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日本にもピギーバックというのがありましたが…

日本にもピギーバックというのがありましたが…

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…中途半端なサイズの特殊形状のトラックしか積めなくて廃れちゃいましたね.

在来線の車両限界が小さかったことが原因だが,ヨーロッパでは当然上の写真のように健在で,通常のトレーラーをそのまま積んで走っている.

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ちょっと前に物流新幹線構想なんてのが披露されてましたが,そろそろ本気で考えないと,トラックの運転手が確保できなくなりそう.

ま,もっとも自動運転で何とかしようとしているのかもしれないけど.

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新幹線ネットワークが広がってきているので,割とヒマな新幹線も増えつつある.駅に自動載荷装置でも付けて,荷物の積み込み荷下ろしをする荷物新幹線なんてのも考えてもいいかもね.

 

【祝】ゴッタルトベーストンネル開通

ついに,スイスのゴッタルトベーストンネルが開通した模様.

 スイス・アルプスを南北に貫く全長57・1キロの「ゴッタルドトンネル」が1日、開通した。日本の青函トンネル(53・9キロ)を抜いて世界最長の鉄道トンネルだ。開通式には、スイス政府首脳や、近隣のメルケル…

情報源: スイスに最長の鉄道トンネル開通 青函抜き全長57キロ:朝日新聞デジタル

ということは,3日前に通ったこのトンネルは「世界最長トンネル」の”最後の姿”だったということか.

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実はスイスは新幹線相当の線路がほとんど無い国であり,その中でもまとまった高速新線相当になるのが今回のゴッタルトベーストンネルである.

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何で「ベース」という名前がついているかというと,通常はトンネルをなるべく短くするために線路は山を登って,いよいよ登れなくなると最小限のトンネルを掘る,というのが基本だ.だが,この「ベース」トンネルは山のベース,つまり,下の方をわざわざ長いトンネルで抜けており,山を登らずになるべく緩やかな勾配で山地を抜けることを目的として建設されている.つまり,実は貨物列車対応のトンネルなのである.

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スイスの自然豊かなアルプスを自動車の公害から守るため,鉄道貨物を通しやすくしたわけだ.

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日本も環境対策を前面に押し出して鉄道建設した方がいいかも.

リンク先の記事には,貨物列車優先だという話は書いてあるが,その背景政策までは追い切れていない模様.

草木も眠る丑三つ時…

草木も眠る丑三つ時…ナゼか,家の近所の踏切が鳴る.

しばらくすると,グォーッ,,,カタンコトン,カタンコトン,カタンコトン,カタンコトン,カタンコトン,カタンコトン,カタン…なんだか,懐かしい響き.

そう言えば,高校生の頃,夜中にこういう音聞こえてたよなぁ.新宮行きの夜行列車.いやいや,ここは普段は銀色の電車しか走っていない学研都市線こと片町線.

貨物列車だ!

カメラ持って外に出たが間に合わず.木津方面に走り去る後ろ姿が見えた.

工事用の貨物列車だね.数年に一度しかお目にかからないレベルの珍客であった.

こんな感じのやつだったと思う.(イメージ)

Auto Train

フランスのニース駅の構内には,こういう貨車が停まっている.

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「車運車」という貨車である.日本では工場から出荷された車を運搬する際に使われる貨車だが,海外ではフェリーのような使われ方がされていることもある.

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どうやら,「Auto Train」というらしい.

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待合所のような所の入り口には,料金所のようなゲートもある.

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専用webサイトもあるようだが,ニースへはパリから運行されており,季節によって運転されている曜日が違うようだが,パリ発の場合は出発日の10-19時に車を預けると翌日の12-18時にニースで受け取れるようである.逆向きは9-17時半預けて翌日9時半-20時受け取りのようだ.カギを預けてしまって積み込みはプロがするんだろうね.海外のホテルで時折ある「バレットパーキング(Valet Parking)」みたいなもんだね.

運賃は119ユーロ,つまり1万5千円からのようなので,自分で運転しなくても良いことを考えると悪くないサービスかも.「客は運ばない」という注意書きもあるようなので,”宅急便の車運搬サービス”のようなものか(そんなサービス聞いたこと無いけど).荷物も車に積んでおいていい,みたいなことも書かれているようなので,結構便利かも.自転車も2台までOK,とも書かれているあたりは自転車好きのフランスならではかも.

日本でも,トラックの荷室だけ運ぶRORO船というのがあるが,それの自家用車列車版か.このサービス,日本でもできると思うんだけどなぁ.サービスレベルが微妙な寝台列車にする必要もなさそうだしね.

 

青函に200km/h貨物新幹線検討

最近の記事.「青函トンネル貨物列車問題」に対して,コンテナ貨物電車を青函間に運転し,トンネルの前後でコンテナを積み替えるというお話.

情報源: 青函に時速200キロ「貨物新幹線」検討 新幹線は東京へ最速3時間台 | どうしんウェブ/電子版(経済)

たぶん,みんな考えてると思うけど…

そのまま東北新幹線走って 首都圏とか,北陸新幹線使って 大阪とかまで走っちゃえよ.

碓氷峠がきついって? 後押し機関車付ければいいじゃん.

碓氷峠は,重たい200系新幹線でもゆっくりなら登れた実績があるので,後押し機関車ナシでも行けるかも.

まじめにコメントすると,整備新幹線のインフラはP荷重にしか対応してない高架橋もあるから5トンコンテナを積んだ本格的な重量級貨物列車は無理かな.P荷重に適合するような構造,つまり現行の新幹線のボディーに航空コンテナを積み込んで荷重が旅客列車と同等程度に収まるなら,新幹線貨物列車もあり得そう.郵便TGVみたいな奴ね.

#八戸駅北方の高架橋はN荷重にも対応している模様.P荷重だけってどこだったけなぁ.

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#金沢駅は旅客列車想定っぽいなぁ.

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どの程度まで耐えられるかは,構造力学の演習レベルでラフ検討できそうだが,いかんせん20年以上計算したことないので,何とも.

初夢鉄道答え合せ(北海道新幹線編)

続いて北海道新幹線編の答え合わせである.

2014年度終わり頃になって北海道新幹線の開業前倒しが決まり,その当時は2030年頃に開業することになった.その当時は,と書いたのは実はさらに伏兵があったわけである.つまり,オリンピックである.2026年の冬季五輪に札幌が手を上げたわけであるが…

今のところ,札幌オリンピックの話もさらなる北海道新幹線開業前倒しの話も出てきていない.

札幌-東京間は1000km以上もあり,新幹線といえども航空からか客を奪うことが難しく,経済合理性の観点では函館延伸も札幌全線開業両方とも,航空と同程度のサービスレベルを提供するのがやっとで交通サービス水準を向上させたとは言えず,厳しい状況であった.

この辺の厳しい状況は白日の下にさらされつつある.青函トンネルの扱いが他の整備新幹線とは異なって特殊な扱いになっていることが大きな原因になっているんじゃ無いかと思う.

そこで…実際に実行された.

一つ目は速度の向上であった.新幹線電車そのものは350km/h運転できるようにブレーキ系統を中心に改良が行われ,同時に盛岡以北の整備新幹線区間の260km/h運転の縛りを緩めることが検討された.結局,盛岡以南と同レベルの騒音ならば260km/h運転にこだわらないということになり,首都圏を脱したあたりから札幌までの350km/h運転が実現することになった.

この辺の動きも新しい話は無いが,整備新幹線区間における速度向上の話は時折聞くので放棄されていないように思われる.しばらく様子見かな.

もう一箇所,問題があった.青函トンネルである.在来線の貨物列車が走っていたため,新幹線が高速走行しているとすれ違い時に貨物列車が風圧で転倒する危険があったため,新幹線は140km/h運転になっていた…

青函トンネル内の速度向上についても,特に新しい動きは無い.

そこで,もう一本トンネルを掘る案が出てきたが長大海底トンネルは工費が高い.そこで,新型の新幹線電車が走ることを前提に勾配をきつくして,トンネル延長を短くすることになった.30‰勾配が採用されたため,トンネル延長は元の54kmから35km程度へと大幅に短縮された.

新トンネルの話はあるようである.”初夢”とは若干異なり,新トンネルを単線の貨物用として掘削し,旧トンネルを原則として新幹線用にするという構想は聞いたことがある.

元のトンネルについても在来線貨物列車だけ走らせるだけではもったいないという話になり,新幹線用の広軌線路を使用してカートレインも運行されることになった.これに伴い旧トンネルは国道指定されることになり,旧トンネルを道路財源で買い取った形となってそれが新トンネルの建設財源になっている.今や青函旧トンネルは国道5号の一部であり,国道5号の起点は函館から青森に移された.新幹線が通れるトンネルが2本になったことで夜間運転が実現し,新幹線を経由する北海道行き夜行便が復活した.

鉄道行政と道路行政の融合は残念ながら進行していない.航空行政もそうだ.相変わらず縦割りで国土交通省が発足して15年以上になろうかというのに,全く相乗効果は無い.

北海道新幹線は計画としては旭川終点であるが,さすがにフル規格は厳しいという話になり,道内幹線鉄道計画は大幅に見直された.主要路線は新幹線と直通する三線軌でミニ新幹線が函館以北の北海道新幹線と直通し.三線軌でない区間は寒冷地仕様のFGTが直通している.こうして道内幹線鉄道網は一新された.

北海道新幹線の終点駅である札幌駅の構造が地下になりそうであったり,あるいは現役の西側になりそうであったりと,どうやら延伸を考えていない構造のようだ.残念.FGTも雲行きが怪しい.

つづく

初夢鉄道答え合せ(東海道新幹線編)

続いて東海道新幹線編の答え合わせである.

左寄りのマスコミがいろいろ揶揄していたことに反し,開通したリニアは好調である.だがその陰で従来の東海道新幹線をどう活用するのかが課題になっている.

リニアの議論の陰で,今後の東海道新幹線をどう活用するかの議論があってしかるべきなのだが,そういう話はまだ始まっていない.人口減少社会に突入している状況下において保持するインフラの量が倍増する鉄道会社にとっては,旧来のインフラをどのように活用してどのように増収につなげてゆくか,それは鉄道会社の今後の盛衰を左右するほどの生命線のはずである.放っておいても客が増えると思ってるんだろうか?

東京駅で東北新幹線とスルー運転できたおかげで,…同時に北関東にも東海道新幹線の列車が折り返すための設備を設置した駅が新設されている.

残念ながら東海道新幹線の活用策の議論が進まないので,スルー運転の話も無い.

こういった折り返し設備を活用して長距離列車が首都圏スルー運転されるとともに,時速200km/h運転の快速電車が新幹線線路上で運転されるようになった.この高速快速電車は,車両は英国のclass-395のような列車で,….

かつて,全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画が策定される前は,首都圏において主要各方面に高速通勤新線が計画されていた.東海道新幹線の活用策についても通勤輸送の話があるのかもしれないが,そろそろ新駅計画を含めて話が進んでもいい時期じゃ無いかと思う.(…が,何も動かず)

線路容量に余裕のできた東海道新幹線では,物流サービスも始まっている.少子高齢化の進行に伴い,高速道路を走行するトラックの運転手の確保が問題になっている.

トラック(やバス)の運転手不足は深刻化しているようである.

自動運転技術も進行して高速道路上のトラックのカルガモ走行も実用化されてきているが,異常気象時への対応や非自動化車両との干渉などの課題が完全に解消されておらず,隊列走行による運転手の削減は限定的である.

車の自動運転技術は日々向上しているようであり,比較的道路状態が安定している高速道路については結構自動化の実用化は近いかもしれない.

そこで,東海道新幹線のこだま号のように各駅に停車して荷物を積み卸しする列車が設定されるようになり,高速軽量貨物の輸送に活躍することになった.荷下ろしは自動化されており,サービス開始前に懸念されていたほど停車時間は必要ないようである.重量物は依然としてトラックか在来線の貨物列車で運ばれている.

残念ながら新幹線鉄道網を活用した物流サービスについては,全く話が進んでいない.Amazonがドローンで物品配達しようとしているご時世なのに,である.

東海道新幹線は2015年以降285km/h運転が徐々に導入されたが,その後,一部の直線の多い区間を中心に部分的に300km/h運転が導入されている.だが,曲線が多いので数分の時間短縮にとどまっており,画期的な時間短縮にはなっていない.

東海道新幹線の285km/h運転は(あまり大きな話題になっていないが)始まっている.全列車が285km/h運転に移行した後は,もしかしたら本当に部分的に(例えば米原−京都間などで)さらなる高速化が行われるかもしれない.

リニア開業後の東海道新幹線は,当初は京都と横浜の人々が…ふたを開けると京都発着の客は名古屋駅でほとんどリニアに乗り換えてしまっており,横浜の客も品川駅に向かっているので予想よりも旅客が少なく,けっこう空席の目立つ列車が多い.…リニア橋本駅への出やすさが売り文句になっているようだ.商業ビルについても似たような傾向に見える.

まだリニアは開業していないので,この辺の客の流動変化については何とも…

線路容量がずいぶん空いているので,大阪近辺では関空アクセス列車はリニアではなくて東海道山陽新幹線の支線として建設した方が良いという議論になり,北陸新幹線も乗り入れることになった.…

私案レベルでは北陸新幹線を関空新幹線と直通運転すべしなどという話が出てきている.

当初はリニアと東海道新幹線で半々の客を受け持つ予定だったが,結果はリニアは大人気.あれだけネガキャンしていたマスコミの人々も手のひら返しで賞賛している.東海道新幹線は静岡と京都と北陸方面の人のための支線新幹線のようになってしまい,国土の構造が変わってしまった.

北陸新幹線は開業前はいろいろと揶揄されていたが,実際に開業するとテレビ番組は金沢特集だらけ.はてさて,リニアはいかに.

つづく

北海道新幹線3年で150億円の赤字…は回避できるかも

こういう話がある.

 2016年3月に開業する北海道新幹線について北海道旅客鉄道(JR北海道)が試算した当初3カ年の収支見通しが16日、分かった。3年間で合計約150億円の赤字を見込む。老朽化が進んだ長大な海底トンネルを

情報源: 北海道新幹線、当初3年で150億円の赤字 JR北海道が試算:日本経済新聞

この原因は,青函トンネルがJR北海道の持ち物だからである.

通常,整備新幹線のインフラ部分は国の持ち物で,「受益の範囲内」でリース料を払う.なので,少なくとも赤字にはならない.

また,お荷物になる在来線については,「並行在来線」として経営から切り離すことが出来る.

ところが,青函トンネルはその歴史的な経緯から,新幹線開業にあわせた経営分離の対象区間でもなければ,新幹線を走らせるインフラが国有資産というわけでも無い(JR北海道自体が株主が国だというツッコミはおいといて).

本来なら,新幹線を走行させるにあたって,国が青函トンネルの資産一式をJR北海道から買い取り,「受益の範囲内」でリース料を払う方式をあらためて導入すれば良かったのだろうが,そういう議論は無かったようである.

今からでもいいので,そういう方式を検討してもいいのではないかと思う.

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開削工法のトンネルを外側から見ると…

かなりマニアックなお話.

地下鉄を掘るとき,深いところなら山のトンネルと同じような丸いトンネルになるが,地表から浅いトンネルの場合は,四角い箱形のトンネルになる.

なぜそうなるかというと,地上から電車が走れるだけの大きな溝を掘り,コンクリートで溝の底と側壁を作ったらフタをして表面を舗装して道路にしてしまって終わり,という工法になる.そんなわけで,四角い形になる.

この写真は,地下鉄ではなくて地下高速道路の建設現場だが,同じ方法なので,写真の上の方の地上は道路である.そして,その下で大きな溝が掘られている.

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さて,もしもその四角いトンネルを外側から見ると…四角いコンクリートの塊.実は,別の地下通路が露出したものがこの写真.

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下側に潜ると…つまり,開削工法で高速道路を作ろうとしたら,そこには別の開削工法で作った地下鉄状の線路があったので,仮支えしながらその下を掘っているところ,という状態である.

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この「地下鉄状の線路」は正確には地下鉄ではなくて,地下を走る工場間の物資運搬トロッコ線とのこと.大きな工場にはそんな秘密の貨物線があるということも驚きである.時々,ゴロゴロという何かが走っている音がする.

チキチキチキ

石油類を運ぶ貨車がある一方で,長〜〜〜〜〜〜〜〜いレールを運ぶ貨車もある.特に最近は溶接したロングレールが敷設されている区間が多くなっているので,ある程度の長さにあらかじめ溶接したレールや,そもそも工場出荷時で既に150M級の長さになっているレールを運ぶことも多い.

機関車の後ろにレール運搬用の貨車が連なり…

DSCN0729まだまだ続く…
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長い…DSCN0732

がっちり固定してしまうと貨車が走りにくくなるので,ある程度レールが左右に移動できるようになっているようである.

DSCN0734でも,レール自体も緩やかにしなって,貨車がカーブ通過時には積み荷のレールもカーブするわけだな.