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台風でJR線が運休になると…

台風の大雨が原因で,大阪を中心とするJR線が大幅に運休になった.他の民鉄は動いているのに,なぜかJRはなかなか電車が走らない.その時,高速道路は…

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…ありゃりゃ.見事に渋滞である.毎時片道8本の電車が走っていれば,1編成あたり,空いているようでも300人くらいは乗っている.毎時2400人.自動車に置き換えると1車線分くらいの輸送量になるので,淀川の北側と南側でそれぞれ止まっていれな,普段よりも2-3車線分余分に必要なくらいのクルマが増える.しかも,7/18は事実上の夏休み初日であった.

電車のありがたさを感じた1日であった.

#しかし,どうしてこんなに復旧に時間がかかるんだ? 人員削減しすぎ??
#JR学研都市線こと片町線は18日夕方になって一応,運転再開したが,1時間に1本か2本しか走ってこない.大阪ひがし線の復旧が最も遅そうだが,もしかして電車の車庫から放出駅に出てくる橋の部分を通れなかったので走れる編成がわずかしかなかったのかな?

青信号につき1台だけ

米国の高速道路の入り口である.日本のように料金所があるわけではないが,代わりに信号機が付いている.

信号機には「青信号につき1台だけ」と注意書きがあり,左の標識には「赤信号の時にはここで停まれ」とある.

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前方の高速道路が渋滞しないようにするための流入制御であるが,見たところ渋滞そのものはまだ発生していないようである.

日本でも都市高速の入り口でランプ閉鎖によって流入規制をしていることがあるが,日本の場合はそういうときには,たいてい渋滞がひどくなっている.

この信号機では渋滞しないように制御しているようである.

…だが,よく考えてみると,道路というのはみんなが使おうとすればするほど不便になる交通システムである.こう言うのも何だが,人口密集地域には向いていない,田舎向けの交通システムである.使う人が増えると利便性のブレーキがかかるネガフィードバックつきの交通システムである.

ここ20年,30年,日本でも高速道路を作りまくってきたが,未だ高速道路によって地域発展を遂げ,(IC附近だけ多少の賑わいはできたかもしれないが)疎な状態を脱したなどという話は聞いたことがない.

そして最近になって,あちこちで新幹線整備をという声が大きくなってきつつある.高速道路と空港だけではダメだということに気づき始めた地域が多いということだろうか.

都市創造工学専攻WEBサイトの写真

事務方からwebサイトをリニューアルするので写真を何枚か送れと連絡あり.テキトーに何枚か見つくろって送ったのはこんな感じ.採用されるかどうかは事務方の気分次第か?


まずは,鉄道の高架工事の現場.これはJR奈良駅の天王寺方であり,左に伸びるのが桜井線,右方向が関西本線である.

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次は,どアップ過ぎて何かわからない鉄筋鉄筋また鉄筋.実は沈埋トンネルを陸上でつくっている段階のもので,このあとコンクリートが打たれて,現場に運ばれて,海の底に沈められる.

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これは近所の高速道路.開通前に沿線住民にお披露目された際のもの.

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東海道新幹線の橋梁で,浜名湖を渡るものを水面スレスレからのアングルで撮ったもの.

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こっちは国土のバイパスの橋梁で,例の今切れ口に架かる浜名大橋.

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秋田行きと青森行きがKiss.

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工事中だったころの九州新幹線.場所はJR西日本の車両基地の横

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実は道路鉄道併用橋の大鳴門橋.

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こっちは日本における元祖長大吊り橋である関門橋.

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そして,天満橋から見た大阪ビジネスパークの風景.船がやってくるのは1時間に一度で,さらに京阪特急がすれ違うのを寒空の中待ち続けたのは十数年前.

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このほかにも,防潮堤とかお城の石垣とかも送ったが,以下略.

CO2初の400PPM超え

あんまり大きな話題になっていないが,ちょっと前にこういう新聞記事があった.

CO2の大きな発生源としては火山等も考えられるが,そういう一過性のものではなくて,年々増加傾向にあるらしい.

京都議定書締結が1997年で,それ以降増加が緩やかになったかというと,全くそういう気配はない.日本の排出量については,省エネが推進されているはずなのに,総量も1人あたり排出量もさっぱり減っていないように見える.

ここ数年の二酸化炭素排出量の増加は原子力発電所の稼働問題のせいにされている気配があるが,そうではない根源的な排出量増加の社会構造が存在しているのではないだろうか.

このままでいいのか,クルマ社会.マズいぞ,クルマ社会.生ぬるかったチームマイナス6%ですらどこに行ったんだ?

都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第3話-他の交通網編)

以下の話の続きである.
第1話-新幹線偉大なり編
第2話-産業振興vs交流編

地域間のつながりが非常に重要だというのが前回までのお話しであるが,残念ながら大阪はこの点についてはあまり得意でない印象を受ける.つまり,自らが前へ前へと出ようとすることにはたけているのだが,大阪以外の地域とうまくやって行くのはあまり得意ではない地域性のように思われる.北陸方面で何度も何度も大阪に対する恨み節を聞かされた.(…と指摘したからと言って,逆ギレしないでね)…そういえば,四国でも聞いたっけ.

さて,地域間交流のハードウェア的装置と言えば,まず最初に浮かぶのが新幹線よりも高速道路網であろう.産業政策と高速道路整備は切っても切れない関係にあり,自動車を円滑に通すための道路は,バイパス整備なども含めて他のインフラに先んじて整備されてきた.

ならば,高速道路整備状況は地域の発展に直結しているはずである.そうして作ってみたのが次の図.だが…

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高速道路整備が直結しているのなら,もう20年以上前につながっている北陸自動車道沿いの富山や金沢の地位はもう少し向上していそうなものであるが,そうでもない.和歌山への高速道路も,関空整備の時点ではつながっていたが,今や和歌山市の商店街は全国的にも寂れた商店街の典型のようにテレビで取り上げられる始末である.徳島はどうした,鹿児島は? 貨物トラックが円滑に走れるようになったからといって,新幹線のような明瞭な関係があるわけではなさそうである.

じゃぁ,次は飛行機だ.プロペラ機じゃ遅いので,ジェット機の発着だ.空港のジェット化は長らく地方空港の主要課題であった.新幹線が無くても飛行機でひとっ飛びすれば,問題ないはずであった.だが…

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全国あちこちに飛行場が整備され,大都市と結ばれたはずだったが,やはり新幹線ほどのインパクトはないように見える.

いやいや,重厚長大産業こそ基幹産業だ.そのためには大規模な港湾が必要だ.港湾整備は産業振興に重要なので,公費を投入だ.だが…

重要港湾程度では,あまり関係はなさそうである.特定重要港湾の状況は高速道路や空港よりは関係がありそうだが,やはり新幹線のインパクトには欠ける.

じゃぁ,あらためて新幹線について見てみると…

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やはりこれかな. だが…まだ第3話.まだまだ話は続く.

 つづく

初夢鉄道(東海道新幹線編)

こんな夢を見た.元日の夜に見るのが初夢だという話もあるので,こっちが初夢か.

左寄りのマスコミがいろいろ揶揄していたことに反し,開通したリニアは好調である.だがその陰で従来の東海道新幹線をどう活用するのかが課題になっている.

東京駅で東北新幹線とスルー運転できたおかげで,東北新幹線等から神奈川県下などへの客は恩恵を受けた.東北新幹線等の列車を折り返すべく,小田原と新横浜の間に新駅が設置されるとともに東京駅方面への折り返し設備も設置された.同時に北関東にも東海道新幹線の列車が折り返すための設備を設置した駅が新設されている.こういった折り返し設備を活用して長距離列車が首都圏スルー運転されるとともに,時速200km/h運転の快速電車が新幹線線路上で運転されるようになった.この高速快速電車は,車両は英国のclass-395のような列車で,運営はJR東日本でもJR東海でもなく,両JRおよび首都圏各都県の出資する第三セクタ鉄道会社である.

線路容量に余裕のできた東海道新幹線では,物流サービスも始まっている.少子高齢化の進行に伴い,高速道路を走行するトラックの運転手の確保が問題になっている.自動運転技術も進行して高速道路上のトラックのカルガモ走行も実用化されてきているが,異常気象時への対応や非自動化車両との干渉などの課題が完全に解消されておらず,隊列走行による運転手の削減は限定的である.そこで,東海道新幹線のこだま号のように各駅に停車して荷物を積み卸しする列車が設定されるようになり,高速軽量貨物の輸送に活躍することになった.荷下ろしは自動化されており,サービス開始前に懸念されていたほど停車時間は必要ないようである.重量物は依然としてトラックか在来線の貨物列車で運ばれている.

東海道新幹線は2015年以降285km/h運転が徐々に導入されたが,その後,一部の直線の多い区間を中心に部分的に300km/h運転が導入されている.だが,曲線が多いので数分の時間短縮にとどまっており,画期的な時間短縮にはなっていない.

リニア開業後の東海道新幹線は,当初は京都と横浜の人々がそれなりに使うであろうと予想されていたが,ふたを開けると京都発着の客は名古屋駅でほとんどリニアに乗り換えてしまっており,横浜の客も品川駅に向かっているので予想よりも旅客が少なく,けっこう空席の目立つ列車が多い.減便されたせいで東海道新幹線の利便が下がっており,首都圏の人気の住宅地の分布が変わってしまった.新横浜駅への出やすさは以前ほど売り文句にならない.代わりにリニア橋本駅への出やすさが売り文句になっているようだ.商業ビルについても似たような傾向に見える.

線路容量がずいぶん空いているので,大阪近辺では関空アクセス列車はリニアではなくて東海道山陽新幹線の支線として建設した方が良いという議論になり,北陸新幹線も乗り入れることになった.関空発東海道北陸新幹線経由金沢行きとか関空発東海道新幹線経由静岡行きとかそういった列車も設定されている.

当初はリニアと東海道新幹線で半々の客を受け持つ予定だったが,結果はリニアは大人気.あれだけネガキャンしていたマスコミの人々も手のひら返しで賞賛している.東海道新幹線は静岡と京都と北陸方面の人のための支線新幹線のようになってしまい,国土の構造が変わってしまった.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.

大鳴門橋

今さらながらのお話しであるが,本州と淡路島を結ぶ明石海峡は,コストダウンのために道路単独になってしまい,鉄道を通す部分はない.
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淡路島から四国への大鳴門橋については,瀬戸大橋と同じく,鉄道を通す空間が最初から作られており,若干の改良を施せば道路鉄道併用橋になる.
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これは,その鉄道用の空間.新幹線が複線で通せるようになっている(ただし,実際に走る際には信号制御で同時に橋の上ですれ違わないようにするらしい).瀬戸大橋の空間と同じく,もったいない話である.通常なら会計検査院から大目玉の案件である.
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これは横から見た様子.
DSCN0747四国新幹線用の空間であるが「四国新幹線をリニアで」という話があるのだが,もちろん,ここを通過することを想定していると思う・・・が,この鉄製の橋を磁石の塊であるリニアは果たして通れるんだろうか?
確か,リニア用の橋は普通の鉄製の橋ではなくて,いろいろと特殊だったと思うが.

HOV (= HIGH OCCUPANCY VEHICLE)

日本には残念ながら存在しないのだが,HOV (= High Occupancy Vehicle)レーンというものが高速道路などに設置されていることがある.写真は米国カリフォルニア州.
自動車はほとんどが1人しか乗車していないので,これが道路を走ると著しく輸送効率が下がる.そこで,バスなどの乗合形式の自動車や自家用車でも複数名乗車のクルマを優先的に通す車線を設置して,1人乗りよりも渋滞に遭いにくくしてやろうとするものである.
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この道路では,中央が郊外電車,もっとも左側の車線(内側の車線)がHOVレーン,その他は一般レーンである.
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所々で一般レーンから出入りできるほかは,車線変更禁止.ジャンクションなどではもっとも内側の車線だと不利なので,専用のランプもある.

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こっそり1人乗り車が走った場合は,罰金が取られる仕組みになっている.結構高額の罰金である.片側2車線ではなかなかやりにくいかもしれないが,日本でも3車線以上あるなら検討してもいいシステムかもしれない.

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AMBASSADOR BRIDGEと川底トンネル

大陸には陸続きの国境があるが,カナダと米国の国境には川が流れていたりする.そこには橋が架かっていて,料金所のような国境ゲートをドライブスルー.実は橋も結構有名で,土木系の学科の授業の橋の授業では時折,名前が出てきたりする.
AnnArbor11-056AnnArbor11-066AnnArbor11-072AnnArbor11-117じゃぁ,鉄道はというと,意外と知られていないが,海底ならぬ川底トンネルが掘られていたりする.
カナダ側のトンネルの入り口と・・・

米国側の入り口

途中のトンネルのイメージは,こんな感じ(この図自体は上の川底トンネルよりももう少し北方のトンネル計画の完成予想図).旅客列車のAmtrakもここを通る.

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TRANSPORT IN CANADA(これだけ車線があっても渋滞)

トロントは都市圏人口約500万人.概ね大阪府と同程度である.
郊外の高速道路,往復6車線でもダメ.渋滞している.
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往復12車線でも渋滞気味.前方のクルマがブレーキ踏んでいる.
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この差は何かというと,まともな都市鉄道があるかどうか,である.