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あの貨物線がLRTに!?

「あの」とか言われても何のことがわからないと思う.個人的な驚きである.

18年前に1年ほどお世話になったカナダのWaterlooというオンタリオ州の地方都市.隣接するKitchenerと合わせて約30万ほどなので,LRTがあればちょうどいい規模ではある.

さて,そのKitchener-WaterlooにLRTの新線ができるらしい.

Kitchenerの中心部では路面走行もするようだ.

ここが…

こうなっている模様.

 

Waterloo大学の近くでは,ここが…

こうなっている模様.

LRT化する前の線路敷はこんな感じ.複線電化された模様.

現在はこんな感じの模様.

わからないものである.

 

…そんで,日本はどうなんだい

 

StrasbourgのBRT(G系統)走行路編

ストラスブールのG系統の走行路を郊外側から見てみよう.

郊外側終点のパークアンドライド停留所を出るとすぐに広幅員道路の中央部に分離帯を介して確保された2車線の専用レーンを走行する.一般車両はシャットアウトされ,もちろん,優先信号つきで,LRTと遜色ない定時性が確保されそうである.

郊外側のパークアンドライド停留所.

専用道へ.

道路の真ん中に立ってみる.

両側には一般車用のレーンが配置されるととみに,自転車道と歩道も確保されている.ここら辺の沿道は新規開発された企業団地のようだ.

しばらく専用レーンというか専用道路を走行すると,今度は一般車両と走行路を共用する区間が続く.沿道は集合住宅だ.だが,自動車交通は少なく,BRTの走行が邪魔されるレベルではない.

さらに進むと再び専用道になる.

しばらく専用道を進み,ストラスブールSNCF駅は近くなると,SNCFの線路の下をくぐる.この部分は復員が十分ではなく,信号機による「交互通行」になっている.

SNCF駅近くの一般道路部分については,専用レーンが確保されている.

SNCF駅着.

ストラスブールでもBRTを導入したんだから,連節バスでもいいじゃんと思っているあなた,大半の区間で専用道を確保してますけど同じことできますかねぇ.

 

StrasbourgのBRT(G系統)外から編

ストラスブールのG系統は連節バスの「BRT」である.車両を外から見てみよう.

まずは,前から.普通の連節バスである.

お尻.普通の連節バスである.車種はメルセデスベンツのシタロ(CITARO)だね.動力は最後部に付いているようだ.

1両目のドア.車椅子マークが付いており,ドア下部から渡し板を出すことができるようだ.

2両目のドア.ぴったり乗り場に沿うことができていない.

1両目のドアはぴったり乗り場に寄せることは可能なようである.

全体.ドアなし側(左側).

全体.ドアあり側(右側).

車両そのものについては,特に変わった様子のない普通の連節バスだね.

 

StrasbourgのBRT(G系統)内装編

ストラスブールのG系統に使われている連節バスの内装はというと,他都市の「BRT」の連節バスと変わらない.

2車体連節の1両目後部座席から1両目全体を眺めるとこんな感じ.前部の出入り口は運転席横を通るが,運賃収受をしているわけではない.車内にも運賃収受関係の機器類は一切なく,運賃箱も券売機も検札機もない.

今度は1両目後部座席から2両目方向を眺めると,こんな感じ.

車内上部にはこういう表示器が付いている.たぶん,NancyのTVR車内に付いていたものと同じ.路線図が表示されている.

時々,こういう表示に切り替わる.バスの現在位置表示だ.日本のバスでは見たことないね.カーナビメーカーは,こういう表示システム作ってバス会社に売り込めばいいのにね.(既に特許とられてるかも)

1両目の中央部分は大々的に車椅子&ベビーカースペースである.混雑時には大人数収容空間にもなっているので,一時期山手線や京浜東北線で走っていた6扉立ち席車両と同じ役割も果たしている.

連結部分越しに,1両目後部座席を見るとこんな感じ.左右のタイヤハウス上に2席の座席があり,タイヤハウス間は狭い.車椅子が通れる幅もなく,日本的基準ではバリアフリーではない.ただし,信用乗車が実施されているので,そもそも日本のように車内を大移動する必要がない.椅子はタイヤハウス上なので,結構「標高」がある.

最後部はエンジンなど機械類がある関係で,座席は「丘の上」にあり,バリアフリーにはほど遠い.

StrasbourgのBRT(G系統)イントロダクション

ストラスブールというとLRTで有名で,訪れるたびに路線網が拡大している.

最近できた「G」という系統はというと,「BRT」である.始点の中央駅から終点のP&R拠点まで,片道約15分という比較的短距離路線であるとともに,中心市街地を通るわけでもないので,客数がやや少なそうということがゴムタイヤ系採用の判断材料か?

こんなやつ.

路線は,こんな感じ.

こう紹介すると,「ほーら,連節バスで十分じゃないか」という人もいるだろうが,MetzやNancyと同じく,ストラスブールについても「真似するなら全部真似しろよ」と言いたくなる要素がてんこ盛りであった.

(つづく)

 

NancyのBRT(TVR)停留所編

NancyのTVRの停留所のお話.といっても,ほとんど欧州の標準的なLRT停留所と変わらない.

低いプラットホームに屋根付き停留所.電光掲示と自動券売機,それから時刻表と路線図,運賃の案内.

終点の停留所では,バス路線と対面乗換.

ということで,あんまり新規情報はないが,「BRT」を名乗るなら,LRTと同程度のクオリティの停留所が必要,というお話.

ただし,このNancyのBRT(TVR)であるが,1本レールのトラム区間と無軌条のバス区間があり,バス区間についてはLRTとあまり変わらない停留所もあれば,街路沿いの単なるバス停もある.

 

NancyのBRT(TVR)バリアフリー編

Nancyで採用されたTVRは単なるバスベースのBRTに比べると,車内はともかく出入り口のバリアフリー度は高い.

単なる連節バスの場合,停留所の「プラットホーム」に車体を寄せるのには限界があるが,TVRはレールで案内されているので,単なる連節バスよりも隙間はかなり小さい.その分,単なる長いバスに比べてバリアフリー度は高い.

日本で単なる連節バスを「BRT」と呼ぼうという風潮があるが,バリアフリー度は一本レールの案内であってもTVRやトランスロールの方が優れている.いわんやおや,LRTもドアとプラットホームの間はいちいち乗務員が出てきて板を渡す必要のないレベルである.

乗客数が一定規模なら自動的に「BRT」になるわけではない.

 

Metzの3連節BRT(走行空間編)

日本の「BRT」とは異なり,ちゃんとした「BRT」は原則として専用走行空間が確保されている.郊外の専用道路の場合もあれば……

大学の敷地内の専用道路の場合もある.下の写真はソルシー大学の構内で,ぐるっと1周する「単線」の専用道路だ.

市街地内では元々あった道路をBRTの路線にしており,一般車両のレーンを制限しても専用のレーンを確保している.

元々あった街路なので,BRT用の2車線を十分に確保できない場合もある.そういう場合は信号機をつかって交互通行だ.

中心街部分は公共交通専用の通路と歩道の組合せ,つまり,いわゆるトランジットモールだ.ここは石畳になっている.残念ながらBRTの乗り心地はガタガタしており,あまり良くない.

中央駅前広場も一般車と区別されており,石畳の専用通路だ.

時には専用通路を確保することが難しい場合もある.そんなときには一般車両とレーンを共有することもある.下の写真は片方向は専用通路になっているが,反対方向は一般車とレーンが共通である.

十分な広さが確保できる場合は一般者用の道路と別に歩道やBRT専用道路が建設される.

日本の「BRT」って一般車に交じって運転されてるところがあるんだってねぇ.それって単なるバスだよね.

 

Metzの3連節BRT(停留所編)

Metzの3連節バスを使ったシステムが単なる「長いバス」でないのは,車両以外の部分がほぼ完全にLRTと同じシステムになっているからである.

例えばこれは停留所.両側の広告は近年日本でもおなじみになりつつある「JCDecaux」の文字が入っており,停留所の管理はこの会社の広告収入を原資にしていることがわかる.

設備的には,街灯,ゴミ箱,大きな屋根,椅子,切符類の券売機,駅名標,路線図,時刻表,電光掲示,プラットホームである.(メルシー病院前)

バスが到着するとこんな感じ.(ポンピドゥセンター前)

別の停留所でも,基本仕様は同じである.(ソルシー)

停留所に券売機があることからわかるように,事前に乗車券の購入が必要であり,車内には券売機類はなく,運転士も運賃収受には一切関与しない「信用乗車」が導入されている.

また,電光表示器があることからわかるように,バスの位置は管理されており,いつ来るかわからない,などということはない.

線路さえ敷けばLRTと寸分違わないシステムになっている.

ここまでするのなら「BRT」を名乗ってもいいかもしれないが,バスだけどこかから買ってきてきても,それは単なる「長いバス」である.画竜点睛を欠く.

 

国境を越える路面電車(2)

フランス東部のストラスブールの中央駅の地下から,D系統のトラムに乗って約30分.

ストラスブール市の郊外までやってくると,路面電車は橋を渡る.

 

橋を渡ったところはドイツのケールだ.

電停は多くの客で賑わっている.オレンジ色のはっぴのような服を着たおじさんは,どうやら券売機の操作方法を教えているようだ.まだ延伸開業して半年経過していないので,慣れない利用者が多いようだ.

この多くの客は何の目的でケールにやってきたのか不思議だったので,後をついて行ってみた…

しばらく歩くと,そこには,ケール市の中心商店街があった.

ここの「国際列車」は日常生活レベルでケール市とストラスブール市を結びつけたわけやね.