「浸水想定区域」対策せず

 台風19号で浸水した北陸新幹線の長野新幹線車両センター(長野市)について、国が二〇一六年に想定される最大の豪雨で十メートル以上浸水する「浸水想定区域」と認定していたのに、車両センターを所有する国所管の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)が、浸水への対策を取っていなかったことが本紙の取材で分かった。(阿部竹虎)

情報源: 「浸水想定区域」対策せず 鉄道機構 長野の新幹線基地:北陸発:北陸中日新聞から:中日新聞(CHUNICHI Web)

低い土地で,もしもアパートを借りたとしよう.借りた後,行政がハザードマップを公表し,それを見るとアパートはズブズブと浸水する場所だということがわかったとしよう.

このとき,アパートの大家は,アパートを浸水対応アパートに改装しなければならないのか?
それとも,行政が浸水しないようにしなければならないのか?
あるいは,店子が浸水時を想定して自衛しなければならないのか?

一般住宅なら,行政の浸水対策と店子の自衛ということになるだろうなぁ.

さて,今回の長野の新幹線車両基地水没の件であるが,勝手に推測すると…

JR:この車両基地は自前のものじゃなくて借りてるものだ.だから自社で対策する必要はないよね.防災対策も行政や機構(=鉄道運輸機構)でやってくれるんでしょ?

機構:線路や車両基地を作ってJRに貸したら,もう我々の手を離れてるよね.あとの管理は自分でしてね.

…斯くして,両者とも当事者意識がなくて,大雨降って電車がズブズブズブ,プカー…ということか? 工場で検査しているにもかかわらず不良品が出るのと似たようなプロセスか?

#結構,図星かも.

四国新幹線を骨格に再構築を・続々

一方、オブザーバーとして出席した国交省の担当者は、「四国に新幹線を通すにはステップが必要で別の時間軸で議論すべきだ」などと述べましたが、会合では中間整理案が了承されました。

情報源: 四国新幹線を骨格に再構築を|NHK 香川県のニュース

別の時間軸」って何だろうなぁ.

時間軸は通常は1つしか無いので,「別の軸」ということは…

パラレルワールド

…の意味か?

つまり,…

「オマエらの言ってることは到底理解不能な別世界の話だ.」

…という意味か? そりゃぁ知事怒るかも.

ところで「」ではない「時間軸」に沿ってゆくと,その先には勝算はあるのかい?

これなーんだ

PiTaPa導入

通勤で使うバス路線の回数カード(磁気)が販売終了になってしまったので,仕方なくICカードを導入した.

回数券のようなボリュームディスカウントのメリットを得るには,記名式のポストペイICカードを導入する必要がある.…ということで,渋々導入.パスケースの中にはFeliCaが3種類(Smart ICOCA,Ica,PiTaPa)も入っている.

バスの6ヶ月定期が55890円だが,このPiTaPaで乗ると,1ヶ月あたり1000円までは割引なし,1000-2000円は20%引き,それ以降は10%引きというややこしいシステム.要するに1ヶ月あたり1000円すら使わない客はボリュームディスカウントの対象外で,2000円以上使うと初期分を含めて10%引きというシステムだ.

これまでの通勤実績的には,1ヶ月あたり4000円のカード2枚消費だったので,8800円分乗車しているわけで,これを10%引きで乗ることになるので,7920円程度の支払いということになる.定期買うよりは安いという状況(PiTaPaが優秀なのではなくて,定期券が不甲斐ないということ).磁気カードに比べても若干割引は増えるが,昔の4650円分乗れる売価4000円のカードには及ばない.

さて,実際に使ってみると…パスケースに3枚もFeliCaが入っているので改札機の誤動作が増えて煩わしい.もちろん,ICOCAとPiTaPaはパスケースの別の所に入れて,改札機にかざす段階では2枚重ね状態にならないようにしている.

そういえば,FeliCaは改札機から出る電磁波(というか電磁結合状態?)をカード内のコイルで電力に変換しているので,コイルに電力が発生しないようにすればPiTaPaは反応しないはず.改札機のカードを触れる面とPiTaPaを直角にすれば電力が発生しない可能性高し.コイルはループアンテナの一種なので指向性があり,直角方向からは電波を受信しないはず.…ということで,現在はパスケースを半開きの90度開いた状態で改札機を通過させるという方法でしのいでいる.

めんどくさいなぁ.

四国新幹線を骨格に再構築を・続

一方、オブザーバーとして出席した国交省の担当者は、「四国に新幹線を通すにはステップが必要で別の時間軸で議論すべきだ」などと述べましたが、会合では中間整理案が了承されました。

情報源: 四国新幹線を骨格に再構築を|NHK 香川県のニュース

「ステップ」って何だろうなぁ.たぶん…

    1. 北陸新幹線が大阪まで完成して
    2. 九州新幹線長崎ルートが佐賀と長崎とでけりが付いて全線完成して
    3. 北海道新幹線が札幌まで全線完成して
    4. リース料を前借りしてしまったので財源が無くなってしまった件が解決して財源のめどが付いて
    5. その時点での見通しとして四国新幹線の利用者数がB/C>1となるほど多くて
    6. 他の基本計画線とあわせて優先順位を付けて
    7. 工事の順番待って
    8. そこから工事に15年くらいかけて

…だろうな.ドラえもんか宇宙戦艦ヤマトに希望を託した方が早いかも.

そういう「別の時間軸」を想定してるんだろうな.今生きてる人は全部死に絶えた後の世界だなぁ.

これなーんだ

四国新幹線を骨格に再構築を

一方、オブザーバーとして出席した国交省の担当者は、「四国に新幹線を通すにはステップが必要で別の時間軸で議論すべきだ」などと述べましたが、会合では中間整理案が了承されました。

情報源: 四国新幹線を骨格に再構築を|NHK 香川県のニュース

「ステップ」って何だろうなぁ.まさか…

    1. 複線化して
    2. 電化して
    3. 高速化改良して
    4. 需要が増えて運びきれなくなったら
    5. 新幹線建設

…というステップではあるまいな.

(四国の人には申し訳ない表現だが,)通信手段が発達していない地域においてスマホやインターネットを導入しようとした時に…

    1. まず有線の固定電話を導入して
    2. 自動交換機を導入して
    3. パソコンを普及させて
    4. モデムを介して通信して
    5. ADSLを導入して
    6. 光ファイバーを導入して
    7. 通話機能だけの携帯電話を普及させて
    8. 通信速度の速い基地局に変えて
    9. スマホを普及させて

…などというステップは踏まない.最初から最新の基地局とスマホを普及させるだけである.

なお「別の時間軸で」については,全く新幹線をつくるつもりが無いことの意思表明か? 四国の鉄道網(というか公共交通)が自家用車に対して競争力が無いのは,時代の要請にあわせた適切な投資が無いからなんだがねぇ.

これなーんだ

大阪にもある「地下神殿」

台風19号の大雨の際,首都圏では「地下神殿」が活躍したらしい.河川があふれそうになると地下にある貯水槽に一時的に雨水をためて,後日放流するという施設だ.

大産大のある大東市,その市内にある公園.

一見,何の特徴もない公園だが,その地下にはこういう施設が埋まっている.

東京の「地下神殿」ほどではないが,同様の目的の施設であり,下水道で処理できなくなった水を一時的に地下にためておく設備である.他にも何箇所かある.このほか,地上には平常時には草野球グラウンドなどに使われている窪地が何箇所かあり,大雨時には遊水池として機能するようになっている.

インフラ整備って大事だね.

平成の30年間はインフラ投資を削りまくった30年.一体どれだけの人が間接的影響として命を落とし,家屋を失い,寂れた郷里を持つようになったか.

ヒステリックに「コンクリートから人へ」と叫んでいた人たちは,間接的に一体何人の命を奪ったんだろう.

#1 災害が起こると「インフラ整備するより避難の徹底をさせるべきだ」といった意見がTV等でよく流されるが,避難しても個人宅や農地や工場etc…といった生活インフラは被災しちゃうんだよねぇ.

#2 川があふれても被害が広がらない川づくりを…などと言っている人もいるようだが,高床式住宅の普及,高床式農地の普及,高床式工場の建設を推進するのか? 大昔の人たちの住宅形式は偉大だね.ついでに道路や鉄道も高床式にすればみんな便利だねw.

#3 霞堤(信玄堤)を評価する人もいるようだが,河川沿いが農地なら…ね.霞堤は連続してないのであふれやすく,現代のように宅地やらなんやらいろいろと立地してしまうと,被災しちゃうんだけど… 現代の都市計画は堤防が機能することを前提に立案されてるよね.

北陸新幹線25日に全面復旧

北陸新幹線が来週25日に「いちおう」全面復旧するらしいが,当面長野の車両基地は使えないし,水没した10編成も使えないので,上越新幹線用に準備した新車を北陸新幹線に回して凌ぐそうな.新潟の人はお気の毒だが,致し方なし.

この原因は散々言われていることだが,JR東が各路線に特化した新幹線車両を準備したがために路線間での融通が難しいことが原因.巷では北陸新幹線向けに設計した電車は重すぎて東北新幹線を(走れはするものの)高速運転できないし,東北新幹線用の電車は北陸新幹線の異なる周波数の電源に対応できないばかりか急勾配を登れない(あるいは安全に下れない),という評価だ.

ところが,ドイツの「ICE3」は,ケルン-フランクフルト間の40‰勾配のある路線を走行し,最高速度は300km/hないし320km/h運転する(ここはICE3は走れるが,TGVは能力不足で走れない).ICE3は電源も交流15kV-16 2/3Hz,交流25KV-50Hz,直流1.5kV,直流3kVと多様であるし,信号システムも高速新線用と在来線用が自動切り替えだったかと思う.

…つまり,もしかして,技術的に遅れていることへの言い訳…かも,と最近は思っている.

情報源: 【台風19号】北陸新幹線、25日に全面復旧の見込み – 産経ニュース

そういえば北陸新幹線未着工区間も田んぼの中通るかも

そういえば,北陸新幹線の未着工区間(敦賀ー新大阪間)も水はけの悪そうな田んぼの真ん中通るかも.敦賀ー新大阪間のルートについてはまだ何も公表されていないので,以下,いつものguessの勘ぐりである.

いちおう,未着工区間のうち京都-大阪間については「松井山手付近」を通ることが国交省から示されており,何となく線が引っ張られた図も明らかにされている.2年前に当サイトではそのルートを地図に重ね合わせてみたが…

…よく考えてみると(いや,ボーッと考えただけでも)京都の南側で「田んぼ地帯」を突っ切ることがわかる.

この田んぼ地帯はこんな感じ

付近の高速道路のインターチェンジの名前が「巨椋池」である.

この田んぼ地帯は桂川,宇治川,木津川が合流して淀川になる地帯で,かつては結構大きな池というか沼というか湖だった(事実上の遊水池ですね).水深が浅かったので,豊臣秀吉の時代以降明治まで,徐々に干拓されて現在の田んぼ地帯になった.

確かJR(旧国有鉄道)がこの巨椋池を避けて東に迂回しているのに対し,比較的新しい近鉄京都線(旧奈良電鉄)は太閤堤沿いに建設されて巨椋池を突っ切っていたっけなぁ.(うろ覚え)

ということで,新幹線が京都駅からほぼ真南に向かえば,必然的にこの元巨椋池であった地帯を突っ切ることになる.(今のところそんな大雨は降っていないが)河川で処理できないほどの大雨が降ると,遊水池に逆戻りしてしまうかもしれない.

久御山町の洪水ハザードマップによると,宇治川が氾濫した場合には5m以上の浸水の可能性が示されており,木津川が氾濫した場合でも5m以上である.

どうせ回りに何もないから…などと考えて地べたに線路を敷設したり重要設備を設置したりすると,長野の車両基地と同じく水没するかもしれない.実際に,昭和28年(1953年)には水害で最大5mの浸水があり,水が引くまでに1ヶ月かかったようだ.

田んぼ地帯だからといって線路敷くのは簡単では無さそう.

 

北陸新幹線の今後の見通し

北陸新幹線の電車が水没して大変なことになっているが,水が引いたのに運転が再開しない.長野-上越妙高間が不通で,金沢-上越妙高間と長野-東京間でそれぞれ区間運転が行われているだけだ.

そんな中,公式な見通しが発表された.

北陸新幹線及び中央本線(高尾~大月間)の現況と今後の見通しについて

これによると…

信号関係の電源装置に甚大な被害が確認されており、この電源装置の復旧には概ね1~2週間程度かかる見込みです

…だそうな.信号機器そのものではなくて「電源装置」のようだ.

水没した車両基地には分岐器やATCに関係する装置が収容されているようなので,ここにある機器を交換するのに時間がかかるということかな.

もしかしたら,東京側から水没車両基地を越えて金沢側へ運行管理の情報が伝達不能になっていて,現在の区間運転は東京側の本来の指令所と金沢側に存在するであろうバックアップ用指令所との2箇所から別々に運行管理してるのかな?

列車無線用の漏洩同軸ケーブルが上越妙高駅の金沢側で東西に分かれているようだが,これが運行再開初日のナゾの金沢-糸魚川間運転列車(なぜか上越妙高駅に営業列車として乗り入れない)設定の原因になっていたのかも.

…以上,guessの勘ぐり.

去年見学した八ッ場ダムが完成してた件

昨年夏に見学した八ッ場ダム.場所はこのへん.

利根川の支流の吾妻川に作られた結構大きなダムで,満水時に貯められる水量は黒部ダムの半分ほどにもなる.(#全国ランキング50位くらい…もっとデカいのいっぱいあるか)

でけぇ…

吾妻川の流れる吾妻渓谷に沿って吾妻線が敷設されていたので,よく見ると廃線跡が見える.ダム下流側は,線路どころか架線柱まで残っている.

水没する側もよく見ると線路が残っており,資材運搬用のベルトコンベアの経路として活用されている.

吾妻線はというと,水没しない位置に線路が付け替えられている.

去年の7月下旬時点ではこういう状態だったわけだが…さて,台風19号がやってきて,早くも役立ったのではないかという話.完成していたわけだ.

本来は試験湛水といういわば試運転中だったらしいが,工事自体はできあがっていたようで,台風の大雨期間中に水位が54メートルも上がったらしい.

活躍中の八ッ場ダムのイメージ写真(↑).

一時,利根川下流で氾濫危険水位を超えたものの,それ以上水位が上がることはなく,早速利根川の氾濫を防いだ可能性がありそう(いずれ誰かが詳しい分析すると思う).

「コンクリートから人へ」とかなんとかで,プロジェクトを廃止に追い込んでいたら,利根川下流が今頃水浸しになって,何人も死んでたかも.

一方,脱ダム宣言をして,その後の治水対策が遅れたかもしれない長野では…やめとくか