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ここに駅があった

南海住吉大社駅.ここには,ほんの少し前まで路面電車の駅があった.

今は柵で囲われているこの奧にあった.

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電車が発着していた頃は,心持ち賑わいが感じられたが,今は寒々とした雰囲気だ.

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廃止されたのは,ごくわずかな区間である.

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かつては,ちゃんとここに電車が発着していた.

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今や何もないこの更地も…

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電車がたたずんでいた.

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春日三球・照代さんに教えてあげたい

かつて,春日三球・照代という漫才師のネタで,「地下鉄の電車はどこから入れたんでしょうね? 考えると夜も寝られなくなっちゃう」というのがあった.

あらかじめ地面に埋めておいて線路を造って行くうちに掘り当てるとか,地下鉄の駅の階段から入れたとか,いくつかバリエーションがあったが…

どこかで地上に出る地下鉄なら,そこから入れればいいし,車庫はこっそり郊外や港湾地区の地上に造っている地下鉄もある.

でも,中には全線地下で,車庫も地下にあるような地下鉄があって,どこから入れたのか,ほんとにわからないのもある.端から端まで見張っているわけにはいかないので,よそ見している間にこっそり入れたに違いないが,どこから入れたんだろうか.

そう言えば,レールも長物なので,何年か経つと交換用のものをどこからか入れなければ交換できない.レールなら階段から入れられないこともなさそうだが,踊り場で困りそうだな.

そんな疑問の答えが…これか.この写真の鉄板は,その「地下鉄を入れた穴」なのか?

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奧の幅広の鉄板を取り外すと電車が入れられるようになるらしい.交換用のレールは電車よりも長いので,レール搬入時には手前のやや小さな鉄板を奧の鉄板とともに取り外すらしい.

奧の鉄板の話はネットをググると書いてあるようだが,レールの件は他には書いて無さそうだ.ということで,レールの件は,”だまってよなぁ〜”.

さてさて,今晩はゆっくり寝られそうだ.

遠方信号機

線路際の信号機は,赤橙緑のランプの後ろに黒い遮光板が付いており,その板は真四角では無くて上下端が丸くなっているのが標準である.

だが,たまに田舎の路線で真四角の黒い板がくっついた信号機が設置されていることがある.

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遠方信号機という名前で,駅の手前の信号機の,さらに手前に設置されていることが多い.

鉄道の信号機は,その横を通過すると緑→赤などと変化してその先に列車を入れないようにするのだが,この遠方信号機にはそんな機能は無く,この先にある信号機の表示している内容の一段上を示す,という単純な機能しか無い.

つまり,上の写真だとこの先の信号機(駅の直前の信号機)は橙(または緑)だということである.もしも橙色を示した遠方信号機があったら,この先の信号機は赤だということなので,ブレーキをかけた方がよい,と言うことである.

田舎の路線に多いのは,単線区間でなおかつ信号保安装置が簡易な装置しかついていない路線に限られているからである.どの程度簡易かというと,駅間の途中では原則として列車が居るかどうかを検知せず,駅を出発したことと隣の駅についたことを検知して(イン-アウトだけ管理),その間の状態なら駅間に列車が居るはず,と判断するというものである.

何事もなく動いているときには特に問題がないが,(通常はそんなことは発生しないが)駅を出発したことの検知に失敗すると途中に列車が居るかどうか知る方法が無いので,正面衝突してしまうことがある.(事故は様々な要因が重なった結果であるが)かつての信楽高原鉄道線もそのような信号システムであった.

来週14日で信楽高原鉄道事故から25年になる.鉄道の保安装置って,直接営業成績に結びつかないけど,大事だね.

複線化を→話進まず

大都市から離れると,線路際でよくこういったスローガンを見かける.

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日本全国で複線化や電化を目指している鉄道線は多い.

じゃぁ,(米国はダメダメだが)欧州はというと,余程でない限りローカル線であっても複線化や電化はほぼ実現されている.少なくとも特急や急行相当の列車が走っているようなところで単線非電化にはお目にかかったことが無い.

この差はどこから来るかというと,ほぼ「カネ」である.ちゃんと財源が確保されているということ.日本でいうところのガソリン税相当の税金がちゃんと公共交通に還元されており,ローカル線の複線化・電化・路線改良・新車購入といったインフラ投資にまわっているのはもちろんのこと,日々の運営費にも資金が投入されている.

一方,日本ではガソリン税は「自動車ユーザー」という名のニアリーイコール国民の利用する道路投資にまわされていた.その道路すら,今や一般会計を通して投資されるようになり,ガソリン税は単なる普通の税金になってしまった.

インフラ投資しないと,後々困るぞ.いつまでも使えると思うな,何とやら.

なお,JRに期待する声は多いが,近年JR各社が自ら進んでローカル線に単独投資した事例はほとんどない模様.

準備工事?

インフラ整備の際,こっそりと準備工事なるものがされていることは多い.些細な仕様変更さえしておけば,後々関連施設が拡張される際に出戻り工事が不要になっている,という類である.評論家が好きなネタだね.針の穴ほどの話を膨らませて本を書いたりするやつ.

例えば有名どころでは新大阪駅の在来線ホームや地下鉄御堂筋線ホームには新幹線ホームを増設する際の橋脚が準備されていたり,上越新幹線の長岡駅には羽越新幹線用のホーム空間があったりとか,そんな感じである.

そこまでたいそうでなくても,地味な準備工事はあちこちで見かける.例えば,この道路が線路を越える陸橋.単線なら線路を通す穴はもう少し小さくても良さそうなものだが,線路をどちらかに寄せれば複線が通せそうなだけの大きさにしてあるように見える.

どうせ陸橋を作るなら,線路を越える部分の橋の長さが3〜4m伸びたところで,大して工事費は変わらない,ということだろう.

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ところが,準備工事実施時には想定していなかった事態が起こると対応させるのに苦慮することもある.上の写真の陸橋に近づくと…

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線路の上空の架線がちょっと変である.陸橋の下をくぐる部分だけ上空の電線が3本になっている.電線を通すには高さが足りないようで,ぎりぎりまで電線を低くしている.

電線を低くすると,電車側のパンタグラフの電線を押し上げる力が強くなる(基本的にはバネなので)ので,その力強くなってしまったパンタグラフに「対抗」するために電線側を3本にしてあるわけだ.

つまり,陸橋の下の空間は,複線化は想定していたものの,電化はあんまり考えていなかった,ということだろうか.

将来を見越してインフラ整備をする,っって,言うのは簡単だけど結構難しいね.

Park&Rail駅?

さらに電車で約1時間.終点.

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ここも…「Park & Rail」である.ここまでしないと乗ってくれないわけやね.

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こっちはさらに奥地なので,大阪方面の電車のピークは6時台である.福知山線の篠山口と福知山の間は単線であり,毎時片道あたり特急と普通が1本ずつが限界のはずの線路容量だが,大阪方面の一方通行状態のように線路を使って”限界突破”である.

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ということで,ここも周辺は駐車場だらけ.

https://www.google.co.jp/maps/@35.2962822,135.1182641,642m/data=!3m1!1e3

fukuchi

やっぱりクルマ社会だね.

「やりとかぶとで排除する!」奈良知事が京都けん制 リニア誘致巡り発言は敵対心あらわに – 産経WEST

こういう記事があった.

荒井正吾奈良県知事は25日、リニア中央新幹線の名古屋以西のルートを巡り、京都府内の自治体が誘致活動を続けていることを踏まえ「京都は『やり』と『かぶと』で排除する…情報源: 「やりとかぶとで排除する!」奈良知事が京都けん制 リニア誘致巡り発言は敵対心あらわに – 産経WEST

えーと,気持ちは分かるが,そろそろ次のステップに入ろうよ.空港建設や工場誘致と違って,鉄道は駅の前後に線路が必ずくっつく上に,広域交通インフラは単なる1都市の玄関口ではなくて,かなり駅勢圏が広くなるので,1地域単独ではあんまり良いインフラ整備が出来ないんだが.

リニアの整備計画格上げから数年,他の新幹線整備の話も進みつつあり,世の中,次のステップに進みつつありますよ…

ハブ&スポーク

数年前の話である.京都市右京区の山奥の高校に行ったときのお話.通常なら自家用車で行くことを考えるような場所だが,職業柄,何とか公共交通で往復できるかどうか検討した結果,JRバスを終点まで乗ってそこから地元の生活用のバス(京北ふるさとバス)に乗れば行けるということがわかった.

帰りはこのバス停から”ふるさとバス”に乗る.

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●印つきの休日運休のバス便が多いのは,通学バスを兼ねているからのようだ.本数が多いとはいいがたいが,結構がんばって運行させている方である.

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までバスが来るまでしばらくある.あたりを見渡すと…ん?

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ああぁ,やってるやってる.小学校の頃って,こんな感じだったよなぁ.

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そして,バスの時間になると上級生のかけ声で整列.「背の順に並んで…」だそうな.ということで,オッサンは列の最後にならぶ羽目に.

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数キロ走って周山のバスターミナル.ここから京都駅まではJRバス.1時間以上かかる.

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このバスターミナルには,地域一帯を結んでいるバスの時刻表が架かっているが,面白いのはほぼ同じ時刻に6〜7方面に一斉にバスが出発していることだ.経費を抑えるのなら,1台のバスを使って出発時刻と行き先を変えて運行させることもできるだろう.でも,ここは京都駅からのJRバスがやってきたのに合わせて一斉に各方面に出発させて乗換を確実にしている.もちろん,地域内のバスも相互にこの小さなバスターミナルで相互に乗り継げる.

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こういうシステムは,便数の少ない地域で有効なシステムだね.本数が少ないなら少ないなりの工夫がある.

あんまり有名ではないが,いい地域交通システムだ.(今も機能してるのかな?)
スイスの幹線鉄道システムも,基本的にはこれと同じ.

車イス対応のエスカレータ

なかなかお目にかかれない「車イス対応のエスカレータ」の稼働状態.

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2段セットでせり上がり,もう一段が斜めになる.さらに車止めまで飛び出す芸の細かさ.

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上から見ると,こんな感じ.

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バリアフリー施設なんだけど,駅員に頼んでおかないと,その場で「ボタン一発」というわけにはいかないんだよなぁ.

ナントの乗換拠点

よく,LRTを紹介する際には「電車とバスが同じ平面内で乗り換えられます」みたいな写真を示すことが多い.

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確かにそういう構造の拠点は多いのだが,もっと引きの構図で撮ってみると…駐車場併設だったりする.

交通拠点なので,自動車との乗り換えも当然,という発想かな.

ストラスブールの「鉄の男広場」も円形モニュメントのある広場の地下は駐車場だね.