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ドイツから来た小包の切手(2)

ドイツから古本が届いた話の続き,この切手が貼られていた件である.

左の立派な機関車の牽引する列車がまだである.

Henschel-Wegmann-Zug」と書いてあり,ベルリン−ドレスデン間で走っていた列車の模様.戦前なので,まだ東西ドイツには分断されていない時期やね.

リンク先の情報によると,先頭の機関車は「61型」という175km/h運転対応で,実際には最高速度160km/hで運転された模様.1936年から1939年まで運転されていたらしい.

リンク先によると,途中無停車で100分だったらしい.現在は直通のICで最速1時間59分なので,昔の方が速かった模様.

1939年ならトーマスクックの時刻表(復刻版)を持っているので,調べてみた…が,すでにこの号の改正では姿を消していた模様.

(想像すると…無理して高速運転していたので,インフラや車両の保守に手間がかかって,維持しにくかったのかも)

 

ドイツから来た小包の切手(1)

ドイツから古本が届いた.

その小包にはこういう切手が貼られていた.
(クリックすると拡大できます)

立派な機関車の牽引する列車と,船と鉄道.

まずは右側の切手.「Sassnitz-Trelleborg」と書いてあって,どうやら鉄道連絡船の様子.

ここかな.
(ドイツ側)

(スウェーデン側)
鉄道連絡船のようだ.約100kmを連絡.青函航路も約100kmなので,それくらいの距離.概ね4−5時間といったところか.

ハンブルグから北上してデンマークのオーデンセ,コペンハーゲンを経由する直接鉄路でつながったルートがあるが,距離がかなり長くなるので,現在も使われている模様.フェールマン島経由のルートもあったかな.

切手には「鉄道フェリー100周年」と書いてあるようで,記念切手だ.

一方,機関車の方は……んん?……何だろうな.(つづく)

 

 

ドレスデンで宝飾品1200億円盗難

ドイツのドレスデンで宝飾品1200億円盗難らしい.

テレビのニュースで一瞬映った市街の風景に見覚えがあるなあと思ったわけだが…

パソコンのフォルダを探ると,ホテルの窓から撮った写真が出てきた.

ここだな.

そして,その隣の建物が…緑の丸天井博物館.

 

LRTの調査に行った先々でテロが起こっており,怖いなぁと思っていたが,史上最悪級の盗難事件も起こってしまったわけだ.

 

 

北陸新幹線25日に全面復旧

北陸新幹線が来週25日に「いちおう」全面復旧するらしいが,当面長野の車両基地は使えないし,水没した10編成も使えないので,上越新幹線用に準備した新車を北陸新幹線に回して凌ぐそうな.新潟の人はお気の毒だが,致し方なし.

この原因は散々言われていることだが,JR東が各路線に特化した新幹線車両を準備したがために路線間での融通が難しいことが原因.巷では北陸新幹線向けに設計した電車は重すぎて東北新幹線を(走れはするものの)高速運転できないし,東北新幹線用の電車は北陸新幹線の異なる周波数の電源に対応できないばかりか急勾配を登れない(あるいは安全に下れない),という評価だ.

ところが,ドイツの「ICE3」は,ケルン-フランクフルト間の40‰勾配のある路線を走行し,最高速度は300km/hないし320km/h運転する(ここはICE3は走れるが,TGVは能力不足で走れない).ICE3は電源も交流15kV-16 2/3Hz,交流25KV-50Hz,直流1.5kV,直流3kVと多様であるし,信号システムも高速新線用と在来線用が自動切り替えだったかと思う.

…つまり,もしかして,技術的に遅れていることへの言い訳…かも,と最近は思っている.

情報源: 【台風19号】北陸新幹線、25日に全面復旧の見込み – 産経ニュース

飛ぶのは恥

ちょっと前に経済系の名の知れた先生から伺っていた件がネット記事になっている…

情報源: 欧州で伸びる鉄道利用、理由は「飛ぶのは恥」 | 東洋経済オンライン

政策と価値観が「昭和のまま」の行政や事業者ばかりの日本では即座に実行できる状況には無いが,当サイトでも時々取り上げてきたとおり.

ドイツでは,ドイツ鉄道とルフトハンザ航空が手を結んでおり,例えばシュツットガルト中央駅のホームの時刻表はこんな風にICEとルフトハンザ便が「コードシェア」している.駅には「ZWS」というIATAの3文字コードも割り当てられているようだ.

 

もちろん,フランクフルト空港駅の電光掲示板もこんな感じであり…

 

専用チェックインカウンタまである.(日本でほぼ失敗した「シティエアターミナルではない」)

実現するには,空港に幹線鉄道が乗り入れている必要があるが,新幹線でなくとも在来線特急でもいいわけで,「京都空港行きコードシェア便(=はるか)」ならすぐにでも実現できる.

なお,今なお「きょうと」を連想できるスリーレターコードは「KYO」「KTO」「KYT」いずれも空いているようだ.

ドイツICE丸焼けに

A fire in an ICE train on the Frankfurt-Cologne high-speed railway line has triggered a major rescue operation and led to the closure of one of the most important arteries in German rail traffic.

情報源: High-speed German train bursts into flames between Cologne and Frankfurt – The Local

ちょっと前のドイツ関係の記事.

ケルンーフランクフルト間の高速線上でICEが出火して丸焼けになって骨組みだけになっちまったという件.

去年のこっちの件に比べるとさほど大騒ぎになってはいない模様.まぁ,車両を取り除いて架線つなぎ直したらほぼ復旧完了だからということもある.

もしケルンーフランクフルト間の高速新線が完全に不通になっても,実は平行して迂回路が2つもあるので,やはりさほど大騒ぎにはならない.

高速新線の南西側20kmくらいのところにライン川が流れており,この川の両側に在来線が走っている.高速新線開通前の大幹線だ.ICEは走らないが,1-2時間に1本程度のICはまだ走っていたと思う.

こんな曲がりくねった路線でも,150km/hくらいは出ている.

対岸の線路の方は,主に貨物列車が走っている模様.

基本的には,風光明媚な路線である.

国境を越える路面電車(2)

フランス東部のストラスブールの中央駅の地下から,D系統のトラムに乗って約30分.

ストラスブール市の郊外までやってくると,路面電車は橋を渡る.

 

橋を渡ったところはドイツのケールだ.

電停は多くの客で賑わっている.オレンジ色のはっぴのような服を着たおじさんは,どうやら券売機の操作方法を教えているようだ.まだ延伸開業して半年経過していないので,慣れない利用者が多いようだ.

この多くの客は何の目的でケールにやってきたのか不思議だったので,後をついて行ってみた…

しばらく歩くと,そこには,ケール市の中心商店街があった.

ここの「国際列車」は日常生活レベルでケール市とストラスブール市を結びつけたわけやね.

 

国境を越える路面電車(1)

日本ではあり得ないが,欧州の国境附近の都市が路面電車整備をして,その路面電車網を拡大させてゆくと端っこの方で国境を越えてしまうことがある.

割と古い方ではここ.

ドイツ西部のザールブリュッケン.市街を抜けると,ドイツ鉄道の線路を走り…

終点駅の手前に「RFF」の看板があり…

そして終点駅は…

フランスの駅だ.路面電車だが国際列車である.

元々は国鉄列車が走っていたような区間なので(実は本数は少ないが,まだ毎日数本は走っている),路面電車でありながらザールブリュッケンとサルグミヌ駅間はレールパスが有効だったりなんかする.

 

この踏切が閉まるのは列車通過の●分前

日本の大都市には「開かずの踏切」があり,何かと都市計画上の大きな門痔になったりなんかする.抜本的に解決するには,何百億円もかけて立体交差にするわけで,結構やっかいだ.

さて,ドイツのザールブリュッケンから郊外方向に近郊電車S1で15分ほど乗ると,Kleinblittersdorfという小さなまちの駅に達する.試しに降りてみる.

近郊電車と言っても路面電車がそのまま郊外鉄道線を走るTram-Trainだ.終点まで乗り続けると,国境を越えてフランスのサルグミヌまで行ってしまう.

写真には踏切が写っており,橋を渡った向こうの奥の教会はフランス.こっちはドイツ.そんな場所である.この踏切,警報器が付いているものの,音は一切発することなくいきなり赤ランプが点滅して遮断機が降りる.

さて,何がやってくるのかなぁ…私の乗る電車まではまだ6〜7分もあるのに.

何も起こらない.

2〜3分経過.

何も起こらない.

仕方がないので,電車に乗るべくホームに向かうと電車がやってきた.

そして,電車がホームに着くと,電車の後方に位置するあの踏切が上がった.

こんな場所で,数分も前から遮断機を下ろしているわけだな.んんん〜

 

ドイツ西部の南北幹線鉄道ルートの改良

鉄道工事の失敗でエラいことになっているドイツ西部の南北幹線鉄道ルートであるが,何が行われてるんだろうか.

全体の路線としては,フランクフルトからマンハイム,カールスルーエ,フライブルクなどを経由してスイスのバーゼルに至る路線である.

そんで,工事の事故の発生したラシュタット附近では,左のような現在線の線形を右のように約15kmにわたって付け替えようとしている模様.変更する部分の北部では,住宅地付近の路線を高速道路の横に付け替えるとともに,急曲線のあるラシュタット駅については,附近の市街地の地下をトンネルで抜け,そして件の陥没事故のあった附近で現在線に戻すという工事のようである.

ラシュタット駅はICEが停まる必要のない駅なので,こういう路線改良(というかバイパス線の線増)ができる.

実は南部ですでに似たような改良工事が行われており,左のような旧線に対しライン川の沿ったぐねぐねの区間をバイパスするように,約5kmのトンネルでバイパスし,走行距離も約3km短縮するという事業が実施され(右),既に供用されている.

こうやって,ドイツでは日本の新幹線の線路のような高速新線の建設工事が行われなくても,ふと気がつくと200km/h以上で走行できる路線が徐々に増えてゆくという具合である.地図だけ見て「ドイツはICE用の新線整備が少ない」などと思っていては実態の認識を誤る.

日本は…方策が硬直化してるよね.