+駐輪場」の一石二鳥やね.

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現地の自動車にはこういう金具?も付いている.自転車キャリアだ.

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よく見ると,このキャリアには自動車本体とは異なるナンバープレートが付いている.牽引車両扱いなのかもしれない.

廃トランジットモール?

Düsseldorfのトランジットモールの調査に出かけた.U-Bahnの出口を上がると,そこにはトランジットモールが…あれ? 無い.

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線路はあるが,架線がない.なんかおかしいぞ.

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レールの溝にゴムでフタがされている.廃線? 少なくとも運転はして無さそう.

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線路をはがすようなことまではしていないので,廃線ではなくて休線かもしれないが,営業はして無さそう.

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現地調査に出かけると,行ってはじめて分かることも多い.この都市では地下鉄(U-Bahn)の整備が進行中のようなので,この区間の路面軌道はこのまま廃線なのかもしれない.