新函館北斗駅付近探訪した時の話の続き.
車両基地の工事中のようである.
まだ,盛り土工事が始まったばかり.(そして,今はもう完成している)
実にわかりやすい案内板.緑色のE2系電車というのも見てみたかったような気がする.
「現在地」は”現在”はもう車両基地の中の一部なので,入れない.
もうすぐ開業ですな.渡島大野探検はここまで.
その後,こういう記事があった.
JR西日本の野中雅志金沢支社長は27日の記者会見で、北陸新幹線が敦賀以西ルートで福井県小浜市を通る場合、JR小浜線がJRから経営分離される並行在来線に当たるかに…
情報源: 小浜線、経営分離か未定 北陸新幹線延伸でJR西支社長
あのーーーーーーーぉ,特急が走っているかどうかじゃなくて,新幹線の開業によって当該在来線から新幹線に客が移ってしまい,経営状態が悪くなる路線のことを並行在来線とするのが適当なんですけど.長距離客が小浜線にそんなにたくさんいらっしゃるんでしょうか? いらっしゃるのなら並行在来線問題として取り上げるべきだし,そうでないならローカル線問題.
野中支社長は会見で「並行在来線の定義は、知る限りでは特急の有無に言及していない」と述べた。
国土交通省の説明には「整備新幹線に加えて並行在来線を経営することは営業主体であるJRにとって過重な負担となる場合があるため…」とあり,新幹線の開業にともなって,当該在来線の経営がお荷物になるような路線であることを並行在来線の定義として採用している.
つまり,繰り返しになるが,新幹線に移転するような客がない路線は,そもそも新幹線が有ろうが無かろうが,営業状態に与える影響は新幹線の開業前後で変わらないので,国交省の想定する並行在来線の説明にあてはまらない.
…ちゅうか,並行在来線の定義は旧運輸省の頃から示されていたはずだけど.
もう言葉遊びは止めようよ.新幹線が有ろうが無かろうがお荷物だと思っているような路線の存廃問題は,並行在来線問題じゃ無くて単なるローカル線の存廃問題ですよ.新幹線に便乗せずに正面から向き合いましょう.
北陸新幹線が東側から延びてきて,富山や石川あたりを着工しようかというときにも,同じような話があった.
新幹線建設にともなう並行在来線というのは,以前にも指摘したように,特急列車が走らなくなる路線を指すのが適当である.
元々特急列車が走っていない路線は,そもそも長距離客が乗っていないので,新幹線が走ろうがそうでなかろうが,旅客動向に大きな変化はないはずなである.新幹線の有無と経営状態とは関係がない.小浜線に長距離旅客はそんなにたくさん乗っているんだろうか? 経営分離したいのなら,小浜線の長距離客の動向くらいは示した方がいいだろう.
かつても同様の議論があり,「枝線分離問題」と言われた.だが,枝線分離を並行在来線分離とこっそり言い換えて論じるべきではない.「便乗廃止」だ.はっきりと「ローカル線の経営なんか,めんどくさくて儲からないからやりたくない.新幹線以外は全部廃止したい.」と言えばいいではないか.経営姿勢がはっきりするではないか(もちろん,非難を受けるだろう).
ローカル線の経営をしないということは,地域独占を自ら放棄するということなので,幹線鉄道経営の参入自由の原則が日本でも議論されても文句言えないよね.
株式会社化されて,そして株主が国ではなくなった.確かに自由だ.だが,会社成立の経緯は消すことが出来ない.ローカル線の経営も含めて日本国の主要な鉄道の営業に責任を持つというのが,国鉄が解体されて民営化された際の原点ではなかったのだろうか.
#やる気の無いJRにローカル線を任せるよりは,いっそ経営分離された方が沿線は幸せではないか,と言う人もいる.
なるほどね…
政府は23日、地球温暖化がもたらす国内の被害軽減策をまとめた「適応計画」の案を公表した。
情報源: 温暖化:政府が適応計画案…災害など7分野で被害軽減策 – 毎日新聞
…でも,これでええのか?
地球温暖化が,単純に自然現象ならば,そりゃぁ適応して生き延びてゆくことは重要だろう.
でも温暖化の原因が人為的なものがわかっている以上,確かに「適応」できなければ困るが,原因の除去に全力を挙げるのが最重要課題なはずだ.
2030年にCO2排出半減とか,2050年にCO2排出80%削減などという話もあったやに思うが,そういう方向性の政策はどうなった?
1997年のCOP3から,もうすぐ20年になろうとしている.これまでの生ぬるい方針では何も変わらなかった,という反省をするべき時期に来ている.
当事者意識持とうよ。
こういう話がある.
2016年3月に開業する北海道新幹線について北海道旅客鉄道(JR北海道)が試算した当初3カ年の収支見通しが16日、分かった。3年間で合計約150億円の赤字を見込む。老朽化が進んだ長大な海底トンネルを
情報源: 北海道新幹線、当初3年で150億円の赤字 JR北海道が試算:日本経済新聞
この原因は,青函トンネルがJR北海道の持ち物だからである.
通常,整備新幹線のインフラ部分は国の持ち物で,「受益の範囲内」でリース料を払う.なので,少なくとも赤字にはならない.
また,お荷物になる在来線については,「並行在来線」として経営から切り離すことが出来る.
ところが,青函トンネルはその歴史的な経緯から,新幹線開業にあわせた経営分離の対象区間でもなければ,新幹線を走らせるインフラが国有資産というわけでも無い(JR北海道自体が株主が国だというツッコミはおいといて).
本来なら,新幹線を走行させるにあたって,国が青函トンネルの資産一式をJR北海道から買い取り,「受益の範囲内」でリース料を払う方式をあらためて導入すれば良かったのだろうが,そういう議論は無かったようである.
今からでもいいので,そういう方式を検討してもいいのではないかと思う.
こういう記事がある.
北陸新幹線の敦賀-大阪間のルートに関して,関西の財界も新しい案に興味を示しているという記事である.
情報源: 北陸新幹線「京都経由望ましい」 敦賀以西ルートで関経連会長 : 京都新聞
全国的な視点では,敦賀-小浜-大阪を最短で結ぶいわゆる若狭ルートとか小浜ルートと呼ばれる原案よりも,敦賀-米原を短絡するいわゆる米原ルートの方が工事費が安くて建設期間が短く,完成が早い.
米原ルートは工費を安く出来る分,資金を他の新幹線建設に回せる可能性があり,(西日本の関係各府県にとっては必ずしも望ましくないこともあるが)全国的視点では望ましい.
しかし,数年前から注目されているこの米原ルート,ご存じのとおり(今でも線路容量的には不可能では無いと思われるが)JR東海が東海道新幹線への乗り入れに難色を示しており,実現が難しそうである.
東海道新幹線については,リニアが西まで延びた段階で,いずれ余裕の出来るインフラである.将来的には東海道新幹線沿線といえども人口は頭打ちから減少に転じ,その状況下で東京-大阪間にリニアと東海道新幹線という2つのインフラを抱え込むことになる.
民間会社としては,将来的な需要を自社路線に呼び込む装置作りもしておかなければならないはずであるが,そういった視点は持っていないようである.斯くして,JR東海は,いずれかき集めなくてはならないはずの将来の旅客を逃そうとしている.
リニアができることで,西日本各県からの航空旅客から客を奪うことをアテにしてませんか? 西日本の人口減少は東海道新幹線沿線の比じゃないんですけどね.
(つづく)
KTRは,ちょっと前までは「北近畿タンゴ鉄道」の略であったが,今は「京都丹後鉄道」の略になった.中味も旧JNRのにおいがプンプンした第三セクター直営から,インフラ整備と列車運営を分離した形態に変更されて名前が変わった.
さて,この公設民営鉄道(+JR山陰線)に並行して,京都縦貫道という名の高速道路が天橋立近くまで開通している.そんなわけで,家人がバスツアーで伊根町やら天橋立に行ってきたという.いろいろと美味しかったらしい.
山陰線の複線化やKTRの運営にも公費が突っ込まれているとはいえ,京都縦貫道で天橋立まで1時間40分ほど.対する鉄道は特急でも2時間.結果のバランスという点では,鉄道の完敗である.
鉄道の重要性が認識されている一方で,結果をイーブンに出来ない政策.抜本策は山陰新幹線の早期実現か? でも,どうやって資金調達する? そろそろ自動車利用者≒国民ということを認めて,柔軟な資金運用をする時期に来ていると思うんだがね.