在来線特急には,時々「パノラマグリーン車」なるものが連結されている場合がある.こういうやつ.
・・・写真が古いってか?
けども,このグリーン車に乗ろうとすると,ホームの端までいって待たないといけないため,乗降に余分な時間がかかってしまう.端っこなので,車両を通り抜ける余計な客がいなくて静かではあるのだが,急いでいるビジネスマンにとってはあまりありがたくないロケーションである.
グリーン車でベストな位置に連結されているのは東海道新幹線である.通り抜ける客が多めではあるが,編成中の車両の位置とホームの階段の位置がほぼぴったりで,乗降時の余計な歩行が少ない.
東海道山陽新幹線で,乗り継ぎまでの時間が少なくて急いでいる場合,普通車乗車時には到着前のグリーン車の隣の車両まで移動しておくと階段が近くて便利である.これ,豆な.
#「パノラマ」でなくても,端っこに連結されているグリーン車は多い.グリーン車にはエグゼクティブなビジネスマンは居ないということか? 暇な人だけ?
「鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ
カレル橋
カエル橋ではなく,本物のカレル橋.

橋のたもとの塔は,ちょっとお金を出すとのぼることができる.

そこから見た光景がこれ.なかなかいい風景である.


京都市電まだ走ってます
公共事業増→民間投資減→不況なのか?
公共投資が増えたおかげで,資材も建設のための人員もそちらにとられて,マンション投資が減って,それが原因で景気の足を引っ張っているというロジックを組み立てるマスコミがある.
けど,これはロジックの組立が下手くそな文系的視点であって,理系の視点では「部分的には合っているが,全体としては間違っている」と結論できる.
まず,この部分は合っている可能性が高い.
- 公共投資が増えたおかげで,資材も建設のための人員もそちらにとられて,マンション投資が減
人材や資材の供給が一定ならそうなる.だが,「供給が一定」と感してしまうほど供給力が弱くて能力いっぱいに供給してしまっていることが問題なのである.そして,ロジック後半の結論に至る部分は如実に間違いである.公共投資が少なければマンション投資は増えるかもしれないが,だからといって全体の土木建築分野の投資が増えるかというと,増えない.結果として,景気への影響は変わらない.つまり,このマスコミの公共投資悪玉論ロジックは誤りである.
門外漢が何言ってんだ,と言われかねないので,さらに説明すると,公共投資だろうが,マンション投資だろうが,現状の社会構造でネックになっているのは以下の点である.ここが律速段階.
- 建設関係の人材不足
かつての小泉政権時代の公共事業たたきに始まり,その後の前政権の論拠レスの「コンクリートから人へ」スローガンの下に建設関係従事者が減ってしまい,今に至る.公共事業が多いのがここ数ヶ月の不況の原因ではなくて,建設事業悪玉論をぶち上げ続けたツケが今,顕在化しているのである.
公共投資云々以前に,最大の失敗は,増税なんだけどね.税率上げて税収下がってると,何のために税率上げたのかわからない.まず税収最大化を実現できる最適税率計算しようよ.多分既にこっそりやってると思うけど,10%じゃないだろ?
新幹線第1号車・・・のスカートをのぞく
大阪の交通科学博物館には新幹線の第一号編成が保存されていた.
その新幹線第一号編成の先頭車両の先端部分の下はこうなっている.

鉄板が何枚も重ねられ,少々の障害物が線路上に落ちていても,はね飛ばす仕組みである.以前にも書いたとおり,新幹線は目視で線路に異常を発見しても,ブレーキを掛けて停止するまでの距離が長いので間に合わない.そこで,少々のものははね飛ばしてしまおう,と言う発想である.
何度も言うが,「新幹線は目視で線路に異常を発見しても,ブレーキを掛けて停止するまでの距離が長いので間に合わない」ので,事前の対策によって安全が確保されている.決して運転士の超人的な精神力によって運転されているわけではない.
#技術的な話に対して直感に頼って記事を書くと,後で恥をかくだけである.
新聞記事の精度(朝日新聞編)
朝日新聞のweb版にこういう記事がある.
香川)経団連、四国の新幹線構想に慎重姿勢:朝日新聞デジタル.
経団連の会長が四国の新幹線構想に関し,「4県都を結ぶルートでも1・5兆円。出来た道路にしろ、新幹線にしろメンテナンス費用がかかる」と指摘し,続けて「国の厳しい財政事情を考えると、他地域のプロジェクトに比べ、これだけメリットがあるとアピールすることが重要」と発言し,何となく否定的なイメージのコメントをしたことになっているのだが,ちょっと引っかかる内容である.
そもそも,「朝日新聞」の時点で,事実関係の伝聞の精度に問題がある可能性が高く,単なる記者の創作料理,じゃなかった創作記事の可能性があるのだが,いずれにせよはっきり言えるのは・・・
- 完成した新幹線のメンテナンス費用を国が出すことはない
ということである.東海道山陽新幹線や東北新幹線に比べて客が少ないとしても,電気代や乗務員の人件費,線路の保守費などが出せないほどのレベルの新幹線はさすがに建設されない.市街地の一般道路は建設後の維持費は税金により賄われるのだが・・・
- 新幹線の維持は運賃(と料金)により賄われる
ということを認識していない記事である.経済人が誤ったのか,記者が誤ったのかはこの記事だけでは判断できないが,いずれにせよレベルの低い記述で頭が痛い.
なお,この件に関する他社の書いた記事ではそういうネガティブなことは書かれていないようなので,印象操作を目的とした創作記事(あるいは,そういう意図がなくても正確な記事を書く能力が無くなってしまった記者が書いた記事)の可能性が高い.
多様な見地からの意見は大事であるが,事実関係が把握できていないと正しい結論には至らない.そろそろポジショントークは止めて,反対意見でもけっこうなので,正確に議論して欲しいものである.
(追伸)私が絵本以外で親に買ってもらった最初の本は「日本の鉄道」と「続・日本の鉄道」朝日新聞社刊である.今見ても,なかなかクオリティーが高い.
交通バリアフリー実施以前の認識
リニア新幹線整備の理由(名古屋以西編)
前にも書いたがと思うが,リニア新幹線建設の大きな理由は「南海トラフ大地震こわい」である.
災害復旧能力の高い日本といえども,大津波で新幹線の線路が流されたり,100キロ,200キロ単位で震度6−7地帯を通過すれば復旧に年単位を要する可能性がある.日本の国家運営に重大な影響を及ぼす可能性が非常に大きいほか,当の鉄道会社の経営も傾きかねない.
そこで,東京-名古屋間に別線で新幹線を建設する,それが中央新幹線である.バイパスである.
さて,「中央新幹線は東海道新幹線の災害対応のバイパス」のイメージが先行している関係で,全線にわたって新線を要していると思い込んでいる人が,専門家を含めて多いのだが,よく考えてみて欲しい.
南海トラフで年単位の不通区間を生じかねないのは「東京-名古屋間」である.名古屋から西は震度5−6弱の区間が続くので,被害皆無とは言わないが,バイパス新線をつくらないといけないほどの壊滅的被害を受ける可能性は低い.
名古屋以西のルートに関して,こっちを通ると断層が1本で,こっちだと2本,などと言う専門家もいるらしいが(そもそも,地震のリスクを断層の本数で云々と言っている時点で,真剣に考えているとは言い難いが),直下の地震で数ヶ月の不通があったとしても,数兆円掛けて新線を建設しなければならないほどの理由にはならない.今まで新幹線が地震で不通になった事例は数度あるが,いずれも復旧までの期間は3ヶ月程度以下である.
そういう観点からすると,リニア新幹線名古屋以西については名古屋以東とは異なる観点で建設の是非や方法について議論する必要がある.リスクヘッジだけの観点から言うと,鉄道会社にとっては名古屋以西の建設の意義はあまりなさそうである.その実,国や沿線,与党などから早期全線完成の働きかけがあっても反応が鈍い状況にある.資金計画などを見ても,本気で取りかかればもっと早期に完成しそうにも思えるが,「様子を見てから,名古屋から西側に取りかかろうかなぁ〜」という感じである.
※資金計画の分析については,また時間があるときにでも.
※災害対応を重視するのなら,主要ターミナルが海岸の近い低地の「品川駅」の地下,水害で水没しかねない「名古屋駅」の地下,河口に近い淀川付近で津波の指摘もある「新大阪駅」って,どうよ.災害の専門家なら,誰か突っ込んでも良さそうなもんだが,誰も突っ込まないのね.名古屋市営東山線て,こないだ名駅が水没しかかってたよね.
阪神尼崎駅の構内
下の写真は阪神尼崎駅の構内である.近鉄大和西大寺ほどではないが,けっこう複雑である.

西大寺の醍醐味は線路の数の多さであるが,この駅の構内の醍醐味は変わった分岐器である.狭い駅構内で列車を各ホームに振り分けるために,複雑な分岐器を使わざるを得ないということであろう.(逆にJRの駅構内は広々しており,単純な分岐器の組合せで処理している.)
2方向から入ってきた列車をあらゆる組合せで2方向に分けるダブルスリップスイッチはまぁ序の口.

最初の写真を拡大下物が下の写真である.まず,中央手前にクロスが見えるが,このクロスの右側にはスリップ用の曲線が併設されている.大きなシングルスリップスイッチ? でもシングルスリップスイッチはトングレールがクロスの菱形の内側なので(上の写真参考),これはシングルスリップスイッチではない.かといって,単純な片開き+クロスでは絶対に構成できない特注品であろう.
そのすぐ奧にはゴリゴリと線を横切るクロッシングが横たわっており,さらにその奧やや左には3方向分岐風の分岐器がある.だが,よく見ると一気に三方向に分岐しているわけではなく,Y字分岐に片開きをくっつけたような,特殊な分岐器が見える.

メンテナンスが大変そうな駅構内である.
なお,現在は阪神と近鉄が直通運転するために,構内配線は上の写真とは変更されている.











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