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Metzの3連節BRT(外から編)

フランス東部のMetzの三連節バス.全体像はこんな感じ.この写真は右側が前(運転席側).1両目が前後の2軸で,その後ろに後ろ側だけ車輪のある2両目,さらに後輪だけの3両目がつながっている.

ステアリングは1両目の前輪と3両目の後輪だけに付いているようで,1両目の後輪と2両目の後輪は固定のようだ.つまり,通常の連節バスの後ろに,さらにステアリングつきの3両目がくっついている形.

下の写真は運転席側.一方向にしか走らないので,運転席はここだけ.狭い専用道路を走っているが,コマが付いた自動操舵というわけではない.

「ホーム」と車体の隙間はこの程度.健常者にはほとんど問題ないが,車椅子が自力で越えられる隙間ではない.

ということなので,1両目の前のドアの下には,自動で板が出てくる装置が付いている模様.

こちらの写真は,後ろ姿.つまり,運転席の有無にかかわらず,外観はほぼ同じに設計されており,「LRT風」になっているということ.

エンジンは3両目の後ろ側から音が聞こえてくるので,この運転席風のスペースの下側に収まっていると思われる.

エンジン直近の1軸だけが動軸だとまともに走行できそうもないので,他の車輪が動軸になっていると思われる.低床式バスなので,床下に推進軸があるわけでもないため,エンジンで発電してモータを回す方法だろうと思われる.

 

Metzの3連節BRT(内装編)

日本では単なる連節バスを「BRT」と紹介しているようであるが,欧州では既に三連節バスが走り始めており,これを使ったBRTシステムが構築されている都市がある.

日本でも紹介が始まっているフランス東部のMetzの三連節バス.話題になりつつあるので,百聞は一見にしかず,ということで行ってみた.

通常は外側からの紹介が多いだろうが,写真整理の都合上,三連節バスの内装の紹介からである.外観の色は3-4種類あるが(緑青紫橙?),路線系統別に色分けされているわけではなく,どの色のバスが走ってくるかは決まっていない.

これは緑.前面を写しているように見えるが,実は後ろ姿である.

外観のアクセントカラーと内装のアクセントカラーは同じものが使われており,緑のバスの内装は緑系である.

下の写真は1両目後ろ側から2両目の中を写したもの.2両目は前の方にはタイヤがなくて床がフラットであり,椅子の下は空間が空いている.ここで盲導犬や介助犬が寝ていることも.

2両目の後部はタイヤの部分が出っ張っており,出っ張りの上に椅子がある.手前の円形部分は連結部分であり,ここに立っていると曲線通過時にぐるぐる回る.

3両目の一番後ろはエンジンがあったりする関係で一段高いところに5席並んでいる.手前のポールにはICカード式の乗車券のリーダーがある.

下の写真は(紫系のバスの)1両目の後ろから運転席方向を写したものである.手前の椅子左右2席ずつはタイヤハウスの上に配置されており,かなり「標高」が高い.タイヤが丸形なので,席が背中合わせになっている.ボックス席状にするためか,さらにその前の席についても「標高」が高い(タイヤハウスがあるわけではない).

左右の席間はかなり狭く,車椅子が通過できるような幅はない.通常の乗客についてもこの隙間を常々移動させるような設計ではないように見える.

丸形のタイヤハウスに席が背中合わせ…とは,こういう状態.無理矢理全席進行方向を向かせて,足の置き場に困る日本のノンステップバスよりはずっと居住性が高い.

車椅子スペースは1両目の運転席直後のドア付近に確保されており,かなり広い.この1両目のドアから出入りすることを想定している模様.写真中央奥の席はタイヤハウスの上に設置されており,席は進行方向と逆向きである.

わかりにくいが,写っている2席の向こう側は運転席であり,運転士が運賃収受等をするような設計には全くなっていない.日本のJRの電車のように客席と運転席は完全に分かれている.

収容定員は,座席40,立ち席115,車椅子2の模様.製造メーカーはベルギーのVAN HOOLというメーカで,ExquiCity 24というタイプの模様.

動力源は通常のディーゼルエンジンの他,天然ガス仕様,トロリーバスとのハイブリッドタイプ,燃料電池,電気運転等々様々なものが準備されている模様.

残念ながら,日本の大型車メーカでは真似できないねぇ.

やはり日本の公共交通は,車両の面でも遅れているかも.

 

この踏切が閉まるのは列車通過の●分前

日本の大都市には「開かずの踏切」があり,何かと都市計画上の大きな門痔になったりなんかする.抜本的に解決するには,何百億円もかけて立体交差にするわけで,結構やっかいだ.

さて,ドイツのザールブリュッケンから郊外方向に近郊電車S1で15分ほど乗ると,Kleinblittersdorfという小さなまちの駅に達する.試しに降りてみる.

近郊電車と言っても路面電車がそのまま郊外鉄道線を走るTram-Trainだ.終点まで乗り続けると,国境を越えてフランスのサルグミヌまで行ってしまう.

写真には踏切が写っており,橋を渡った向こうの奥の教会はフランス.こっちはドイツ.そんな場所である.この踏切,警報器が付いているものの,音は一切発することなくいきなり赤ランプが点滅して遮断機が降りる.

さて,何がやってくるのかなぁ…私の乗る電車まではまだ6〜7分もあるのに.

何も起こらない.

2〜3分経過.

何も起こらない.

仕方がないので,電車に乗るべくホームに向かうと電車がやってきた.

そして,電車がホームに着くと,電車の後方に位置するあの踏切が上がった.

こんな場所で,数分も前から遮断機を下ろしているわけだな.んんん〜

 

カールスルーエの「絶滅危惧種」Regio Bistro

カールスルーエには,かつて世にも珍しい「食堂車つき路面電車」が走っていた.何度か外から見かけたことがあったが,乗れず仕舞いで,近年は既に食堂車設備が廃止になって見かけなくなってしまっていた.

ところが…

こ,これは実物ではないか.急遽予定を変更し,このトラムの行き先も確認せずに乗車してみた.

これが「食堂車」の車内だ.

厨房はこんな様子だ.


厨房設備は,電子レンジ,流し台,コーヒーメーカか? 残念ながら営業はしていなかった.

座席にはテーブルがあり,なんとトイレ付きである.

どうやらこれら設備を撤去して,単なる座席に取り替えられている編成がほとんどのようだ.さようなら,幻の食堂車つき路面電車.営業中に乗ってみたかった.

ところで,日本には特急はおろか,新幹線にも食堂がないんだって?

 

ドイツの不通区間でバス代行に乗ってみた

件の不通区間は全く人ごとではなく,自らの行程の一部にもなっている.

当初予定ではフライブルクをICEで昼前に出て,カールスルーエに正午頃到着の予定であった.

Freiburg(Breisgau) Hbf(1057発)→ICE370→ Karlsruhe Hbf(1158着)

ところが,この区間にBaden-BadenとRastattの不通区間が含まれている.

そこで,こういう計画を立てた.きっと臨時ICやそれに接続する代行バスは混んでるだろうから,ローカル列車乗り継ぎコースにしよう.具体的には…

Feiburg(1003発)→ RE →Offenburg(1053着)
Offenburg(1102発)→ RE →Baden-Baden(1127着)
Baden-Baden(1133発)→ 代行バス →Rastatt(1154着)
Rastatt(1202発)→ S7 →Karlsruhe(1226着)

…最後の「S7」が微妙で,ドイツ鉄道が運行している列車なら乗れるのだが,カールスルーエの場合は黄色い路面電車が幹線の上を走るという代物である.基本的にはレールパスの使用対象ではなく,「アブタール鉄道」という会社が運行している.けれども「非常事態」なので,乗せてくれる可能性もある.Rastatt駅で聞いてみよう.

さて,実際はこうなった.まずは,予定通り出発.

Feiburg(1003発)→ RE →Offenburg(1053着)

Offenburg(1102発)→ RE →Baden-Baden(1127着)

ここまで,予定通り.そして,バーデンバーデンに到着.

人の流れにくっついてゆくと,電車のマークが表示されたバスがあった.3台待機しており,2台目に乗れた.「普通の連節バス」だ.検札も何もないが,ええのか?

そして,走ること約20分.Rastatt駅に着くと,本来は既に出発しているはずのベルリン行きICEが待っていた.

ということで,カールスルーエにはほぼ当初予定通り到着.バスの迂回コースはこんな感じであった.見事にあの区間を迂回している.

 

新潟空港アクセスは上越新幹線の延伸 あるいは …

このお話…

新潟県政の長年の課題となっている新潟空港(新潟市東区)のアクセス改善策をめぐり、米山隆一知事が年内に一定の方向性を打ち出すことに意欲をみせている。焦点は、下りの…

情報源: 新潟空港アクセス改善策、焦点は上越新幹線の延伸 年内に方向性 知事が意欲 – 産経ニュース

在来線を伸ばすか,新幹線を伸ばすか,という議論のようだが,延長が数キロしかないので,新潟駅を基準にするとどっちを伸ばしても大した差はない.

問題はその先(新潟駅以遠)で,新潟空港にはどこから客を集めたいのか,という点が重要.在来線だと新潟空港からあまり遠くからは集客しにくいが,比較的こまめに客を拾える可能性がある.新幹線だと燕三条,長岡,湯沢の各駅周辺が主な対象かな?

新線整備するなら,最初から狭軌と標準軌の三線軌を敷いておいて新幹線も在来線も両方走行できるようにしておくという手もないではない.(電源や信号が面倒そうだけど.)

なお,うまいことやれば,ホームは共用できる可能性はある(↓).
フル規格新幹線と在来線車両に関するトリビア

新幹線にチャリ

新幹線への自転車持ち込みが「可否論争」になっているらしいが…

自転車ブームの裏で“新幹線に持ち込み”可否論争(2017/08/22 17:36)

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000108274.html

 

単に日本の新幹線の設備が遅れているだけだよね.(↓)

http://jp.france.fr/ja/information/25238/

http://www.sncf.com/en/services/sncf-velo

 

結局は摩擦力に頼ってるわけで…

東海道新幹線の浜松工場というと,十数年前のくそ暑い時期にガキんちょを出汁に見物に行ったところである.この工場の入り口付近にある出入庫線で例の脱線は発生したわけだが,レールをマクラギに犬釘で固定していたことが原因だそうな.

対策は,タイプレートという金具とレールの固定を板バネに変更すると書いてあるようだ.

…がしかし,リンク先のpdfが正しければ,そのタイプレートはマクラギに犬釘で固定するように見える.つまり,結局のところ,マクラギと犬釘の摩擦力に頼る構図は変わりないわけで,事故発生頻度は減りそうだが,抜本対策では無い模様.

本線の中古のコンクリート枕木あたりに交換した方が,摩擦力に頼らない分だけ確実かもしれないと思うのは気のせいか?

#いちいち言わなくても,保線担当者は知っていると思うが.

…で,軌道強化費用と保守費用込みのトータルのコストアップはどの程度?

フリーゲージトレインの話である.

検証走行試験やコスト削減策の検討を進めてきたようで,資料によると,FGTの経済性の検討結果は一般の新幹線と比較して製造コストが1.9倍,メンテナンスコストが2.7倍,全体では2.3倍らしい.

以前がひどかっただけに改善したように見えるが,まだまだ倍以上である.

ところで,FGT導入に関するコストアップは車両そのものもさることながら,軌道に関する面も課題であったかと思う.以前は興味を示していた鉄道会社が試験走行以降は全く興味を示さなくなった原因は,導入前の軌道強化費用が馬鹿にならなかったことと,導入後の軌道保守の手間の煩雑さ(コストアップ)であったかと思う.さらに導入後の在来線の走行速度は現行車両以下で乗換が減ってもあんまり便利にならないことも課題ではなかったろうか?

導入時の軌道強化費用はどの程度低減できたのだろう.あるいは導入後の軌道保守はどの程度低減できたのだろう.在来線走行時の曲線通過性能の改善はいかに? 脱線係数の改善はいかに?

車両だけ注目していても,トータルとしてのシステムの課題が解決できていないと,導入は道遠し,なのだが.

#やはり新幹線ではない鉄道線(例えば近鉄の京都-橿原神宮前-吉野,とか,関空-天下茶屋-河原町,とか)で実績を積んでから高速鉄道に導入するのが安全だと思う.

 

進歩していないのかなぁ?

東海道新幹線で架線が切れて大変なことになったわけだが,その原因が電車が一斉に動き出したために大電流が架線に流れて切れた…かもしれないという話があるようだ.

んんん? なんだかデジャブ感がある話だなぁ.

何年か前,同じく東海道新幹線で停車していた複数列車が一斉に動き出して,変電所のブレーカー落っことして止まって大騒ぎになったような気が…

2-3年前にも,北陸新幹線で似たような話があったような…