「12時40分発パリ行き」じゃなくて「15時17分発パリ行き」じゃないの? …といわれればその通り.
2015年8月21日,アムステルダム15時17分発,パリ北駅行き,タリス9364列車が,ベルギー国境を越えてフランスに入ったあたりでテロリストが車内で自動小銃をぶっ放したわけだが,折しも休暇中の米兵友人らが乗車しており,取り押さえたという事件があった.
列車としては,これ(右から2番目)ですね.
平日はリール行きだが,週末だけパリ行きになり,ブリュッセルからは増結編成がくっつくというもの.
ベルギーからパリへは高速新線を300Km/h運転するが,当該列車内で事件が発生した時点では列車はこの辺を走行しており,急遽その先のジャンクションから(高速道路のインターで一般道に降りるように)通常路線に移り,アラス駅に臨時停車したようだ.
映画は,列車内で犯人を取り押さえた3名本人を出演させて撮ったものだが…うーん.
主人公たちの生い立ち40分+直前の旅行記20分+車内の再現ドラマ30分,といった構成だ.前半の40+20=60分については,15分程度にまとめた上で,犯人の背景を追加,列車そのものの乗客のインタビュー等を追加し,再現ドラマ30分はそのままならば,いいドキュメンタリテレビ番組になったと思う.
これから映画を見に行こうとしている方には,毎月1日とか,20日とか,火曜とか,木曜とか,早朝上映とか,そういった機会を狙った方がよさそう(かなり遠回しな表現).
さて,本日の話題のタイトルがなぜ「12時40分発パリ行き」かというと,この事件の3週間後に調査旅行の行程上でケルン12時40分発パリ行きタリス9448列車(上の時刻表の左から2番目)に乗車したわけだが,そのとき,なぜタリスが狙われたのが何となくわかった.
1等車に乗車したんだが,乗車時にも乗車中にもチケットを一切確認することは無く,ほったらかし.無賃乗車してもわからないような列車だった.
映画中でも主人公たちは2等車から勝手に1等車に移ってドリンクサービスを受けてしまう場面があったが,まさしくその通り.事件発生時は車掌が乗客をほったらかしにして便所に立てこもってしまったらしいが,想像できてしまう.
残念ながら乗務員に責任感の感じられない,そういう列車であった.