LRTにも「踏切」

LRTというと,歩行者とLRVが混合交通状態であるトランジットモールを思い浮かべがちだが,そういったところは速度が非常に低速運転であり,安全がちゃんと確保されている.

じゃぁトランジットモールじゃ無いところはどうかというと,「踏切」があったりする.

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横断歩道の信号の一種だが,LRVが近づいたときだけ,2個1組の黄色のランプが交互に点滅する.ただし,音の出る警報器は無い.

ということなので,LRTを導入したら全区間混合交通状態にしなければならない,などと勝手に思い込まないように.念のため.

(写真はドレスデン)

リニア「京都だとカーブきつい」

このお話.

JR東海は、リニア中央新幹線の大阪延伸を前倒ししても、中間駅を奈良市付近とする今の計画を変更しない方針だ。京都の政財界が求める京都経由のルート案には応じない。カーブがきつくなって走行速度が落ちるなど…

情報源: リニア中間駅は奈良 JR東海「京都だとカーブきつい」:朝日新聞デジタル

まぁ,方便なんですけどね.

東海道新幹線の真下にトンネル掘るつもりなら「速度落ちるような曲線」になるけど,西山の裏側から箕面方面に抜けるのなら,十分緩い曲線で大丈夫なんですけどね.

リニア新大阪駅を東西方向じゃなくて,南北方向にすれば難なく線形が決まるし,東西方向だったとしても,そもそも新大阪駅の直前すぐまで500㌔運転するわけじゃ無いので,新大阪駅の手前の曲線の半径は8000メートルも無くても大丈夫.

ところで品川駅近辺のカーブって8000メートルもあったっけ? しばらく半径数百メートルの東海道新幹線の曲線直下を進むつもりだよね.

新聞の取材って,このレベルの方便にツッコミもできないクオリティなのね.

#変な方便使ってないで,サービス業なんだから顧客たる沿線地域とちゃんと向き合った方がいいと思う.民営化して「自由だ!」と思い込んでいるようだが,許認可地域独占事業で事実上の需給調整対象事業なので,地域には他に選択肢が無い.自治体の向こう側には顧客がいることを忘れない方がいいと思う.顧客に不安を感じさせてしまうサービス業って,どうなんだか.沿線に対するサービス提供の長期的展望が示せていない,ということだよね.

ICEのATS

ドイツ版新幹線と言われるICE.高速新線を走っているよりも,在来線相当の線路を走ることの方が多いので,実は「ATS」がついている.

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先頭車の,最初の台車の進行方向右側に車上子がついているようで,ホームからでもわかる.

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こういう位置についているので,地上子も線路のレールの外側についている.

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まぁ,そんだけ.

なお,高速新線を走る場合は日本のATS-P形相当やATC相当の保安装置も積んでいるので,そっちを使って走る模様.

 

ベルリン中央駅でけぇ〜

ベルリン中央駅はベルリンの中央駅だが,実は新しい駅である.東西にベルリン市が分断されていた関係で,長距離列車の発着する駅は他の駅だったわけだが,東西統一を機に中央駅を整備した.

新規整備なので,路線の形態はヨーロッパの大きな駅でよく見られる頭端式では無くスルー運転できるような構造になっており,しかも十文字に路線がクロスするという変わった形態である.

そんなわけで,ホームは多層式になっており,各ホームに長距離列車が発着するので,圧巻である.

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自民公約5年で30兆円投資リニア延伸前倒し

こういう記事があった.

 自民党は3日、7月の参院選へ向けた公約を発表した。日銀のマイナス金利政策を活用して、官民合わせて5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる。 民間では困

情報源: 自民が参院選公約 5年で30兆円投資、リニア延伸前倒し  :日本経済新聞

「5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる」がほんとなら,ものすごいことだ.

整備新幹線,リニア,新幹線の基本計画線,その他幹線の改良など,全部合わせても40兆円ほどでできてしまったと思うので,30兆円も投資するなら,幹線鉄道がらみの懸案事項はすべて解決.

…といけばいいのだが,たぶん,総額30兆円の投資で,その一部がリニアや整備新幹線の建設費にまわるというものだと思う.

記事本文を見ると,奨学金の話や開かずの踏切対策なども列挙されており,これら以外にも投資先はあるのかな.目立つ新幹線を標題にしただけという,やや精度の低い記事.

なお,財投債は返済を前提としたものなので,いわゆるプライマリバランスには影響しないらしい.

在来線車販絶滅寸前

車内販売は電車移動での楽しみの一つだ(った).

コンビニや自販機の発達で売り上げが減ったのが原因か,売り子さんの確保ができなくなったのが原因かは定かでは無いが,在来線では今や観光列車であっても車内販売にお目にかかることはほとんど無くなってしまった.

これじゃぁ,列車の楽しみが一つ減って,乗る理由が少なくなるよね.

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最近車販で買ったのはどこだったかなと思い出してみると…新幹線を除けば,北海道の北斗,車販終了前のサンダーバード,九州横断特急,あとは何だったっけ?

車販の無い特急の停まる駅には,駅の売店も無かったりすることも少なくないので,飲食物や弁当等の調達を忘れると飲まず食わずの2-3時間になることも少なくない.観光目的の乗車なら「二度と乗るのはやめとこう,次はクルマね」と思わせること間違いなし.

通信の発達した昨今,駅前の商店と提携して客の注文を聞いて飲食物を積み込むとかできそうなもんだが,積極的な商売するつもりは無さそう.

車両が無駄ということで「BAR」や「ビュッフェ」も無ければ売店コーナーも無いし,在来線特急は目的地まで座っているだけの護送車と化しつつある.提供するのは輸送サービスだけじゃ無いんだけどなぁ.

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阪神なんば線

かつては西大阪線と呼ばれた阪神電鉄のなんば線.

今や近鉄の三宮行きや…

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阪神電車の奈良行きが行き交う重要路線になったが…

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奈良からなんば経由で三宮まで行けるということは,(車両のサイズ的にどうなのかということは横に置いといて)国宝で世界遺産登録されたお城のある姫路までも行けるということだよね.

あるいは,三宮駅始発でサミットで注目を浴びた伊勢行きとかも運転できるということだよね.

インバウンド観光客誘致云々といっている昨今,ビジネスチャンスだと思うんだけど,観光特急とか走らせないのね.もう,開通して7年になるんだけど.

 

続・新幹線札幌駅の件(地下ならここか?)

新幹線札幌駅の件.駅の東側や西側はいろいろ難アリ.1番線2番線転用が無難な解決方法に思えるが,これも難しいとなると,残るは地下か?

札幌駅周辺の便利な場所で地下線にするとなると,南側は既に地下を含めて開発が進んでしまっているので,北側だろうか.

小樽方からの進入経路を含めて考えると,北5条の地下あたりが無難か?

1.5kmほどの地下線を建設できれば何とかなりそうだが,在来線の高架の下を通る部分の工事がめんどくさそう.

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やっぱり1番線2番線転用が無難かな.

しかしまぁ,繰り返しになるが,どうして新幹線の受け入れ準備せずに再開発したんだろう.

続・新幹線札幌駅の件(駅の西側編)

札幌駅の件の続き,今度は西側(小樽方)である.

西側については,駅の高架と南側の建物の間には少しだけ空間があり,かなりがんばれば線路1線程度は建設できそう.

駅の真ん中の南側あたりから西を見ると…

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駅の西端南側から東方向を見ると…

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いちおう,1線程度は建設できるが,奥(東)には建築物があり,この建築物を除去しないと十分な長さのホームが建設できない.

下の写真のように駅のさらに西側には空間の余裕があり,道路の上部空間が使えないこともない.道路奥に見える緑道までは約270mであり,10両編成の電車がギリギリ収まるレベル.

下の写真の左側のビル群は,手前から奧へと順に,郵便局跡の再開発ビル?,JRの関連会社のビル×2,という構成.副業ばかりに目が行って,本業の将来展望が無かったか?

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線路は何とか作れるが,電車の留置線は駅の東方に作るしか無く,やはり1番線は転用せざるを得ない.

駅の東方にホームを作るよりは,西の方が地下鉄までは近いが,程度問題であり,地下鉄への乗り換えや在来線への乗り換えは不便そう.

ということで,ここもあんまり便利な立地にはならない.アカンやん.

 

【祝】ゴッタルトベーストンネル開通

ついに,スイスのゴッタルトベーストンネルが開通した模様.

 スイス・アルプスを南北に貫く全長57・1キロの「ゴッタルドトンネル」が1日、開通した。日本の青函トンネル(53・9キロ)を抜いて世界最長の鉄道トンネルだ。開通式には、スイス政府首脳や、近隣のメルケル…

情報源: スイスに最長の鉄道トンネル開通 青函抜き全長57キロ:朝日新聞デジタル

ということは,3日前に通ったこのトンネルは「世界最長トンネル」の”最後の姿”だったということか.

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実はスイスは新幹線相当の線路がほとんど無い国であり,その中でもまとまった高速新線相当になるのが今回のゴッタルトベーストンネルである.

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何で「ベース」という名前がついているかというと,通常はトンネルをなるべく短くするために線路は山を登って,いよいよ登れなくなると最小限のトンネルを掘る,というのが基本だ.だが,この「ベース」トンネルは山のベース,つまり,下の方をわざわざ長いトンネルで抜けており,山を登らずになるべく緩やかな勾配で山地を抜けることを目的として建設されている.つまり,実は貨物列車対応のトンネルなのである.

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スイスの自然豊かなアルプスを自動車の公害から守るため,鉄道貨物を通しやすくしたわけだ.

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日本も環境対策を前面に押し出して鉄道建設した方がいいかも.

リンク先の記事には,貨物列車優先だという話は書いてあるが,その背景政策までは追い切れていない模様.