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毎年2200億円あったらできること

宝くじが7億円当たったら,あれして,これして,どれ買って,みたいな夢想をするのが常だが,(もっとあり得ないが)宝くじに毎年当たったらものすごいことが出来そう.

じゃぁ,毎年2200億円あったら何ができるだろうか.大阪府市統合(大阪都構想)による効率化で大阪市の財政から毎年2200億円捻出されるという皮算用があるらしい.その2200億円が現大阪市域に再び投じられるのか,それとも市域外に使われるのか,イマイチ良くわからん

わからんのだが,現大阪市域に投じられるのなら府市統合しなくても今と変わらないのかもしれないし,大阪市域外なら(大阪市民ではない)府民にはいい話(=大阪市民には気の毒な話)なのかもしれない.大阪市長の話を追ってみてもよくわからないし,府市統合関係の書類を見ても判然としない.資料編700ページを手には入れたが解読する時間も気力もないので,概要版でも作ってくれんかのう.

皮算用されている2200億円が全て公共投資にまわるワケでは無いと思うが,毎年2200億円というのがかなりの額であることはよくわかる.例えば仮に毎年2200億円あったらできることを考えてみよう(もちろん,指摘されるまでもなく机上の空論である).

  • リニア新幹線名古屋-大阪間延伸が懸案事項となっているが,もしこれに毎年2200億円ずつ投じるとすると,3兆6000億円÷2200億円=16.4年.今年が2015年なので,2027年全線同時開業には間に合わないが,2031年頃には全線開業できる!
  • リニアといえば関空リニア構想.中央リニア新幹線が約480kmで約9兆円なので,新大阪から関空までの約50kmなら概ね9400億円といったところか.そうすると,9400億円÷2200億円=4.3年.何と今から作れば東京オリンピックまでに関空リニアが完成するぞ!!
  • 北陸新幹線の敦賀-大阪間建設が懸案事項となっているが,もしこれに毎年2200億円ずつ投じるとすると,小浜ルートなら9500億円÷2200億円=4.3年.湖西ルートなら7700億円÷2200億円=3.5年.米原ルートなら5100億円÷2200億円=2.3年.めんどうなので全部作っても10.1年.今から取りかかれば金沢から敦賀まで新幹線が伸びてくるのに合わせて全部のルートを完成させられる!!!
  • 新幹線といえば,山陰新幹線という構想もある.550kmとしてkmあたり50億円で2兆7500億円.これなら2兆7500億円÷2200億円=12.5年.すごいぞ,10年あまりでリダンダンシー強化だ!!!!
  • いやいや,山陰じゃなくて四国新幹線だろ.大阪から関空経由で和歌山をかすめて淡路島徳島へ.瀬戸内西進して大分へ.岡山から南下して高知へ行く横断新幹線もあるぞ.あわせて4.75兆円だ.かなりの額だが4.75兆円÷2200億円=21.6年.生きている間に完成するかも!!!!!
  • 国が「カネがない」と渋っている首都機能移転.12兆円ほどらしいが,12兆円÷2200億円=54.5年.さすがにこれじゃぁ首都直下地震には間に合わないか.

毎年2200億円というのは,すさまじい破壊力(いや,投資力か?)である.これだけあると,かなりのことが出来ることは明らかである.この破壊力(いや,投資力)は誰のどういった意思決定でどういう使われ方がされるのだろうか.もしも使い方が限定されていないお金だとすると,まさか個所付けコントロールして(ry …おや,誰か来たようだ.

地震動予測地図とリニアの近畿圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察はまだ続く.このファイルのp.72やp.108を参照.今回は近畿編である.

以前にも書いたように,全国新幹線鉄道整備法が想定する新幹線網の最大の弱点は大阪だ.具体的には新大阪駅になろう.かといって,リニアが近畿まで達した場合に終点を大阪(新大阪駅)にしないわけにはいかない.つまり,ネットワークのリタンダンシーを考慮する場合は,それ以外の面で工夫することになる.つまりサブターミナルだ.

東西間交通のリスクを避けるためには,東海道新幹線とリニアは完全に別経路にすべきだという意見があるが,両者とも地上線ならそういう話になる.だが,リニアは都市部では大深度地下線が基本だ.つまり,地下鉄.阪神淡路大震災では,ごく浅いオープンカット工法で作られた地下鉄駅がつぶれた例はあるが,それは例外で,一般的には今でも地下構造物は地震に強いと言える(ただし,水没に強いかどうかは別問題なので,リニア名古屋駅とリニア品川駅については,慎重な対策が必要).すなわち,地下駅なら東海道新幹線と交差してもさほど地震リスク上は大きな問題はない.逆にリニアと新幹線が別経路でも,地上駅だと影響が出る可能性がある.

さて,リニアの近畿圏サブターミナルの要件としては,東海道新幹線途絶時にも京阪神圏に出やすく, なおかつ広域的なアクセスにも使えることである.

前者については,サブターミナルが京都の場合はJR線,阪急,京阪などいくつかの方法で大阪平野に達することができる(ただし,淀川水系付近の低地は地震のリスク高め).京都でも奈良でもない中途半端な位置でも,JR片町線や近鉄線を使って大阪平野に達するのは可能(ただし,大阪平野東部は地震のリスク高め).奈良であってもJR関西線や近鉄線で到達できる(ただし,大阪平野東部と奈良盆地やや南側は地震のリスク高め).ということで,大阪平野へのアクセスではさほど決定的な差はない.

次に広域利便性という観点では,京都については山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されていれば広域的なサブターミナルになり得る. 京都でも奈良でもない中途半端な位置の場合は,山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されるとともに,京都-奈良間にも高速なアクセス鉄道でも整備されていないと少々辛いかもしれない.奈良の場合はさらに広域アクセス性は低下するので,サブターミナルの性能は低下する.

そして,もしも副首都機能が近畿にやってきて,大阪の東隣のリニア駅がその地区に隣接するのなら,それもまた良し.

こういう議論が審議会であっても良かったと思うのだが,自由な議論ができるような雰囲気ではなかったのかしら.

【祝】濃度上昇,新幹線が787PPMに!

北海道新幹線と北陸新幹線の開業時期を前倒しするにあたって,来年度以降の新幹線整備費用の国費負担分は35億円づつ増額されるらしい.【祝】国費UP!整備新幹線,である.

本年度は確か719.5億円だったので,35億円上積みすると754.5億円に増額である.

ところで,来年度の国の予算は一般会計概算要求ベースで958,823億円.そうすると,国家予算に占める新幹線の費用の比率は,754.5÷958823=0.00078690227498

わかりにくいので%表記にすると,0.078690227498 %

まだわかりにくいのでppm表記にすると,786.9 ppm
だいぶ濃くなったぜ!!!

※%は百分率,‰は千分率,ppmは百万分率.

地震動予測地図とリニアの中京圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察を継続中.このファイルのp.72やp.108を引き続き見ている.今回は中京編.
リニア名古屋駅は地震のリスクが高いが,一応地下駅なのでその点はクリアできる.しかし,名古屋人ならよく知っていると思うが名駅周辺は大雨で浸水しやすく,先日も市営地下鉄東山線が水没しかけた.名古屋駅へのアクセスは新幹線,JR在来線,名鉄,近鉄,地下鉄であり,地下鉄2系統あるので品川よりはマシである.名鉄と近鉄は駅は地下だがすぐに地上に出るので,地下鉄ではない.大地震で地上走行の鉄道が使えなくなると,リニアと地下鉄2系統だけが生き残るという可能性はありそう.

 地下鉄が動けば名古屋市の窓口として機能しうるが,市外を含めてのサブターミナルとしては隣の中津川になる.地震リスクは名古屋より幾分マシ.ここからは何とか中央線,太多線,高山線経由で岐阜や日本海側にアクセスできないこともないが広域アクセスは弱そう.
名古屋以西のルートについては明らかになっていないが,下馬評ではリニア名古屋駅の西隣駅は亀山あたりではないかということになっている.地震リスクは名古屋とあんまり変わらないか幾分マシ程度.濃尾平野は遠く,もはや中京都市圏の代理窓口にはなり得なさそう.広域的な幹線も無い.
もしも名古屋駅から新大阪駅までほぼ真っ直ぐにリニアが敷かれた場合は,勝手に員弁あたりと想像してみるが,道路網はそれなりに使えるものの,他の鉄道との連携はほとんど期待できない.広域アクセス拠点にもなりにくい.
ということで,中京圏については岐阜県駅(中津川)はある程度中京圏の臨時ターミナルにはなり得るが,三重県駅にはあまり代替機能は期待できず,名古屋市営地下鉄をどうやって動かすか考えた方が良さそう.こういう事態になれば東海道新幹線には期待できないので,広域アクセスはリニア以外なくなり,広域鉄道網の結節点機能は無くなる.(ということは,名古屋暫定開業状態では,東西間バイパス機能は発揮できないということ.)

地震動予測地図とリニアの首都圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察を継続中.このファイルのp.72やp.108を引き続き見ている.
リニアは首都圏,中京圏,近畿圏を結ぶことが大きな目的であるが,同時に東海道新幹線の代役でもあるので東海道新幹線途絶時においても三大都市圏を何とか結ぶとともに広域鉄道網の要の役割を継続しなくてはならない.これが三大都市圏結節鉄道のBCPの要求水準である.
さて,首都圏のターミナルはご存じ品川駅であるが,(地下なので地震に対しては大丈夫ということになっているが)海岸に近くて浸水の心配がされる地区でもある.一応,高潮津波は多少防潮堤を整備すれば大丈夫ということにはなっている.リニア品川駅が無事でも,そこへのアクセスはインフラが古いJR在来線が主体であり,リニア品川駅が無事でも地上の品川駅付近の線路が地震動で使えないということが起こりうる.

 ということは,実はリニアのバイパス機能を有効に働かせるためには,各都市圏においてサブターミナルが重要ということになる.サブターミナルは各都市圏に対してのアクセスが十分に可能であるとともに,広域アクセスの要になっている東海道新幹線の代役という点では,一時的にであっても広域アクセスが可能であることが求められるということになろう.

さて,首都圏ではリニア品川駅の西隣はリニア神奈川県駅で,相模原市の橋本駅付近ということになっている.地震リスクは品川より幾分マシ.

 JR横浜線と相模線で南北方向に,京王線で東方向に移動できるので,品川付近だけが使えない場合は首都圏の代理窓口として機能しうる.広域アクセスについては,新幹線を含むJRの幹線が遠く,難ありである.八王子まで出れば中央線があるが,リニアできた人がここから中央線で甲府方面に行くことは考えにくいので,あまり意味はない.

ということで,広域アクセスに難アリなので,全国的鉄道網としては首都圏そのものを迂回するルートを確保した方が良さそう,という結論になる.

地震動予測地図と首都機能バックアップ

全国地震動予測地図2014年版が公開されたので,観察を継続.引き続き,このファイルを見ながらのお話し.
まず現状において政府は首都機能の代替地を「立川」としているらしいが,霞ヶ関よりは地震のリスクは幾分マシなものの,近すぎだよね.いざとなったら自衛隊駐屯地や横田基地からさっさと逃げられはするのだが,近すぎるとまずい理由はいくつかあるが・・・

  1. 地震動そのものの被害を都心と同時に受ける可能性がある
  2. 電源や通信,交通などのインフラは立川からコントロールされているわけではないので,都心と同時に機能停止に陥る可能性がある
  3. 航空(軍用)以外の広域アクセスに劣る
  4. 政府中枢以外のバックアップができない(民間との連携がしにくいのでは?)

などなど.
以前に勝手にリストアップした各地については,伊丹空港,万博公園,祝園演習場,長池演習場のいずれも地震のリスクについては立川と同程度のように見える.
ところで「立川」って首都圏の地震の原因の一つの「立川断層帯」の立川だよねぇ.都心と同時被災しないからOKなのか?

  1. そもそも,都心の大地震と立川付近の大地震は「独立事象」か?
    1. 内陸の断層が次々と連動したような例はいくつかある(慶長地震とか天正地震とか)
  2. 都心が被災して,立ち直らないうちに疎開した立川が被災することもあり得る

東日本大震災では構造物の被害そのものはさほど大きくはなかったものの,大騒ぎ状態になって首都圏が社会的に機能不全に陥ったんだが,それは考慮してないのね.「立川」って救援救助の前線基地なら分かるが,日本国を一時的にコントロールするという点では厳しそう.

地震動予測地図とリニア名古屋以西

全国地震動予測地図2014年版が公開されたので,観察してみる.以下,このファイルのp.72やp.108を見ながらのお話し.
まず東京-名古屋間のリニアのルートについて見ると,起点の東京が真っ赤(紫)で,途中経路以前にターミナル自体が比較的地震のリスクが高いことが確認できる.一応地下駅なので影響は小さいということになっているとは思うが,ディーゼルカーが走るわけではないので,電力供給や信号システム等を含めて全て完動して初めて運転できるはずなので,大丈夫かなぁ,である.
品川を出ると内陸方向ほぼ真西に進路を取るが,甲府盆地では富士川〜笛吹川付近がリスク高めであり,そこに山梨県駅が地上駅としてできる.2027年に暫定ターミナルになる名古屋駅は濃尾平野にあるが,ここも比較的リスクが高めになっている.
まぁ,それでも沿線ほとんど真っ赤っかの東海道新幹線よりははるかにマシなので,改善ではある.なお,日本海側はもっとリスクは小さい模様なので,東西間交通の途絶を完全回避したいなら,北陸新幹線は真剣に検討したいところ.
さて,奈良と京都でもめている名古屋以西については,予定どおりに三重県下を南西に進むとリスク高めの地域をかなり長距離進むことになる.その後進路を西にとって奈良を通過するが,奈良盆地がややリスク高めで南に振れれば振れるほどリスクが高くなる.さらに南南東側から新大阪に達すると思われるが,大阪平野でもリスク高めの地区を突っ切って行くことになる.ちなみに,この「大阪平野でリスク高めの地区」はレンコンの産地ではないかと思われる.
(そもそも濃尾平野を突っ切っている時点で心配事は多いのだがそれはさておき,)名古屋以西のルートについてなるべく地震のリスクが低そうなところを縫って行くとこうではないだろうか.
名古屋駅を南西側に出たら,そのまま南西に進むのではなく西に進路を変え,伊勢湾から速やかに遠ざかるとリスクは下がる.三重県駅は員弁あたりか?
(いろいろ緊張関係はあるが,それはさておき)進路を西に取ると滋賀県を通過するが,びわこに近づくと再度リスクが高くなるので,甲賀か信楽付近を通過するのがリスクが低そう.この辺からやや南に向きを変えて京都府下に入り,京田辺から木津川,京都奈良府県境にかけてのあたりを経て再び進路を西に変え,交野,寝屋川から新大阪に達するというのが比較的リスクが小さそう.(あぁ,つまり名古屋駅と新大阪駅をほぼ真っ直ぐに結ぶ,ということか.)
ちなみに,大阪産業大学のキャンパスのロケーションは・・・
リスク高そう・・・il||li _| ̄|〇 il||li

続・リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」らしい

この話の続き.
リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」読売新聞 – goo ニュース.
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141212-OYT1T50128.html?from=ytop_ylist

最後の方に…”ただ、国が国費を投入して前倒しを求めた場合は、「国が考えることを押しとどめることはできない」と述べた。”…とあり,以前に比べてずいぶん態度が軟化したようである.
軟化したけれども…”「借金を減らしてから(名古屋以西の)次の工事に入ることが健全経営の維持に必要だ」と、消極的な考えを示した。”…ということなので,国の示した案ではまだまだなので,もう一息,と言う意味だろうな.
#なお,全幹法に則って整備しようとしている時点で,国策から逃れることは法的に不可能である.

リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」らしい

あちこちに記事が出ているこの話.
リニア採算「新幹線より700円高ければ十分」読売新聞 – goo ニュース.
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20141212-OYT1T50128.html?from=ytop_ylist
東海道新幹線にのぞみ号が登場した際,ひかり号とのぞみ号の所要時間差は概ね30分,料金差は950円だった.「時給」1900円なり.その後,310円差に引き下げられている.「時給」は620円なり.
リニア新幹線ができると,リニア号と新幹線のぞみ号の所要時間差は概ね90分.料金差が700円とすると,「時給」は470円.かなり割安である.
のぞみ号が登場した際,毎時2本運転になった段階で必ずのぞみ号の方がひかり号よりも早く着くようになって,ひかり号にはあまり客が乗らなくなり,のぞみ号全盛となった.
リニア号は登場すると同時に毎時4-5本運転,全線開業時は8-9本,最大12-13本になるので,必ずリニア号がのぞみ号よりも早く着くようになる.つまり,最初からのぞみ号には誰も乗らなくなり,リニア号全盛になるだろう.東海道新幹線沿線のはずの京都や横浜の人ですらのぞみ号には乗らないだろうし,大阪-名古屋間の人ですら乗らないだろう
700円差という価格設定はかなり衝撃的であり,同時にのぞみ号サービス終焉を決定づけるだろう.利用者には朗報だが,最初からそんな大安売りを約束して大丈夫かしら?(リニアの採算はとれると思うが,東海道新幹線が・・・
#ちなみに,「時給」1900円だと2850円高,「時給」620円だと930円高という計算になる.
#よく考えたら,名古屋暫定開業の話か.なら,「時給」620円×短縮1時間=620円とあんまり変わらないから,そんなもんか.でも,「時給620円」はひかり号とのぞみ号のサービスレベルの差が縮まったから値下げした結果じゃ無かったっけ? 当面は2000円差くらいで開始して,様子見て下げた方がいいんじゃぁ無いかと・・・

公共事業増→民間投資減→不況なのか?

公共投資が増えたおかげで,資材も建設のための人員もそちらにとられて,マンション投資が減って,それが原因で景気の足を引っ張っているというロジックを組み立てるマスコミがある.
けど,これはロジックの組立が下手くそな文系的視点であって,理系の視点では「部分的には合っているが,全体としては間違っている」と結論できる.
まず,この部分は合っている可能性が高い.

  • 公共投資が増えたおかげで,資材も建設のための人員もそちらにとられて,マンション投資が減

人材や資材の供給が一定ならそうなる.だが,「供給が一定」と感してしまうほど供給力が弱くて能力いっぱいに供給してしまっていることが問題なのである.そして,ロジック後半の結論に至る部分は如実に間違いである.公共投資が少なければマンション投資は増えるかもしれないが,だからといって全体の土木建築分野の投資が増えるかというと,増えない.結果として,景気への影響は変わらない.つまり,このマスコミの公共投資悪玉論ロジックは誤りである.
門外漢が何言ってんだ,と言われかねないので,さらに説明すると,公共投資だろうが,マンション投資だろうが,現状の社会構造でネックになっているのは以下の点である.ここが律速段階.

  • 建設関係の人材不足

かつての小泉政権時代の公共事業たたきに始まり,その後の前政権の論拠レスの「コンクリートから人へ」スローガンの下に建設関係従事者が減ってしまい,今に至る.公共事業が多いのがここ数ヶ月の不況の原因ではなくて,建設事業悪玉論をぶち上げ続けたツケが今,顕在化しているのである.
公共投資云々以前に,最大の失敗は,増税なんだけどね.税率上げて税収下がってると,何のために税率上げたのかわからない.まず税収最大化を実現できる最適税率計算しようよ.多分既にこっそりやってると思うけど,10%じゃないだろ?