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開削工法のトンネルを外側から見ると…

かなりマニアックなお話.

地下鉄を掘るとき,深いところなら山のトンネルと同じような丸いトンネルになるが,地表から浅いトンネルの場合は,四角い箱形のトンネルになる.

なぜそうなるかというと,地上から電車が走れるだけの大きな溝を掘り,コンクリートで溝の底と側壁を作ったらフタをして表面を舗装して道路にしてしまって終わり,という工法になる.そんなわけで,四角い形になる.

この写真は,地下鉄ではなくて地下高速道路の建設現場だが,同じ方法なので,写真の上の方の地上は道路である.そして,その下で大きな溝が掘られている.

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さて,もしもその四角いトンネルを外側から見ると…四角いコンクリートの塊.実は,別の地下通路が露出したものがこの写真.

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下側に潜ると…つまり,開削工法で高速道路を作ろうとしたら,そこには別の開削工法で作った地下鉄状の線路があったので,仮支えしながらその下を掘っているところ,という状態である.

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この「地下鉄状の線路」は正確には地下鉄ではなくて,地下を走る工場間の物資運搬トロッコ線とのこと.大きな工場にはそんな秘密の貨物線があるということも驚きである.時々,ゴロゴロという何かが走っている音がする.

地下鉄の中にある橋

パリの地下鉄駅の構内.まだ電車が来ていないのに,大きな音でガタンガタン.どこに電車が走っているんだろうか.薄暗かったので,手ブレがひどいが,それでも原因がわかる写真がこれ.

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地下鉄のトンネル内なのに,天井部分に橋の一部のような構造が見えている.プレートガーダー橋?

この橋の上を別の地下鉄が走っているようである.地下鉄の立体交差.

日本の地下鉄でも「この真下10cmほどのところに別の線路が走っています」等というのがあるが,ここは地下鉄トンネル内に別の地下鉄の線路が食い込んでいる.

列車版LCC

欧州では,線路とその上の鉄道運行が基本的に上下分離されている.旅行者としてはICEやTGVをよく使うのでほとんどそのことを意識することはないのだが,最近,特にドイツなどでは比較的近距離の都市間連絡列車で,見かけない会社の列車を見かけることが多くなってきている.

例えば,この列車.

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機関車は比較的最近の機関車で,確か発車時には「ドレミファソラシド…」という音を発したはず.けど,よく見るとかつては書かれていた「DB」の赤い文字が無い.

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ハンブルグとケルンを結ぶ列車のようである.

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車両は結構年季の入ったもので,元オーストリア国鉄? 土手っ腹には大きく「HKX」と書かれている.

ハンブルグとケルン間ならICE等を使って移動するのが通常の方法だが,同じ線路上を別のHKXという会社(私鉄)が列車を運行しており,ドイツ鉄道の列車に乗るよりも安価に移動できるようになっているようだ.

ただし,車両はお古の使い回しであり,とにかく安く,しかも早く移動したいというニーズを満たしているようである.

ユーレイルパスでも乗れるようだが,良い時間帯の発着時間は確保できていないようで,あまり便利では無い.しかもICEにも乗れるチケットでわざわざ選択するような列車では無い.

だが,地元の人にとってはこういった別の選択肢も準備されているのである.

日本では,都市内交通が自由化されている一方,新幹線を含む幹線鉄道および同じ線路上を走るローカル列車の運営は国鉄時代からの地域独占が継続しており,ユーザーの選択肢は限定的である.

【祝】ヒゲ線延伸

まだ工事中なんだが,ずいぶん長らくかかったが,福井鉄道の通称ヒゲ線,つまり福井駅前への乗り入れ線ができそうである.

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路面電車の新線工事というのは非常に珍しい.完成すると,こういう形になるようである.

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福井駅新幹線高架橋,間もなく使用開始か?

先行工事したものの,長らく雨ざらしになっていた福井駅の北陸新幹線用の高架橋.久しぶりに見たら…

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おぉ,開業寸前ではないか.

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ただし,えちぜん鉄道の福井駅として.

かつて東海道新幹線が開通する前,大阪の北東部の淀川沿いで,阪急電鉄と併走する区間で,工事の都合で1年未満の期間であったが阪急の電車が新幹線の線路を走るという出来事があった.

新幹線の施設を他の鉄道が使用するというのは,それ以来の出来事ではないだろうか.

#あと,東海道新幹線の日本坂トンネルとかも在来線で一時使用してたっけ?

日本の区画整理に曳家というのがありますがドイツでは…

「質より量」と言い切ってしまうドイツのカールスルーエのトラム.さすがに量が多すぎてトラムの渋滞が問題になり,地下化することになった.この光景ももうすぐ見納めになる.

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市内中心街は工事のまっただ中で,日本の土地区画整理なら曳家という方法で建物を移動させますが,ここドイツでは…

IMG_4194おおおおぉぉ…すごいことやってる.カナダで小さな家をトラックで運んでいるのは見たことがあるが,クレーンだ.ん?

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なんだ,これは??? 家に根っこが…

この工事現場の角を曲がったところには…ん?

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どうやら,殺風景になりがちな工事を楽しくやり過ごしてもらえる工夫,アートのようである.

日本の工事現場も昨今は「○○の工事をしています」という看板を掲げたり,遮壁の一部を透明にしたりしている努力をしているが,こういった工夫もありなのかもしれない.

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夜には明かりも灯ります.

フランスの鉄道博物館の収蔵物(スピードトライアル編)

ミュールーズの鉄道博物館には,こんな機関車も収蔵されている.

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なんだ,緑色の古い機関車じゃないか,と思うことなかれ.この記念プレートが目に入らぬか.

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そう,長らく通常型の鉄道のスピード記録を持っていた機関車である.新幹線よりも速かった.ただし,走った後の線路や架線の設備はズタズタで使い物にならなかったらしいが,とにもかくにも世界記録ホルダーであった.

バーゼルを8分遅れで出発したICE,次の駅で定刻に

スイスのバーゼル駅を8分遅れで出発したベルリン行きICE.フランクフルト方面への路線を走るのだが,残念ながらスイス付近は線形が悪く,ローカル列車のような走り方しかできない.川沿いに右へ左へと流れに沿って敷かれた線路をたどる.

…と,過去の記憶をたどればそうだったのだが,今回は途中で「本気」を出した.そして次の停車駅のフライブルクではなぜか定刻着.

本気を出した秘密は,以前は無かったこのトンネルのようである.トンネルなのでGPSが機能せず,正確な速度はわからないが,200km/hくらいか.8分遅れは確信犯だな.

元々の線路はトンネルの左側の川沿いの線路.独仏は訪れるたびに幹線鉄道の設備が更新されて行く.日本はどうなんだ?

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フランスの快速列車200km/h運転だったゎ

以前,フランスのローカル列車は速いという話をしたが,訂正.もっと速かった.

今回乗車の列車は,アルザス地方のMulhouseからStrasbourgまでのTERという地域急行列車である.急行列車というと優等列車のように聞こえるが,その下の格が無いので普通列車である.本当の急行や特急はEuroCityとか,Intercitésとか,有名どころはTGVと名乗っているので,TERは日本の感覚では快速列車である.

このTER,ピンからキリまであり,キリは40km/h運転レベルのものから,今回のようなものまで千差万別.

じゃぁ,ピンのTERはというと,こんな感じ.

IMG_3750この機関車を見て「ははーん」と思ったあなたはSNCFに詳しいはず.快速列車のはずが,走り始めるとまずは160km/h運転.しばらくして本気を出すと,こんな感じ.

IMG_3555日本の快速電車って,何km/h運転だったっけ? もうちっと底上げしてもいいんじゃないの,と思う今日この頃.