列車の運行が乱れると,普段あまり見ない行先が登場する.
まずは「甲子園口行」
これは本数は少ないが,一応,夜遅くだが毎日走っている.
新幹線が無理なら「中速鉄道」という話が出ている.石破さんが国会でそういう話をしたらしい.
石破さんといえば,かつて「単線新幹線」という話を国会でしたことがあるが,この単線新幹線の出どころは多分私である.当時,政府に出入りしている人の「なんかいい話無いっすか」という問に対して「そうねぇ,新幹線を単線整備してコストカット・・・云々」と話したら,どうもそれを石破さんに喋ったらしく,まだ詳しい調査してないのに国会でフライングされてしまったわけだ.
さて,中速鉄道の話である.
欧州でも高速鉄道整備が無理なところは在来線改良,中国でも準高速鉄道という考え方がある.でも,欧州の在来線改良は運転速度が150-200km/hであって,国際的な高速鉄道の250km/hという基準を満たさないというだけの話である.中国の準高速鉄道も同様.
昨今話題の中速鉄道は,最高速度が150km/h程度らしいので,上記よりも更に遅く,国際的には単なる在来線改良である.あんまり便利ではない.
さて,よく調べてみると「中速鉄道」で成功している国もある.スイスである.スイスは九州程度の面積,人口密度は四国程度.可住地面積の割合も日本とよく似ているが,高速新線は50km程度しか無く,あとは最高速度160km/h程度の在来線ばかりで,曲線の多い低速山岳路線も散見される.
ところが,この国,鉄道の理想を「速い」から「早い」に転換して成功した.乗客数を概ね倍増させている.その基本概念は下の動画である.
矢印は都市間列車を示しており,毎時決まった時刻になると主要駅を出発し,決まった時刻までに主要駅に到着する.
長距離移動には乗り換えは付き物なので,「じゃぁ,乗り換えるならいつでも確実に乗り換えできるようにしよう」と運転間隔を等間隔にして拠点駅では別方面の列車に確実に乗り換えられるようにしたものである.
金をかけて劣化版高速鉄道を整備するんじゃなくて,どこにどれだけ金をかければ,「より早く」目的地に着けるようになるかを考えるべきである.
まだ日付が変わってないが既にスーパーでは水が売り切れらしい.
明日から鉄道各社では減速運転や一部特急の運休を決めたらしいが,南海トラフ発生時の新幹線の最大の懸念箇所はここ.最悪,東海道新幹線は年単位(5-10年)で不通になる可能性アリ.N700S電車でできることは,(橋梁が破壊されてなければ)ここからゆっくり逃げ出すことだけ.
詳しくは10年前の過去記事をどうぞ.
コロナ感染で期せずして自宅療養である.
バカ高い治療薬がよく効いて,3日目なのに「なぜ元気なのに私はここにいいるんだろう」状態.
ということで時間ができたので久々の更新である.
世間では東海道新幹線が期せずして止まっていて,大変らしい.
航空便の臨時便が出ているがキャパが足らない模様.新幹線1便を代替するには大型旅客機2−3便が必要であり,焼け石に水の模様.
東名高速の高速バスもあるにはあるが,新幹線1便を代替するにはバス20台くらいが必要であり,これも焼け石に水の模様.
テレビではあまり表に出ていないが,不通区間を「東海道本線」で移動するというのが割とお手軽で,新大阪-名古屋がこだま号で70分,名古屋-豊橋が新快速で50分,豊橋-浜松が普通列車で35分,浜松-東京がこだま号で120分,計5時間弱の模様.ただし,これもJR東海のSNSによると在来線部分の混雑が激しい模様.在来線の臨時列車の運転もしている模様.キャパの限界か.
北陸新幹線も頑張っており,指定席は満席らしい.敦賀で乗り換えれば5時間半程度で東京へ.新快速でもなんでも敦賀駅に達しさえすれば(いや,ハピライン福井に乗り継いて金沢駅に到達できれば),多少自由席はあるので早期に動き始めていれば今日中には東京まで到達できそう.
あとは伏兵,塩尻経由特急乗り継ぎ(しなの+あずさ,8時間くらい)とか,長野乗り換え(しなの+新幹線あさま,6時間半くらい)とかの技がないことはないが,経験的に「お尻の皮の限界」がありそう(経験済み,もう二度とやりたくない).
東西間の代替ルート確保って大事だね.
「45秒に1本のシャトルバス」に唖然…万博の人員輸送計画は「机上の空論」国費投入 “青天井” で1620億円
情報源: 「45秒に1本のシャトルバス」に唖然…万博の人員輸送計画は「机上の空論」国費投入 “青天井” で1620億円 – ライブドアニュース
・・・質問してる方も,答えてる方も,それを記事にしている方も,焦点ボケてる感が・・・
まず答えてる側.
45秒に1本で十分だという主旨の返答のようであるが,1時間に80本のバスで運べる人数はせいぜい5-6千人(70人✕80本=5600人)である.バスは電車と違って詰め込みがあまりきかないので,この数字.この5-6千人というのは,満員の地下鉄中央線4本分くらい(定員820人✕180%✕4本=5900人)にしかならないので,ドヤ顔できるほどの輸送能力ではない.
次に質問している側.
45秒に1本という頻度のバスをさばけるのかという懸念をしているようだが,1日に1000本のバス(ピーク1時間あたりだと100本以上)が通る街路というのは存在する(しかも,さほど珍しくない).45秒間隔は,ちゃんと対策すれば捌ける.論点はそこじゃない.
それから,それを記事にしている側.
都市交通の実態も知らずに45秒間隔は無理だとして机上の空論と切り捨てている…いや,そもそも実態知ってるの? 論点はそこじゃない.
論点は,このあたり.
1)その程度のバスの輸送能力で大丈夫か?
2)本当は,その2-3倍のバスが必要じゃないのか?
3)そのバスの運転手は確保できるのか?
全体の6割を地下鉄で,残りの4割はバスで運ぼうとしているようなので,バスは地下鉄の2/3程度の輸送能力が必要なはず.とすると,必要なバスの運転頻度は45秒間隔じゃなくて,10-15秒間隔程度になると思うが…
このお話.
関経連での説明会での質問で,「大阪メトロ中央線だけでなくほかの路線でも混雑の対策が必要ではないかといった意見もあり、担当者はシャトルバスへの誘導を検討していると説明していました。」だそうな.
情報源: 大阪・関西万博 交通混雑緩和へ期間中の時差出勤など呼びかけ|NHK 関西のニュース
いやいやいや…担当者,大丈夫かぁ
他の地下鉄路線の混雑対策の代替案として,シャトルバスへの誘導って…根源的な都市交通機関の輸送能力を理解してなさそう.
地下鉄1本で,書類上の定員で820人,1.8倍まで詰め込んで1476人.
この地下鉄1本分の客をバスで運ぶと,1476÷70=21.1本.
わずか地下鉄1本分で,バスが21便も必要なんですよ.地下鉄中央線でこの差.他の接続路線のことを考えると,毎時1本ずつ増便するだけで,シャトルバス分程度以上の能力が準備されてしまう.
バスの能力を買いかぶり過ぎ.地下鉄の輸送力を甘く見すぎ.
担当者,大丈夫か? 気は確かか?
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(追記)
中央線と接続する他路線の増便を検討するだけじゃぁ不十分で,乗換駅で乗り換え客が中央線に乗り切れない場合の「溜まり場」の検討が必要.特に御堂筋線の本町駅と環状線の弁天町駅および森ノ宮駅.特に特に本町駅はラッチ内での乗り換えになるので,中央線に乗れない客があふれると御堂筋線も麻痺しかねないぞ.
「広報使」に進化した模様!
これまでは,注視し,検討することを”決断と実行”する「検討使」であったが,新たにお役人様の広報機能を備えてステップアップ.
「原子力発電所を9基稼働して,この冬は安心」らしいが,すでにいくつかのメディア等で指摘されているように規定の方針をあらためて「広報」した模様.
「ビリビリな信頼筋」によると,今冬の電力の余裕は原発再稼働後も1.8%程度なので,全く安心できない模様.そんな中,国民の安全安心「感」を演出できるパワフルな「広報使」が登場!
中央官庁にとっては心強いボスの登場だ!
#1 国民にはこの程度の対応してればぬか喜びして騙されるはずと思いこんでいるのかな.
#2 もう閣議廃止して事務次官だけで会議して決めればいいのでは?
#3 電力不足でまた電車止めるのか? (ここは発展途上国か?)
#4 この人,見事に何もしないね.(増税は素早かった)