今は電車の集電装置というと,架線とパンタグラフであるが,その昔はビューゲルというはえたたき状のものや,さらに昔はポールという棒の先に輪っかが付いているタイプの集電装置であった.
こんなのですね.
集電装置の先っぽを観察すると,こんな感じ.
引っかからないように,碍子の部分がこんな形状になっている.
架線の張り具合もルーズなので,だらしなく持ち上げられている.
ま,そんだけ.
レールをよく見ると(…って,あんまりしないと思うけど),レールが削れてへこんでしまっているときがある.
○→で場所がわかるようにしてある模様.電車が急ブレーキをかけると,電車の車輪がロックしてしまい,電車の車輪の一部が平らに削れてしまう.止まっている電車が急加速しようとすると,空回りして今度はレールが削れてしまう.雨の日が鬼門やね.
そのまま放置すると,バタンバタンと大きな音がしたり,傷に水が入り込んである日突然レールが折れたりする.信号機が変わらなくなって列車が発車できなくなるという事故の多くは,信号機械の故障だけでなくレールの破断のようである.
そんなわけで,予防的にレールが折れかねない箇所に横っ腹に板をあてがって急場をしのぐこともあるようだ.
レールの継ぎ目でもないのに,継ぎ目板があてがわれている箇所にはレールの傷があることが多い.
日本の駅のホームで待っていると,ホームを貨物列車が通過して行くことがある.例えばこんな感じ.
この風景に慣れているとあんまり違和感ないのだが,フランスとかドイツの駅で待っていて,貨物列車が旅客ホームを通過して行く光景にあんまりお目にかかったことがない.もちろん,皆無ではないのだが,あまり旅客ホームを通過することは無いように思う.
旅客駅とは別線で貨物線があったり,駅の奥側に貨物用の留置線兼通過線があったりで,旅客の目の前を通過することはあまり無いような気がする.安全上の配慮だろうな.
#コンテナの台車だらけの回送列車なんかがホームに停まっていると,乗ってみたくなるよね.(でも,時々ほんとに乗って捕まってる人いるけど.)
かつて,大阪から北陸方面に特急に乗って行くと,近江塩津の手前(その後,敦賀を過ぎたあたり)での恒例行事があった.
頭上の架線から供給される電源を低圧の直流から高圧の交流に切り替えるために,いったん車内灯が切れ…
そして,再び点灯.モーターの音も少し変わった.車内灯は「電動発電機」なるもので走行用の電気から灯具用に変換されていたので,切り替え中はいったん発電機が止まったからだ.電源が切り替わって長いトンネルに入ると北陸に来たなと感じたものだ.たとえ夜でも電源は切り替えられるので,車内は真っ暗になる.
こういう古い電車ですね.
今は「電動発電機」ではなくてインバーターで低圧に変換した後はいったんバッテリーに充電して,それを使うようになっているようなので,北陸に突入したからといって車内が暗転したりはしない.
長距離列車に乗っていると,その地にやってきたことを実感させる「サイン」があるが,北陸新幹線になったら,なにがサインになるんだろうか.
#阪和線で和歌山に入る場合は「紀ノ川鉄橋」,東海道新幹線で東京に着く前には進行方向右なら「花キューピット」…etc.
瀬戸大橋というと,当サイトでは折に触れて新幹線用の空間が既に準備されていることをお話ししており,例えば下の写真では線路の左側がやけに空いているのがそうであるが…
今日はそういう話ではなく,どちらかというとどうでもいい話に近いかもしれない.例のごとく特急だろうが快速だろうが瀬戸大橋を通過するときには線路の見える位置をキープするのが基本であり,いろいろと観察している.
よく見ていると通過する橋の種類によって線路のうねり具合が違っている.橋と橋の間のコンクリート高架橋部分が真っ直ぐなのは当然として,斜張橋部分(金沢の兼六園の植木のように,ハープの弦のようなケーブルで吊っている橋,例えば横浜ベイブリッジ)も下のように割と平らである.
ところが,典型的な吊り橋部分(例えば明石海峡大橋とかレインボーブリッジ)は,こ〜んな感じでちょっとした丘陵のようになっている.
重い列車が吊り橋の真ん中に差し掛かると橋がその分沈むので,最初から真ん中あたりを少し上の方に持ち上げている.そんなわけで写真に撮るとまるで橋を渡るというよりは,これから丘を越えて行くような感じに見える.
なお,この吊り橋部分を含めて,瀬戸大橋は16両編成の新幹線がそのまま東京から走ってきても問題ないように基本設計されている.