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ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(防災強化編)

引き続きこれである.今回は,「4.防災強化」についてである.

大阪市域内と大阪市域外の縄張り争いをなくして大阪全体で防災力を強化します。

「縄張り争い」が防災力強化のポイントだと思っているようである.そういうセンスなので,府庁舎を埋め立て地の高層ビルに移そうなんてことを考えたのね…

(1) 防潮堤の津波浸水対策の推進
(2) 消防施設・装備の充実(大阪消防庁の設立)
(3) 災害に強いみどり空間の整備
(4) 府強靭化計画による防災力強化
(5) 拠点病院の耐震化補助

他にもたくさん防災減災でしなければならないことがたくさんあるんだけども,防災に関する詳細な指摘は防災の専門家に任せることとして,一点突っ込みを入れておこう.

これ→「府強靭化計画」

”強靱化”のキーワードは,自民党が国政与党に戻ってくる前から,小チンピラのおバカ学者こと藤井聡先生が提唱していたお話で,その後,内閣官房参与(防災・減災ニューディール政策担当)就任→国策化→法制化の流れをくむものなんだが,堂々と入れちゃうのね.いいんですよ.大事なことですからw.

つづく

在阪マスコミは,そろそろ社会部だけじゃなくて政治部を創設した方がいい時期に来ていると思う.(あーこわいこわい.)

名古屋―大阪のリニア整備で初の意見交換

こういう記事がある.

リニア中央新幹線の名古屋-大阪間の整備に関し、関西財界とJR東海の首脳による意見交換の場が初めてもたれたことが29日、分かった。大阪への同時開業を求める関西財界…名古屋―大阪のリニア整備で初の意見交換 関西財界とJR東海社長

ずいぶん前からいろんな人が…例えば大阪の名物首長さんや政府与党のプロジェクトチームとかが…大阪までの同時開業を目指してアプローチしているんだけど,毎度同じ反応しか返ってきていない.そろそろ「お願いベース」のアプローチは止めて,理詰めの実効性のある方法に切り替えた方がいいかも.

大阪まで同時開業しない理由の一つは,鉄道会社の資金問題だが,資金問題が解決してもいろんな思惑があって動こうとしない可能性もある.その場合は,全国新幹線鉄道整備法とその関連政令である整備法施行令をよく読むと,実は答えが書いてある可能性がある.

…が,まだそこまで踏み込んだアプローチをしているセクションはない模様.

阪神淡路大震災から20年

布団に入れば一瞬で寝る特技があったはずなのだが,振替休日だった1995年1月16日の夜は一睡もできず,当時住んでいた京都市山科区の賃貸マンションから,妙に明るい満月を1時間おきくらいに眺めていた.

もうすぐ夜が明けそうだなと思いながら,うつらうつら眠気が差したその時,カタカタカタ・・・あ,地震だ.

カックン,カックン,カックン・・・これ,マズいやつや.和歌山県北部育ちなので,直下の地震の様子はよくわかる.震度大きめでも小刻みに揺れて,割と短時間で終わる.希に遠くで大きな地震があったときには揺れは小さいながらもユッサユッサとゆっくり揺れて長い.で,この揺れはユッサユッサで,しかも揺れが大きい.これ,マズいやつや.遠くで大きな地震が起きてる.

揺れが収まると同時にテレビをつける.テレビ台の上のうっすら積もった埃のせいで,10cmほどテレビがずれ動いているのがわかった.後は皆様の知るとおり.

3日後に阪急電車が西宮北口まで動いたというので,そこから徒歩で神戸に向かった.

E3 E1 D5
D4 D3 D2
D1 C6 C5
C3 C2 C1
B6 B5 B1
A4 A3 A2
A1 B2 B3

#上から三段目右端のシュプール号は,直前にキャンセルした乗車予定列車だったことが,後に判明(京都で降車予定だったが).ひぇーっ.

なぜ「遷都」や「首都機能移転」ではなく「バックアップ」なのかをゲスる

今から20-30年前には「遷都」についていろいろと議論があった.「首都機能移転」と言葉を変えても,基本的には首都を移すという意味では同じである.リニア新幹線整備とともに,首都を移転させたり,あるいは沿線に首都機能を分散させたりといった案が様々に議論されてきた.

ところが,実際に巨大地震が東北で発生し,全国地震動予測が改訂されて首都圏が大地震に襲われる可能性が高いことが明確になってきたにもかかわらず,「バックアップ」の議論しかできていない.そのバックアップも,なぜか立川らしい.それって,意味あるのか?

もし「遷都」あるいは「首都機能移転」が実施されると,東京のビル賃料や地価が下がり,不動産価値は低下するだろう.企業は土地や不動産を保有しているので,資産価値が減少すると含み損が増大し,何かと経済活動がしにくくなるかもしれない.

だが,まさかとは思うが,そんなことを考慮して,東京の会社に気配りするあまり,「遷都」あるいは「首都機能移転」をためらって東京の機能を残す「バックアップ」にとどまり,その「バックアップ」も骨抜き状態にしようとしているのなら具合が悪い.

そういえば,原子炉の資産価値低下を心配して,海水注入を躊躇して事故をこじらせた前政権と電力会社というのもあったっけ.

早急に東京の経済活動を「疎開」させ,少なくとも本格的な「バックアップ」,できれば「遷都」あるいは「首都機能移転」が実施されなければマズいぞ.

今の日本は「東京転けたら,みな転けた」になりかねないので,このままでは30年以内の日本の滅亡確率が70%なのかもしれない.

初夢鉄道(リニア編)

夢で見たことなので,ツッコミ無用である.

こんな夢を見た.その夢の中では,リニアの東京-大阪間はもちろん完成している.使いにくいと言われた品川駅はサブターミナル化し,リニアは東京駅に乗り入れている.あまりの所要時間の差があったため,東海道新幹線を使う人が少なくなり,東京駅には14-19番線の6線も必要なくなった.そこで14-15番線だけ残して残りはリニア用ホームに改造されている.14-15番線も東北新幹線と直通できるように配線変更されて首都圏内はスルー運転されており,もはや東京行きあるいは上野行きなどと言った新幹線は珍しくなっている.

致命的な被害はなかったものの,首都圏でM6クラスの直下地震が発生したことを機に首都機能の本格的な受け皿を関西に求めることになり,ある程度まとまった土地が探された.その影響もあり,リニアの名古屋以西ルートは京都と奈良で揉めていたが,京都でも奈良でもない場所にリニア駅ができることになり,同時に副首都駅になった.副首都機能の稼働開始間もなくして大地震と大津波が太平洋岸を襲い,静岡県下の東海道新幹線の海岸に近い区間では復旧に数年以上の期間を要する被害が出ている.新幹線の線路を内陸に付け替えるべきかどうかで議論が出ているようだが,結論は出ていない.

終点は大方の予想どおり新大阪駅になった.関西空港への延伸の要望はあったものの,空港アクセス客を運ぶほど線路容量に余裕がなるわけではないことが分かってきたため,関空アクセスの改善は別の方法が採用されることになった.航空ネットワークと鉄道ネットワークの結合政策の影響もある.

リニアは500km/h運転で営業開始されたが,開業後も数々のデータやノウハウが蓄積し,もう少しスピードアップできることが分かってきた.東京-大阪間67分であったものをほんとうに1時間で結ぶべく,600km/hでの営業運転が検討され始めており,試験運転では700km/hも記録されている.

リニアの完成により三大都市圏のリニア駅の拠点性が高まったので,全国的な幹線鉄道網の再編の気運が盛り上がってきており,同時に便利な鉄道網と航空ネットワークの結合も実現しそうである.

・・・と,ここまで見たところで目が覚めた.あけましておめでとうございます.

地震動予測地図とリニアの中京圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察を継続中.このファイルのp.72やp.108を引き続き見ている.今回は中京編.
リニア名古屋駅は地震のリスクが高いが,一応地下駅なのでその点はクリアできる.しかし,名古屋人ならよく知っていると思うが名駅周辺は大雨で浸水しやすく,先日も市営地下鉄東山線が水没しかけた.名古屋駅へのアクセスは新幹線,JR在来線,名鉄,近鉄,地下鉄であり,地下鉄2系統あるので品川よりはマシである.名鉄と近鉄は駅は地下だがすぐに地上に出るので,地下鉄ではない.大地震で地上走行の鉄道が使えなくなると,リニアと地下鉄2系統だけが生き残るという可能性はありそう.

 地下鉄が動けば名古屋市の窓口として機能しうるが,市外を含めてのサブターミナルとしては隣の中津川になる.地震リスクは名古屋より幾分マシ.ここからは何とか中央線,太多線,高山線経由で岐阜や日本海側にアクセスできないこともないが広域アクセスは弱そう.
名古屋以西のルートについては明らかになっていないが,下馬評ではリニア名古屋駅の西隣駅は亀山あたりではないかということになっている.地震リスクは名古屋とあんまり変わらないか幾分マシ程度.濃尾平野は遠く,もはや中京都市圏の代理窓口にはなり得なさそう.広域的な幹線も無い.
もしも名古屋駅から新大阪駅までほぼ真っ直ぐにリニアが敷かれた場合は,勝手に員弁あたりと想像してみるが,道路網はそれなりに使えるものの,他の鉄道との連携はほとんど期待できない.広域アクセス拠点にもなりにくい.
ということで,中京圏については岐阜県駅(中津川)はある程度中京圏の臨時ターミナルにはなり得るが,三重県駅にはあまり代替機能は期待できず,名古屋市営地下鉄をどうやって動かすか考えた方が良さそう.こういう事態になれば東海道新幹線には期待できないので,広域アクセスはリニア以外なくなり,広域鉄道網の結節点機能は無くなる.(ということは,名古屋暫定開業状態では,東西間バイパス機能は発揮できないということ.)

地震動予測地図とリニアの首都圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察を継続中.このファイルのp.72やp.108を引き続き見ている.
リニアは首都圏,中京圏,近畿圏を結ぶことが大きな目的であるが,同時に東海道新幹線の代役でもあるので東海道新幹線途絶時においても三大都市圏を何とか結ぶとともに広域鉄道網の要の役割を継続しなくてはならない.これが三大都市圏結節鉄道のBCPの要求水準である.
さて,首都圏のターミナルはご存じ品川駅であるが,(地下なので地震に対しては大丈夫ということになっているが)海岸に近くて浸水の心配がされる地区でもある.一応,高潮津波は多少防潮堤を整備すれば大丈夫ということにはなっている.リニア品川駅が無事でも,そこへのアクセスはインフラが古いJR在来線が主体であり,リニア品川駅が無事でも地上の品川駅付近の線路が地震動で使えないということが起こりうる.

 ということは,実はリニアのバイパス機能を有効に働かせるためには,各都市圏においてサブターミナルが重要ということになる.サブターミナルは各都市圏に対してのアクセスが十分に可能であるとともに,広域アクセスの要になっている東海道新幹線の代役という点では,一時的にであっても広域アクセスが可能であることが求められるということになろう.

さて,首都圏ではリニア品川駅の西隣はリニア神奈川県駅で,相模原市の橋本駅付近ということになっている.地震リスクは品川より幾分マシ.

 JR横浜線と相模線で南北方向に,京王線で東方向に移動できるので,品川付近だけが使えない場合は首都圏の代理窓口として機能しうる.広域アクセスについては,新幹線を含むJRの幹線が遠く,難ありである.八王子まで出れば中央線があるが,リニアできた人がここから中央線で甲府方面に行くことは考えにくいので,あまり意味はない.

ということで,広域アクセスに難アリなので,全国的鉄道網としては首都圏そのものを迂回するルートを確保した方が良さそう,という結論になる.

地震動予測地図と首都機能バックアップ

全国地震動予測地図2014年版が公開されたので,観察を継続.引き続き,このファイルを見ながらのお話し.
まず現状において政府は首都機能の代替地を「立川」としているらしいが,霞ヶ関よりは地震のリスクは幾分マシなものの,近すぎだよね.いざとなったら自衛隊駐屯地や横田基地からさっさと逃げられはするのだが,近すぎるとまずい理由はいくつかあるが・・・

  1. 地震動そのものの被害を都心と同時に受ける可能性がある
  2. 電源や通信,交通などのインフラは立川からコントロールされているわけではないので,都心と同時に機能停止に陥る可能性がある
  3. 航空(軍用)以外の広域アクセスに劣る
  4. 政府中枢以外のバックアップができない(民間との連携がしにくいのでは?)

などなど.
以前に勝手にリストアップした各地については,伊丹空港,万博公園,祝園演習場,長池演習場のいずれも地震のリスクについては立川と同程度のように見える.
ところで「立川」って首都圏の地震の原因の一つの「立川断層帯」の立川だよねぇ.都心と同時被災しないからOKなのか?

  1. そもそも,都心の大地震と立川付近の大地震は「独立事象」か?
    1. 内陸の断層が次々と連動したような例はいくつかある(慶長地震とか天正地震とか)
  2. 都心が被災して,立ち直らないうちに疎開した立川が被災することもあり得る

東日本大震災では構造物の被害そのものはさほど大きくはなかったものの,大騒ぎ状態になって首都圏が社会的に機能不全に陥ったんだが,それは考慮してないのね.「立川」って救援救助の前線基地なら分かるが,日本国を一時的にコントロールするという点では厳しそう.

地震動予測地図とリニア名古屋以西

全国地震動予測地図2014年版が公開されたので,観察してみる.以下,このファイルのp.72やp.108を見ながらのお話し.
まず東京-名古屋間のリニアのルートについて見ると,起点の東京が真っ赤(紫)で,途中経路以前にターミナル自体が比較的地震のリスクが高いことが確認できる.一応地下駅なので影響は小さいということになっているとは思うが,ディーゼルカーが走るわけではないので,電力供給や信号システム等を含めて全て完動して初めて運転できるはずなので,大丈夫かなぁ,である.
品川を出ると内陸方向ほぼ真西に進路を取るが,甲府盆地では富士川〜笛吹川付近がリスク高めであり,そこに山梨県駅が地上駅としてできる.2027年に暫定ターミナルになる名古屋駅は濃尾平野にあるが,ここも比較的リスクが高めになっている.
まぁ,それでも沿線ほとんど真っ赤っかの東海道新幹線よりははるかにマシなので,改善ではある.なお,日本海側はもっとリスクは小さい模様なので,東西間交通の途絶を完全回避したいなら,北陸新幹線は真剣に検討したいところ.
さて,奈良と京都でもめている名古屋以西については,予定どおりに三重県下を南西に進むとリスク高めの地域をかなり長距離進むことになる.その後進路を西にとって奈良を通過するが,奈良盆地がややリスク高めで南に振れれば振れるほどリスクが高くなる.さらに南南東側から新大阪に達すると思われるが,大阪平野でもリスク高めの地区を突っ切って行くことになる.ちなみに,この「大阪平野でリスク高めの地区」はレンコンの産地ではないかと思われる.
(そもそも濃尾平野を突っ切っている時点で心配事は多いのだがそれはさておき,)名古屋以西のルートについてなるべく地震のリスクが低そうなところを縫って行くとこうではないだろうか.
名古屋駅を南西側に出たら,そのまま南西に進むのではなく西に進路を変え,伊勢湾から速やかに遠ざかるとリスクは下がる.三重県駅は員弁あたりか?
(いろいろ緊張関係はあるが,それはさておき)進路を西に取ると滋賀県を通過するが,びわこに近づくと再度リスクが高くなるので,甲賀か信楽付近を通過するのがリスクが低そう.この辺からやや南に向きを変えて京都府下に入り,京田辺から木津川,京都奈良府県境にかけてのあたりを経て再び進路を西に変え,交野,寝屋川から新大阪に達するというのが比較的リスクが小さそう.(あぁ,つまり名古屋駅と新大阪駅をほぼ真っ直ぐに結ぶ,ということか.)
ちなみに,大阪産業大学のキャンパスのロケーションは・・・
リスク高そう・・・il||li _| ̄|〇 il||li

リニア新幹線整備の理由(名古屋以西編)

前にも書いたがと思うが,リニア新幹線建設の大きな理由は「南海トラフ大地震こわい」である.
災害復旧能力の高い日本といえども,大津波で新幹線の線路が流されたり,100キロ,200キロ単位で震度6−7地帯を通過すれば復旧に年単位を要する可能性がある.日本の国家運営に重大な影響を及ぼす可能性が非常に大きいほか,当の鉄道会社の経営も傾きかねない.
そこで,東京-名古屋間に別線で新幹線を建設する,それが中央新幹線である.バイパスである.
さて,「中央新幹線は東海道新幹線の災害対応のバイパス」のイメージが先行している関係で,全線にわたって新線を要していると思い込んでいる人が,専門家を含めて多いのだが,よく考えてみて欲しい.
南海トラフで年単位の不通区間を生じかねないのは「東京-名古屋間」である.名古屋から西は震度5−6弱の区間が続くので,被害皆無とは言わないが,バイパス新線をつくらないといけないほどの壊滅的被害を受ける可能性は低い.
名古屋以西のルートに関して,こっちを通ると断層が1本で,こっちだと2本,などと言う専門家もいるらしいが(そもそも,地震のリスクを断層の本数で云々と言っている時点で,真剣に考えているとは言い難いが),直下の地震で数ヶ月の不通があったとしても,数兆円掛けて新線を建設しなければならないほどの理由にはならない.今まで新幹線が地震で不通になった事例は数度あるが,いずれも復旧までの期間は3ヶ月程度以下である.
そういう観点からすると,リニア新幹線名古屋以西については名古屋以東とは異なる観点で建設の是非や方法について議論する必要がある.リスクヘッジだけの観点から言うと,鉄道会社にとっては名古屋以西の建設の意義はあまりなさそうである.その実,国や沿線,与党などから早期全線完成の働きかけがあっても反応が鈍い状況にある.資金計画などを見ても,本気で取りかかればもっと早期に完成しそうにも思えるが,「様子を見てから,名古屋から西側に取りかかろうかなぁ〜」という感じである.
※資金計画の分析については,また時間があるときにでも.
※災害対応を重視するのなら,主要ターミナルが海岸の近い低地の「品川駅」の地下,水害で水没しかねない「名古屋駅」の地下,河口に近い淀川付近で津波の指摘もある「新大阪駅」って,どうよ.災害の専門家なら,誰か突っ込んでも良さそうなもんだが,誰も突っ込まないのね.名古屋市営東山線て,こないだ名駅が水没しかかってたよね.