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トラム変幻自在(国境を越えるトラム編)

ドイツのサールブリュッケンという都市のLRTのお話し.この都市のLRTも市内の軌道線と郊外の鉄道線が直通運転されるカールスルーエ方式が導入されているが,さらに一歩進んでいる.
中央駅から市街地を路面軌道で走り,市役所の前を超え…
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市街地を抜けると,そこから先はドイツ鉄道の線路上を走ってゆく.
DSCN4578その先はそのまま国境を越え,終点はフランスのザルグミヌ市になっている.

鉄道後進国ニッポン(ローカル電車もピッカピカ)

三セク鉄道というと,どういうイメージだろうか? こういう感じ?
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でも,これがドイツの三セク鉄道というと,こんな感じになる.
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まさしく「第三セクター舐めんなよ」である.
これは,カッセル市の近郊を走る電車で,線路はドイツ鉄道,その上を走る電車はカンタス鉄道という三セクのような会社の運営であり,車両はピカピカ.内装もピカピカ.車内では高校生がビールで酒盛りをしている(合法らしい).
資金構造が日本とは違うので,そのまま比較できないといえばそれまでだが,頭の思考回路を変換し,資金構造を変えれば,アウトバーンと自動車産業の国でもこういうことはできるのである.
鉄道後進国ニッポン,どうする?

鉄道後進国ニッポン(既に独仏に抜かれている編)

2011年現在,20万人以上の都市でTGVサービスの全くないフランスの都市は…オルレアンとクレルモンフェランの2都市.
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2011年現在,20万人以上の都市でICEサービスの全くないドイツの都市は…ケムニッツだけ.
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2011年現在,20万人以上の都市で新幹線サービスの全くない日本の都市は…
札幌,松山,大分,金沢,長崎,富山,和歌山,旭川,いわき,高松,高知,那覇,宮崎,函館,徳島,水戸,佐世保,松本,上越,佐賀,鳥取,つくば
…あと,まだ,あったっけ(ふぅ,疲れた)
まだあった,福井,津,四日市,いわき,奈良…
(大都市圏除く,近隣に新幹線駅がある場合除く)

トラム変幻自在(CAR-GO-TRAM編)

ドイツ東部のドレスデンという都市にゆくと,時々,出入り口のないトラムがやってくる.
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他のトラムは黄色だが,このトラムは青色で,「CarGoTram」と書いている.このトラムは貨物電車で,中央駅近くの貨物駅と中心市街を挟んだ向こう側にあるフォルクスワーゲンの工場とを結んで,自動車部品を運んでいるらしい.
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よく見ると,「VW」のマーク付き.こういう活用方法もあるが,日本には柔軟な頭はないんだろうか.
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(2011年3月現在)

トラム変幻自在(ディーゼルトラム編)

路面電車というと「道路に線路を敷き,その上を電車が走る」というのが標準スタイルであるが,中にはちょっと変わった路面電車も存在する.
「ディーゼルトラム」というが,要するに電車ではなくてディーゼルエンジンで走る気動車である.路面軌道ならぬ路面気動車である.
比較的有名なのは旧東独のZwickauという都市であるが,実はここの路面電車は「電車」が基本である.郊外から来る鉄道線から路面に直通する系統があり,それだけが路面気動車で,あとは電車になっている.市内の電車は狭軌,乗り入れる「路面気動車」は標準軌なので,一部区間に路面の三線軌があり,そこをゴトゴトと「路面気動車」が走ってくる.

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実はZwickau以外にも「路面気動車」は存在する.厳密には「シリーズハイブリッド車」と言った方が正確かもしれないが,路面電車区間は電車として走り,郊外鉄道線で非電化区間を走る場合だけエンジンを吹かして発電して走るものがある.それが,これ.ドイツのカッセルの電車で,郊外線から乗り入れる系統である.カッセル大の先生に教えていただくまで,全く気付かなかったが,駅で観察すると確かにエンジンの音がしているものもある.
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屋根の上をよく見ると,電車らしからぬ「排気口」があり,周辺がススで汚れている.
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日本でも似たような形式の電車の試作車があるんだったっけ?

鉄道後進国ニッポン(新幹線は航空路)

ドイツのフランクフルト空港に着くと,そこから郊外電車に乗ってフランクフルト市内のホテルにでも向かうのが標準コース.
最近はドイツ版新幹線と言われるICEの発着する長距離旅客駅も併設されているので,そのままICEやIC(在来線特急みたいなもの)に乗って,例えばマンハイムなどに行ってしまうというのもアリである.フランクフルトに用が無ければ,そっちの方がホテル代が安いので.
さて,下の写真はフランクフルト空港併設の長距離列車発着駅である.空港なので「ルフトハンザ」のオレンジ色の案内板はさほど珍しくないが,よく見ると「Air Rail」と書いてあり,チェックインカウンターがある.日本にもちょっと前まで市街地にあった「City Air Terminal」の駅版…ではない.
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これは,ルフトハンザのチケットで鉄道に乗るためのチェックインカウンタである.何のことかわからないって? 下の写真は発車案内板なんだが,上から順に…
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8:53発 ICE513 マンハイム,シュツットガルト経由 ミュンヘン行き 5番線
8:53発 ICE1013 マンハイム,シュツットガルト経由 ミュンヘン行き 5番線
8:53発 LH3632 シュツットガルト行き 5番線
8:58発 ICE1656 マインツ経由 ヴィースバーデン行き 7番線
9:01発 ICE1597 フランクフルト,フルダ経由 ドレスデン行き 4番線
9:09発 ICE614 ボン,ケルン経由 ドルトムント行き 7番線
9:09発 LH3606 ケルン行き 7番線
9:13発 ICE11 フランクフルト行き 5番線
9:20発 ICE571 マンハイム経由 シュツットガルト行き 6番線
9:25発 ICE820 ケルン,デュッセルドルフ経由 エッセン行き 7番線

こう書いてある.例えば上から3つがナゾであるが,ドイツの場合,列車2本が連結されて,それぞれ別の行き先と列車番号が割り当てられていることはざらにあるので(「はやて」と「こまち」みたいなもの),1つ目と2つ目が同じ時刻,同じ行き先,同じホームなのは理解可能な範囲であろう.
ところが3つめであるが,1つ目,2つ目と同じ8:53発で同じ5番線の発車.行き先が1つ目(2つ目)の経由地のシュツットガルト.そして,列車番号が「LH3632」.
つまり,この3つめはルフトハンザ航空LH3632便なのである.その実態は,ICE513(もしくはICE1013)ということで,シュツットガルトまでは航空機の代替として走行するということである.予約サイトで確認してもこの通り.何と,シュツットガルト中央駅は鉄道駅なのにIATAの空港コード(ZWS)が割り当てられている.
Lufthansa ® - Your flight selection
こうして,鉄道ネットワークと航空ネットワークが結合されているのだが,日本ではどうだろう.立派な空港アクセス鉄道があっても,宝の持ち腐れになってやしないか?

鉄道後進国ニッポン(非電化急行は160KM/H)

163km非電化,単線,4両編成のディーゼル急行というと,日本だと(もう絶滅したけど)山の中をゴトゴトとゆっくり走るイメージだけど,ドイツの非電化,単線,4両編成のディーゼル急行というと,こんな感じ.
最高速度160キロ.まぁ,カーブが多いので,大半は時速100キロ前後の運転だし,対向列車の待ち合わせがあったりするので新幹線と比較するわけにはいかないが,表定速度は82キロ,結構速い.(写真はChemnitz-Leipzig間の非電化単線区間の急行列車)
日本の非電化,単線,待ち合わせ有りの路線は,線路が傷むのを恐れて,ゆっくり走ってるんだったっけ?

鉄道後進国ニッポン(ただいま遅延拡大中)

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去年の夏あたりに京大の藤井先生にメールで送った件で,SNSに書き込んでたみたいなので,すでに知っている人もいるかもしれない話.
毎度欧州に来るたびに思うが,高速鉄道の工事を見る機会が多い.明確な高速新線工事でなくても,在来線改良で200キロ運転対応工事なんてのもざらにあって,そういうところではローカル列車と特急列車の運転を分けるように,複々線化工事をしている.
改良工事であって,新線工事ではないので,当然,日本では気づいている人はほとんど居ない.けれども,欧州に来る度にだんだん所要時間が短くなってきているのは実感できる.空港から直接高速鉄道乗り,空港に直接高速鉄道で乗り付ける,なんてのも当たり前.
ローカル急行列車でも160キロ運転は当たり前,ぼろい客車列車でも200キロは出す.200キロ超運転の通勤電車まである.
ホテルでテレビつけてみると,中国から西ヨーロッパまでの貨物鉄道のお話しの番組が流れているし,ロシアの高速鉄道の話も流れている.
残念ながら,日本の鉄道行政は完全に遅れている.日本が鉄道先進国だというのは過去の話になった.ただいま,遅延拡大中.