ヨーロッパの地下鉄駅で時折感じる日本との違い.それは,文化の香りかな.
要は内装が凝ってるわけである.
日本の地下鉄駅はとにかく安普請な感じになりがちだが,駅の周辺地域を感じさせる文化の香りのする駅が多い.「観光立国」を名乗るなら,これくらいのことはしてもいいよね.
上の写真はパリのメトロのとある駅に設置されていたステンドグラスである.…で,どこの駅だったかは失念.シテ島付近?
こういう記事がある.
関西国際空港に、本格的な新旅客ターミナルを設ける構想が浮上していることが30日分かった。インバウンド(訪日外国人)が今後も長期間増え続けると、既設と建設中の計三つのターミナルでは対応しきれないためだ。必要と判断すれば、4月1日から44年間、関空を運営する純民間会社、関西エアポートが整備する。実現すれば、訪日客の玄関口として関空の機能は大幅に強化される。【吉永康朗】
記事の図では,ここにターミナルを設けるということのようだが,これって元々の計画にあった第2ターミナルだよね.二十数年を経てようやく完成に近づくわけだね.あとはC滑走路か?
ところで,関空までやってきたJRの線路と南海電車の線路は,なぜか関空駅の南側で西の方に曲がっている.これは確か当初の第2ターミナルが完成したときにはこの曲がった部分を延伸して,乗り入れるはずじゃなかったかなと思う.
それとも新ターミナルは「新幹線乗り入れ対応」で作っとくか?
パリのオルセー美術館.広々としたドーム内の展示場は,かつての駅そのもの.
「オルセー駅」の名残は,この大時計でわかる.
駅だと言われて,あらためてエントランスを見ると,それっぽく見えるから不思議.
この駅からどこに向かう列車が走っていたかというと,セーヌ川側の時計の下に答えが書いてある.
「Paris-Orleans」つまり,ここからオルレアン行きの列車が発着していた.今は,オルレアン行きはセーヌ川に沿って5kmほど東に行ったAusterlitz駅になっている.
数十年前の時刻表を見ると,ちゃんと,このOrsay駅を出た列車はAusterlitz駅を経由してオルレアンに向かっている.(ということは,道路になっているセーヌ河畔は,昔は線路か? 加茂川沿いの京阪電車みたいだな.)
こういうのを見てしまうと,日本の駅って安っぽいの多いな,と思ってしまう.
以前から不思議に思っているパリの地下鉄の駅がある.メトロ6号線にある駅で,ベルシー駅の近くにこういう地下鉄駅がある.
…何が不思議かわからないって?
じゃぁ,Googleの自動翻訳で,フランス語→英語に変換してみよう.
「Quai de la Gare」→「Station’s platform」
日本語に直接変換しても意味不明なので.まずは英語だ.
次に,これを英語→日本語に変換してみよう.
「Station’s platform」→「駅のプラットフォーム」
つまり,地下鉄「駅のプラットフォーム」駅なのだ.じゃぁ,この地下鉄駅のホームは,「Quai de Quai de la Gare」なのか?という点は不明.
そんだけ.
#「Quai」は「ホーム」の他にも「川岸」と言う意味もあるらしい.「川岸駅」の模様.
よく,LRTを紹介する際には「電車とバスが同じ平面内で乗り換えられます」みたいな写真を示すことが多い.
確かにそういう構造の拠点は多いのだが,もっと引きの構図で撮ってみると…駐車場併設だったりする.
交通拠点なので,自動車との乗り換えも当然,という発想かな.
ストラスブールの「鉄の男広場」も円形モニュメントのある広場の地下は駐車場だね.
タイトルが,それ自身,矛盾しているじゃぁ無いかという指摘は置いといて,海外のLRTについて調べているとしばしばお目にかかるのがこういう施設.
路面電車の地下線である.日本ではまずあり得ない.
なぜ日本ではあり得ないかというと,日本では原則として鉄道整備は独立採算であるからだ.つまり,地下線をつくったならば,その建設費を運賃で払わなければならない.
例えば1kmの地下線を100億円でつくったとしよう.この100億円を運賃で支払うとする.地下線に乗り入れてくる電車の客は,平均5km乗車して200円支払ったとすると,1kmならば40円分である.
100億円÷40円/人=2億5000万人
電車には毎便100人ずつ乗っていたとすると…
2億5000万人÷100人/便=250万便
往復計で5分ごと,朝6時から24時までの18時間運転されていたとして…
18時間×(60分÷5分/便)=216便/日
250万便÷216便/日=11574日=31.6年
運賃を全額建設費の支払いにまわしても30年以上かかる.車両費や電気代,保守費,人件費,利払い等々の入っていない段階でこれであるので,事実上,運賃で地下線の建設費を払うなんてのは不可能である.
そもそも,朝から晩まで5分ごとにほとんど満員のLRVが走ってくるとの設定に無理がある.
つまり,こういった「路面電車の地下線」は独立採算の下ではできない施設,ということになるわけだ.インフラ整備の根源的な考え方が違う,というお話.
徳島駅前から大阪へとバスに乗ろうとした.ここの区間は明石海峡大橋が開業して以降,徳島-舞子-三宮とか,徳島-梅田-なんばとか,徳島-なんば-梅田とか高速バス路線がいくつかあって,バス会社も異なっていたりする.
バスのことはあんまり詳しくないので,「高速バス」と大きく書いている案内所に行って聞いてみる.
私:大阪に行きたいんですけど…
案:19時30分で舞子に行くか,19時45分のなんば経由梅田行きか,20時の梅田経由なんば行きかですね.うちのバスなら20時発ですけど,19時45分はあっちの乗り場で運転手に直接払って下さい.
どうやら,行き先によってバス会社が違うようである.ということで,「あっちの乗り場」に行ってみる.
私:大阪に行きたいんですけど.
別:大阪のどこですか.
私:梅田に行きたいんですけど.
別:乗車券は持っていますか?
私:いいえ.
別:じゃぁ,運転手に直接払って下さい.でも,梅田ならあっち(最初にたずねた乗り場)の方から出る20時発の方が早く着くかもしれませんよ.直接梅田に行きますから.
私:あっ,そうですか.じゃぁ,あっちに行ってみます.
どうやら経由地の違いによって着く時刻が違うようである.再び元の案内所へ.
私:大阪の梅田に行きたいなら,こっちの20時発の方が早いって聞いたんですけど.
案:そうですか.じゃぁ,3700円です.
そうして,ようやく手書き領収書のような乗車券を入手したのであった.
私:乗り場はどこですか?
案:あっち(梅田に行くなら20時発の方が早いと教えてくれた乗り場)の1番です.
別会社であってもちゃんと客の質問には答えられているという点では評価できるんだが,結果としてはあっちの乗り場に行ったりこっちの乗り場に来たりとタライ回し状態になってしまっていることは確かで,輸送サービス部分そのものはともかく,インフラ部分の弱さを感じた瞬間であった.
やっぱり,鉄道って楽だわ.